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No.41032の一覧
[0] 【習作】SAOで救済[紙カタ](2015/07/19 06:57)
[1] 第一話[紙カタ](2015/03/04 18:27)
[2] 第二話[紙カタ](2015/03/04 09:55)
[3] 第三話[紙カタ](2015/03/04 10:06)
[4] 第四話[紙カタ](2015/03/04 10:19)
[5] 第五話[紙カタ](2015/03/07 08:06)
[6] 第六話[紙カタ](2015/03/12 18:02)
[7] 第七話[紙カタ](2015/03/18 00:08)
[8] 第八話[紙カタ](2015/03/22 09:40)
[9] 第九話 異世界救済に乗り出すそうです[紙カタ](2015/04/03 08:58)
[10] 第十話 マブラヴ編終了[紙カタ](2015/05/05 19:38)
[11] 第11話 帰還そしてリゾート[紙カタ](2015/06/10 07:43)
[12] 第12話 フルメタ編[紙カタ](2015/07/16 03:25)
[13] 第13話 自慢[紙カタ](2015/07/18 00:36)
[14] 第14話 ブラックブレット編[紙カタ](2015/07/20 06:04)
[15] 第11話改訂 帰還そしてリゾート[紙カタ](2016/04/06 05:14)
[16] 第12話改訂 フルメタ編[紙カタ](2016/04/06 04:53)
[17] 第13話改訂 自慢[紙カタ](2016/04/06 05:04)
[18] 第14話改訂 ブラックブレット編[紙カタ](2016/04/06 05:07)
[19] 第15話 ゲート編その1[紙カタ](2016/04/06 05:10)
[20] 第16話 ゲート編その2[紙カタ](2016/04/06 05:12)
[21] 第17話 ゲート編その3[紙カタ](2016/07/25 10:12)
[22] 第18話 複製人間[紙カタ](2016/08/28 07:39)
[23] 第19話 婚約[紙カタ](2017/07/03 12:17)
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[41032] 第14話 ブラックブレット編
Name: 紙カタ◆30a00978 ID:dce1c4d9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/07/20 06:04
「痛いよ、やめてよ……」

消え入りそうな少女の声が廃墟に木霊する。

「おら!もっと逃げろよ!面白くねえ!まだ手しか撃ってねぇだろ!」

それを塗り潰すかのように男の怒鳴り散らす声が、次いでパンパンという乾いた大きな音が2回響いた。

自分達が取り囲む少女が這いずるしかしないのに、痺れを切らした男が少女の腕と胴体に銃弾を撃ち込んだのだ。

「いぃぃ!」

「赤目の化け物が!さっさと逃げろよ!」

金属バットを持った別の男が、銃弾を受けた少女の腕を踏みにじる。

「あ゙ぁぁぁぁぁ!!!」

小さな少女の物とは思えない大きな悲鳴が響きわたる。

其処にヴンヴンヴンという複数の音と共に少女たちが舞い降りた。

「此方は銀河系連合である!神妙にしろ!」

少女と男たちの周りを取り囲むように現れたのは3機の戦闘機だった。

彼女たちは男たちが反応する間も与えず、ネットランチャーを向けると男たちに向けて発射した。

時間停滞フィールド発生装置だ。

網は絡まった男たちの時間を極限まで遅くする。

「大丈夫?もう大丈夫だから、あぁ非道い……」

倒れ伏す少女に駆け寄り傷を確認するとその酷さに顔をしかめる。

少女には多数の殴打痕と複数の銃創が確認できた。

「直ぐメドシップへ転送!」

ヴヴン

少女と1機の戦闘機が転送で撤収する。

暫くするとサイレン音が聞こえて来た。

監察庁から通報を受けて警察が出動したのだ。

彼らにこの男達を引き渡さないと行けない。

部外者たる自分達はこうするしかない。

残された2機、渡辺綱美(わたなべ つなみ)とアタランテ・ライオネルはお互いに見合うとポツポツと話始める。

「あの子、大丈夫かなぁ。悔しいなぁ」

「ね。此奴等このまま宇宙に放り出しちゃえれば良いのに」

このまま警察に引き渡しても、このエリアではろくに人権も無い呪われた子供達対する事件だ。

立件もされず釈放されるだけだろう。

でも、こうするしかないのだ。

此処は銀河系連合加盟国では無いから。

銀河系連合は加盟国に人権の保証を強く求める。

呪われた子供達に対する対応でもそうだ。

銀連に加盟すれば、無限のエネルギー、無限の労働力、無限の資源と既存技術では考えられない超技術の数々が手には入る。

それこそガストレアを圧倒する戦力もだ。

だが、世論を形成する層である奪われた世代の呪われた子供達に対する憎悪は未だ強く、加盟国は頭打ち状態だった。





「未だに加盟はしませんか?斉武大統領」

「時期尚早ですな、世論が許さないのですよ」

「銀連は既にスコーピオン、リブラ、サジタリアスなどのあなた方の脅威となり得るゾディアックガストレアを撃破してるのですよ。何が不足なのですか?」

「其処なのです。聖天子殿、銀連加盟は危なすぎる」

斉武は持論を展開する。

銀連加盟国には、教育、医療、政治、経済、司法、そして軍事の全てで機族が深く入り込んでいる事を。

その機族を信頼し、大きく任せるからこそ銀連加盟国の国民はその繁栄を謳歌しているのだ。

しかし、それは既存の国家体制を破壊する行為でもあった。

要は、斉武は自らが築き上げた政治体制(王国)が銀連加盟によって崩されるのが我慢ならないのだ。

東京エリアは聖天子が強権的に銀連加盟を決めた。

銀連の支援により、既に関東の平野部と千葉・神奈川に存在したガストレアを掃討し終え。

その領域は日本海側まで達し、北は新潟県や福島県、南は長野県や愛知県に及ぼうとしている。

「そうですか、残念です」
「此方も驚きましたよ。聖天子殿を使いにするほど銀連は人使いが荒いとは思いませんでした」

斉武は愉快そうに言い放つ。

聖天子自ら銀連加盟を進めに来るとは思っても見なかったらしい。

「いいえ、これは私の意志です。でも実に残念です。捕縛しなさい」

一瞬、斉武は聖天子が何を言ってるのか分からなかった。

この場は、国家元首同士の正式な会談だ。

それも大阪エリアの中心部。

聖天子の護衛について来た機族は一階に留めてある。

脅威となりうる戦力は存在しない筈なのだ。

其処で騙し討ちされるとは露ほども思わなかった。

斉武は知らなかった。

銀連が転送やアクティブステルスのような技術を持ってる事を。

東京エリアでは、一般市民でも知ってる事でも、他のエリアでは機族による完全な情報操作で隠蔽されていたのだ。

「動くな」

10機の戦闘機が会談場に突如現れ、斉武の護衛を無力化すると同時に斉武を捕縛した。

「私をどうする積もりだ!?」

「引退して頂きます。そして大阪エリアは東京エリアに吸収されます」

「ふざけるな!」

斉武は力ずくで振りほどこうともがくが、機族の拘束はビクともしない。

「糞、小娘が!この儘で済むと思うなよ!」

「連れて行きなさい」

「はっ」

聖天子が指示すると2機の戦闘機に拘束されていた斉武は転送で何処かへと連れて行かれた。

「わたくしも、この儘で済むと思ってませんとも」

理由はどうあれ、自分はエリア間戦争の引き金を引いたのだ。

権力を失う事になるかも知れない。

だが、日本を一つにするには、呪われた子供達を救うには、こうするしかないのだ。

自分の師を排除した時のように、聖天子はそれを強く思い直した。





僕は銀連第七艦隊のメドシップ(病院船)に、高精度多次元エネルギーセンサーの設置作業に来ていた。

多次元センサーは、文字通り多次元に渡るエネルギーと情報密度のポテンシャルを測定する機材だ。

この間、明日奈達と一緒に遊んだガストレアウイルスチルドレンに思う所があり急遽開発してみた。

しかし、未だ試験段階だから、このガストレアウイルスの研究拠点となっている此処に自ら設置しに来たのだ。

「日本は東京エリアに統一されましたか……」

「はい、既に仙台、博多エリアは東京エリアに完全に統合されました。現在は最後に統合された札幌エリアの安定化に注力してる所です」

最後の安定化と補正作業をしながら、機族参謀の三波さんからこの世界についての報告を聞く。

「流鏑馬プロジェクトの進捗状況は?」

「現在、92%です。ガストレア識別システムは完成。衛星本体の生産は第一基幹世界で行います」

流鏑馬プロジェクトとは、3万機のギガワット級レーザー攻撃衛星により地表のガストレアをピンポイントで焼却

地球上から陸棲ガストレアを一掃する計画だ。

「これで掃討計画も捗りますね」

三波さんが嬉しそうに言う。

「陸棲ガストレアは、ね。水棲ガストレアは残るし、結局はガストレアウイルスその物の殲滅をしないと」

「ですねぇ、はあ」

疲れたように言う三波さん。

ガストレア殲滅は、対BETA戦時と比べて芳しく無い。

自然の動物その物が敵だからだ。

土地毎焼却してしまえば簡単なのだが、国土の大部分を更地にしてしまう訳にも行かない。

だから、数が多いガストレアを誘引物質で誘導し、殲滅してる。

しかし、それにしても数が多いのだ。

「その殲滅だが、私のアイデアが正しければ目処が立ちそうだよ」

開けっ放しに成ってた部屋の入り口に30位の綺麗な女性が立っていた。

しかし、顔色が悪い人だなぁ。

「あなたは確か室戸博士?どうしてこんな何もない区画に」

三波さんが不思議そうに尋ねる。

「ん、ちょっとね。彼は結城博士だろ?君にちょっと聞いて欲しいアイデアが有るんだ」

室戸博士の話とは、自分の理論の事だった。

何でもガストレアウイルスは、多次元からエネルギーを得てるのではないかと言う話で。

ガストレアの不死性とバラニウム対する反応は其処から来てるのでは無いか。

それを測定するために複数の星船の重力センサーを同調させたいから、力を貸して欲しいとの事だった。

「ふむ、その事は自分も考えてました。だから作って見ました」

そう考えたからこれを作ったのだ。

「……もしかしてこれが?」

部屋の中央にある開放型CTのような機械を指差して言う。

「高精度多次元エネルギーセンサーです。存分に使ってやって下さい」

「君は凄いな……」

室戸博士は呆れたように言う。

「むろとせんせーみーっけ!つぎはせんせーだよ!あ、みなみちゃんだ!こんにちはー」

「はい、こんちには」

6歳位の子が入り口からひょこっと顔を覗かせると、室戸博士を見て笑顔をみせる。

そして、見つけたと言い始め博士の白衣をぐいぐい引っ張って行く。

それに引き摺られながらも言葉を紡ぐ。

「例を言うよ。これで私の理論が実証できる」

「頑張って下さい。これ僕の名刺です。何かあったら連絡下さい」

名刺を渡すと博士は連れて行かれた。

「さて、調整終わらせるか」

さっさと帰らないと、今日は宿題が多いのだ。


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