ファルコム 英雄伝説 軌跡シリーズSS
『星の軌跡』
本作品の舞台は、原作ではいまだ全容を見せていない『カルバード共和国』。
時代は『空』と時を同じくする七耀歴1202年、春。
多くの異国よりの移民の受け入れ、能力のある者を登用した結果、歴史は浅いながらもエレボニア帝国に匹敵する技術力を手に入れ、それと引き換えに様々な強き思想も入り混じってしまったことで『テロ』という治安悪化の原因まで引き入れてしまった混沌なる国家――――それがカルバード共和国。
首都から遠く離れた片田舎の村に育った主人公『ラーフ・ケイトゥ』は、ごくありふれた普通の憧れから遊撃士を目指して日々訓練に励む。
幼馴染にして近隣の都市ジーノスの市長の孫『ムツキ・レイローン』とともに、街の人々に触れながら遊撃士になるための試験を受け、紆余曲折ありながらも無事に準遊撃士となる。
彼らが遊撃士となってしばらく経ったある日、ムツキとコンビを組んで依頼を終えたラーフは行き倒れていた一人の少女を見付ける。
『ナルハ』と名乗ったその少女は、名前以外何も覚えていない記憶喪失の状態だった。
自分たちの所属する遊撃士協会の先輩たちに協力して貰いながらナルハの手掛かりを探すがあまり成果は出ず、謎は深まるばかり。
記憶のないナルハ本人があまり急いていないこともあり、記憶探しはゆっくりまったりムードになっていった。
しかし、平穏な日々は一瞬にして終わる。
ニュースの中だけの出来事だと思っていた、田舎に住む自分たちには全く関係ないと考えてた……そんな『非日常』が彼らの街を襲う。
ラーフたちは必至に抵抗し、ナルハの力も借りて死者はゼロに抑えた――――が、テロは酷い爪痕を彼らの故郷に残した。
――少年は決意する。
この国に根を張る強大なテロ組織と事を構えるということを。
だが、彼はまだまだ未熟な“準”遊撃士。テロ組織を追うような危険な任務につけることは遊撃士協会が認めるはずもない。
まずは一歩一歩を確実に。目指すは『正遊撃士』。
カルバード共和国内の主要都市を周って経験を積み、各支部の承認を貰いつつ、テロ組織についても調査して、更にナルハの記憶も探す。
まさに一石三鳥。
旅の途中での新たな仲間との出会い――――
ロックスミス大統領の孫娘『メリーシア・F・ロックスミス』
ヴェルヌ社の下っ端作業員『エルク・トローニ』
八葉一刀流、泰斗流に敵意を燃やす武術家『ジャック・イーチェン』
主君を探して幾星霜、ドジッ娘くノ一『カスミ・クロスパート』
今再び、ゼムリアの大地を覆う夜空に流星が軌跡を描く……
※注釈
この物語はファルコム英雄伝説 軌跡シリーズの二次創作作品です。
既存の軌跡シリーズの設定を元にしていますが、そのほとんどを作者オリジナルで構成しております。
カルバード共和国の都市の名前や地名、組織、人物などはほぼオリジナルと思ってくださって問題ありません。