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No.38503の一覧
[0] 決めろ! 次元を超えたブレイヴアタック!(バトルスピリッツシリーズ)【一発ネタ】[カードは慎重に選ぶ男](2013/09/24 21:20)
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[38503] 決めろ! 次元を超えたブレイヴアタック!(バトルスピリッツシリーズ)【一発ネタ】
Name: カードは慎重に選ぶ男◆e9b07b89 ID:ab888f41
Date: 2013/09/24 21:20
「行けっ! 英雄龍ロード・ドラゴン!」
「ブロックだ! 龍皇ジークフリード!」

事の始まりは、キマリの奴の気紛れの一言だったんだ。たぶん。
何故か、世界征服の足掛かりとして、強豪だって評判のトアル中学校バトスピ部に殴り込みをかけるって意気込み始めたんだよ。
一人で行けって思わないでも無かったけど、俺もトアル中学校のバトスピ部の実力に興味が無いと言えば嘘だった。
それに、キマリがあんまり無関係な人に迷惑をかけるなら、俺がある程度歯止めをかけてやらないと……。

そんなこんなで、俺がトアル中学校のバトスピ部に道場破り紛いの殴り込みをかけた訳だ。
……でもさ。

「……見つけたぞォ。輝石の持ち主よ。その力を満たした器、始まりの赤き龍をいただくぞッ!!」

まさか誰も……少なくとも俺は、予測してなかった。
……突然、バトルフィールドの空間の一部が裂けて、変なのが乱入してくるなんてさ。
6色に輝く不気味なローブを纏ってフードで身を隠した不審者が、バトルに乱入して来たんだ。
あの不審者、空を飛んでるような気がするんだけど……バトルフィールドにそんな機能あったっけ?

と思ってたら、不審者が俺の対戦相手へと見る間に近付いて……1枚のカードを強奪して再び空間の裂け目へと消えていった。

「俺のジークフリードっ!?」

って、俺の対戦相手だった奴が……迷わず空間の裂け目に飛び込もうとしてる!?
その穴って侵入できるのか?
フィールド演出の一環じゃないの?
俺も見たこと無いケースだけど。

「いや、待てよ! その穴って入って大丈夫なのか!?」
「俺の正面突破に不可能は無いぜ!」

会話のキャッチボールが成り立ってないぞ!?
赤デッキ使いなのに会話のインビジブルクローク常備ってどういうことなんだ。
突っ込みも待たずに空間の裂け目に消えて行っちゃったよ!?
っていうか、対戦相手が居なくなっても、俺ってフィールドから出られないのか。

どうすんだろ。
俺がフィールドから出られないなら、対戦相手のバシンって奴を追いかけるしかなさそうだ。
フィールドの不具合なのかもしれないけど、今の判断材料じゃ分からない。
とりあえず、俺か対戦相手のライフが0になれば、正常にフィールドから出られる……と思いたい。

なので、少し迷ってから俺は……一思いに、空間の裂け目に飛び込んだ。



『バトルスピリッツ ―― 決めろ! 次元を超えたブレイヴアタック! ――』



「ハッハッハッ! これで全次元世界で最強最悪のカードバトラーが復活する! この世界は今日で終わりだァッ!!」

……不気味な裂け目を抜けて聞いた第一声がそれだった。
変な祭壇にジークフリードのカードをセットした6色オーブの不審者が高笑いしてた。
結局何なんだよ、お前。
無駄に祭壇の周りが光ったり暴風が発生したりしてるのは、バトルフィールド演出なのか?
っていうか、通常空間っぽく見えるんだけど、やけにリアルだな。

そして、今気づいたけど空間の裂け目が繋がっていた出口は、どこかの室内だったみたいだ。
なんか暴風と衝撃で建物にピシピシ罅が入ってる気がするんだけど、もしかしてこの場所って、バトルフィールドじゃないのか……?

「ヤバいぞ、ハジメ! 天井が落ちてくるぞ!」
「お前の正面突破で何とかしてくれ!」
「俺の正面に上は含まないんだよ!」

何だその理屈!?
っていうか、上以外の右とか左とかは正面に含むのかよ!?
残念だけど、俺達は至って普通の中学生な訳で。
崩壊する建造物の前では俺達の存在なんて、【重装甲:黄】を敵に回した時の【強化】天霊デッキほどの意味も持たない。

「二人とも伏せろ!」

……もう、何を突っ込めば良いのか分からない。
俺達と同年代位の赤毛の奴が乱入して来て、刃渡り30センチぐらいの剣を掲げたと思ったら、そいつを中心に半球状のバリアみたいなのが出てきて、落ちてきた瓦礫を防いだ。
お前誰なんだよとか、今のバリアは何なんだよとか、突っ込みどころが満載過ぎる。
アレか、ラゴシア伯爵の親戚か何かなのか。

「すっげーな、それ! どうやったんだよ! あとアンタ誰?」

トッパ! お前の順応性の方が凄いよ!
俺はまだ頭がついていかないんだけど!

「俺の兄さんがこういうの、得意でさ。俺も最近ちょっと習ってるんだ。あと、名前はツルギ・タテワキだ」

微妙に会話がかみ合ってないな。
強襲粉砕デッキにカトレアをピン刺しするぐらいかみ合ってない。
トッパが言ったのは、そのヘンテコなバリアは何かっていう質問だろ。どう考えても。

「それで、あの6色マントマンは?」
「ストークに眠ってた亡霊で、バトスピの力を使って『イカイオウ』っていう悪魔を召喚して、この世界を死で包もうとしてるらしい」

ストークとかイカイオウとかって、一体何のことだ。
そいつがトッパのジークフリードを奪ったことと何か関係があるのか。

「よく来たなァ、第二王子サマよォ! だが手遅れだ! 最凶最悪のカードバトラーは既に召喚されたッ!!」

いつの間にか、祭壇に赤いルビーみたいな宝石が……っていうか赤属性のシンボルが浮かんでた。
全長は2メートルぐらい。
悪魔を召喚するってことは……まさか?

眩い輝きを放って、シンボルが砕け散った。
まるで、バトルフィールドでスピリットを召喚する時の光景そのものだ。
瞬く間に、光の中から一人の男が姿を見せた。

一目見た印象は、「赤」だった。
燃えるような赤い髪に赤いジャケット、瞳の色まで赤に染まっていた。
でも、炎のような色とは裏腹に、鋭すぎる眼光に背筋が寒くなった。
多分年齢的には俺達と4つか5つぐらいしか違わないはずなのに、明らかに身に纏う雰囲気は別格だった。

「……違う! お前は異界王では無い! 何故、よりにもよって激突王ダンが呼び出されたのだ……!」
「……懐かしい呼び名だな。冥界で一番強いカードバトラーが呼び出されて、それが俺だった。そういうことだ」

え?
あの怖そうな奴、イカイオウじゃないの?
っていうか、マジで死者蘇生とかそういうオカルト話なのか?
なんか、俺の知ってるバトスピと違う……。
うまく言えないけど、焔竜魔人マ・グーと焔竜魔皇マ・グーぐらい違う。

「まだだ! 貴様ら4人の命を転召させ、改めてイカイオウを召喚すれば良いのだァッ!!」

ええええっ!!?
人間を転召させるとか、何言ってんのこの人!?
マジで命の危機なのか!?

「……ただでやられると思っているのか?」

ダンさん。
殺されそうになってるこの状況で、なんでアンタは懐からバトスピのデッキを取り出したんだ。

「やるべし! ソードブレイヴッ!」

そうだ、ツルギ!
剣を使ってあのオカシイ奴を追い払ってくれ……ってオイ!
何で剣がバトスピのカードに変化したんだよ!
その現象については百歩譲って良しとしても、普通に武器として使える剣をどうしてバトスピのカードに変えたんだ!?

「バトスピ勝負だな! 分かりやすくて助かるぜ!」

トッパぁ!?
お前は、頭こそLv2が最高の殻人みたいなモンだけど、それでもツルギやダンさんに比べたら常識的な奴だと思ってたのに!

「クックック! 4対1なら勝てるとでも? このダーク・ロロ様が貴様等の命(ライフ)をまとめてボイドに送ってやろうッ!!」

えええええっ!?
バトスピ勝負受けるのかよ、お前!?
っていうか、4対1ってどういうことだよ!
ルールは置いといても、なんで俺まで命を賭けてバトスピすることになってるんだ!?



「「「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」」」



ああ!
もう訳分かんねえ!
ヤケクソでアゲてくしかねえ!!

本当にフィールドに来ちゃったぞ……。
っていうか、足場狭っ!
3人も居たら狭いだろ!

……あれ? 3人?
トッパとダンさんの姿は見えるな。
ツルギはどこに行った?
まさか、フィールドの下に落ちたか?

と思って辺りを見回したら、サーフボードみたいな一人乗りの足場に乗ってツルギが宙に浮かんでた。

「あーっ! ツルギ一人だけズルいぞ! 俺もそっちが良い!」
「悪い。このコアトルーパー、一人用なんだ」

こっちの足場だって一人用だよ!
っていうか、二人用のサーフボードあるのかよ!?
あと、トッパはちょっと黙っててくれないか。


――第一ターン
「先攻は私が貰うッ! ドローステップッ!!」

……勝手に、始めてるし!?
ルールの確認とか、状況の説明とか、色々することがあるだろ!?
具体的にはライフの数とかターンの巡りとか!

――解説しよう!
――ライフの数はタッグバトル準拠で8個だが、色被り禁止ルールは適用されないので安心して混色デッキを使うことが出来る!
――また、ターンは『ロロ→トッパ→ロロ→ダン→ロロ→ハジメ→ロロ→ツルギ』の順となるぞ!

「サンキュー、ナレーターっ!」
「……なぁ、トッパ、ダンさん。ハジメは一体誰と話してるんだ……?」
「さぁ。なんか頭がヘンな奴だなーとは思ってたけど」
「……3人とも、集中しろ」

変とか、お前らが言うなよ!?
命懸けのバトスピ勝負で平然としてるお前らの方がよっぽどどうかしてるっての!

「メインステップ! ビートビートルを召喚! さらに、マジック:ハンドリバースを使用する! 不足コアはビートビートルから使用!」

ダーク・ロロ
リザーブ:4→0

『ビートビートル/Beatbeetle』 スピリット 0(0)/緑/殻虫
<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000
シンボル:緑

『ハンドリバース/Hand Reverse』 マジック 5(2)/緑
メイン:
自分の手札すべてを破棄する。
その後、自分はデッキから相手の手札と同じ枚数ドローする。
フラッシュ:
このターンの間、スピリット1体をBP+3000する。


……んん?
これって4対1のバトルだよな?
『相手の手札と同じ枚数』って、一体何枚ドローするんだ??

「貴様等の手札は合計16枚! よって私は手札を全て捨て、16枚ドローするッ! ターンエンドだ!」

アマテラスより酷いインチキ効果だ……。

――第2ターン
「俺のターン! ゴラドン1体とアイバーン2体をLv1で召喚! 全員で攻撃するぜ!」

『ゴラドン/Goradon』 スピリット 0(0)/赤/爬獣
<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000
シンボル:赤

『アイバーン/Eyeburn』 スピリット 2(1)/赤/翼竜
<1>Lv1 2000 <4>Lv2 6000
シンボル:赤


……トッパ。
一応、ステップの宣言はしよう。
あと、攻撃は一体ずつな。
命懸けの戦いでマナーがどうとかいうのもなんだけど。

「全てライフで受けるッ!」

ダーク・ロロ
ライフ8→5


――第3ターン

「メインステップ! ネクサス:トパーズの流星を配置!」

『トパーズの流星/The Topaz Meteor』 ネクサス 3(3)/黄
<0>Lv1 <5>Lv2
Lv1・Lv2
自分の手札にあるネクサスカードすべてに、軽減シンボル[黄,黄]を与える。
Lv2
自分のネクサスすべてをLv2として扱うことができる。
シンボル:黄


今度は黄色のネクサスか。
2色以上のネクサスコントロール系デッキによく積まれてるネクサスだな。
さっきは緑マジックを使ってたし、緑黄混色デッキか?
まさか、緑芽吹く原野を利用した【光芒】無限アタック速攻デッキとか?
あと、トパーズの流星の特徴としてはLv2の維持のためのコアが5個も必要なことぐらいで……

「さらに! マジック:フルアッドを3枚使用! ボイドからコア15個を得るッ!!」

『フルアッド/Full Add』 マジック 5(3)/緑
メイン:
自分のネクサス1つを指定する。
指定したネクサスがLv2になるように、ボイドからコアを必要なだけ、指定したネクサス上に置く。
フラッシュ:
このターンの間、スピリット1体をBP+2000する。


一応一枚ずつ使用を宣言しろよ!
っていうか、3ターン目でコア23個ってどういうことなんだよ!
そんな状況初めて見たぞ!?

「チャウーをLv1で召喚! 最後にネクサス:浸食されゆく尖塔を配置! ターンエンド!」

『チャウー/Chauw』 スピリット 2(1)/黄/漂精
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000
Lv1・Lv2
このスピリット上に、スピリット/ネクサス/マジックの効果によってコアが置かれるとき、その数を+1個する。
Lv2
お互いのスピリット上に置かれたコアが、スピリット/ネクサス/マジックの効果によってリザーブに置かれるとき、そのスピリットからリザーブに置かれるコアの数を+1個する。
シンボル:黄

『侵食されゆく尖塔/The Invaded Castle』 ネクサス 5(3)/白
<0>Lv1 <3>Lv2
Lv1・Lv2『相手のスタートステップ』
自分のトラッシュにあるコアすべてを、自分のリザーブに置く。
Lv2『自分のスタートステップ』
相手のスピリット1体を手札に戻す。
シンボル:白


――第4ターン

チャウーとか……まだコアブーストする気なのかよ?
まだこっちのライフは8個あるけど、俺のターンが来る前に終わるんじゃないか?
あと気になるのが、こっちのフィールドがガラ空きだったのにチャウーで攻撃しなかったことだな。
尖塔のおかげで返しのターンのコアには困らないだろうし、あれだけ手札があるなら防御札も一枚ぐらいありそうなもんなのに。

「……スタートステップだ。お前のコアをリザーブに戻せ」
「言われずとも」

……このダンさんって人、なんか怖いんだけど。

「……メインステップ。ネクサス:光り輝く大銀河を配置。さらに、マジック:スターリードローを使用」


『光り輝く大銀河/The Shining Galaxy』 ネクサス 4(2)/赤
<0>Lv1 <2>Lv2
Lv1・Lv2『自分のメインステップ』
自分の手札にある系統:「光導」を持つスピリットカードすべてをコスト5にする。
Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』
自分の手札にある系統:「神星」/「光導」を持つスピリットカード1枚を破棄することで、
このバトルの間、自分のスピリット1体をBP+6000し、赤のシンボル1つを追加する。
この効果はターンに1回しか使えない。
シンボル:赤

『スターリードロー/Starry Draw』 マジック 4(3)/赤
メイン:
自分のデッキを上から3枚オープンする。
その中の系統:「光導」/「星魂」/「星竜」を持つスピリットカード/ブレイヴカードすべてを手札に加える。
残ったカードは破棄する。
フラッシュ:
このターンの間、スピリット1体をBP+2000する。


ガチガチの光導デッキか。
ライフの初期数が多いこのバトルだと、有利かもな。
ドラゴニック・タウラスとかで3つとか4つとかずつライフを削っていかないと、すぐに負けそうだし。
……敵には既に23個もコアがあるんだから、長期戦はマズそうだ。

で、スターリードローでオープンした三枚は……

『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』
『金牛龍神ドラゴニック・タウラス』
『刃狼ベオ・ウルフ』

えっ?
……えっ?

ちょっと待てよ。
フルアッドの時にも少しだけ思ったけど、お前たちデッキ積み込んでる訳じゃないよな……?
いや、積み込んでると仮定したら、逆にダンさんのデッキは事故ってる気もするけどさ。

「……3枚を手札に加える。アタックステップ。アイバーンでアタック」
「チャウー、ブロックだ」

……んん?
なんでブロックしたんだ?
てっきり、チャウーはコアブーストのために居るのかと思ったんだけど、違うのか?

アイバーンが羽で風を送ってるけど、あんまり強そうに見えないなぁ。
なんていうか、動き方が足りない……。
あ、チャウーに突破された。
アイバーンに体当たりしたチャウーが、小さな爆発を起こして消えていった。
BP2000同士だから相打ちだな。
チャウーは別にコアブスート要員じゃなかった……ってことか?
あと、何気なく味方のスピリットに攻撃させることは可能なんだな。
普通のタッグバトルだと無理な気がするけど、相手が場の全員で攻撃できるのにこっちは無理だと、相手が有利過ぎるからなんだろう。

「チャウーの破壊により! トラッシュのダーク・スカルピオーネの【不死】を発動! Lv3で召喚する! 甦れ、ダーク・スカルピオーネ!」

『ダーク・スカルピオーネ』 スピリット(闇) 6(4)/紫/無魔・妖蛇
<1>Lv1 3000 <3>Lv2 5000 <4>Lv3 7000
【不死:コスト2/3】『お互いのアタックステップ』
トラッシュにあるこのスピリットカードは、コスト2/3の自分のスピリットが破壊されたとき召喚できる。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
相手のスピリットにブロックされたとき、相手は、相手の手札1枚を破棄する。
【連鎖:条件《黄シンボル》】
(自分の黄シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)
[黄]:このターンの間、相手のスピリット1体をBP-2000する。
シンボル:紫


……ん?
そんなの、いつトラッシュに送ったんだよ?
と思ったけど、初めのターンにハンドリバース使ってたっけ。
これで、ダーク・ロロは、緑黄白紫の4色カードを使ったんだな。
まさか……夢の6色デッキか?
そんなデッキが回るもんなのか?

「……ターンエンドだ」

……ダンさんの表情が今まで以上に険しくなったような気がした。


――第5ターン

「クックック!……どうやら、貴様等の命運はここで尽きたようだ!」

そりゃぁ、コアが24個もあれば、やりたい放題だろうよ!
ウスバシードラと適当な回復マジックがあれば、ライフ8個なんて簡単に消し飛ぶだろ! いい加減にしろ!

「愚かな生に等しき終末を導け! 天秤造神リブラ・ゴレム、召喚! さらに、獅機龍神ストライクヴルム・レオを召喚! 共に最高レベルだ!」
「……この世界にも、12宮Xレアがあるのか」

『獅機龍神ストライクヴルム・レオ/The MachineLionDeity Strikewurm-Leo』 スピリット 8(4)/白/光導・神星
<1>Lv1 6000 <2>Lv2 9000 <4>Lv3 12000
Lv1・Lv2・Lv3【重装甲:紫/緑/白/黄】
このスピリットは、相手の紫/緑/白/黄のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリット以外の系統:「光導」/「星魂」を持つ自分のスピリットが疲労したとき、このスピリットは回復する。
【合体時】Lv3
系統:「光導」/「星魂」を持つ自分のスピリットすべてに白のシンボル1つを追加する。
シンボル:白

『天秤造神リブラ・ゴレム/The BalanceDeity Libra-Golem』 スピリット 8(4)/青/光導・造兵
<1>Lv1 6000 <2>Lv2 8000 <4>Lv3 12000
Lv1・Lv2・Lv3【粉砕】『このスピリットのアタック時』
相手のデッキを上から、このスピリットのLvと同じ枚数破棄する。
Lv3『このスピリットのアタック時』
このスピリットが回復状態の間、相手のライフは減らない。
このスピリットの【粉砕】の効果で相手のトラッシュにスピリットカードが1枚以上置かれたとき、このスピリットは回復する。
シンボル:青


ええええっ!!?
俺の予想と違った意味でやりたい放題だ!?
やっぱり5色目も入ってるし!
そして、さり気なく不足コストを確保されてLv1になったダーク・スカルピオーネ……。

「アタックステップ! ストライクヴルム・レオ! アタックだァ!」
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
「「「「ライフで受ける!」」」」

こっちの場にいるのはアイバーンとゴラドンだけだし、レオを止めるのは無理だ。
防御マジックを使うにしても、今はコアを増やした方が良い。

さすが12宮Xレア。
本当に殺されるんじゃないかっていう爪や牙だ。
なんか、いつものバトルフィールドよりもダメージが大きい気がする。
そして、全員が即座にライフで受ける選択をしたってことは、カードバトラーとしてのレベルは全員そんなに違わないのかもしれない。

「それにしても、みんな即答だったな?」
「……俺は撃たせてコアを貯めるタイプだ」
「マジックを使おうかと思ったけど、他の人のスピリットから不足コストを確保するのは、なんだか……」
「俺は何も考えてなかったぜ!」

なるほど。
ダンさんはドM系の人なのか。
ツルギは、意外と視野が広いタイプの人間なのかもしれん。
トッパは……よくわからない。

「続けてリブラ・ゴレムでアタック! この瞬間、ストライクヴルム・レオの効果を発動! このスピリット以外の系統:「光導」「星魂」を持つ自分のスピリットが疲労したとき、このスピリットは回復する! さらに、リブラ・ゴレムの【粉砕】の効果により相手のデッキから3枚を破棄する!」

……まさか、俺達全員のデッキから3枚ずつ破棄とか言い出さないだろうな?
さすがに一回の攻撃で12枚も破棄されたら、ほぼ100%の確率でリブラが自己回復するだろ!?

「第二王子は防御マジックを多く積んでいる。激突王のデッキはブレイヴが多い。ならば狙うべきは……ハチマキ頭! お前だァ!」

全員から3枚ずつじゃなくて安心するところなんだろうか。
でも、これって疑似無限アタックコンボじゃないか……?
こんなことなら、俺もデッキにブレイヴを何枚か採用しておくべきだったかもしれない。

破棄されたカードは……。

『双翼乱舞』
『双光気弾』
『キジ・トリア』

「破棄した中にスピリットカード:キジ・トリアがあったため、リブラ・ゴレムは回復ゥッ!!」
『天秤造神リブラ・ゴレム』BP:12000
「「「「ライフで受ける!」」」」

まぁ、回復状態のリブラの攻撃ではライフは減らないからな。

「ストライクヴルム・レオ! 再びアタック!」
「「「「ライフだ」」」」

痛ってぇ……。
命懸けのバトルって、まさか本当に負けたら死ぬんじゃ……?

「リブラ・ゴレムのアタック! ストライクヴルム・レオを回復! さらに粉砕により、輝石の主のデッキを破棄する! 破棄されたカードにメタルバーンを確認! リブラ・ゴレムは回復するッ!」

……さっきのリブラの破棄で、俺のデッキにマジックが相当入ってることを見破られたみたいだな。
標的がトッパに変わったか。
一応、タッグバトル準拠ならデッキはチーム全員が0になるまで負けない筈だけど、レオと交互にアタックされると地味に辛い。

現在のこっちのライフは6つ。
ここが考えどころだな。
一応俺の手札には絶甲氷盾があるんだけど、いつ使うのかが難しい。

次のレオのアタック時にゴラドンでブロックして、不足コストをゴラドンから確保しながら絶甲氷盾を使うのがベスト……か?
出来るだけ打たせてリザーブにコアを貯めるのもアリなんだけど、この敵にはライフを温存しないと簡単にやられる気がするんだよな。
レオはブレイヴするだけで簡単にトリプルシンボルになるから、シユウを付けられたりすると、それだけでゲームセットの可能性がある。

だれか、3コスト以下で使える防御マジック持ってない?

「……フラッシュタイミング。マジック:グラストラップを使用。天秤造神リブラ・ゴレムを疲労させる。このターンの間、そのスピリットは回復できない」
「「「「ライフで」」」」

『グラストラップ/Grass Trap』 マジック 3(2)/緑
フラッシュ:
相手のスピリット1体を疲労させる。
このターンの間、そのスピリットは回復できない。

ダンさん!
良いタイミングで最適なマジックをよく持ってたな!
正直、デッキ事故気味のただの怖い人かと思ってたよ!

「やってくれたなァ、激突王! だが、ストライクヴルム・レオ! 3度目のアタックだァ!」
「「「「ライフで受ける!」」」」
「ターンエンドォ!」

これで、こっちのライフは5つか。

第6ターン

「よっしゃぁ! 俺のターン! アゲていくぜっ!!」

スタートステップ! コアステップ! ドローステップ! リフレッシュステップ!
こっちが使えるコアは……フィールドの2体の上にある1個ずつを含めて、合計10個。
難しい場面だけど、こういうところこそ、カードバトラーのプレイングの見せ所だ!

「ワン・ケンゴーとキジ・トリアを召喚して、光り輝く大銀河をLv2に上げる!」

『ワン・ケンゴー/One-Kengo』 スピリット 3(2)/赤/皇獣
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 4000 <5>Lv3 6000
Lv1・Lv2・Lv3
自分のバーストをセットしている間、このスピリットをLv3として扱う。
Lv2・Lv3【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならば必ずブロックする。
シンボル:赤

スピリット 3(2)/白/機獣 <1>Lv1 3000 <2>Lv2 5000
Lv1・Lv2『相手のターン』
自分のバーストをセットしている間、合体していない自分のスピリットすべてをBP+2000する。
Lv2『相手のスタートステップ』
自分のバーストをセットしていないとき、自分の手札にあるバースト効果を持つカード1枚をセットできる。
シンボル:白


今日もよろしくな!

「さらに、バーストセット! それにより、ワン・ケンゴーを最高レベルとして扱う!」

……伏せてから気付いたんだけど、もしかしてバースト枠って全員で1枚までか?
いや、そんな事気にしてる場合じゃないな。

「アタックステップ! ワン・ケンゴー、アタックだ! 【激突】! 相手は可能ならブロックしなければならない!!」
「ダーク・スカルピオーネでブロック」

『ワン・ケンゴー』BP:6000
『ダーク・スカルピオーネ』BP:3000

巨大サソリが舌を伸ばして突き刺そうとしてきたけど、ワン・ケンゴーには当たらないぜ!
8本の足の下に潜り込んで、ワン・ケンゴーがスカルピオーネの腹に牙を立てた。
そのまま持ち上げて……地面に叩きつけてやれ! ワン・ケンゴー!
特に危なげなくスカルピオーネを倒したワン・ケンゴーが、立ち上る爆炎の中から戻ってきた。
サンキュー! ワン・ケンゴー!

「この瞬間! トラッシュから【不死】を持つ闇騎士アグラヴェインをLv3で召喚! さらに、アグラヴェインの【不死】が発動した時、トラッシュからコスト7以上のスピリットをノーコストで召喚できる!」

『闇騎士アグラヴェイン/The DarkKnight Agravain』 スピリット 5(赤2紫2)/紫/魔影
<1>Lv1 3000 <2>Lv2 5000 <5>Lv3 7000 
【不死:妖蛇】『お互いのアタックステップ』
トラッシュにあるこのスピリットカードは、系統:「妖蛇」を持つ自分のスピリットが破壊されたとき召喚できる。
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
【不死】の効果で召喚されたとき、自分のトラッシュにあるコスト7以上のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。
ただし、この効果で召喚されたスピリットの『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。
シンボル:紫


モグラか。
それも最初のハンドリバースで捨てたんだろうな。
ってことは、相手のトラッシュに眠っている最後の一枚は……なんだ?

「現れ出でよ! 7つの世界を滅ぼす王の遺産! 幻羅星龍ガイ・アスラ、Lv3で召喚ッ!!」

『幻羅星龍ガイ・アスラ/The PhantomStarDragon Gai-Asura』 スピリット 10(6)/赤/神星・星竜
<1>Lv1 8000 <3>Lv2 10000 <6>Lv3 13000 <10>Lv4 30000
Lv1・Lv2・Lv3・Lv4
お互い、このスピリットのコアは取り除くことができない。
Lv1・Lv2・Lv3・Lv4:フラッシュ【超覚醒】
自分のスピリットから、コアを好きなだけこのスピリットに置くことができる。
この効果でコア1個以上を置かれるたび、このスピリットは回復する。
Lv4『このスピリットのアタック時』
このバトルの間、破壊された相手のスピリットすべてのコアすべてはボイドに置かれる。
シンボル:赤

「くっ……ターンエンド……!」

この期に及んで、まだ大型を展開するのか……!


――第7ターン

「クックック……ハァーッハッハ!!」

なんだ?
笑い方が気持ち悪いのは相変わらずだけど、何か良いカードでも引いたのか?
高笑いを続けながらダーク・ロロが見せたカードは……ジークフリード?

「それは俺のだろ! いいから返せよ!」
「始まりの紅き龍ジークフリードは、これだけではただのXレアに過ぎない。だが、異界王復活の儀式のコアエネルギーの一部を注ぎ込むことで、究極のカードへと進化を果たすのだァ!!」

ええ!?
ジークフリードのカードの淵が……金色に染まっていく!?
おい!
バトスピのルール的にそれはアリなのかよ!?

「見よ! これが、全ての次元を超えた究極の存在! アルティメット・ジークフリード、召喚ッ! Lv4ッ!!」

『アルティメット・ジークフリード』 アルティメット 6(3)/赤/新生・古竜
<1>Lv3 10000 <3>Lv4 14000
【召喚条件:自分の赤のスピリット1体以上】
【Uトリガー】???
Lv?・Lv?:フラッシュ???


金のシンボルから、四本足の巨大な竜が姿を現した。
まさか、7色目のシンボル……!?
耳がおかしくなりそうな雄叫びが、フィールドを揺るがせた。
宙に浮いていたツルギもボードから落ちそうになってるし、見るからにヤバそうな相手だ!

『トパーズの流星』
『浸食されゆく尖塔』
『闇騎士アグラヴェイン』BP:5000
『天秤造神リブラ・ゴレム』BP:12000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:13000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000

なんてメンツだ……!
こっちの場は、キジ・トリアの効果で全てのスピリットのBPを+2000しても、最高はワン・ケンゴーのBP8000だっていうのに。

「アタックステップ! アルティメット・ジークフリード! 究極の力を以て全てを打ち砕けェッ!」

とてもじゃないけど、太刀打ちできない……!
ここは、ライフで……

「アルティメット・ジークフリードの【Uトリガー】を発動! 相手のデッキを一枚破棄して、そのコストが5以下の時、相手は必ずブロックしなければならず、ブロック時にライフを一つ失うッ!! 第二王子のデッキを破棄だァッ!!」
「くっ……!」

――【Uトリガー】 Lv3・Lv4・Lv5 『このアルティメットのアタック時』
――Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならブロックする。ただし、アルティメットはブロックしなくてもよい。
――相手のスピリットにブロックされたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
――(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

光導満載のダンさんを狙うのは論外だろうけど、多分他は誰でも似たようなもんだろうなぁ。
落ちたのは……コスト2の、ダーク・ディノニクソーか。

「ゴラドンでブロック!」
「ライフを一つ貰うッ!!」

済まない、トッパ!
お前のスピリットの犠牲は、無駄にはしない!

「【バースト】貰ったぁ! いくぜ! 純白のヒーロー! 猛烈爆進っ! 爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー、召喚!!」

『爆氷(ばくひょう)の覇王(はおう)ロード・ドラゴン・グレイザー/The GlacialHero Lord-Dragon-Glazar』 スピリット 8(3)/白/覇皇・戦竜
<1>Lv1 6000 <3>Lv2 9000 <4>Lv3 13000
【バースト:自分のライフ減少後】
自分の白のスピリットがいるとき、このスピリットカードを召喚する。
Lv1・Lv2・Lv3【重装甲:∞】
このスピリットは、相手のフィールドにあるシンボルの色の相手のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。
Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』
このスピリットが相手のスピリットを破壊したとき、破壊したスピリット以外の、
破壊したスピリットと同じ系統を持つ相手のスピリットすべてを手札に戻す。
シンボル:白

氷塊が砕けて、あらびっくり!
そこにはイブシ銀に輝くロードの姿が!
ギザギザのノコギリみたいな剣が、今日もイカしてるぜ!
頼むぞ! グレイザー!

「だがダメージは受けてもらう! さらに、ゴラドンを戦闘破壊……」
「フラッシュタイミング! マジック:ファイアーウォールっ! ゴラドンを破壊して、バトルステップを終わらせる!」

『ファイアーウォール』 マジック 4(赤2白1)/赤
フラッシュ:
自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。
この効果は、相手のアタックステップでしか使えない。


おお!
ツルギも良いマジック持ってるなぁ。
コスト0のゴラドンでブロック中に使用って、ファイアーウォールの理想的な使い方じゃないか。
ゴラドンが燃え尽きて、代わりに俺達の周囲に燃え盛る炎の障壁が出現した。
こっちのライフは4になったけど、ここで相手の攻撃を止められて良かった。
レオとリブラの疑似無限アタックに加えてガイ・アスラも来るなんて、シャレにならないからな。

「ごめん、トッパ。お前のスピリット……」
「良いって。それよりこの勝負、勝とうぜ!」
「ああ! 俺のターン!」

――第8ターン

こっちの使えるコアは12個で、ターンプレイヤーはツルギだな。
そういえば、ツルギのバトルスタイルって全く知らないっけ。
ダーク・ロロが、防御マジック満載みたいな事を言ってた気がするけど。
場は……『アイバーン』『ワン・ケンゴー』『キジ・トリア』『爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー』が居て、後は『光り輝く大銀河』か。

「行くぞ! 闇を照らせ、光の赤き翼! 輝竜シャイニング・ドラゴン、召ぉ喚っ!」

おお、シャイドラって空から降りてくる召喚演出なのか!
コアが砕けてスピリットが出てくる瞬間を見逃したぜ!

「召喚時効果! 暗黒の魔剣ダーク・ブレードをノーコスト召喚! ダーク・ブレードの召喚時効果で浸食されゆく尖塔を破壊して、一枚ドローっ!」

『輝龍シャイニング・ドラゴン』 スピリット(光) 6(3)/赤/星竜
<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <4>Lv3 11000
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
自分の手札にある赤のブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
Lv3【強化】
自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。
シンボル:赤

『暗黒(あんこく)の魔剣(まけん)ダーク・ブレード』 ブレイヴ 6(3)/赤/剣刃
<1>Lv1 5000 <0>合体+5000
Lv1『このブレイヴの召喚時』
相手のネクサス1つを破壊する。この効果でネクサスを破壊したとき、自分はデッキから1枚ドローする。
合体条件:コスト5以上
【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。
シンボル:赤

雷と一緒に剣が落ちてくる演出、意外と派手だなぁ。
あと、尖塔を破壊出来たのは大きい。
地味に相手が20個以上のコアを使い放題だったからな。

「さらに……ハジメ! お前の力を借りるぜ!」
「そういうことか! アガってきたぜ!」

ツルギの意図は……分かった!
グレイザーのBPを生かして、未知の敵を早めに倒しておこうって事だな!

「ロード・ドラゴン・グレイザーに暗黒の魔剣ダーク・ブレードをブレイヴ! Lv3!」

『爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー』BP:18000

「さらに、キジトリアをLv2にして、アタックステップ! ソードブレイヴスピリットで、合体アタック! アルティメット・ジークフリードに指定アタックだ!」

グレイザーが、ノコギリ状の剣を振りかざしてアルティメット・ジークフリードに斬りかかった。
……が、敵の周囲に金色の障壁のようなものが現れて、グレイザーが近づけない……?
あれは、重装甲か?
でも、重装甲の演出は、重装甲に対応する色と同じものになるはずなのに……。

「バカめ! 既存のカードを超えた別次元の存在であるアルティメット・ジークフリードに、有象無象のスピリットの効果など効かんのだァッ!!」
「なにっ……なら、指定アタックの対象はリブラ・ゴレムだ! ソードブレイヴ・アターック!!」

グレイザーの振り降ろした金色のノコギリ剣が、リブラ・ゴレムの持つ錫杖によって受け止められる。
リブラ・ゴレムは地面を踏み砕きながらも攻撃に耐えようとするが、それも無駄な足掻きだった。
息をつく間もなく、ダーク・ブレードを逆手に持ち替えたグレイザーが、リブラ・ゴレムの頭部にダーク・ブレードを突き立てた。
暗黒の魔剣による一撃は、造兵であるリブラ・ゴレムを完全停止させるには足らないが、動きを鈍らせるには充分すぎる威力で。
次の瞬間には、グレイザーが元々持っていた金色の剣が振り抜かれ……リブラ・ゴレムの胴を一刀両断していた。

「ターンエンド!」

――第9ターン

「私のターン!」
「お前のスタートステップに、キジ・トリアの効果によりバーストセット! さらに、合体していない俺達のスピリット全てをBP+2000! そしてワン・ケンゴーを最高レベルとして扱う!」

『光り輝く大銀河』
『アイバーン』BP:4000
『ワン・ケンゴー』BP:8000
『キジ・トリア』BP:7000
『輝竜シャイニング・ドラゴン』BP:7000
『爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー』BP18000

それにしても、相手が使えるコアはこれで26個か。
ライフも、向こうが5でこっちが4。
雲行は怪しいままだ。

「メインステップ! 私は土星神龍クロノ・ボロスを召喚! 手札を2枚捨て、3枚ドローする! さらに、虚実の口をLv2で配置! 不足コストはアグラヴェインから確保!」

『土星神龍クロノ・ボロス/The SatumDragonDeity Krono-Bolos』 スピリット 6(3)/紫/神星・妖蛇
<1>Lv1 4000 <3>Lv2 6000 <6>Lv3 9000
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
自分の手札2枚を破棄することで、自分はデッキから3枚ドローする。
【合体時】Lv2・Lv3『このスピリットの破壊時』
相手は、相手のフィールド/リザーブ/トラッシュに残るコアを合計5個以下になるようにボイドに置く。
その後、自分は、自分のフィールド/リザーブ/トラッシュに残るコアを合計5個以下になるようにボイドに置く。
シンボル:紫

『虚実(きょじつ)の口/The Mouth of False』 ネクサス 5(3)/紫
<0>Lv1 <3>Lv2
Lv1・Lv2
系統:「妖蛇」を持つ自分のスピリットが破壊されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。
Lv2『自分のエンドステップ』
自分のトラッシュにある【合体時】効果を持つスピリットカード1枚を召喚できる。
シンボル:紫

『トパーズの流星』
『虚実の口』Lv2
『土星神龍クロノ・ボロス』BP:4000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:13000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000

「アタックステップ! アルティメット・ジークフリード! 潰せェッ!! 【Uトリガー】発動! 輝石の持ち主のデッキを破棄! ルビーの太陽を確認して再びトリガーヒットォ!!」

俺達はブロックしなければならず、ブロック時にライフを一つ失う、っていうさっきのヤツか!
くそっ! トッパには悪いけど、アイバーンを犠牲にするしか……!

「フラッシュタイミング! マジック:マジックブーストを使用! コストはキジ・トリアとロード・ドラゴン・グレイザーからそれぞれ確保! グレイザーを回復し、BP+2000!」

『マジックブースト/Magic Boost』 マジック 3(1)/白
フラッシュ:
自分の合体スピリット1体を回復させ、このターンの間、そのスピリットをBP+2000する。

おおお!
ダンさん、凄ぇ!

でも、初期手札5枚が『マジックブースト』『グラストラップ』『光り輝く大銀河』『スターリードロー』とあと一枚って、完璧にデッキ事故じゃないか……?

『爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー』BP:16000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000

「ソードブレイヴスピリットでブロック!」
「【Uトリガー】の効果により、ライフを一つ削るゥ!」

がはっ……!
なんだか、ライフダメージがどんどん大きくなってる気がする……!
負けたら死ぬってマジなのか……?
バトスピってそういうもんじゃないだろ。

「はぁ……っ! 【バースト】発動! 真っ赤なヒーロー、爆熱召喚! 英雄龍ロード・ドラゴンを爆裂召喚!」

『英雄龍ロード・ドラゴン / The HeroDragon Lord-Dragon』 スピリット 6(3)/赤/覇皇・戦竜
<1>Lv1 4000 <3>Lv2 6000 <5>Lv3 9000
【バースト:自分のライフ減少後】
このスピリットカードを召喚する。
Lv1・Lv2・Lv3『自分のバースト発動後』
発動したカードがコスト5以下のとき、BP9000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』
バトル終了時、自分のバースト1つを破棄することで、このスピリットを回復させる。
シンボル:赤


「だが、貴様等のライフは残り3つゥッ!」
「でも、BPは俺達のグレイザーの方が上だ!」

やれ! グレイザーっ!

「フラッシュタイミングゥッ! 【真・覚醒】を発動! ストライクヴルム・レオよりコアを1つ移動し、BP+3000!」

――フラッシュ【真・覚醒】『このアルティメットのアタック時』
――自分のスピリットのコア1個をこのアルティメットに置くことで、このアルティメットをBP+3000する。

『アルティメット・ジークフリード』BP:14000→17000

ジークの首をはねようとしてクロスさせたグレイザーの剣が……甲高い音と共に弾かれた。
グレイザーの一対の剣は、ジークの巨体を傷つけることなど適わなかったのだ。
背中の翼から氷の刃を展開して、グレイザーが再びの突撃を仕掛けるも……ジークの目は、グレイザーの動きを捉えていた。
ジークの口から放たれた炎の一閃は、しかしグレイザーを包み込むには充分過ぎて。
氷の刃さえも瞬き一つの内に蒸発させてしまう一撃を前に、グレイザーは為す術も無かった。

「フラッシュタイミング! マジック:サイレントウォールを使うぜ! このバトル終了時に相手のアタックステップを終了する!」

『サイレントウォール/Silent Wall』 マジック 4(2)/白
フラッシュ:
今行っているバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

白い強風のバリアが出現したのと、グレイザーが爆散したのは……まったくの同時。
直後、シャイニング・ドラゴンの足元に、先程まで戦火の中心に在ったダーク・ブレードが尽き刺さった。

「……済まない」
「見たことも無い敵の能力なんて誰も分からないし、仕方ないって」
「さっきはダンさんのグラストラップに助けられたしな! 俺達だってやる時はやるぜ! 俺のターンっ!」

……相手の虚実の口Lv2の効果発揮は無しか。
クロノ・ボロスをこのターン中に破壊して蘇生するつもりだったんだろう。多分。


――第10ターン

俺達の場は、『アイバーン』『ワン・ケンゴー』『キジ・トリア』『英雄龍ロード・ドラゴン』『輝龍シャイニング・ドラゴン』『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』『光り輝く大銀河』か。
使えるコアの数は14だな。

スピリットの数だけを見たらフルアタックで勝負がついてもおかしくないんだけど、ガイ・アスラの行動回数を考えると、そうも言えないんだよな……。
って、うん?
ドローしたカードを見て、トッパが何かを考え込んでる?
どうしたんだよ?

「みんな! ちょっと相談タイムだ!」

すし詰めの俺やダンさんのところに、コアトルーパー上のツルギを手招きで呼び寄せ始めた。
一体何を考えているんだ?

「いや、ど忘れしちゃってさ。相手のデッキって……今、何枚だっけ?」
「ハンドリバースで16枚ドローしてたぞ」
「クロノ・ボロスで3枚ドローしたよな?」
「……それに初期手札の4枚とドローステップの5枚が加わるから、合計28枚使っている計算になる」

トッパ、俺、ツルギ、ダンさんの順番だ。
ってことは、相手のデッキはあと12枚ぐらいか?
キッチリ40枚である保証が無いから、何とも言えないけど。

「分かった! なら俺はこのスピリットを召喚するぜ! アイバーンからコアを確保して、英雄巨人タイタス、召喚! 召喚時効果で相手のデッキを10枚破棄だ!」

『英雄巨人(えいゆうきょじん)タイタス/The GiantHero Titus』 スピリット 8(4)/青/闘神・勇傑
<1>Lv1 6000 <4>Lv2 9000
Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』
相手のデッキを上から10枚破棄する。
Lv2『このスピリットのアタック時』
BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のデッキを上から10枚破棄する。
シンボル:青


おおお!
相手のデッキが紙束のように吹き飛んで……

「よっし! これがセブン先輩と俺の……」
「6枚目に破棄された鳳翼の聖剣の効果を発揮。このネクサスをノーコストで配置し、このターンはこれ以上私のデッキは破棄されないィ」
「えー……」

『鳳翼の聖剣/The PhoenixCalibur』 ネクサス 3(2)/黄
<0>Lv1 <1>Lv2
Lv1・Lv2
このネクサスが配置されたターンの間、自分のデッキは破棄されない。
このネクサスカードは相手のスピリットの効果でデッキから破棄されたとき、コストを支払わずに配置される。
Lv2
【粉砕】以外の相手のスピリットの効果で自分のデッキが破棄されるとき、
自分のライフのコア1個を自分のリザーブに置くことで、その効果を無効にする。
シンボル:黄


「ダーク・ブレードを誰かに合体してからタイタスを召喚してれば、アイバーンの犠牲は要らなかったんじゃ……?」
「しまった!? でも俺は後ろは見ないぜ! ダーク・ブレードをシャイニング・ドラゴンにブレイヴして、余ったコアは……キジ・トリアにでも置いとくか。ターンエンドだ!」

――第11ターン

相手の使えるコアは27。

「私のター……」
「キジ・トリアの効果でバーストセット!」

これで俺の手札は0だ。
みんな、後は頼むぞ……!

「メインステップ! ネクサス:フォートレスキューブを配置! さらに、氷騎槍クリスタル・ランスをガイ・アスラにダイレクトブレイヴ!」

『フォートレスキューブ』 ネクサス 4(2)/白
<0>Lv1 <2>Lv2
Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』
自分の白のスピリットが回復したとき、ボイドからコア1個を自分のスピリットに置く。
Lv2『相手のアタックステップ』
自分のライフが相手のスピリットのアタックで減ったとき、その相手のスピリット1体を手札に戻す。
シンボル:白

『氷騎槍クリスタル・ランス』 ブレイヴ 4(2)/白/剣刃
<1>Lv1 3000 <0>合体+3000
合体条件:コスト4以上
【合体時】『相手のアタックステップ』
コスト3以下の相手のスピリットがアタックしたとき、このスピリットは回復する。
コスト6以上の相手のスピリットがアタックしたとき、このバトルの間、このスピリットをBP+5000する。
シンボル:白

イラスト:青井岳人
『トパーズの流星』
『虚実の口』Lv2
『鳳翼の聖剣』
『フォートレスキューブ』
『土星神龍クロノ・ボロス』BP:4000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:16000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000

フォートレスキューブに、白のブレイヴのコンボ……!
これで、ガイ・アスラは無限の行動回数を手に入れた訳だ。

「アタックステップ! 三度、アルティメット・ジークフリード、Lv4のアタックだァ! 【Uトリガー】発動! ハチマキ頭のデッキを破棄してバリ・バーンを確認! トリガーヒットォ!!」

こっちのBPは最高でもシャイニング・ドラゴンの10000だ。ここは、ワン・ケンゴーかキジ・トリアを犠牲にするしか無い!

「ワン・ケンゴーでブロック!」
「【Uトリガー】により、お前達のライフはあと2つゥッ!!」
「【バースト】発動! 絶甲氷盾! ボイドからコア一個をライフに! さらに、ワン・ケンゴーとキジ・トリアから一個ずつ不足コアを確保してフラッシュ効果を使う! このバトルが終わった時、アタックステップを終了する!」

ワン・ケンゴー、ごめんな。
でも、これで終わりじゃないぜ!

「ロード・ドラゴンの効果! 自分のコスト5以下の【バースト】が発動した時、相手のBP9000以下のスピリット一体を破壊する! 土星神龍クロノ・ボロスを破壊だ!」
「かかったなァ! トラッシュの闇騎士アグラヴェインの【不死】を発動! アグラヴェインを召喚! さらに、アラヴェインの効果でコスト7以上のスピリット……断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニスをノーコストで召喚ッ!」
「それは、ガルドスの……! 回収されてたのか!」

『断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス』 スピリット 10(6)/赤/滅龍
<1>Lv1 10000 <3>Lv2 13000 <4>Lv3 16000
Lv1・Lv2・Lv3『お互いのアタックステップ』
ステップ開始時、自分の手札にある赤のカード1枚を破棄することで、このターンの間、自分のスピリットすべてをBP+5000する。
Lv2・Lv3【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならば必ずブロックする。
Lv3『このスピリットのアタック時』
このターンの終了時、『自分のターン』をもう1度行う。
この効果は、ゲーム中に1回しか使えない。
シンボル:赤

おいモグラ!
お前もいい加減にしろよ!!
あと、ダーク・ロロ!
さっきのタイタスの効果でドラゴニスが落ちたって言いたいんだろうけど、お前のデッキ滅茶苦茶すぎるだろ!?
カードバトラーとして突っ込みどころ満載すぎるぞ!?

「さらに、エンドステップに虚実の口の効果を発動ゥ! トラッシュよりクロノ・ボロスを召喚し、不足コストは虚実の口とアグラヴェインとアルティメット・ジークフリードから確保するッ!」

『トパーズの流星』
『虚実の口』
『鳳翼の聖剣』
『フォートレスキューブ』
『土星神龍クロノ・ボロス』BP:4000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:16000
『断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス』BP:16000
『アルティメット・ジークフリード』BP:10000


――第12ターン

俺達が使えるコアは16個
相手のライフは5で、こっちは3。
ダンさんのターンだけど、手札が無い俺にはもう何も出来ない。
場のスピリットは『キジ・トリア』『英雄巨人タイタス』『英雄龍ロード・ドラゴン』『輝龍シャイニング・ドラゴン』『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』で、ネクサスは『光り輝く大銀河』。

ダーク・ブレードをタイタスにブレイブして指定アタックを喰らわせれば、タイタスのLv2効果で相手のデッキを0に出来るかもしれない。
でも、フラッシュタイミングで相手のスピリットのコア0にされたら、それでおしまいだ。

「牡牛座より来たれ……金牛龍神ドラゴニック・タウラス!」

『金牛龍神ドラゴニック・タウラス/The BullDragonDeity Dragonic-Taurus』 スピリット 7(4)/赤/光導・古竜
<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <5>Lv3 10000
Lv1・Lv2・Lv3【激突】『このスピリットのアタック時』
相手は可能ならば必ずブロックする。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
相手のスピリットがブロックしたとき、そのスピリットとシンボルの数を比べる。
そのスピリットより多いシンボル1つにつき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
Lv3『このスピリットのアタック時』
このスピリットの効果でシンボルの数を比べるとき、系統:「神星」/「光導」を持つ自分のスピリット1体につき、
このスピリットに赤のシンボル1つを追加する。
シンボル:赤

舞い上がった土埃の中から、金色の大角を生やしたシルエットが姿を現した。
シャイニング・ドラゴンやロード・ドラゴンより一回り大きく見えるのは、やっぱりコストが7だからだろう。
いや、今は光り輝く大銀河の効果で5コストになってるんだけどさ。

「行くぞ」

……フィールドから音が消えた。
そんな、気がした。
ダンさんの後ろで、光り輝く大銀河が静かに渦巻いていた。

「龍神の弓! 天馬の矢! 戦いの嵐を静めよ! 光龍騎神サジット・アポロドラゴン召喚!」

『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』 スピリット 8(4)/赤/光導・神星
<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 13000
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリットはブレイヴ2つまでと合体できる。
Lv1・Lv2・Lv3
系統:「光導」/「星魂」を持つ自分のスピリットすべては、アタックするとき相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。
【合体時】Lv3『このスピリットの合体アタック時』
このスピリットのブレイヴ1つにつき、BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
シンボル:赤

どこかから、馬の蹄の音が聞こえた。
それが俺達の後ろからだと気付いた時には、馬の腹が俺達の頭上を飛び越していた。
フィールドの輝く星座を模った陣が、その存在を証明していて。
大弓を携えた騎神の姿は……まさしく、射手座そのものだった。

「まだ行くぞ! 手札からトレス・ベルーガを召喚! 金牛龍神ドラゴニック・タウラスにブレイヴ! Lv3! さらに、シャイニング・ドラゴンをLv2にアップだ!」

『トレス・ベルーガ/Tres-Beluga』 ブレイヴ 5(青2赤2)/青/異合
<1>Lv1 6000 <0>合体+6000
合体条件:光導
【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
自分のデッキを上から6枚破棄することで、このスピリットをBP+6000する。
この効果で自分のトラッシュに系統:「光導」を持つスピリットカードが1枚以上置かれたとき、このスピリットは回復する。
シンボル:青

「アタックステップ! 金牛龍神ドラゴニック・タウラスでブレイヴアタック! トレス・ベルーガの合体アタック時効果により、自分のデッキを6枚破棄してBP+6000! さらに、系統:光導を持つ戦神乙女ヴィエルジェがあったことにより、回復! そして、サジット・アポロドラゴンの効果により、ジャッジメント・ドラゴニスに指定アタック!」

地響きを置き去りにしたドラゴニック・タウラスが、その質量に任せてジャッジメント・ドラゴニスに激突した。
タウラスを遥かに超える巨体が……轟音と共に、バトルフィールドの側壁へと叩きつけられる。
フィールド自体が壊れるんじゃないかと勘違いしてしまうほどに……その激突は強烈だった。

うおおお!?
ロマンコンボじゃないか!
12宮って個人的にはキャンサードが一番相手にしたくないイメージあったけど、やっぱり赤も決まると怖いな!
このコンボの何が怖いって、相手にブロック前のフラッシュタイミングを許さないことだよ。

「ドラゴニック・タウラスLv2/3の効果! 相手のスピリットにブロックされた時、シンボルの数の差だけ相手のライフを削る! さらにLv3効果により、効果でシンボルの数を比べる時、自分の神星・光導を持つスピリットの数だけドラゴニック・タウラスに赤のシンボルを追加する!」

まず、タウラス+トレス・ベルーガでシンボル2つ。
そして、光導を持つタウラスとサジットが居るので、更にシンボル2つ追加で4シンボル。
で、ドラゴニスがシンボル1つだから、差し引き3ダメージになる訳だ。
そういえば、シンボル4つ以上の呼び方って、あんまり聞かないな。
ダブルシンボルとかトリプルシンボルとかは聞くんだけど、不思議だ。
クアドラルシンボルとか、クワトロシンボルとか?
まぁ、良いか。

「……このアタックは、どう受ける。フラッシュタイミングで何もしなければ、それで終わりだ」
「流石は激突王……ッ だが、フラッシュタイミングゥッ! マジック:エンジェルボイスを使用!」

『エンジェルボイス/Angel Voice』 マジック 5(2)/黄
フラッシュ:
バトル解決時、BPのかわりにLvを比べ、Lvの低いスピリットが破壊される。
Lvが同じとき、お互いのスピリットが破壊される。

壁に埋まったドラゴニスに、タウラスがダメ押しの激突を喰らわせたけど、ドラゴニスが吐いた炎でタウラスも焼き尽くされてしまった。
どっちもLv3だから、これは仕方ない。
タウラスは回復状態に戻ってたから、もう一回攻撃出来ていれば勝ててたのに……惜しいな。
……タイタスにダーク・ブレードをブレイヴして攻撃していたら、危なかったかもしれない。

「……相打ちか。トレス・ベルーガはスピリット状態で残す。ターンエンド」

それにしても、全員のキースピリットが一通りそろったのか。
タイタス、サジット、ロード・ドラゴン、シャイニング、ドラゴン。
何ていうか、壮観だな。
俺だけXレアじゃないのは、気にしない方が良いんだろう。多分。
欲を言えばグレイザーに生きてて欲しかったけどさ。

――第13ターン

ついに、相手が使えるコアが30の大台を超えて31個に。

「メインステップ! アルティメット・ジークフリードをLv4に、虚実の口をレベル2に上げる!」

『トパーズの流星』
『虚実の口』Lv2
『鳳翼の聖剣』
『フォートレスキューブ』
『土星神龍クロノ・ボロス』BP:4000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:16000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000

「アタックステップ! アルティメット・ジークフリードで四度目のアタック! 【Uトリガー】にて輝石の持ち主のデッキを破棄! フレイムサイクロンを確認! トリガーヒットォッ!!」

ここは、キジ・トリアで……!

「フラッシュタイミングゥ! デッドリィバランスを使用! クロノ・ボルスを破壊するゥ!」
「……キジ・トリアを破壊!」

『デッドリィバランス/Deadly Balance』 マジック 3(2)/紫
フラッシュ:
お互い、それぞれのスピリット1体を破壊する。

「トラッシュのアグラヴェインの【不死】を発動! さらに、アグラヴェインの効果によりジャッジメント・ドラゴニスをノーコストでトラッシュから召喚ッ!!」

どうする?
こっちの残りは、みんなのエース級ばっかりだ。
スピリット状態のトレス・ベルーガでブロックする手もあるけど、俺には手札が無い以上、次の俺のターンでは既存のスピリットで攻撃するしか無い。
だから、攻撃人員は確保しておきたいところだ。
アルティメット・ジークフリードの【真・覚醒】の関係上、今のこっちの場の状態だと、BP勝負は難しい。

「ソードブレイヴスピリットでブロックだ!」
「貴様らのライフは、これで2つゥ!」

ツルギ!?
確かに、ゲームエンド級の力を持つタイタスとサジットをブロッカーに消費するのは得策じゃない。
なら、ロード・ドラゴンかシャイニング・ドラゴンをブロッカーにするべきだ。
だとしたら、ロード・ドラゴンを犠牲にしたほうが良かったんじゃないのか。
残念だけど、ロード・ドラゴンはバーストが無ければ何も効果を発揮できないし、俺の手札は0枚だ。

「ツルギも何か感じたんじゃないか? 上手く言えないけど、なんか、ロード・ドラゴンがお前の次のドローを待ってる気がするんだ」

トッパ……!
何か、他のみんなには超常的な何かが見えているのか……?
いや、カードバトラーには次のドローを信じる度胸が必要だっていう精神論だよな。
そう、だよな……?

「……カードバトラーがデッキに応えるのと同じぐらいに、デッキはカードバトラーに応えてくれる。かつて、デッキに入っていないはずのカードをドローしてバトルに勝利した白の戦士を、俺は知っている」

ダンさん……。
白属性関連で入ってない筈のカードを使ったイカサマって、俺も聞き覚えあるんだけど。
ひょっとして、バトスピ界隈で悪名高い「次元アシュラ」のことか……?
いや。
多分、俺の気が引けてると思って、ダンさんなりに気をつかってジョークを飛ばしたつもりだったんだろう。
常にシリアス顔だから分かり辛いけど、実はユーモアがある人なのかもしれない。

っていうか、白の戦士云々は置いといて、カードバトラーとデッキが共に戦うっていうのは俺の持論でもある訳で。
意外とダンさんも、根性論やドロー運を信じる熱血系の人だったりするんだろうか。

「マジック:ウィンドウォール! このバトル終了時に、アタックステップを終わらせる!」

『ウィンドウォール』 マジック 4(2)/白
フラッシュ:
このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。
【連鎖:条件《緑シンボル》】
(自分の緑シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)
[緑]:相手のスピリット1体を疲労させる。

「エンドステップ! 虚実の口Lv2の効果を使い、クロノ・ボルスをトラッシュから召喚! コストは不足していないが、アグラヴェインから使用するゥッ!」

『トパーズの流星』
『虚実の口』
『鳳翼の聖剣』
『フォートレスキューブ』
『土星神龍クロノ・ボロス』BP:4000
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:16000
『断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス』BP:16000
『アルティメット・ジークフリード』BP:14000


――第14ターン

スタートステップ。
コアステップ。

……来い。
頼む、来てくれ……!

「ドローステップ……よっしゃぁっ! アゲていくぜっ!!」

来たのは……俺の切り札っ!
ここ一番で来てくれたぜ!

「リフレッシュステップ、メインステップ! バーストセットォっ!」

さて、ここからが問題だ。
どうやって攻めるか。

こっちが使えるコアは18個。
場には『英雄巨人タイタス』『英雄龍ロード・ドラゴン』『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』『トレス・ベルーガ』『光り輝く大銀河』。

「トレス・ベルーガをサジット・アポロドラゴンに、ダーク・ブレードをタイタスにブレイヴ! さらに、ロード・ドラゴン以外の全てのスピリットとネクサスを最高レベルにする!」


『英雄巨人タイタス』BP:14000
『英雄龍ロード・ドラゴン』BP:4000
『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:19000
『光り輝く大銀河』Lv2

「アタックステップ! 英雄巨人タイタス! クロノ・ボロスに指定アタックだ!」

さっきから、ダーク・ロロはクロノ・ボロスを意図的にLv1に抑えている。
それは多分、アグラヴェインの不死を発揮させやすくするためだ。
でも、このアタックでアグラヴェインが破壊されれば、ダーク・ロロはデッキアウトする。
だから、敵はクロノ・ボロスからコアを全部抜いてBP破壊を回避するしか無い!

「フラッシュタイミングゥ! ガイ・アスラの【超覚醒】発動! クロノ・ボロスのコアを全てガイ・アスラへ!」

タイタスが振り上げたダーク・ブレードが、宙を切った。
クロノ・ボロスが消失して、戦う相手が居なくなったためだ。

「これで、アグラヴェインの【不死】の効果は発動しないな! 次に、サジット・アポロドラゴンでブレイヴアタック! ジャッジメント・ドラゴニスを指定アタックだ!」
「フラッシュタイミング! マジック:バーニングサンを使用! 手札より刃狼ベオ・ウルフをノーコストで召喚、サジット・アポロドラゴンにダイレクトブレイヴする!」

『バーニングサン/Burning Sun』 マジック 3(2)/赤
フラッシュ:
自分の手札にあるブレイヴカード1枚を、
カード名に「アポロ」と入っている自分のスピリット1体に直接合体するように、
コストを支払わずに召喚し、そのスピリットを回復させる。

『刃狼ベオ・ウルフ/The BladeWolf Beo-Wulf』 ブレイヴ 5(緑2赤2)/緑/剣獣・星魂
<1>Lv1 3000 <0>合体+3000
合体条件:コスト5以上
【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のライフのコア2個を相手のリザーブに置く。
シンボル:緑


あれ?
ダンさんのバトルフォームって、黒だったっけ?
さっきまで金色だったような気がしたんだけど……俺の思い違いだったのかな。
心なしかダンさん自体もさっきより巨大に見える気がするんだけど。
なんていうか、さっきまで狭かったカードバトラーゾーンが、更に狭くなったような気がするような……いや、気のせいだよな!

ともかく、この攻撃もBP破壊が成功したら勝負が終わるぜ!
相手のライフは残り2個で、ベオ・ウルフのBP勝利時の貫通が2ダメージだからな!
だから、相手は当然……。

「フラッシュタイミング! ガイ・アスラの【超覚醒】発動! ジャッジメント・ドラゴニスのコアを全て食い、Lv4ッ!」
「ターンエンドだ!」

サジットに緑のブレイヴを付けたせいで【重装甲:緑】を持つレオに指定アタックできなくなったし、ターンエンドだな。
結果論から言えば、今のターンでサジットでレオに指定アタックしてからバーニングサンを使ってれば、【重装甲】を潜り抜けてレオとドラゴニスを両方倒せた可能性はあった。
でも、先にレオにアタックして相手にアタックステップ終了系マジックを使われると、次の相手のターンにドラゴニスが残っちゃうし。
実はタイタスのアタック時にも防御マジックを使われる危険はあったんだけど、これ以上アグラヴェインを使わせると、ますます手に負えないことになりそうだからな……。

――第15ターン

敵の総コアは32個。
でも、ガイ・アスラに11個のコアが乗ってるから、実際に使えるコアはもうちょっと少ない。
それに、ラスボスっぽい軍団も、ようやくここまで減ってきた!

「リザーブのコアを、全てストライクヴルム・レオに! さらに、アタックステップ! 五度目のアタックだァ! アルティメット・ジークフリード!」
「みんな、アタックステップ終了系マジックは!?」
「無い」
「無い」
「……」

ああ、ダンさんは手札0枚だから知ってたけど、他の二人も無いのか……。
この後にガイアスラに無限アタックされて詰む、か……?

「どうやら万策尽きたようだなァ! 冥土の土産に見せてやろうッ! アルティメットの境地、全てのスピリットを蹂躙する前人未到の境地をッ! 【真・覚醒】の効果を発動し、レオからコアを移動! 見よ! これぞ絶対勝利の力! Lv5だァッ!!」

『トパーズの流星』
『虚実の口』
『鳳翼の聖剣』
『フォートレスキューブ』
『獅機龍神ストライクヴルム・レオ』BP:12000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:33000
『アルティメット・ジークフリード』BP:23000

レベル5だって!?
偶に見る超希少なXレアだって、Lv4が最高なのに!?
……なんか、レベル4でアルティメット・ジークフリードよりBPが高い奴が相手の場にいるような気もするけど、気にしたら負けだよな。
もしかして、アルティメットってブレイヴできないのか?

「ロード・ドラゴンでブロック!」
「貴様等のライフはあと一つゥゥッ!!」
「これが俺の……最後のバーストだ! 真赤な炎に白いキバ! 覇王を超えろ、俺の夢っ! 超覇王ロード・ドラゴン・セイバー! 大爆裂召喚っ!」

『超覇王ロード・ドラゴン・セイバー』 スピリット 10(赤3白3)/赤白/覇皇・戦竜
<1>Lv1 10000 <3>Lv2 13000 <5>Lv3 16000
【バースト転召:自分のライフ減少後】
系統:「覇皇」を持つ自分のスピリット1体のコアすべてをボイドに置くことで、このスピリットカードを召喚する。
この効果発揮後、自分のライフが5になるまで、自分のフィールド/リザーブから好きなだけコアを置く。
Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』
自分のライフのコア1個をこのスピリットに置くことで、このターンの間、自分のスピリットすべてをBP+5000する。
Lv3『自分のバースト発動後』
このスピリットは回復する。
シンボル:赤白

ロード・ドラゴン!
お前の力を借りるぞ!!

「バースト転召により、バトル中のロード・ドラゴンのコアをボイドに送る!」
「その効果でライフを5まで回復するかァ?」
「いや……俺が回復するライフは、1つだけだ」

どのみち……最初にコアのアドバンテージをあれだけつけられた時点で、長期戦は無理だったんだ。
俺もダンも手札は1枚も無いし、トッパも1枚、ツルギも3枚だけになってしまった。
長引いたら、結局こっちの防御札が無くなって負ける。
今まで凌いできたけど、多分次のツルギのターンがラストターンになる。
そうじゃなきゃ、俺達の負けだ。
だから……次のターンに使えるコアをギリギリまで確保しなくちゃならない!
それに、アタックステップ終了系マジックだけが防御手段じゃないんだよ!

「まだ私のアタックステップは終わっていないィ! ガイ・アスラ! Lv4のアタックだ! ブレイヴしているガイ・アスラはダブルシンボル! どう受けるゥッ!?」
「俺を忘れてもらっちゃ困るっ! フラッシュタイミング! マジック:バスタースピアを使うぜ! フォートレスキューブを破壊して一枚ドローっ!」

トッパ!
よくガイ・アスラの無限アタックの起点を止めてくれた!
白のブレイヴと合体してるガイ・アスラは、白のスピリットとしても扱われる。
だから、白のスピリットが回復するたびにコアブーストするフォートレスキューブがあると、無限アタックが出来ちゃうんだよな。
誰もアタックステップ終了系のマジックを持ってないみたいだし、あとはこのターンを生き延びる方法は……?

『バスタースピア/Buster Spear』 マジック 3(2)/赤
フラッシュ:
ネクサス1つを破壊する。
相手のネクサスを破壊した場合、自分はデッキから1枚ドローする。

「こちらもフラッシュタイミングゥ! 【超覚醒】によりストライクヴルム・レオのコアを1つ食い、超回復ゥッ!!」
「まだまだぁ! フラッシュタイミング! マジック:スティールハートを使用! このターンの間、ガイ・アスラのシンボルを無いものとして扱う!」

『スティールハート』 マジック 3(2)/黄
フラッシュ:
このターンの間、相手のスピリット1体のシンボルを0にする。
この効果は、メインステップで使えない。

「「「「ライフで受けるっ!!」」」」

凌ぎ切った……!
ガイ・アスラは何回でも【超覚醒】が使えるけど、このターンはガイ・アスラの攻撃は有効打にならない!
ストライクヴルム・レオの攻撃なら、サジットでブロック出来る!

「ターンエンド……ッ!」

――第16ターン

こっちが使えるコアは14ターン目と同じく18個
ライフの数は変わらずに、セイバーの効果で1個ボイドに送って、コアステップで1個戻ってきたからな。
場は『英雄巨人タイタス』『超覇王ロード・ドラゴン・セイバー』『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』『トレス・ベルーガ』『刃狼ベオ・ウルフ』『光り輝く大銀河』。

「ライト・ブレイドラを召喚! さらに、ボルカニックブレイクを使用! お前のネクサス3つを破壊して、3枚ドロー!」

『ライト・ブレイドラ』 スピリット(光) 0(0)/赤/星竜
<1>Lv1 1000 <3>Lv2 2000 <5>Lv3 3000
Lv1・Lv2・Lv3【強化】
自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。
シンボル:赤

『ボルカニックブレイク』 マジック 5(2)/赤
メイン:
相手のネクサスすべてを破壊する。
この効果で破壊したネクサス1つにつき、自分はデッキから1枚ドローする。
フラッシュ:
このターンの間、スピリット1体をBP+3000する。

理想的な形でボルカニックブレイクが入ったな。
-3:+2とか、遅延ドローデッキを使ってた頃のテガマルが聞いたら泣いて喜びそうだ。
ハンドリバース? あれはバグだろ。
これでツルギの手は1枚から4枚に増えた。
逆転の手は……あるのか?

「シャイニング・ブレイドラを召喚! このターンの間、手札の「シャイニング・ドラゴン」1枚のコストを自分のライフと同じにする!」

『シャイニング・ブレイドラ』 スピリット(光) 4(2)/赤/星竜
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 4000
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
このターンの間、自分の手札にあるカード名に「シャイニング・ドラゴン」と入っているスピリットカード1枚のコストを、
自分のライフと同じ数にする。
Lv1・Lv2・Lv3【強化】
自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。

シャイドラデッキなら、入ってそうだとは思ってたよ。
一応それも、俺がライフを多く回復しなかった理由の一つだ。
【強化】星竜デッキなら、ビッグバンエナジーかシャイニング・ブレイドラは絶対に入ってるだろうしな。


「うおおおおっ! 光を超えろ! 神をも照らす、その輝き! 龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ! Lv3で、召ぉ喚っ!!」

『龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ』 スピリット(光) 8(4)/赤/剣使・星竜
<1>Lv1 6000 <3>Lv2 11000 <4>Lv3 14000
このスピリットカードは【強化】を持つものとして扱う。
Lv1・Lv2・Lv3
系統:「剣使」を持つ自分のスピリットすべては、ブレイヴ2つまでと合体できる。
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
このスピリットのシンボル1つにつき、BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
Lv3
自分の赤のスピリットすべてに“【強化】自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する”を与える。
シンボル:赤


んん?
なんか、ツルギのバトルフォームも変わったような気がする……?
さっきまで、そんなに金ピカだったっけ?
俺、疲れてるのかな……?

「さらに! 光の赤きソードブレイヴ:輝きの聖剣シャイニング・ソードを召喚だ! オーバーレイに、ダイレクトブレイヴ!」

『輝きの聖剣シャイニング・ソード』 ブレイヴ(光) 7(3)/赤/剣刃
<1>Lv1 5000 <0>合体+5000
Lv1『このブレイヴの召喚時』
BP3000以下の相手のスピリットすべてを破壊し、破壊したスピリット1体につき、自分はデッキから1枚ドローする。
Lv1【強化】
自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。
合体条件:コスト5以上
【合体時】【強化】
自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。
シンボル:赤


「召喚時効果発揮! BP3000以下の相手スピリットを全て破壊する!」
「バカめがァ! 光のスピリット2体とソードブレイヴ自身で、合わせても3【強化】にしかならんではないか!」

いや、確かオーバーレイのLv3効果は……。

「シャイニング・ドラゴン・オーバーレイのLv3効果! 自分の赤のスピリット全ては【強化】を持つ! みんなのキースピリットの力が今、一つになるっ!!」

『英雄巨人タイタス』:【強化】×1
『超覇王ロード・ドラゴン・セイバー』:【強化】×1
『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』:【強化】×1
『ライト・ブレイドラ』:【強化】×2
『シャイニング・ブレイドラ』:【強化】×2
『龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ』【強化】×2

タイタスは青のスピリットじゃ……?
でも、そういえばタイタスはダーク・ブレードをブレイヴしてるから、赤のスピリットとしても扱われるんだっけ。
ダイレクトブレイヴしなければもう一つ【強化】が稼げるかと一瞬思ったけど、シャイニング・ソードをスピリット状態で召喚しようとすると、オーバーレイのLv3を保てないんだな。
このターンの間に既にコアを9個もトラッシュに送ってる訳だし。

「9【強化】完了! BP12000以下のストライクヴルム・レオを破壊だぁ!」

地面に突きたった輝きの聖剣に、4人のXレアと光のスピリット達が手をかざし、力を集めた。
その刀身から溢れ出す炎は……星の輝きを塗り潰すほどの光の渦となって、獅子座の化身を焼き払った。

「さらに! 刃狼ベオ・ウルフをタイタスに、ダーク・ブレードをオーバーレイにブレイヴ! そして、サジットにトレス・ベルーガとシャイニング・ソードをブレイヴ! ライト・ブレイドラからコアを確保してサジットとセイバーをLv2に!」

『英雄巨人タイタス』BP:9000
『超覇王ロード・ドラゴン・セイバー』BP:13000
『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:21000
『シャイニング・ブレイドラ』BP:2000
『龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ』BP:11000

「行くぞ、最後のアタックステップだ! ハジメ! まずはお前の力を貸してくれ!」
「ああ! ロード・ドラゴン・セイバーでアタック! バトル時効果で自分のライフからコア1つをセイバーの上に置き、このターンの間自分のスピリット全てのBPを+5000する!」

『英雄巨人タイタス』BP:9000→14000
『超覇王ロード・ドラゴン・セイバー』BP:13000→18000
『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:21000→26000
『シャイニング・ブレイドラ』BP:2000→7000
『龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ』BP:11000→16000

「ガイ・アスラ! ブロックだ!」

ガイ・アスラの巨体に、4本足の龍が突撃をかけた。
骨でできた足を百足のようにうねらせるガイ・アスラの巨体は……揺るがない。
一本や二本の足をセイバーが噛み千切っても、それ以上の数の足がセイバーに巻き付いて、その自由を奪っていった。
そして、やがてガイ・アスラの腹部に抱え込まれて姿が見えなくなったセイバーから爆炎が上がる。
その死にざまは……終ぞ、見ることは出来なかった。

「ハジメ……」
「良いんだ」

……ゴメン、セイバー。だけど、お前の犠牲は絶対に無駄にはしない!

「続いて、ダンさんの力を貸してくれ!」
「ああ! サジット・アポロドラゴン! ダブルブレイヴアタック!! トレス・ベルーガの効果により、自分のデッキを6枚破棄してBP+6000! 光導を持つ魔導双神ジェミナイズを確認して回復! さらに、ガイ・アスラに指定アタック!」

『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:26000→32000

ガイ・アスラに指定アタックは、まぁ、順当だろうな。
相手のリザーブにはコアが15個もあるんだし、回復マジックを持たれていたら攻めきれない可能性もある。

「バカめェ! 氷騎槍クリスタル・ランスの効果を発動! コスト6以上の相手スピリットをブロックする時、BP+5000ッ!」

『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:33000→38000

「フラッシュタイミング! マジック:オフェンシブオーラを使用! BP+2000!」

『オフェンシブオーラ/Offensive Aura』 マジック 4(2)/赤
フラッシュ:
このターンの間、アタックしている自分のスピリットすべてをBP+2000する。

『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:32000→34000

「まだだ! まだ、ガイ・アスラの方がBPは上ェッ!!」
「フラッシュタイミング! チャージオーラを使用! アタックしている自分のスピリットをBP+1000し、更にそのスピリットが【強化】を持っていれば+3000! サジットはシャイニング・ソードと合体しているため、【強化】を持つスピリットとして扱う!」

『チャージオーラ』 マジック 3(1)/赤
フラッシュ:
このターンの間、アタックしている自分のスピリットすべてをBP+1000する。
さらに、アタックしている【強化】を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。

「「「「これが、俺達4人の力だ!!」」」」

ダンさんのサジットを、他の3人の全力でサポートしたんだ!
負けて、たまるかっ!!


『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』BP:34000→38000
『幻羅星龍ガイ・アスラ』BP:33000→38000

互いが互いを食らい尽くそうと、騎神と星龍の軌跡が二閃の光となってフィールドを照らし尽くした。
サジットが放った矢はガイ・アスラの腕に備わった槍によって払い除けられるも、防御に使われた腕を根元から削ぐには充分過ぎる威力で。
直後、ガイ・アスラが、自身の腹についた口部を開いた。
煌く牙が立ち並ぶその暗闇から……隕石を思わせる灼熱の岩弾が打ち出される。

まさしく、星の力と呼ぶにふさわしい一撃は、いくら人馬の俊足を誇る射手をもってしても、躱すことは適わなかった。
立ちのぼる爆煙と共に、龍騎神が消滅していく。
だが……同時に、輝きの聖剣がガイ・アスラの頭部へと突き立っていた。
サジットが二度目に弓に番えたものは……矢では無く、闇を切り裂く光の刃であったのだ。
フィールドそのものを焼き尽くすような炎と灼熱がフィールドを蹂躙する。

焼け跡に残ったものは……ガイアスラが握っていた槍と、サジットの放った聖剣のみだった。

「ダンさん……」
「……まだ、お前のアタックステップは終わっていない」

ツルギが、やっぱり気まずそうにダンさんに声をかけようとしていた。
ダンさんも、態度にこそ出さなかったけど……なんだか、悲しそうに見えた。
でも……だからこそ、俺達は勝たないといけないんだ!

「オーバーレイで攻撃! BP5000以下のスピリットを破壊する! 2【強化】でBP7000までだ! スピリット状態のクリスタル・ランスを破壊する!」

『龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ』BP:16000→19000

「フラッシュタイミング! マジック:ミストカーテンを使用! このターン、ブロックされなかったオーバーレイの攻撃では私のライフはゼロにならないィ!」

『ミストカーテン/Mist Curtain』 マジック 2(2)/白
フラッシュ:
相手のスピリット1体を指定する。
このターンの間、ブロックされなかったそのスピリットのアタックでは、自分のライフは減らない。

まぁ、一枚ぐらい防御札は残してると思ったよ。
でも、あれだけ重いスピリットを積んでいる関係上、手札事故を回避するためのカードを多目に積まないといけないから……多分、防御専用札はそんなに沢山入ってないだろう。
どちらかというと、防御面では手札を消費せずに、フォートレスキューブで補助しつつガイ・アスラやレオで何回もブロックすることを目指す方向のデッキだろうし。
俺の予想では、ダーク・ロロの残りの手札の中では灼熱の谷とか千本槍の古戦場とかが腐ってると見た。

「トッパ! 最後はお前の力だ!!」
「おうっ! 英雄巨人タイタスでブレイヴアタック! お前にブロッカーは居ない! これで終わりだぁ!」

『英雄巨人タイタス』BP:14000→17000

これが最後のアタックになる。
そう、誰もが理解していた。
……ただ一人、ダーク・ロロを除いては。

「最後に笑うのは私だァッ!! フラッシュタイミング! マジック:ストームアタックを使用ゥッ!!」

『ストームアタック/Storm Attack』 マジック 4(2)/緑
フラッシュ:
相手のスピリット1体を疲労させる。その後、自分のスピリット1体を回復させる。

「貴様等のシャイニング・ブレイドラを疲労させ、私のアルティメット・ジークフリードを回復……ハッ!? バカな、これは……!?」

ストームアタックのマジックによって発生した緑の暴風は、確かにシャイニング・ブレイドラを疲労させた。
だけど、アルティメット・ジークフリードを回復させようとした癒しの風は……効果を発揮せずに、その姿を消していった。
ストームアタックの回復効果は、アルティメット・ジークフリードを回復させることは出来なかったのだ。

BP17000のタイタスのアタックなら、BP20000のジークでブロック出来る……と、ダーク・ロロは思ったんだろう。
結果として、それは失敗したけど。


「……変だと思ったんだ。神様が作った剣を握ったスピリットでさえ他の全てを超えた究極の存在になることなんて出来ないのに、アルティメットはそれが出来るのは何でか、って」

ツルギ。
神様が作った剣って、また大袈裟な例えだなぁ。
でもまぁ、言いたい事は分かる。
ミッドナイトサンとかメガバイソンとかで重装甲をつけても、無色化という抜け道がある限り絶対は有り得ないって言いたいんだろ?

「アルティメットは、既存のスピリット・ネクサス・マジック・ブレイヴに続く第5のカードタイプで……スピリットを対象とする全ての効果を受け付けないんじゃないか、って予想できた。結果として、お前のマジックはアルティメットを回復させることは出来なかった。お前みたいに一枚のカードを過信し過ぎた奴を、俺は知ってる……!」

多分、BPアップのマジックとかコスト踏み倒しとかも効かないんだろうな。

「バカなァ!? 私でさえ先程初めてアルティメットを見たというのに、何故貴様等はそこまで……!?」
「デッキが環境に合わせて進化する生き物であるように、俺達も進化する。それが……カードバトラーだ。世界を終わらせようとするだけのお前には、進化が無い。そんなお前に、俺達が負ける訳が無い」

ダンさんの言いたい事は分かる。
俺もメテオヴルム大好きだけど、ほぼ上位互換のライジング・アポロドラゴンの存在を知った時には悲しくなったよ。
でも、環境ってそういうモンだもんな。
一応、赤青混色の勇傑デッキを作ってみたときの使用感はそこそこだったからまだオワコンでは無いと思うけど、中々使いこなせなくてなぁ……。

「難しいことは分かんないけど、タイタスで正面突破だ!」

トッパ。
お前は考えてるのか考えてないのか、最後まで分からない奴だったよ。

「ま、まだだ、フラッシュ、タイミング! マッハジーを神速召喚……!」

『マッハジー/MachG』 スピリット 1(0)/緑/怪虫
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000
フラッシュ【神速】
手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアを
リザーブから使用することで召喚できる。
シンボル:緑


……最後の粘りを見せたか。
多分、ガイ・アスラの弱点を補うために入れてたんだろう。
ガイ・アスラの【超覚醒】はリザーブからコアを持ってこられないから、【超覚醒】でコアを確保するためには、フィールドにガイ・アスラ以外のスピリットが必要だ。
それで、ガイ・アスラ以外のスピリットが全部焼かれちゃった時のために、神速召喚出来てコストが最も軽いマッハジーを採用してるんだろうな。

烈神速?

――セイリュービは今、伝説になる!

んん?
ナレーター、何か言った?
まぁ、良いか。

「マッハジーでブロッ……」
「その前にこっちのフラッシュタイミングだ! マジック:ツインフレイムを使用! 2【強化】完了! マッハジーを破壊!」

『ツインフレイム』 マジック 3(1)/赤
フラッシュ:
BP2000以下の相手のスピリット2体を破壊する。

これで、4人とも手札は0枚になったのか。
ベオ・ウルフの効果があるからBPを比べて勝利出来れば問題無いんだけど、ブロック後にマジックの空撃ちでスピリットを消滅されると凌がれるからな。
ここでもう一体マッハジーを出されたりすると面倒だったんだけど……幸い何事も無く、タイタスの拳が相手のライフに直撃した。

「ブレイヴスピリットはダブルシンボル! ライフを二つもらう!」
「最後のライフを討つべしっ!」
「うああああああァッ!!?」
「正面突破でストーク界トォォタルっ!!」

ダーク・ロロ:ライフ2→0

……なんか、マッハジーが神速召喚された時、ダンさんが少しだけ嬉しそうに見えた気がした。
なんなんだろ。
マッハジーに何か思い出でもあるのか?






……。
地面に倒れているダーク・ロロを縛りあげて、ようやく一息ついた頃だった。

「……ツルギ。ここはお前の世界だったな。この世界で……コイツは、どうなる?」
「兄さん……じゃなくて白夜王ヤイバが裁くことになる」

なんだか、ダンとツルギがシリアス顔で話を始めた。
ちなみにトッパは、気絶中のダーク・ロロを木の棒で突いて様子を見ていた。
トッパ……。

「できれば、ダーク・ロロが何を思って今回の行動に出たのか、その経緯を聞いてみてくれないか?」
「事情聴取なら、鞭を持った怖いお姉さんが尋問室を一つ持ってるけど……どうかしたのか?」

鞭を使って尋問って、それは尋問じゃなくて拷問じゃないか……?
ツルギもツルギで、微妙によく分からない奴だったな。

「……いや。最後の最後で粘りを見せた姿を見ていたら、ちょっと知り合いを思い出したんだ。俺が直接ダーク・ロロの話を聞いてやりたいところだけど、既にこの世の人間じゃない俺の役目じゃないだろうからな」
「分かった。今度、もう一度バトスピやりながら聞いてみるよ。今度は命懸けじゃなくて、ちゃんと楽しくやりながらさ」

……何気なく今、ツルギが良いこと言ったな。
そうだよ。
やっぱり、バトスピは命懸けとかじゃなく、楽しくやるものだよな。

拳を突き合わせている二人の間には、何か通じ合うものがあったんだろうか。
使っているデッキもダブルブレイヴ同士だし、似てるところもあるのかもしれない。
それにしても、ダンが死人だってマジなのか。
足もあるし、身体が透けてるようにも見えない。
ラゴシア伯も普通の人間にしか見えなかったし、そういうものなのかな。

それでも、こいつらが心の底からバトスピが好きだってことは……絶対に、間違いない。
ダーク・ロロも起きる気配は無いし、しばらく放っておいても平気だろう。
だから、俺は……。



「色々言いたいことはあったけどさ。ダンさんが冥界ってのに帰るまでにまだ少し時間があるなら……みんなで、バトスピしようぜ?」

「その勝負、乗ったぁ! 戻ってきた金ぴかジークフリードで、さっそく正面突破だ!」

「やるぞ! 絶対に勝つべーしっ!」

「……そうだな。勝つことが仕事じゃなくなっても……俺は、負けない!」



「「「「ゲートオープン! 界放!!」」」」


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