20XX年
世界はニコポの炎に包まれた!!
少女はすぐに懐き、美人妻は不貞を働き、転生者たちが暴走する。
原作ヒロインを巡って、転生者による寝取り寝取られが横行する。
まさに時代は、大ニコポ時代であった。
……が、しかし、純愛は滅びてはいなかった!!
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さて、さて、私の名前は『泉こなた』。
この世界やよくあるネット二次創作小説風に言うならば、『リリカルなのは世界』に舞い降りた『転生者』と言ったところであろう。
……TSですが何か?
もうどっかで聞いたことがあるようなこの名前から、私が地球出身、元男子学生現女子高生であると多くの方は予想するであろう。
そう予想した方、残念でした大外れ!!
今の私はミッド生まれであり、現在は紆余曲折あって、とある次元世界において、研究者兼、デバイスマスターをやっているのであった。
よくある流れなのかははなはだ疑問ではあるが、自称ペーパーとやらに、好きな【レアスキル】とやらを持って、漫画、アニメの世界に生まれ変わっていいと言われたのが発端だ。
このくそったれな世界に生まれ変わる前の純粋な私は、『ヒャッハ~~~生産チートだ!!』やら『ハーレムだ!!』やら狙っていたが、今ではこんなふうにごく一般的な研究者になるにとどまってしまっている。
まさか、この世界がこんなにくそったれな世界だとはだれが予想したであろうか?
いや、できない。
「……泉さん、お客さんですよ。」
はてさて、こんなダメダメな世界であっても、私には癒しとなる存在がいる。
それがこのメイドロボ、男のロマンの塊、超特殊型ガジェットである《桜》だ!
彼女こそこの私の【レアスキル】のよってできた【努力の結晶】、【私の嫁】であり、この私のこの世界における絶対の味方。
この世界における残りの私の人生は彼女をいかに改良し、完成させるかに費やす事であると言っても過言ではない。
もう、今日は、作業やらお客さんなんか無視して、桜と《にゃんにゃん》して過ごそうかとも考えたが、1分くらい真面目に悩んでいた時に、桜に『メッ!』してもらったことにより、正気に戻り、客間に出向くことを決意した。
「お~~す、久しぶりじゃん。ユーノ君。
さて、今日はどんな用事だい?今日はうちにスカさんもクロ助、それにフェイトも来てないよ?」
さて、今回客間にいたのは、《淫獣》やら《元凶》やら《なかったことにされた人》やら、もうこれでもかと公式でもファンの間でもズタボロにされていた、ユーノ・スクライア君であった。
だが、この世界のユーノ君に関してはマジでかわいそう。
ジュエルシード発掘、運搬までの流れは一緒だが、輸送艇が壊れたのは『転生者』のせい。
さらに、墜落後に救難を求めたら、別の『転生者』が襲ってくる。
その後、なんやかんやあって、なのはが彼を拾うも、さらに他の転生者がなのはに《ニコポ》後の、ユーノの《害獣》認定。
助けてもらった本人に殺されかけ、デバイスもなくして異国の地をさまよい、日夜転生者たちに襲われまくるという何とも可哀そうな目にあっているのだ。
そもそも、この世界、アホみたいにたくさん『転生者』がいるせいでかなり《原作》から離反してしまっている。
ユーノはその最たる例であり、ある意味最大の被害者でもある。
一時期は、四肢切断されたことがあるほどだ。
ひ、ひでぇ……
「いや、せっかくこの世界の近くに来たんだから、今日は《心》にお土産を買おうと思ったんだけどね。
君のお店、今日休業だったみたいだから直接訪ねてみた。」
が、私に関しては彼に対して、今この場に限ってはそこまで同情しない。
今の彼の横には、《心》がいるし、彼が可哀そうな経歴を持っているからと言って私の休日を壊す権利はないはずだ。
「……いや、親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らないの?
私、今日は休業ってことは私は《桜》とイチャイチャしたいってことか研究したいってことだ。
悪いけど返ってもらえない?」
私の怒りの態度もなんのその、ユーノは紙袋から何やら箱を取り出した。
「まあ、そんなに怒らないでよ。
今日は虎屋の《和菓子詰め合わせ》買ってきたからさ。
これを一緒に食べながら、久しぶりに、少し会話をしよう。」
「許せる!!」
まあ、彼はこんな辺境にいるといる私にわざわざ大事でもないのに《茶菓子》を持参して、訪ねてくれたのだ。
少しはもてなしてやるか、と先程までの態度から手に平を返して対応することにした。
「で、ぶっちゃけ最近のミッドって、どうなってるの?」
「あ~、相変わらずだよ。
《管理局》が《海》と《陸》内部分裂しながら、《黒の騎士団》とかの《テロ組織》と《教会》や《黒の教団》と協力しながら抗争中、人口は減少中。
これは近々、世界が管理できなくなりそうだけど……あそこは転生者が多いしなぁ、やっぱり世界の中心になるんだろうな。」
ユーノ相手に、益にもならない会話をしながら和菓子を食べる。
あ、このユーノ君は今現在、別に管理局とはとくに関係がない、ただの遺跡ハンターである。
しかも、スクライア一族からは、彼の余りの転生者からの絡まれっぷりのせいか、一族から除名されているので、完全にフリーの遺跡ハンターである。
無限書庫?あそこなら、転生者同士の戦闘ですでに消し飛ばされたよ。
ミッドか……もう未練はないとはいえ、正直転生者は怖い。
彼らの多くは生前の漫画で見たような能力から、《僕が考えた最強な能力》までいろんな能力を持っている奴がいるからなぁ。
しかも、複数持ちもよくいるし、その中でも一番多いのは《ニコポ》《ナデポ》《愛の黒子》に類する、恋愛系洗脳能力だ。
噂だと、100人以上はいるらしい。
「……あ!」
「ん?《心》どうしたんだい?」
さて、そんな会話のさなか、ユーノの横で別の物を食べていた心が少し驚いたような声を上げたので、ユーノが気になって彼女に声をかけた。
「……いえ、珍しい味であったので……。
この味は……バナナですか?」
「あったり~~~!
どうだい?せっかくだから、今までにない味を混ぜてみたけど、どう?」
どうやら、《心》は自分の作った新しい味が気に入ったようで、やや遠慮がちに、しかし頬を緩ませながら、ぱくぱくとそれを食べていっているのが分かる。
ユーノも心がそれに気に入っているのが分かったのであろう。
私に向かって商談をする。
「うん、心がそれを気に入ったようだし……
今心が食べてるやつはどれくらいストックがある?
保存がききたいなら、買い置きをしておきたいんだけど……」
「え!いいの!
け、けど、家にはまだ他の味の《エネルゴン》が残ってるのに、そんなの悪いよ、ユーノ君……。」
心はそう、ユーノに心苦しそうに言った。
そう、今《ユーノ》の横にいる彼女《心》もまた、《メイドロボ》。
《メイドロボ》。
それは機械の体に、人の心、この転生者による《ニコポ》、《ナデポ》が横行する世界において、唯一《男性を裏切らない女性》と言える存在である。
もちろん機械によるハックなど、抜け道がないわけではないが、それは私のスキルで製作段階から、ネジ一本レベルまで対策済み。
そして、この《メイドロボ》、《心》はそんな中でもかなりの高性能な1人。
魔導師としては、ランクAAクラス。
遺跡発掘に役立ち、且つユーノの魔法とかぶらない魔法を多数使え、感情知識は人間並みに豊富。
外見に関してはややオレンジがかった茶色の髪、お目めはパッチリ、可愛さが目立つやや日本人顔の少女のような外見。
そしてツインテールという、これ、どうみても「なのは」(幼)だろって見た目である。
なお、これはユーノ君の希望を聞いた結果このような外見であって決して私の意志ではない。
彼曰く、『いや、顔の細部はなのはと違うから、気のせいだよ』といていたが……それでもどうなんだこれは。
「まあ、とりあえず、中型の段ボール1つ分ならすぐに用意できるよ。
値段は……これくらいかな?」
「うん、これくらいなら即決。
今すぐに払えるよ。
できれば、郵送でいいから、いつもの奴と一緒にこれからも送ってほしいな。」
ユーノの余りの即決具合に、思わず《心》が驚き、本当にいいのかと問い詰めていた。
話の途中で『だからユーノ君はお金使いが荒いの!!』とか、『今月は厳しいから無駄使いはだめなの!』とか、いろいろ聞こえたが、とりあえずは無視。
結局この後、これ以外にも、心用の《メイドロボアップデートツール》を多数買って、ユーノ達は帰って行った。
「……さて、もうこんな時間か。
予約されてる《メイドロボ》もあるし、今夜は徹夜かな?」
「だめです!!」
結局ユーノ達が帰ったのが夜遅くであったため、他の《メイドロボ》製作用の時間が足りず、今から徹夜をして、完成させようとしたが、桜に反対される。
……自分で作ってなんだが、《メイドロボ》はかなり自由意志を持ってるせいで、こう、本人が主人の為ならと思ったら、主人の意志に背く行動をとることも多々ある。
其処がいいと言えばいいんだが……
「最近、桜、前より厳しくなってない?
前ならこれくらいなら許してくれたのに……」
「そ・れ・は・泉さんが節操なしに《メイドロボ》製作依頼を受けるからです!!
以前は、客がほとんどなかったから、徹夜なんてしませんでしたが……
最近は1週間に3回はしてるじゃありませんか!
せっかくの休日なんですから、今日くらいはきっちり寝てください!!」
そう、私は今この世界で、《メイドロボ》製作の仕事をしているのだ。
この世界、一見、美女率がかなり高いため、あまり需要がないように思えるが……。
ぶっちゃけ、その美女は『転生者』達の的になっている。
もう、《人妻》とか《彼氏持ち》とか関係なしに転生者が《ぽ》させまくっている。
しかも、転生者たちなまじ強力な力を持つ者が多く、法律に縛られない奴が多く、倫理観もかなりあれな感じになってるやつが多い。
ハーレム上等、喰い捨て有、寝取られた側の男を放置やズタボロ化なんてよくある。
特に、原作キャラに関わりがある女性キャラは軒並み転生者に喰われている。
(例外は『転生者』である、フェイトno.30ぐらいである。なお、フェイト自体、プロジェクトFの原作との差異か、現在24人くらい確認されているが)
そのせいで、《ぽ》された女性の豹変ぶりに恐怖を覚えて、《現実の女性》に恐怖を抱く男性が多数出現。
それにともない、現実の女性に対する人間不信、裏切らない《女性》をほしがる男性が多数出現。
そんな彼らに《メイドロボ》を供給することが私の仕事となったのであった。
「と・も・か・く!
今日の作業の残りは《コンボイ》さんに任せて、今日はもう寝ますよ!!」
「離せ―!ショッカ―!ブッ飛ばすぞー!!」
桜が私の羽交い絞めにして寝室の方へと輸送する。
くそ!無理に桜の身長を理想形にするんじゃなかった!!
背中に桜のいい形のおっぱいが当っている!さすが私作、いい弾力……じゃない!!
そんな私の様子をみて、桜が耳元に口をとせてこうつぶやいた。
「仕方ありませんね!この手は使いたくありませんでしたが……
(今日はベットの上でサービスしてあげますから……イイですか?)ボソッ。」
「!!し、しかたないな~~。
今回だけだぞ!」
さ、桜の方から《サービス》!!
こ、これは新鮮!!早くベットに向わなければ!!そうと決まればと、桜の腕からするりと体を抜け出し、走って布団へと向かう。
なんか後ろから、桜がしかたない娘を見るような眼で見てる気がするけど……気にしない!!
だって男の子だもん!!(少なくとも心は)
そう、これは転生者によるニコポナデポ祭りのなかで、現実の女性に疲れながらも、《理想の女性》を追い求める漢たちの話である。
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3時間くらいで書いた、後悔はしてない。
ベタな転生最強物を書きたくみたくなって書いてみたが、どうしてこうなった。
いや、多分ニコポナデポ転生者がいっぱいいると、人間不信になるだろうな~と。
そしたら、もっと別の物には知る人が増えるのでは?っと思って書いてみた。
この世界、スカさんは数の子全部NTR済み。
クロノもエイミィも母親も、猫師匠もNTR済み。
何というカオス。
……誤字脱字や感想がありましたらお願いします。
いつも道理タイトルは適当です。