7月頭の頃、清々しく晴れた日の午後のこと。外出にも昼寝にも最適な陽気だった……が。
残念ながらキャロ達は現在、薄暗い地下水道内を駆けていた。
「社の様子を見に行こうとしていたというのに……せめて事件は明日にしろというのだ」
「言っても仕方ないでしょ。放っておいたせいでレリックが爆発でもしたら笑えないから」
「とはいえティアとのデートが終わっちゃったのは惜しいなぁ……」
「あはは……仲いいですね?」
「誤解よっ!」
そんな掛け合いをしながら途中で別件を追っていたギンガとも合流し、5人で捜索を続けることしばらく。やがて開けた空間でレリックケースを発見し、キャロが代表して持ち上げた。
皆がそれを見て任務完了かと思ったが、ガンッガンッと辺りに大きな物音が連続して響き始めたことで状況が一変する。
飛び跳ねる音が徐々に近づいてくることから襲撃に思いいたり、真っ先に反応できたのは年長者たるギンガだった。
「危ない、キャロさんっ!?」
レリックを手にしたキャロが狙われているのだと当たりをつけ注意を促すギンガ。彼女から見れば小さな子供で肉弾戦が得意には到底思えなかったからだ。
だが当の本人は腕力を強化するなりゴガンッとレリックケースで襲撃者を殴りつけ、逆に弾き飛ばしてしまった。
「貴様など、瓦礫の中にでも埋まっていろ!」
襲撃者は予想外の反撃にカウンターを取られ、勢いのまま壁を叩き割って埋もれてしまう。
「……ええっと、あれ?」
駆けつけようとして動きが止まり、一連のやり取りを見て何かがおかしいと首をひねるギンガ。というか何から何までがおかしい。ティアナは慣れた様子で事情を説明した。
「あー……心配するだけ無駄ですよギンガさん。この子、色々と常識外れですから」
「そ、そうなの?」
「ええ。というか危険物で殴るなっ!」
「つい反射的にやったことだ」
ケースの強度はガジェットが爆発しても問題ないレベルなので恐らく平気なのだが、それでも心臓には悪い。怒りは尤もだ。
『そもそも中身は既にすり替えてある。ケースを壊されたところで痛くも痒くもない』
『そういうことは早く言いなさい』
レリック自体は六課に転送済みだと付け加えられてもう帰りたくなるティアナ。もうそろそろ常識人でいることが辛くなってきた。
「だ、大丈夫?」
気遣わしげに声をかけてきてくれたギンガに応じつつ頭を振り、邪念を追い払う。司令塔まで非常識になったらどうにもならない。
(私は大人、私は大人……)
「……それで、あなたが下手人って訳?」
気を取り直し、影になった部分から歩み出てきた女の子に向けて銃口を向けながら問う。襲撃を加えてきた、どう見ても敵対意思ある相手だ。
当の下手人、ルーテシアは姿を現すとキャロの持ったケースを指差し、言葉少なに要求を告げる。
「……そのケースを渡して」
「そう言われてはい、そうですか、って渡すと思う?」
チャキ、と引き金に指をかけることでティアナは答えを示した。
ロストロギアを素性の知れない者に渡せる筈がなく、ましてや先制攻撃を仕掛けてきた相手には尚更ありえない。逆に拘束して逮捕が順当だろう。
そしてそれはルーテシアにも分かっていたようで。
「……我は乞う、小さき者、地を這う者。言の葉に応え、我が命を果たせ。召喚、レッグルツーク」
デバイス、アスクレビオスの宝珠が光ると共に部屋の到るところに魔法陣が出現する。その数、軽く40。
何が、と身構えるフォワード陣の視線の先に現れたのは紫の巨大ムカデ、レッグルの集団だ。ゾブリゾブリと溢れるように呼び出され、あっという間に部屋の出入り口を埋め尽くしてしまった。
嫌な状況に溜め息を吐くティアナ。気持ち悪さも相当なものだが、それよりも脱出を封じられてしまったことの方が痛い。
「実力行使ってこと……この人数差で随分な言い様ね、1人で何か出来るとでも?」
デバイスを構え臨戦態勢に入る5人。前・中・後衛そろった教本のような布陣が組めており、即座に制圧することも可能だと皆が思っていた。
「私は一人じゃない……おいで、ガリュー」
人数的に不利なルーテシアだが、慌てることなく戦闘不能になったガリューを送還し、魔法陣を展開する。レッグルを呼び出した時よりも更に強く紫の光がほとばしり、部屋を染め上げていった。
「これはなんだ!? くっ、進行が速い!」
部屋全体を覆っていくものが結界魔法であることに気付いたキャロが妨害をしようとするが、それよりも早くルーテシアは結界を完成させてしまう。
「強き者に戒めの縛鎖を、猛き者に重き枷を、封鎖結界、超重力の網!」
『Gravity Bind!』
完成を告げるアルクレビオスの機械音声が響き、それとともにズシリ、とかつてない圧力が5人に襲いかかる。
「がっ……!?」
急激に増した重力に感覚を狂わされ、たたらを踏むティアナ達。他人よりも頑強なギンガとスバルはまだ良い方で、エリオやキャロはまともに動くことも難しい。
「体が重い……重力が増大した?」
「それだけじゃない、魔法が使いづらくなってる!」
子供2人を介助しながら状態を確かめるギンガとスバルに、ルーテシアは種明かしをした。ドクター手ずから組み上げた、特別性の結界魔法を。
「この結界は特別性。高い魔力を持った、強い人ほど動けなくなる」
重力を付加することで物理的に制限をかけると同時に、空間内の魔力素を極端に減少させるのがこの結界の効果だ。簡単に言えば低酸素・高重力空間に置かれているということである。
魔導師は魔力素をリンカーコアから吸収・ろ過し溜め込むことで魔力を補給している。大本の魔力素が少な過ぎる場合、特に大魔力に慣れた者は普段との落差により体調を崩してしまう。
体内に酸素を貯めているからといって呼吸しなくて済む人間はいないのだ。
床に膝を付いたまま、キャロはティアナをからかうように見上げた。
「まともに動けるのは魔力が元から少ない者ということか」
「わざわざジッと見なくても分かってるわよ、私の魔力が少ないって言いたいんでしょ!」
若干キレ気味に応えるティアナ。だが実際、現状で魔法を充分に使えるのは彼女しかいない。時間をかけて環境に体を慣らせば他の者も使えるようになるだろうが、そのような時間を敵が与えてくれる筈もない。
「おいで、私の兵士達」
何十体も召喚し、更に手勢を加えようとするルーテシアにフォワード陣が目を剥く。複数召喚は難易度が高い技術でありおいそれと手が出せるものではない。例え召喚獣が弱いものであったとしても数には限度というものがある。
つまり目の前に居るのは並の相手ではない。虫召喚のエキスパート、いうなればインセクターである。
空を飛んで襲ってくる羽虫と、隊列を組んで迫ってくるコカローチナイト達。心理的にも物理的にも手強い相手に5人も挑みかかるが、次第に息切れが見え始めてしまう。常時相対しているのは20体程、それでも多いのだが倒した隙から送還され、新手を呼び出されては同じ事の繰り返しという悪循環に陥っているのだ。
始めはスバルとギンガがアタッカーを務めていたものの、そもそも魔法の使用が上手く出来ていない。エリオとキャロは円陣の中央で伏せていることしか出来ず次第に押されてゆき、やがてティアナをセンターとして防衛に専念することしか出来なくなっていく。
相も変わらず強い重力の下でまた1体、羽虫を撃ち落したところでティアナが愚痴を零した。
「数が多い! どうしてあの虫達は普通に動けるのよ?」
その言葉に召喚を封じられ、ろくに貢献出来なくなったキャロが忌々しそうに答えた。ブルーアイズも所在無さ気で元気がない。
「凡骨並にレベルが低いのだ。後は劣悪な環境に慣れているのだろう」
「誰のおかげで保ってると思ってるのよ!」
突進してくる虫達をティアナが撃ち落しスバルとギンガが止めを刺すという現状、まともに動けるのがティアナのみなのでどうしても火力が足りない。物量に押し潰されかねないのを食い止めることで精一杯、押し返すことなど望めそうにない。
返しの一撃を叩き込むにもチャージ時間が取れない。ジャミングをされているらしく戦闘が始まってから外部との連絡が取れず、いつ応援がくるかも分からない。
時間さえあればクロスファイアを撃てるのに、と歯噛みしつつティアナはキャロに念話を送った。
『副隊長達が来るのが先か、私達が押し潰されるのが先か……どう思う?』
『決まっている、俺達がヤツを叩き潰す方が先だ』
『相変わらず自信満々ねぇ!』
根拠なく自信満々なフルバックを皮肉りつつ、ふとティアナはキャロを見ていて気になることが出来た。キャロと相手の召喚士を比べた場合の違いに気付いたのだ。
キャロが呼ぶのは専らブルーアイズのみである。この数ヶ月、ティアナの目から見て高レベルな召喚士であるキャロであっても、ブルーアイズ程の竜を自在に操ることは容易ではないように思われた。
一方、目の前の女の子が呼び出した虫は既に3桁に届く。仮に彼女の資質がキャロを超えていたとしても、あまりにも常識外れだ。
『あの子って、いくらでも召喚できると思う?』
『そんな訳なかろう……召喚自体に魔力を喰う。加えて制御にもリソースを喰われる、強力な個体なら4、5体が精々だろう』
今あれほど召喚出来ているのは弱い個体ばかりだからだ、と言われて納得するティアナ。一応手強い相手ではあるが、ブルーアイズと敵対した時のような絶望感は生まれない。
とはいえ呼び出せるのが弱いものだけということはないだろう。恐らくストックには何体もの、何種類もの虫がいる筈。それこそ4、5体呼び出してしまえば限界を超えるほどの個体も。
『ならあの子のキャパシティを超えて召喚させてしまえば隙が生まれる。どう、ありそうな話だと思うんだけど?』
『ふぅん……いいだろう、凡骨の賭けに乗ってやる』
キャロもその推測に賛同し策を2人で練っていく。反発“さえ”なければ2人の策謀には1分もかからない。
『行くわよ……中距離殲滅コンビネーション、チェーンストライク』
一瞬だけ防衛をスバルとギンガに任せ、チャージをとるティアナ。カートリッジを潤沢に使い適性の低い炎熱変換を行使、解き放った。
「喰らいなさい、ファイヤーボール!」
クロスミラージュから火炎弾を撃ち、手近な者達へ直撃させていくティアナ。
轟々と燃える火の玉を5発、6発と撃たれ、数で押していた虫達にも動揺が広がる。被弾した虫は装甲を融かされ、堪らず戦線を離脱していった。グォォォッ、と雄叫びをあげながら逃げ惑う虫達に、ティアナは炎弾を次々と撃ち放っていく。
「もういっちょ、ファイヤーボール!」
嬉々としながら火を放ってくる彼女に虫達は戦々恐々だ。召喚獣とはいえ生き物は生き物、根源的に染み付いた火への恐怖は当然ある。それを雨霰のごとく降り注がせてくるのだから、焼かれ炙られ焦げた虫達で辺りは阿鼻叫喚の地獄絵図である。
「逃がさん、封印の鎖!」
「デス・メテオ!」
ジャラリ、と足元にめぐらされた鎖に足をとられ躓く虫達。キャロが無機物召喚で呼び出した鎖に回避を邪魔された虫達は燃える隕石のような炎弾を撃ち込まれ、転げまわったままに体を焼かれ悶絶していった。
センターとフルバックによる大火力という色物コンビネーション、連鎖爆撃で粗方の虫達を焼き、最後とばかりに4発ロードするとティアナは両手で2つの魔法を行使した。
「そしてトドメの火炎地獄!」
『Tremendous Fire!』
クロスミラージュの音声と共に半径にして数メートル、5人を守るように炎の壁が立ち上がった。轟々と天上まで吹き上がる火炎に遮られ、かろうじて無事な虫達も立ち尽くしてしまう。
派手にカートリッジを消費し、足元には薬莢が大量に散乱している。炎で守られた円陣の中、思いのほか上手くはまった策にキャロは感心した。
「壮観だな。炎の凡骨デュエリスト、といったところか」
『全部が全部本物って訳じゃないわ。むしろ幻影の方が圧倒的に多い』
ギャンブルだったけどね、と念話で嘯くティアナ。目に見える火炎のほとんどは幻影であり、実体を伴った炎はその10分の1にも満たない。炎熱変換を片手で行いつつ、炎に似せた幻影を片手で作り出す——ツーハンド型魔導師だからこそ出来ることだった。
実際これが出来るようになるまでそれは苦労の日々があったのだが、彼女が言って聞かせる日は来ないだろう。デュエリストとは口で語る者にあらず、戦いで魅せる者なのだから。
残り少なくなったカートリッジを銃に込めつつ、ティアナは未だ座り込んだままのキャロに声をかけた。
『さて、私は殲滅の準備をするから幻影の維持協力お願い』
『……まぁいいだろう』
今もってキャロはまともに魔法を使えない。だからこそ幻術の維持にブーストをかける位はしろということなのだが、やはり面白くはない。なのでブーストはデバイスに任せきり、自身はその後に控える一手へと専念していった。
燃える壁の外、時折特攻を仕掛けては炙られて逃げ帰る虫達の姿にどうしたものかと思案するルーテシア。この結界内で召喚できるのは現在の虫達レベルが精々であり、これ以上の強さを求めると結界を解除しなければならない。
何度か探らせた結果、全てが本物の炎ではないことは分かったが……かといって突撃させる訳にもいかない。
(アギトが来れば……ううん、このことを知らせてない。自分でなんとかしないと)
アギトもゼストも来る見込みがないのだ。数は少ないが火に耐性を持つ虫を呼び出そうかと眺めていた視線の先、何の前触れもなく壁が消失した。
(なに……っ!?)
「クロスファイア、シュートォッ!!」
晴れた視界の先、無数に浮かんだスフィアが目に入った。走った怖気に従って障壁を張ったルーテシアに、無防備な虫達に次の瞬間、クロスファイアが襲い掛かった。
(ぐ……う、くっ)
百に迫る弾丸に撃ちぬかれた虫達が次々と送還されていくのを感じながら、全力で障壁維持に力を込めるルーテシア。ようやく攻撃が止んだ頃には、羽虫達はおろか部屋の四方を埋めていたレッグル達も全滅させられていた。
「虫たちが一網打尽……なかなかやる。でも」
デバイスに魔力を通し、再度ルーテシアは召喚を行おうとする。魔力にはまだまだ余裕があり、虫達も残っている。対するティアナ達に余力はなく、同じことを繰り返せば絶対に倒せる……そう考えての行動だ。
大っぴらに召喚を繰り返そうとするルーテシア。だがそれをキャロは待っていた。
「そんなに虫が好きなら好きなだけ呼ぶがいい!」
『Forced Summon!』
ルーテシアが大規模召喚を行うタイミングでハッキングを仕上げたキャロ。戦闘が始まって行動を封じられて以来、結界とデバイスへの侵襲だけをひたすら繰り返していたのだ。
見たことのない術式や高度なセキュリティに面食らいはしたが、それも最初だけ。キャロは陸戦魔導師である前に科学者なのだ。これだけ時間が与えられていれば未知の魔法だろうがシステムだろうが丸裸にできる。
キャロの送り込んだウイルスによりアスクレビオスが制御を離れ、ルーテシアは本来呼ぶはずではなかった虫達を強制召喚させられていく。
ヘラクレス・ビートル、クワガー・ヘラクレス、ギロチン・クワガタ、カマキラー、ビッグ・アントといった地を歩く巨大虫達。
キラー・ビー、ドラゴンフライ、フライングマンティスといった空を飛ぶ虫達。
そして一際巨大な虫、インセクト女王もまた強制的に呼び出された。そのどれもが結界の影響でまともに動けず、地に這いつくばっている。
「くぅっ……アスクレビオスが勝手に!?」
「貴様には強力なモンスターが手札にあった。それにも関わらず召喚しなかったのは」
「グラヴィティ・バインドの効果で行動不能になってしまうから。いるだけで戦えないのなら、維持コストとして魔力を消費するのは無駄でしかないからね」
ティアナに図星をさされ、ぐっと唇を噛んで堪えるルーテシア。キャロは体に力を込めて立ち上がり、彼女へ追い討ちをかける。
「どうやら今の状況は貴様のキャパシティを超えているようだな。せっかく張った網に綻びが出来ているようだぞ?」
「っ!?」
『Heavy Storm!』
気付くのが遅い、と除去魔法を発動させるキャロ。設置型バインドや結界の類を根こそぎ打ち消す魔力流の大嵐が吹き荒れ、一帯を覆っていた重力網を吹き飛ばしていく。それとともにかかる重圧が減り、空間の魔力素密度が回復していった。
「ククク、ハハハハハ!」
形勢逆転したことに気が昂ぶったのか高笑いを始めるキャロ。そのせいでデバイスの制御が甘くなり、封印していた魔法が発動しかけてしまう。
『The fang of C——』
「止めろ、それは使うな!」
勝手に魔法が発動しそうになったことにハッとし、デバイスを怒鳴りつける。発動自体はすぐに止まるが昂ぶりかけた気持ちは今の一瞬で完全に萎えてしまった。
(何故……アレだけは使わぬと封じた筈ではなかったか)
自問しながらブルーアイズの枷を解くキャロ。虫達もまた重力からは解放されたものの、竜という格の違う存在を前に身動きを許されず固まってしまっている。
動悸を押さえつつルーテシアを睨み、気をとり直すように声を張り上げた。先程のことを忘れんとするように。
「教えてやろう……戦いの生態系、戦いの食物連鎖。雑魚ごとき、誇り高き獅子に触れることすら許されぬ!」
顎を開き、ブレスをチャージするブルーアイズ。そこへキャロは自身の魔力を上乗せし、効果範囲を部屋全体へと拡大した。悩みごと壊し尽くせ、と念じて。
「滅びの爆裂疾風弾!」
軒並み吹き飛ばされ送還されていく虫達。だが自身へと攻撃が届く前にルーテシアは転移を済ませ、部屋から離脱していた。
戦闘終了後、ジャミングが解けたことで駆けつけてきたヴィータ達に事情を報告して隊舎へ帰る途中、話に加わらず一人で歩いていたキャロにティアナは話しかけた。
「ねぇ、さっき使いかけて止めた魔法って」
「詮索は無用だ」
追究をかわして歩き去るキャロ。普段ならば飛び出すだろう皮肉もからかいもなく、ただ思いつめた様子に他の者は触れることも出来ない。
(似ているだと……? ふん)
逃走する寸前に念話にて、自分へと語りかけてきた言葉を思い返す。あなたと私はよく似ていると、過去を失っていると、暗い瞳でそう言われたのだ。
何故そのような場所に留まっているのか、とも。
自分に似ているという謎の召喚士との戦闘、そして使いそうになった魔法が昔の記憶を揺り動かしそうになる。封印した忌々しい魔法、汚らわしい過去。とうに捨て去った筈のものが蘇りそうになるのを押さえ込みながら、隊舎へと帰還するのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ティアナは立派に(洗脳)城之内を継ぎました、ええ。ATMは不明。
そしてルーテシアよりキャロの方が悪役に見えるのは何故だ……? 次回こそ『力の意味』、少しシリアス。