<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.36237の一覧
[0] 【ネタ】天空城でNPCが暴走しました(オーバーロード二次創作)(他作品の設定多重クロスオーバー)[マトラ](2012/12/26 23:58)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[36237] 【ネタ】天空城でNPCが暴走しました(オーバーロード二次創作)(他作品の設定多重クロスオーバー)
Name: マトラ◆8e38f634 ID:b50119f9
Date: 2012/12/26 23:58
注意

・この作品は丸山くがね氏の「オーバーロード」の二次創作小説です。
 作中には原作と噛み合わない点や、登場人物がオリジナルと一致しない行動を行う可能性があります。
なるべく注意しますが、ご了承下さい。
・マトラは文章能力があまり高くありません。
 内容はもちろん、おかしな日本語を使用する事もあると思います。
・作中には多くの作品が設定等でクロスオーバーしており、そちらもオリジナルとは異なる行動を行う可能性があります。
 ご了承下さい。
・たまに読み返したり感想の意見から内容が変更される可能性があります。


この作品はネット版「オーバーロード」の『知識』という話に登場した【アースガルズの天空城を保有したギルド】という文章から思いついた完全なネタ作品です。
マトラの妄想100%です。

それでも良ければお進み下さい。


















雲ひとつない蒼穹の空に巨大な城が浮かんでいる。
巨人が大地より無理やり抉り取ったような空飛ぶ地の上に、天へと複数の尖塔が聳え並ぶその城は、DMMORPG『ユグドラシル』をプレイしたことのある人ならば誰でも知っている。
城の名前は天空城イーダフェルト。

殆どが創作系職業のプレイヤーで占められたギルド「フェアゲッセン・ヘルト」の本拠地として、多くのプレイヤーに知られている空中要塞のダンジョンである。

空中に浮かんでいるため、宙に浮かんで攻撃するか、遠距離系の魔法攻撃でしか届かないその城には、ギルドメンバーが膨大な予算と時間をつぎ込み、さらなるグレードアップを重ね、魔法具による迎撃武装や、防御障壁の展開などで要塞と化していた。

その中でも超位階魔法10とワールドアイテム2による同時アタックが行われた際には、全てが障壁に防がれさらに跳ね返されるという現象が起こり、世間を騒がせた。

さすがにそうなると何かあるなと多くのプレイヤーが探索し、ついにギルド『ワールド・サーチャーズ』が、その障壁がワールドアイテム『ユグドラシル・リーフ』よるものであるにことを突き止めた。
詳細な能力は不明だが、攻撃を反射させる障壁を展開させるそのワールドアイテムにより不落要塞の称号を我が物にした城である。












ギルド「フェアゲッセン・ヘルト」の当初の主な活動目的は昔のアニメキャラクターの再現であった。

22世紀となった現在も、テレビアニメは発展の道を歩んでいた。
技術の発展により、より精密な映像が世間を賑わしている。

そんな時代でも、もちろん昔のアニメを愛する人達はいた。
彼らは語る。20世紀に後半から21世紀前半のアニメが一番であると。

しかし彼らを見る世間の目は冷たく、「規制がしっかりなっていない映像のどこがいいんだ」と犯罪者予備軍に見られる者もいた。

そんな彼らにとっても『ユグドラシル』は夢のゲームであった。
外装を自由に設定でき、自分がアニメキャラクターになって自在に動き回れ、さらに彼らの能力も擬似的に使用できるというこのゲームは、彼らを夢中にさせた。

だんだんとのめり込んでいく彼らは本来アニメの保存データの購入費用につぎ込むはずのリアルマネーをもゲームにつぎ込んでいき、少しでも再現率の高い外装、武器、能力を求めていった。

そして彼らは遂に強さの再現を求めた。
あの戦士ならこんな敵、一刀両断だ。
あの魔法少女なら、こんな怪物一撃で沈めるわ。

その為に彼らは『ユグドラシル』における効率的な能力アップの方法を探求していき、上位10ギルドの第10位まで上り詰めたのだ。

そうして彼ら64人は『ユグドラシル』でも有名なギルドとして名を轟かせていった。
「あいつら外見と強さが一致しない」
「何か攻撃時に変な技名を叫ぶやつがいる」
「行動の最後にあの動作は必要なのか」
「これが噂の絶滅種、中二病・・・」











ゆうに千人は入ることができそうな広い部屋。
四本の太い柱に支えられ、見上げなければ視界に入らないほど高い天井。
巨大な扉を有する以外の四方の壁は全てがガラス張りで、その前には2mはある金色の板金鎧が剣を携え、等間隔で並んでいる。
床は微かに白い光を放つ不思議な石が敷き詰められ、その上を血のように真っ赤な絨毯が道を作り、天井には巨大なシャンデリアが均等に並べ吊るされている。

その先にあるのは半円状の5段の階段。
そしてその上には水晶でできた大きな王座があった。



王座には大きな金色の槌が立て掛けられ、一体の板金鎧が座り、椅子の横には1人のメイドが立っていた。

鎧の方は、窓際に並ぶ鎧と同じく大きさは2m。
しかし他とは違い、色は銀色で腕が六本、頭には赤い鳥の羽の飾りが付いている。
兜の眼に当たる僅かな隙間からは、微かに赤い光が漏れている。
戦死した英雄の魂が入り、その経験と六腕により多くの武器を一度に使用する、鎧兵系の最高位――old grand armor<オールドグランドアーマー>。
最高位系ダンジョンにて度々姿を現すそれは、一度に6つの武器を使用し、さらには倒し方にはコツが必要で、戦うのが面倒と評判だ。

もう一方は、黒と白のツートンカラーを基本とした重量感のあるメイド服をきた美しい女性であった。
長身で黒い長髪をヘッドドレスで結わえており、手には純白の手袋がはめられ、顔以外の肌を一切晒していない。首には枝と葉で編まれた首飾りをし、腰にはメイド服とは明らかにミスマッチな大太刀が添えられていた。
常に無表情な彼女はオートマトンと呼ばれる自動で動く人形であった。








「ああ、こんな設定だったな」

椅子に座っている鎧から声がもれる。

彼、プレイヤーキャラクター名をガヴィダ。
この城を所有している「フェアゲッセン・ヘルト」のギルド長をしているレベル100プレイヤーである。

そんな彼は横に立つ女性型NPCの設定ウィンドウを覗いていた。

彼女の名はノア。
天空城の操舵手にして、城内の全兵団を統括する最高位のNPCであった。

「こうやって改めてみると恥ずかしい設定ばかり、テンション高いなぁ昔の俺って」

スクロールをしていくと、昔仲間と共に調子に乗っていろいろと条件を付け足していった思い出が蘇ってくる。

「ギルド長のNPCなんだから、こいつに城の飛行操作をさせようってのは嬉しくて良かったんだけど、その後に俺の嫁設定にしようぜってなったんだよなぁ。」



拠点を手に入れると、その特典の1つとして1からNPCを作成できるというものがあった。

天空城イーダフェルトの場合は、そのNPCの1体を城の操舵手として任命でき、自動で城の航行を行ってくれるのだ。

ギルド長であったガヴィダのNPCに担当させたらどうかとギルドメンバーが勧めてくれたので、お言葉に甘えて彼が好みの外見や能力を作成したのだった。


設定文章の初めの方は自分で設定した簡単なものだったが、その後にそういうのを作成するのが好きな仲間が、どんどん後付けを行ったのである。

スクロールをしてくるとどんどんとふざけた設定が出てきた。


曰く、彼女は神代の時代に城と共に生まれ、ずっと孤独に過ごしてきた、心を持ったオートマトン。
曰く、彼女を孤独から救った「フェアゲッセン・ヘルト」のギルド長に忠誠心以上の愛情と依存心を持っている。
曰く、彼からもらった大太刀『夜心』を毎夜毎晩手入れし、鍛錬に励んでいる。
曰く、彼女はいつか彼を自分の所有物にして、永遠に手元に置いておきたいと企んでいる。




「最後の設定つけたの、絶対にコトノハさんだよなぁ」

エルフの魔法使いの友達を思いだしながらも彼は苦笑し、彼はスクロールから目を離し、その煌びやかな場内を見渡した。

「結局、誰も来なかったなぁ」

彼がこのゲームにログインしたのは半年ぶりであった。
1年以上ほど前から現実世界の都合や他のゲームへの浮気などでギルドメンバーがどんどん離散し、最後まで残ったギルド長の彼も、半年前からは殆どプレイをしなかったのだ。

しかし、今回この『ユグドラシル』のサービスが停止するとの情報を受け、誰かログインして来るかもしれない、そうなったらかつての仲間と昔話でもしたいなと思い、今回この場にいるのだった。

「サービス終了まであと10分。やっぱり連絡とかするべきだったかな。でも誰か1人くらい、来てくれても良かったのに」

このゲームを通じて知り合った多くの仲間たち。
当時はどれだけアニメキャラを忠実に再現できるかと外装を弄りまくり、そしてかつて画面の向こう側の主人公たちが振るった武器を自身が振るった。

その内に彼らの外装の出来が周りに評価され、ヘルト印の武器が『ユグドラシル』に溢れていた。

しかしそんな時代も既に過去の話。

あと10分でそれらは全てデータとして、削除されるか、良くてどこかに保存されるか。
それらはもう、陽のあたるところに出ることはまずないだろう。







「そういえばまだノアの設定、限界文字数に少し空きがあったな。どうせだし何か付け足そうかな」

ガヴィダはクリエイトツールを開け、ノアのコンソールを操作し、設定ウィンドウを開いた。

ノアはカーソルを最後まで持っていき、

「せっかく皆が考えてくれた、心に愛のあるオートマトンって設定なんだし、思い切ってこんな感じにするか」

設定コマンドに一文章が追加された。


『自身の心を命令よりも上位に置き、最優先に行動する』


「最後なんだし、別にいいよな、こういうのも」

これから消えていく、仮想の嫁への最後へのプレゼントである、みたいな感じでなんか背中が痒いなぁと思いながらも、彼はその設定を保存した。











もうまもなく、サービスが終了する。

ガヴィダは王座に深く腰掛け、王座に立てかけられていた黄金槌のギルド武器、アウルム・マルクスの柄を手で弄りながら、静かにその時を待った。


強制ログアウト後は、すぐに寝ないとなぁ。
明日も朝早くから出ないといけないし。


そんなことを考えながら、心の中でカウントを行っていく。


23:59:38、39、40……  


そうだ、最後にこの言葉で締めくくろう。
このキャラ、ガヴィダのモデルとなった、あのキャラクターの最後の言葉で


23:59:48、49、50……  



「あぁ、俺ぁ、天国を作ったんだ」



23:59:58、59―― 



そうして彼は、視界の隅にある時計の数字が全て0になるのを確認し―――――














キンッ














その音が聞こえると同時に、世界が反転した。


「お、え、あぇ?」


彼は何が何だかわからなかった。

サーバーが終了したのに、なぜまだログアウトをしていないのか。

ちらりと視界に入った、部屋の隅にある大時計の針が00:00:01とカウントを進めていたのはなぜか。

そしてどうして世界がぐるぐると回っているのか。

彼はそのまま、混乱の中身を任せるしかなく・・・・








ぽすん、と視界の回転が止まった。

目の前に自分の体だった鎧があり、そこから彼は自分が今、頭だけとなり、誰かにキャッチされたのだと他人事のように思った。



そうして頭上から声が聞こえる。

始めて聞くその声は、感情が一切感じられないはずなのに、どこか嬉しそうで、興奮したように言葉を紡ぐ。





「お帰りなさいませ、ガヴィダ様。これからは永遠に、私はあなた様を離しません。―――以上」

そう言って彼女は、自身の主人を斬首した刀を鞘にゆっくりとしまい、愛しき人の頭部を抱きしめた。





















以上で私の妄想を終わります。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。


というわけで簡単な説明を。


もうお気づきかと思いますが、作中には皆さんが知るキャラクターの姿や設定が多く出てきます。


ガヴィダ→『灼眼のシャナ』の“髄の楼閣”ガヴィダ
ノア→外見は『境界線上のホライゾン』の武蔵
   名前は『終わりのクロニクル』のノア
エルフの魔法使い・コトノハさん→『School Days』桂 言葉
黄金槌のギルド武器「アウルム・マルクス」→ラテン語でアウルムが「金」、マルクスが「槌」から『勇者王ガオガイガー』のゴルディオン・ハンマー(そのままだとちょっと…と思ったので)


オーバーロードを読んでいる時に、外見をいじれるなら、アニメキャラになったり作れるのでは?という思いつきから書いてみた今回の作品。

因みにこの後の話の展開としては、殆ど主人の制御下にないNPCの皆さんが、外の世界へ探索に行き、適当に世間を騒がせてからアインズとご対面といったところでしょうか。

また、その話の中では意外とマッチして活躍できるのでは?と思っているゼロゼロナンバーズのNPCが登場しているかも。




ワールドアイテム『ユグドラシル・リーフ』について

ノアが下げていた首飾りがそれです。
能力は『聖なるバリア・ミラーフォース』を10秒間常時展開。
展開後は再展開に12時間必要です。






以上です。
皆様ありがとうございました。

感想等、もしあれば頂ければ嬉しいです。


感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.054716825485229