<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.35840の一覧
[0] 【ネタ】ボスボロットに乗ってみた【習作】[藤村文幹](2012/11/16 16:19)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[35840] 【ネタ】ボスボロットに乗ってみた【習作】
Name: 藤村文幹◆017bac6d ID:102f6199
Date: 2012/11/16 16:19
アルカディア初投稿です。
元々は「にじふぁん」に投稿したものですが、にじふぁん消滅を機にこちらに初投稿してみることにしました。
ところで転載ってOKですよね? ダメなら削除しますんで。
11/16 タイトルの前後に【ネタ】【習作】を追加。感想で教えてくれた人、ありがとうございます。


 ボスボロットに乗れる事になった。あのマジンガーZの隣にいる丸くてピンクのロボットだ。黄色い蛇腹な手足が頼りないが、仮にも光子力ロボットだ。楽しみである。
 早速光子力研究所に来た。富士山麓の樹海にほど近い場所に光子力研究所はある。長い前振りはせずに早速乗る事にしよう。
 ボスボロットのパイロットと思わしき体格の良い男――ボス、という名らしい――に案内され、光子力研究所脇にある開けた場所に来た。そこにはボスボロットが正座、のように手足を曲げて鎮座していた。なるほど蛇腹の手足は意外と合理的なのだなと私は感動した。
 ボスがボスボロットに梯子を立てかけた。そして私の方を向いて、右手の親指を立てて顔の横で2、3回、縦に振った。
「どおぞぉ~」
 特徴的な発音だ。
「ほらほら。早く乗るだわさ」
 乗るって……梯子を登って。頭の上に乗れとでも言うのだろうか?
 よくよく見れば梯子はボロットの顔の、口にあたる部分にあるスリットの一つに立てかけてあった。そうか、あそこから入るのか。考えてみれば直ぐに乗れて即コックピットとは合理的である。やたら長い梯子を登るのが怖くなければ、の話であるが。
 意を決して私は立てかけられた金属製の梯子を握った。ボスに聞くと、超合金Z製の梯子なので途中で折れたりは絶対にしないのだという。その言葉に私は安心して梯子を登った。

 長かった。乗るだけでこんなにも疲れるものだとは思わなかった。ようやく口のスリットから中に滑り込んだ。
 中は、畳敷きの縁台が先ず目に入る。縁台はハンドルの付いた場所の前にあった。ハンドル? コックピットは広々としており、壁は金属質だ。柱時計や何故か和式便器のインテリアはどういうつもりなのだろうか? そして横にあるテレビ。外界を見るためのモニターではないのだろう。この位置では操縦中は横を見ながら出ないと見れない。
 私は後を振り返り、入り口を見て思う。……あれ? どうやってこの入り口閉じるのだろうか? 
 私の後から乗り込んできたボスに問うと、閉じないらしい。ふむふむつまり吹きさらしと。つまりこの入り口は、入り口兼窓なのだ。窓から外をみるのだ。これであの動きとは。この男、どうやら想像以上に凄いらしい。
 ところで自動車のハンドルらしきものと3つのペダル、レバーが一つ。まさか自動車と同じ運転方法で動かせるのだろうかこのロボットは。
 ボスに促され、畳敷きの縁台に座り、ハンドルを握る。意外と座り心地がいい。い草の香りも青々としており、交換したばかりのようだ。ラジオからは野球中継が流れ出す。どうやらボスがエンジンを動かしたようだ。なるほど時計以外の家電はボロットから直接電気を取っているのか。
 ボスに言われた通りにペダルを踏みレバーを引く。ハンドルをくいくいっと動かせばぼふぁ
 急激なGで気絶しそうになった。頭がくらくらする。隣の男は何故平然としているのだろうか? 話を聞くところによるといつも3人が乗って操縦するらしい。役割分担でもしているのだろうか。そうでもないと腕を動かせるとは思わない。
 と考えたところでピンク色の巨大な手が窓の外を往復した。これは、ボロットの手か。ボスを見ると平然としている。何か動かした様子はない。私が動かしたのか、この手。どういう原理か分からないがこの自動車と同じ操縦方法で十全に動かす事が出来るらしい。
 考えても無駄なのだろうと悟ってしまった。状況を楽しむことにし、ペダルを踏んだ。ゆっくりと丁寧に踏んだことでボロットは応えてくれたらしい。ゆっくりとした上昇感覚と直後の下降感覚。窓から覗く風景が動いている。
「お、歩いただわさ」
 なるほどペダルを踏めば歩くのか。私は少しペダルを強く踏む。おお、早くなった。
 金属製の床に何かが落ちる音がして、後を見ると電気ポットが落ちている。固定していないのか。
 集中のため余り働いていなかった私の耳は、落下音で他の音も拾うようになった。歩く度に、金属が擦れ合う音や、頻繁に聞こえる擦過音、破裂音に似た小さい音も聞こえる。箪笥の引き出しが歩く度に開いたり閉じたりするのは何の冗談か。
 急に入り込んだ突風により思わず目を瞑る。寒い。上下の揺れが激しい。酔いそうだ。隣の男はやはり平然としている。何故だ。
 ペダルから脚を離すと、ボスボロットはゆっくりとスピードを緩めた。ボスに聞いてブレーキを急停止しないように気を付けて踏むと、力加減を間違えたらしくハンドルに頭をぶつけ、クラクションがけたたましく鳴る。ようやくボスボロットは止まってくれた。
 ボスが言うには私は筋が良いらしい。勘弁してください。どうやらサービスでボスがこのまま曲乗りをするらしい。冗談じゃない! 降ろしてくれ、頼む!


感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.030868053436279