巣作りドラゴンはダンジョン経営型のエロゲーだ。そう。それは分かっている。
現在両親がおり、その両親はあまりダンジョン経営に携わっていない。何故なら二人ともらぶらぶちゅっちゅを一日中飽きることなく展開するからだ。
私の視線ですら奴らの興奮の為のファクターとなるのだからたまったものではない。
だからこそ自分の部屋を作り、自分がよりよいダンジョン経営をするように色々な権利を譲り受けた。
権利と言っても形式上のものであり、ぶっちゃけそんなものなくてもいい。そうだな…言質を取ったといったほうが適切か。
だからこのダンジョンは現在私がオーナーだ。…いや、ゲームではオーナーという形での表現はないけど、あれだ。何と無くだ。
まぁ主導権を握っているので色々出来る。んで、今回は…
「第28回ダンジョン運用会議を始める」
ミーティングルームを設置し、各部隊の部隊長及び、各施設の責任者を集めて現状報告、要望、反省点など様々な議論を交わす場である。
ただ、モンスターの中には言語を理解しない者も居るが、そういった場合はそもそも参加させていない。彼らは完全な戦闘要員として扱っているからだ。
「それでは、まずは各隊の現状報告を宜しく頼む」
この会議はつい最近取り入れたものである。何故取り入れるようになったかは…
まぁ放置しすぎていて代わり映え無い毎日だったようで、モンスターや施設のモチベーションが全く上がっていないためである。
で、愚痴とかたらたらだけど、雇われている身であればドラゴンに文句の一言でも言えば命が終わる。
しかも結婚をしてしまうと基本竜は大人しくなるので、挑戦者がなくなるという問題も発生していた。
そうしてまた発散する機会も訪れずにモチベーションが下がっていくということだ。
つまり、職場の雰囲気が悪くなるということだ。私が見回りとか見学させてもらった当初はマジでぎすぎすだったのは思い出したくない。
で、私がそれを見かねて一度全員で集まって何が足りないと聞いたところとりあえず戦いたいという要望を受けて
両親に話を通し、私が街を破壊し、お金を集め、それの副次的な産物で冒険者が来て戦闘という流れが出来て徐々に活性化していったのは嬉しいところ。
そこから始まったのがこのダンジョン運用会議だ。
「暗黒騎士隊、先日の冒険者被害を受け全員戦闘不能。その翌日に全員の復活を確認し、何時でも冒険者の対応が可能です」
先日の冒険者…まぁ言わずもがな美人二人引き連れたイケメンパーティーだ。因みに襲撃から本日で二日目だ。
ゲーム内ではモンスター毎にスキルが設定されており、またレベル制を設けており、レベルが上がるとランダムでスキルが付く。
その中で「不死身」というスキルがあるがこれは戦闘不能になってもまた蘇るという、お得なスキルである。
竜の間の前の部屋を守っている暗黒騎士5体は全て付いている筈である。とりあえず蘇生していく暗黒騎士を使っているから間違いないと思う。
「ファニードラ隊、2体ノ欠員。補充オネガイシマス」
「デーモンスピア隊、異常無しです」
ふむふむ…現在このダンジョンには5つの隊が待機している。まず一つ目が暗黒騎士隊。これは選りすぐりを選んでいるのでぶっちゃけ補充はいらない。
つか全員不死身があるし。その他ファニードラが2隊。こいつは両親が使っていた部隊をそのまま使っている。
次にデーモンスピア隊は1隊。これは私が設置した隊である。何か格好良かったので召喚させた。
最後に…忍・ざ・ブラック…あれ?
「メイド23号さん」
「あ、はい。如何されました?」
このメイド23号さんは緑色の髪をしたメイド村出身のメイド。これまたロリな身長なのに体系がけしからん事になっている。
「忍隊は…」
「あ、昨日の襲撃で全滅してます」
「マジでか」
「マジです」
ということで、忍隊が全滅してしまった。この忍隊は諜報活動をしてもらったり、番人してもらったりと割とハードな仕事だったけど全員逝ってしまわれたようだ。
「ううむ…残念なことだけど、気を取り直し、次の召喚するモンスターは何がいいかな?」
そうして室内を見回すと、デーモンスピア隊隊長が挙手をしてるのを確認した。
「では、デーモンスピア隊」
「はい」
がたりと立って全員の顔を見るように視線を動かした。…何してんだ?
「…冥土さんがいいです!」
……え?
「えっと、冥土さん?」
「はい!冥土さんがいいです!」
「理由を伺っても?」
そう問いかけると、顔の表情を締めてシリアスな顔になる。
「理由は二つあります。可愛いのと眼の保養になるからです」
ふむ……一理あるな。しかし、大きな問題点がある
「しかし、問題点があるよ?まず彼女達が召喚に応じて且つ、リストに載っているかどうか」
「大丈夫です!我らデーモンスピア隊一同が念を送っているのでまず、間違いありません」
何を根拠に言っているのだこやつは。……しかし、それらを踏まえても確かに欲しい……いろいろな意味で。
「よし!いいだろう」
「っしゃー!!」
ガッツポーズを天に向かって決めるデーモンスピアは…今までにない以上生き生きしていた。
「ただし、リストに載っていなかったら忍・ザ・ブラックで」
「任せてください」
何を任せるのか分からないけど、召喚はギュンギュスカー紹介を伝って行う。よってこればっかりは本当に運なのだ。
しかし、どこから仕入れた情報なのだ…まったく分からん。まぁいい
「では、他に意見するものが居ないので次の議題へ、トラップの運行状況について」
「はい」
そうして立ち上がったのはメイド24号。水色の髪でぼんきゅっぼんだ。けしからん
「基本は前回の会議と変わりません。お嬢様が設置を頼んだエロ…スライムモンスターによるトラップは問題なく稼動しております」
「よし」
流石だ。このスライムモンスターは冒険者などが着ている服を溶かしてしまう習性がある。そこを生かしてトラップと化す。
その次にするのが…いや、まぁうん。最高だ。じつにけしからん
「また、宿屋、商売は順調に売り上げを伸ばしております。原因はお嬢様が人間を刺激した為冒険者や人間が数多くこの巣へ挑戦していくことかと推測します」
「なるほど、それでは売り上げが20%落ちた時は個人的にも報告して欲しい、また刺激してくるから」
「畏まりました」
そうして着席するメイド24号さん。いい胸だ。
「次に捕虜の数について現状の報告を頼む」
「はーい」
そうしてメイド25号さんが席を立った。髪の毛はピンク色で体系は実にけしからん。まったく、けしからん。
「捕虜さんはー、今13名いまーす。内訳はお嬢様も把握しているかと思いますので割愛しますねー」
「うむ」
「取引として使える人間はー…4名あたりでーす。それで人身売買を目的とした泥棒が2人連れて行きましたー」
基本メイドは巣の運営にあまり協力しない。なぜならギュンギュスカー商会の決まりであり、契約でもその項目は載っている。
しかし、それは戦闘面のみ…というよりメイドさんは小さな体だが立派な悪魔なのだ。普通の冒険者だと片腕一つで足りる強さを秘めている。
なので荒事もオーケーっぽいが…まぁ彼女達は商売で来ているのだから、戦闘面は此方が受け持つべきである。
だが、先ほどの報告もあるとおり、各施設の運営は彼女達も協力している。なので施設の管理だけはきっちり行ってくれている。
よって、人身売買目的の泥棒…まぁ盗賊だか、捕虜の救出してきた戦士とかには干渉は一切しない。
「へー…その二人は取引に使える人間で間違いないか?」
「はいー、間違いないでーす」
「そうか、では…取り戻さねばならないな」
だからと言ってこちらが干渉してはいけないとは書いていない。そう、あの巣にあったものは我々…いや、私のものなのだ。
よってそれらを勝手に持ち運ぶことは基本は許さないのである。…それが人身売買ならなおさら。手に入る金が向こうに渡るのは癪である。
別に今更正義を気取っているわけではない。普通に助け出す分ならまぁいっかとなるけど、こと人身売買については……それはこっちの利益だろうというのが俺の見解だ。
…いや、まぁ彼女達は普通に誰のものでもないんだけどね。うん。
おっと、言い忘れていたが、基本捕虜にする人間は女性が殆どだ。というより女性だ。男は身包み剥いで外にお帰り願うか朽ち果てていただく。
「それでは今回得た収入と損失を差し引いて利益を出した数字は…うん。何時もどおり私にお願いね」
「畏まりました」
メイド23号さんが頭を下げて受けてくれる。ありがたい
「他に言い忘れたことがあった場合、私かメイドに伝えて欲しい。それではこれにて解散!」
そうして各々が退出して言ったのを見届ける。
「さて、私も外出して行こうかな…メイド23号さん。もしも冒険者が来たら各部隊の指示宜しく」
「あ、はい」
そうして私も転送魔法を用いて巣の外へ出るのであった。
「おねえちゃん…」
「大丈夫……大丈夫…」
巣から100km以上離れた平原にある街道をごろごろと一定のペースで走る馬車の中に、少女といえる容貌の二人が手足をロープで縛られて転がされていた。
髪の色は二人とも金色。輝くその髪は暗いはずの馬車の中でも光って見えるほど鮮やか。さらに容姿も美しい。
歳は15あたりと12あたりの少女達である。
「私たち、どうなっちゃうのかな?」
「…大丈夫。絶対助けがくるわ」
彼女達は数週間前のドラゴン襲撃の際に、モンスターと一緒に連れ攫われてしまった不運な少女達である。
別邸の庭で寛いでいるところを襲われなすすべも無く連れて行かれた先はドラゴンの巣であった。
当初二人はひどく怯えていたが、だんだんと生活にも慣れ、何もされないということもあり、いつか助けが来ると信じて待っていた。
しかし実際に来たのは無精ひげをはやし、脂ぎった顔を持つ盗賊。男はドラゴンの巣にこうした捕虜を格納している施設があることを知っていた。
そしてその中に捕らわれている者の中には美しい女や見たことある顔を持つ人、はてには貴族が捕まっていることがある。
自身の盗賊としてのスキルを利用し、その身柄を確保し、商品として卸す。そうして美味い汁をすすって生きてきたのである。
「へへ…今回はまさか、あのリッシュベルト伯爵の娘だとはなぁ…」
男は笑みを浮かべる。貴族の女は高く売れる。まず身なりがかなり整っていることが多い。さらに、万が一売れなかったとしても
リッシュベルト家に高額な金を吹っかければいいのだ。それでもかなりの金だ。しかしそれにはリスクがある。
まずは彼女達に手を出さないことだ。手を出したとなればその場で殺されることはまず間違いが無い。
そして、健全に扱っていなければならない。よって出来る限り丁寧に扱わないといけないのだ。奴隷商に売るときも処女のほうが高くつく。
しかし、男は何処まで言っても男なのだ。
「どちらも極上だ」
陶磁器のような肌に、美しい容姿。髪、声、艶がある手足。男は汚したいと思った。あの美しい少女達を強引に犯したいと考えたのだ。
そして啼かせたいと思った。あの声で啼いたらどれだけ興奮するだろうか。そしてあの幼い少女の膣の感触はどれほど快感を齎してくれるのだろうか。
金か女か…答えは決まっていた。
「まぁまだ、辛抱だ」
草原の真ん中でも男は構わなかったが、それで一度痛い目を見ている。……山賊に奇襲を仕掛けられたのだ。
その時に犯していた女を山賊に渡して難を逃れたが、あの女がどうなったかは……男は簡単に想像が付く。
だからこそ辛抱するのだ。自身が安全に満足できるまで犯せる場所で犯す。そして飽きたら売ればいい。
値は下がるがそれでもあの美貌は必ず引く手数多であろう。その未来に自然と男の口がつりあがった。
「へ、楽な仕事だぜ」
そうして馬車は草原を走る。目的の地まで残り4時間を切った。
あとがき
連れ去られた捕虜ってどうなるんだろうとふと考えてしまいました。