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No.35501の一覧
[0] 【ネタ】H×H、NARUTO、巣作りドラゴン【色々】[モーリリン](2012/10/20 21:58)
[1] ハンター×ハンター 1話[モーリリン](2012/10/14 21:30)
[2] ハンター×ハンター 2話[モーリリン](2012/10/17 19:12)
[3] ハンター×ハンター 3話[モーリリン](2012/10/14 21:33)
[4] ハンター×ハンター 4話[モーリリン](2012/10/17 06:52)
[5] ハンター×ハンター 5話[モーリリン](2012/10/14 21:35)
[6] ハンター×ハンター 6話[モーリリン](2012/10/14 21:38)
[7] ハンター×ハンター 7話[モーリリン](2012/10/14 21:39)
[8] ハンター×ハンター 8話[モーリリン](2012/10/14 21:40)
[9] ハンター×ハンター 9話[モーリリン](2012/10/14 21:42)
[10] ハンター×ハンター 10話[モーリリン](2012/10/16 22:32)
[11] ハンター×ハンター 11話[モーリリン](2012/10/14 21:46)
[12] ハンター×ハンター 12話[モーリリン](2012/10/14 21:47)
[13] ハンター×ハンター 13話[モーリリン](2012/10/14 21:48)
[14] ハンター×ハンター 14話[モーリリン](2012/10/14 21:49)
[15] ハンター×ハンター 15話[モーリリン](2012/10/17 06:50)
[16] ハンター×ハンター 16話[モーリリン](2012/10/14 21:51)
[17] ハンター×ハンター 17話[モーリリン](2012/10/17 19:05)
[18] ハンター×ハンター 18話[モーリリン](2012/10/17 19:33)
[19] ハンター×ハンター 19話[モーリリン](2012/10/17 19:10)
[20] ハンター×ハンター 20話[モーリリン](2012/10/17 19:07)
[21] NARUTO 1話[モーリリン](2012/10/14 21:59)
[22] NARUTO 2話[モーリリン](2012/10/14 22:00)
[23] NARUTO 3話[モーリリン](2012/10/14 22:01)
[24] NARUTO 4話[モーリリン](2012/10/14 22:02)
[25] NARUTO 5話[モーリリン](2012/10/14 22:03)
[26] NARUTO 6話[モーリリン](2012/10/14 22:04)
[27] NARUTO 7話[モーリリン](2012/10/14 22:05)
[28] NARUTO 8話[モーリリン](2012/10/14 22:06)
[29] NARUTO 9話[モーリリン](2012/10/14 22:07)
[30] NARUTO 10話[モーリリン](2012/10/14 22:07)
[31] NARUTO 11話[モーリリン](2012/10/14 22:08)
[32] NARUTO 12話[モーリリン](2012/10/14 22:09)
[33] NARUTO 13話[モーリリン](2012/10/14 22:10)
[34] NARUTO 14話[モーリリン](2012/10/14 22:11)
[35] NARUTO 15話[モーリリン](2012/10/14 22:11)
[36] NARUTO 16話[モーリリン](2012/10/14 22:12)
[37] NARUTO 17話[モーリリン](2012/10/14 22:13)
[38] NARUTO 18話[モーリリン](2012/10/14 22:14)
[39] NARUTO 19話[モーリリン](2012/10/14 22:14)
[40] NARUTO 20話[モーリリン](2012/10/17 19:25)
[41] NARUTO 21話[モーリリン](2012/10/17 19:27)
[42] NARUTO 22話(途中)[モーリリン](2012/10/17 19:29)
[43] 巣作りドラゴン 1話[モーリリン](2012/10/14 22:17)
[44] 巣作りドラゴン 2話[モーリリン](2012/10/17 19:36)
[45] 巣作りドラゴン 3話[モーリリン](2012/10/17 19:35)
[46] 巣作りドラゴン 4話[モーリリン](2012/10/20 22:02)
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[35501] 巣作りドラゴン 3話
Name: モーリリン◆e1938e60 ID:454a844e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/10/17 19:35

アベル一行は、暗黒騎士隊が守護していた重々しい扉を開こうとして近づいた。
三人の手が触れたとたん扉がまるで魔法にも掛かったかのようにゆっくりと、ひとりでに開いていく。

驚く面々。すぐさまミリスが探知の魔法を掛けるが、特に反応は無い。
そのまま警戒を解かずに三位一体となって扉を潜った。


広い。


三人が思ったのはその一言だった。
岩の支柱が四本見える。それもかなり精巧に作られており、一つ一つに細かく彫刻がなされている。
そして、周りの様子と、支柱と状況を省みて、今までの人生で培った記憶を掘り起こし、アベルは言葉を発した。

「……闘技場みたいだ」

そう、昔みた闘技場と、かなり似ている。
しかし、規模が違う。人間同士が一対一で戦う闘技場はそこまで広くなく、観客席を加味しなければせいぜい200平方メートル位だ。
この場所はその二倍はあるのではないかというほど広い。

「…罠は無いか?ミリス」

その言葉と共に探知魔法を発動させる。

「……はい。罠はありません。ですが……」

そう言葉を濁して視線を部屋の中心に向ける。
そこにあるのは、白い服を着た美しい少女ただ一人。
ドラゴンに生贄にされた少女が逃げ出したのかと考えたが、それは有り得ないだろうと、直ぐにミリスは否定した。

その体から発する魔力が今まで見た最高位の魔法使いよりも遥かに多い。
ミリス自身も魔力という面ではかなり飛びぬけた存在だと自負をしていた。
そして、それを裏付けるように魔法使いの中でもトップクラスの実力を持つ。

魔法使い協会にも6等魔法使いと認定されており、その膨大な魔力を余すことなく使用できる腕もある。
しかし、目の前の相手は自分より強い魔術協会長すらも超えている魔力を有している。
探知魔法で気付いていたが、実際に目の当たりにすると……恐怖を感じてしまったのだ。

「ええ……分かってる。ものすごい魔力ね…」

アリアも魔力を感じ取っているのだろう。少し青ざめた顔で相手を見据える。
少し震えた手で二人は、アベルと握った手に力を入れた。

「ああ…だが、俺たちは負けない。そうだろ?」

アベルは二人が飲み込まれかけていると気付き、しかし、自身の喝をこめて微笑みながらこの言葉を送った。
二人はアベルを見据え頷く。自分達は絶対に負けない。生きて帰るのだと。平和を…この手で掴み取るのだと。
三人とも覚悟を決めて少女を見据える。

三人とも先ほどまでは緊張と恐怖に支配されていたが、今ははっきりと相手を見ることが出来た。

金色の髪はふわりと広がっており、肩に掛かる程度の長さ。この薄暗い大空洞でもその輝きは全く損なわれていない。
瞳は血の様に赤く、此方を見据えており、動く気配はまだ無い。
顔全体を見ると、女神と見違えるほどの美貌を秘めており、しかし、まだ幼さを残して何処か妖艶な雰囲気を醸し出していた。
肌の色は雪原のように白く、手足もすらっとしている。体系はまだ少女なので、胸はあまり出ていないが、纏っているワンピースには
女性らしい起伏が少なからず表現されていた。

そうして少女は、その女神のような顔を綻ばせながらアベル達に声を掛けた

「ようこそ…竜の間へ」










渾身の笑顔で此方へ進入してきた恐らく冒険者であろう三人に挨拶を送る。
しっかし、敵を目の前でいちゃいちゃするとは……こやつら、中々な大物だと思う。うん。
因みに今は手を離して得物を此方へ油断なくこちらへ向けている。

「竜の……間?」

そう問いかけてくるのは、金色の髪をしたエルフの女性。実際に目の当たりにしてみると、えらい美人だ。
しかし、その眼は私の行動を見逃さないように見据えている。
そしてその手に持っている弓は…恐らく「精霊弓」

弓自体が魔力を運用するマジックアイテムで、中々お目に掛かれない品である。人工知能…インテリジェンスに近い仕様であるが
あの弓はかなり単純化してるため、インテリジェンスとは到底呼べない代物だ。
だが、他のマジックアイテムには無い運動を行っている事は確かなので、人が作りうる中ではトップクラスだろう。

「そう、この先の扉は宝物庫につながっており、この部屋が最後の難関」

淡々と事実を述べる。戦闘中は私の性格はのほほんとしない。
魔王竜の血の影響なのか、こういった場面ではかなり冷静になるし、思考もかなり冷酷になる。
最近は完全な制御が出来るようになったが、数十年前は女子供関係なく切り捨てていた。

といっても、そこまで罪悪感は感じていない。
なぜなら竜の生を受けてかれこれ45年になる。
この位の人生……否、竜生を経験していれば価値観も竜に近くなってしまう。

そう、自身の種族以外、対等として見れなくなったのだ。

だからといって、別に相手が偉そうだから殺すとか、馬鹿にするとか、差別するとか、そんな事ではない。
ちゃんと友好的に接するが、どうしても自身を上の立場と認識して接してしまうのだ。
これも血の関係なんだろうが、前世より長く此方にいたので、ドラゴンの感覚が徐々に自身を支配してきているのだろうと予測している。

その感覚、価値観と魔王竜の血のお陰で数十年前までは残酷この上ないことをしていたというわけだ。

……両親のほうが残酷というのはいうまでもないが。

「……ドラゴンはどこだ?」

男が剣を構えて此方を伺ってくる。リア充爆発しろ。

「さぁ?…ただ、貴方方ではドラゴンを倒すことは不可能。大人しく引くことをお勧めするよ」

強い、この三人は確かに強い。
…だが、それも人間族とエルフの中ではという言葉が頭に付くが。
無茶無謀もいい所だ。最低でも精霊弓クラスの武器で漸く男性竜にダメージが与えられるのに、
女性竜に対しては彼らが持っている武器ではダメージなんかほぼ与えられない。

仮にかなり強い魔力を付与して此方にダメージが通るような攻撃を放ったとしても、それを甘んじて受け入れる事はありえない。
ドラゴンの鱗と魔法障壁の二つを突破する攻撃力が必要になってくる。
彼らにもそのレベルの攻撃は放てるだろう。そのくらい強い……が、その程度でドラゴンを倒すことはまず不可能だ。

最低でもそのレベルの攻撃を連発できる力がないとドラゴンは討伐できない。
辛うじて可能性があるのは先にあげた精霊弓を持っている彼女だが……彼女自身の魔力が圧倒的に足りない。
精霊弓の魔力運用だけでは甘んじて受け止めても…仮に防御が薄い目に当たったとしても傷一つ付くことは出来ない。

故に、ドラゴン…私を倒すことは不可能である。
……人間状態の私なら十分に殺すことは可能だけどね。

「その前に、貴方は何者ですか?」

三人より一歩後ろにいる、ボンキュッボンの女性が杖を構えて問いかけてくる。
いや、もうこいつ理解してるよね?つうか、こいつら完全に私が竜だと思ってるよね。
確信はしてないが、アタリは付けてるのだろう。ましてや、最後の難関と私の口から、そして私が発している魔力から警戒するのは当然である。

それがいくら見た目14歳位の女の子で、武器などを持っていなくても…むしろ武器を持っていないほうが怪しいか。


「貴方方は既に理解している筈ですよね?」

その言葉共に三人は陣を組む。
……見た目女の子で万が一がありえるかもしれないから問答していただけか…優しい冒険者だ。

「竜が人間に化けるとは言伝で聞いたことあるが…」
「魔力的に考えてその言伝は正しかったと見るのが妥当でしょう」
「仮に、間違ったとしても彼女を倒さないと帰ることも出来ないわ」

そうして三人は得物を取り出し、陣を組んで臨戦態勢に入る。
魔力も攻撃的となり、此方を迎え撃つ気満々だ。私も臨戦態勢に入る前に先の答えを与えよう…








「正解」






抑えていた魔力を3割開放する。一割で人間の平均的な魔法使いの魔力約五十人分である。
先ほどから検知されていた魔力でも並みの魔法使いを遥かに凌駕していたが、更に上を行く。
体から放出された魔力の余波で赤黒い電気が放出され、バチバチと啼く。


「な…なん……て魔力…なの!!」
「お、重い……魔力がこんなに重い…なんて!」


この程度の魔力で驚くとは……ドラゴン状態になったらその魔力の割合も十数倍にもなる。
そもそも、人間や、エルフ等に討伐されている竜はほぼ男性竜か雑種のドラゴンである。
魔界、天界の上位エリートが軍団を成して漸く女性竜は倒せるのだ。人間如きに倒せる筈が無い。

だからこそ、利口な人間はドラゴンがいない間や、ドラゴンを避けて財宝を手にして即、帰る。
人間でドラゴンに挑むにはよっぽど馬鹿か、英雄と呼ばれる者か、そのどちらかである。

この冒険者達は常識を脱していないぎりぎりのレベルだ。決して英雄ではない。


「う、うおおおおおお!」


魔力で肉体強化したのだろう、疾風のような速さで此方へ駆けてくる男。
その声で気を取り直した女性二人はすぐさま得物を構えて此方へ仕掛ける。

多段に放たれた矢は音速を誇り、更に高い炎の魔力を纏っている。それが一息で38本
それぞれが妖精のように舞い踊り、炎の魔力を纏っているため、輝いて見えるその光景はまさに幻想的だ。

更に追従して地面から迫り来る氷結魔法。
暗黒騎士隊に向けて放ったそれと同じで、恐らく私の足封じ。
しかし甘い。

迫り来る氷結魔法は、およそ200メートル離れていた所からでも数秒で此方に達し、同時に無数に展開されていた矢もすべて此方に牙を剥く。
このまま何もしないと私に寸分のズレもなく、同時に着弾するだろうし、更に煌く視界の中で、紫電を発している剣を携えて男が駆けてくる。
下を対処しようとすれば上が、上を対処しようとすれば下が襲い掛かり、剣での斬撃と紫電の舞が待っている。

後ろに下がっても氷結魔法は止まらないし、横に避けても広範囲でカバーしている矢と魔法で機動は損なわれるだろう。
普通のモンスターとかならこの時点で既に詰みだ。恐ろしいチーム力と以心伝心である。駆けてくる男に全く支障が無い様に
そして男は二人を完全に信じて前へ。実に見事な連携だ。


だが、私は普通ではない。


手に圧倒的な魔力を纏い、大気の壁を撫でるように優しくその手を振るう。
その手から魔力の衝撃波が引き起こされ全ての矢と、地を全て凍てつく大地に変えようとした魔法は
竜巻のような暴風に晒されたかのように、崩れ去る。

しかし、その魔力波を突破してきて神速の袈裟切りを放とうと地面が陥没するほどの踏み込みと共に私を襲う。
込めている魔力も中々のもので、監視魔法で見た時の紫電より更に多く舞い踊り、薄暗い大空洞を照らす。
が、雷龍の血を引いている私に対してその武器は悪手である。

瞬時に紫電を私の支配下に置き、雷を剣の横腹に当てる。それにより剣の軌道がズレて私の右肩をすれすれで通って行く。
それと同時に私もカウンターという形で溝目掛けて拳を繰り出す。
しかし、凄まじい直感力と危機察知能力で私の拳を回転するように避け、その遠心力で更に追撃してくる。


「おおおおおお!!」


その追撃を雷で反らし、一旦距離を置く。

その瞬間先ほどまでいた箇所は矢の嵐と地からの氷柱が襲い掛かった。
その矢と氷柱は男に当たる紙一重の所で着弾しており、二人の実力が伺える。


「く!紫電が何故!?」
「一旦離れてください!大きな魔法を放ちます!」
「行くわよ!!」


二人の武器から超低温であろう氷と、超高温の炎の弾丸…否、砲弾が放たれる。
大きな魔法と言うだけあってかなりの魔力が込められている事が一瞬で理解する。
流石に、人間状態であれを食らったら痛いだろうなぁ…という思いと共に片手を盾のように翳し

「光の盾」

展開されるのは、魔力で出来た輝く大きな盾。
それと同時に炎と氷が着弾し……大きな爆発を生み出す。

「おお」

だが、それだけ。
私の盾には…流石に傷は付いているが、込められた魔力量が違う。
よって、崩すことは出来ずに私は無傷である。
……耳がキーンとするのは決して傷を負っているわけではないぞ。


爆発で舞い出た土煙を自身で生み出した風で取り払うと…
そこには呆然として此方を見てくる三人がいた。

「……こんなもん?」

たった一分にも満たない攻防で、絶対的な差を悟ったのか恐怖で顔を歪めている。
まぁ、はじめから答えが出ていた戦闘だ。所詮は人間。その枠組みから外れなければ私を倒すことは到底不可能である。

「うああああああ!」

出鱈目に身体能力を強化したのか、少しぎこちないが、先ほどより早くこちらへ駆けてくる人間の男。
下段からの神速の切り上げを右足を一歩前にだし、半身を若干捻って避けると同時に、素手で紫電を発している剣を手が切れないように掴む。
…少し切ってしまったが問題ない。

「紫電よ!」

膨大な魔力に呼応するかのように紫電が舞い上がる。
しかし、先程のことを冷静に分析できなかったのか、また同じことをやるとは……いや、認めたくないんだろう。
紫電を操られた事実を

舞い上がった紫電を自身の制御下に置いて、逆に男に流す。

「があああああ!」

全身に紫電が襲い掛かり、声を上げる。

「アベル!」

金髪のエルフが、私の手に向かって弓を放つが、それを操った紫電で叩き落す。
肉の焦げた匂いがしてきたと同時に男に向かって音と同じ速度を誇る拳「ソニックブロー」を叩き込み女性達の所へ返す。
声にならない声を上げて三バウンド位してからごろごろと転がり、青髪の女性の目の前で止まった。

「直ぐに回復を!!」

男を回復の光が包み込んで徐々に呼吸が安定していく。
その間に、男が落とした剣を拾い、牽制で撃っているであろう大量の矢を、40以上も飛んでくる矢を
紫電を操って瞬時に全てを叩き落す。追撃はしない。

「わかったでしょ?貴方達では私に絶対に勝てない」

男を他の二人が支え、こちらを睨みつけてくるが…目には既に恐怖が覆っていて、最初の威勢は既に存在していない。

「な……なぜ、街を……」

男が辛うじてこちらへ届くような声量で問いかけてくる。
ふむ、私と確信してなのか、そうでないのか……どちらでもいいか。
街を襲ったのは事実だし

「そうだねぇ…強いていうならお金稼ぎかな」

巣作りドラゴンはヒロインと結婚や恋人になるとその後どのように巣を運用していくかはあまり分かっていない。
子供を生んでその子供に任せるのか、はたまた父親が永遠にがんばるのか。それとも街を襲わなくなるのか…定かではない。
だが、私の巣では子供に任せている。任せているというのは少し語弊があるな。

私が自ら進んで街を襲撃している。それを通して両親にも財宝を貢献しているのだ。

「あれだ…け、あれだけあれば、一生暮らしていけるだろ!」

回復魔法で傷は回復し、無傷の状態にはなったが、内包している魔力は半分以下だ。

「一生どころか、国を運営できるよ」
「なら、どうして!どうして人の営みを壊す!?」

どうして人の営みを壊すのか、か……

「逆に聞こう、どうして人の営みを壊してはいけない?」

私の中で既に人間としての感覚は希薄だ。人間時代の感覚で例えるなら人間はペットという表現がもっとも近いか。
友好的に接するが、興味ない物には興味ない。

「な…」

絶句である。それはそうだろうな。俺も自分が人間であれば絶句する。
こいつは狂ってるのではないのかと……だがそれは違う。
人間には人間の価値観があり、竜には竜の価値観がある。

お互いその価値観は分かり合えない。

もちろん全て分かり合えないということは無い。作中でもフェイやルクルと恋仲になり、心を通わせていた。
しかし、それは本当に極稀な事なのだ。ブラッドみたいに人間くさい竜や、ライアネみたいに珍しい竜くらいである。

そこに、私も入るが。

他の竜を見てみれば分かる。殆どの竜はリュミスみたいな価値観が多い。もちろん、あそこまで過激ではないと思いたいが…
だが、一般的な竜は人間の事は気にも掛けないのは事実である。

「さて、ここで帰るのなら洞窟の外まで転送魔法で返してあげるよ」
「「「…」」」
「但し、もしココで死にたいなら…」

そう言葉を切り、無詠唱で召喚魔法を発動し右手をかざす
かざした手に光が集まり、一般的なロングソードのシルエットをかたどり、光がはじける

そこに現れたのは真紅に染まった刀身のロングソード。煌びやかな飾り等は一切無く、無骨な形をしている。
しかし、それが内包している魔力は膨大にして強力。それもその筈、その剣には自身の血や鱗が使われているのだ。

鍛冶師みたいに剣を鍛え上げた物では決して無い。しかし、材料は魔法物やオリハルコン等も使用されており、頑丈さ、魔法への順応性も素晴らしい。
そこに自身の血や鱗も混ぜることにより、魔力を爆発的に高めた剣である。

銘は無い。

ただただ魔力の刃を纏って切る。
魔力で変幻自在に敵を裂く。それだけのものだ。

その剣を掴み地に向かって一振り

相手と自分の境目が大気と共に切れ、闘技場の床を真一文字に切り裂いた

「「「!?」」」
「少しだけ、実力を出そうかな」

ワタシはくすっと笑った。








「結局帰って行ったか…」

あの後、転送魔方陣を開いて彼らを外に送り出した。
仕方がないと思う。完全に心が折れていたし、恐怖が顔に出ていたからな。

「はぁー…暗黒騎士隊、早く蘇らないかなぁ」

そうして、今日も一日が過ぎ去っていくのであった。



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