いよいよ、本戦まで残り一週間となった、私の修行は順調で、実践…とまでは行かないが、それに近い形で自来也から戦闘訓練して貰っている。…まぁ万華鏡のことは話していないけど…感づいてはいるだろう。しかし、それを口にしないということは何か考えがあってなのか…それとも本当に気付いていないのか…まぁそれは置いておこう。
この二週間で飛雷神の術は完成した。無から有を生み出すのは相当時間掛かるが、原作知識を大いに活用すれば完成までこぎつけられる。
そして、この術はチャクラ吸引術とかなり相性が良い。
完璧なヒットアンドアウェイが完成されたといっても過言ではない。布陣としては、攻撃は螺旋丸あるし、移動は雷歩か飛雷神の術、幻術は万華鏡、回復も自動治癒っていう感じだ。
無敵じゃね?この状態から八門遁甲の陣も開門できるという…
開始早々月読で精神をすり減らしてからの硬直後に急接近しての螺旋丸で殆どの敵はいけると思うんだよなぁ…恐らく。
まぁ、飛雷神の術は見切れる奴は居ないだろう……いや、お願いします。見切る人は居ないでください。
あれ見切られると、どのスピードも見切られるよね。見切った忍に他の術を当てれる気がしないよ。
…まぁ居ないだろう。はははは!
「余所見はいかんのぉ」
その言葉と共に、顔面に迫る拳。その拳を往なして、カウンターを仕掛けるが、あっさり避けられてしまった。現在、自来也と訓練真っ最中である。
「さて、ちょっと頼みたいことがあるのだが」
一通り訓練を終えてナルトの訓練風景を見ているとふと、自来也がそう頼んできた。
「何ですか?」
水筒から口を離しそう聞く、相変わらずナルトはおたまじゃくしに脚が生えたおたまじゃくしといえるかどうか良く分からないおたまじゃくしを口寄せし続けていた所だ。
「これからの、ナルトの本当の力を引き出す為に、ちょっと危険なことを行うのだが…その時に、アヤカちゃんも一応フォローして欲しいのじゃが」
保険の為にの…といいながら此方を見てくる。……成る程気付いていていたということか……
「分かりました」
そうして、おたまじゃくしを口寄せし続けるナルトの方へ歩いて行き、ぽんと、肩を叩く。その瞬間に飛雷神の術のマーキングを行った。
「ん?アヤカちゃんどうしたってばよ」
「自来也さんが、修行場を変えるらしいから、行きましょ」
「おー!ここに来て漸く次の段階だってばよ!」
そうして、自来也に付いてく私達。来たのは断崖絶壁…が見下ろせる所である。そうして、自来也はナルトに少し説明をして…その崖に突き落とした。
「…仲間が崖に落ちたのに、随分と落ち着いてるの」
「それについては、大丈夫です。…だからこそ私にフォローを頼んだのでは?」
「まぁの」
そうして、崖を見下ろして視覚を強化し、ナルトの様子を見る。…そうして、膨大な禍々しいチャクラがナルトを中心に吹き出た途端に、大きな蝦蟇蛙が口寄せされた。
「成功のようだな」
「当然だと思いますが?」
その言葉と同時に、此方を見つめる自来也…あれ?もしかして何か悪いことでも言ってしまったのかな?
……まぁいいや。何とかなるでしょ。そう思い、蛙に踏み潰されないようにその場を退散するのであった。
「自来也さん」
「なんじゃ」
あの後ナルトはガマブン太を口寄せする事に成功し、力尽きて病院で入院している間、私は地来也に師事して貰っていた。本戦まで残り一週間も切っていたので、本気で戦闘する事もなく、戦闘理論や、体裁きを教えてもらったり、術も見せてもらったりと自身の幅を増やしていったのだ。
「一ヶ月間ありがとう御座います」
そういって頭を下げる。この一ヶ月は本当にレベルアップが出来た。今も影分身で色々やっているが、かなりのレベルアップが図れたと思う。
「何、わしも中々に面白かったぞ(色々見えたしな)」