「さて、まずは本戦に出場を決めた忍諸君、おめでとう」
全ての試合が終わり、ヒナタの容態も安定したという知らせを受けて、一安心した所で突破者全員の召集が掛かった。会場で横一列に並ぶ。
「解散前に本戦の為、やっとかなきゃならん大切なことがある」
「なんだってばよ!」
じれったく言う火影にいらっときたのか、ナルトが大きな声で問いただす。
「まぁそう焦らず…アンコのもっとる箱の中に紙がはいっとるからそれを一人一枚取るのじゃ」
「私が順番に回るね」
そうして、一枚だけよ紙が入っている箱を差し出す。
私の前に来て箱を差し出してくるので、手を突っ込み、紙を取る。そうして出て来た番号が…
「10番…」
そう、10番だ。そうして全員が引き終わったことを確認し、全員が引いた番号を復唱した後、火影様が
「では、お前達に本戦のトーナメントを教えておく!!」
「えー!」
「その為のくじ引きだったのか!」
そうして、イビキ試験管が、組み合わせボードを此方に見せてくる。
初戦 うずまきナルト 対 日向ネジ
二回戦 油女シノ 対 カンクロウ
三回戦 テマリ 対 奈良シカマル
四回戦 うちはサスケ 対 ドスキヌタ
五回戦 ガアラ 対 うちはアヤカ
わーお。これが大蛇丸の操作だったら…お次は私を試すのか?…いや、ありえん。
…ガアラめっちゃこっち見てるよ。何かうちは…サスケじゃない…とか言ってるよ。
「では、それぞれ対策を練るなり、休むなり自由にするがよい…最後に質問はあるか?」
「ちょっといいっすか?トーナメントって事は優勝者は一人だけって事でしょう…つーことは…中忍になれるのはたった一人だけってことっすか?」
という質問がシカマルから飛んだが…そうではないらしい。この試験は審査員、依頼する諸国の大名や忍頭が見る事になっており、その審査員達がトーナメントを通して私達に評価を付け、中忍として十分資質がある者は例え一回戦に負けても中忍になることが出来るってこと。ただ、全員合格になることもあれば、全員不合格になってしまうこともあるのだ。
「では、ご苦労じゃった!一月後まで解散じゃ!」
「ヒナタ様は面会謝絶となっております」
「そうですか」
そういって病院を後にする。中忍試験が終わり、ヒナタのお見舞いへと足を運んだが…まぁ仕方が無い。トップスピードできたんだけどなぁ…とりあえず、今までたまった衣類を自宅の洗濯機の中へ突っ込み、タイマーをセットし、自身は…
「よーやっと温泉に入れるよ」
そう、温泉である。この温泉結構若い女性が多々利用する施設で、非常に目の保養になる。
「ふー…極楽極楽」
肩までゆっくり浸かって、試験時の疲れを癒す。…あんまり疲れてないけど。今日は修行無しでゆっくり休むかぁ…と思っていたら。視線を感じる。……
「こら!ナルト君!そっちは女湯です!!破廉恥な行為は許しませんぞ!」
ナルトぉ…良い度胸じゃねぇか……と思ったけど。まぁ試験中に救われた事があるからな……許す。
しっかし、最近どうも女性らしくなってきているな…いや、完全に女性だけどね。思考が。
自分の体を見ても何とも思わなくなったしなぁ…と、思いながら湯船から出て、鏡の前で自分の体を色々な角度から見ていると
「おほー!」
……さっと横を見ると、竹で作られた壁の竹と竹の間に目がある。ばっちりある。
誰だかわからんが…良い度胸だ。まぁ私のロリボディを見られてもどうという事は無いが…
後ろにおられる美女の裸をタダで見ようなんざ…笑止千万!!
すぐにバスタオルを全身に巻く。全員に周知させようかと思ったが…逆に恐怖を煽るだけだ。それは頂けない…よって、此処で成敗する。万華鏡写輪眼を開眼して別空間へ移動する。そうして、外を見ると…
「自来也?」
そう、ナルトの師匠のガマ仙人。既にサングラス掛けた忍者が気を失って倒れている。
「まぁ良い…」
その一言で自来也の後ろに瞬間的に姿を現す。
「死ね」
顔面目掛けて蹴りを繰り出す。油断しきっているにもかかわらず、ぎりぎりガードを成功させたが…
「ぐおわ!」
蛙の上にいた自来也をそのまま温度60度の湯船のほうに向かって吹っ飛ぶ。そこから普通の目にし、自来也と対峙する
「覚悟は出来ているか…覗き魔」
「お、鏡の前で全裸でポーズしとった、嬢ちゃん…ん~後、3年くらいかのぉ」
「オーケー。覚悟は出来てるみたいだね」
その瞬間高速で印を組み自来也の周りに…いや、変質者の周りに水分身を作る
「ほぅ、速いの」
が、相手は腐ってもあの伝説の三忍…あっという間にやられるが…
「秘術、千殺水翔」
片目を万華鏡にし、瞬時に相手の365度全てをチャクラを練りこんだお湯の針で囲む。態と、上だけ弾幕を薄くして…。そのまま、全ての水を突っ込ませると同時に私も突っ込む
「甘いのぉ」
その言葉と同時に、予想通りの所から脱出。よって
「甘いね」
肉体活性を十分にした体を用いて上空へ上がってきた変質者に
「木の葉大閃光!!」
空を切り裂く踵落しを決める。
「ごは!」
後頭部へ直撃、その瞬間真っ逆さまに60度のお湯へ落下する。私はそのままお湯の外に着地して様子を見る。浮かんできたのは…
「変わり身か」
丸太。そして、後ろから片手を持ち上げられた。
「ちょーっとばかしお痛がすぎるのぉ」
「覗き魔に言われたくありません」
後ろを振り向かずに万華鏡を展開。空間に入り、瞬間的に変質者の後ろを取る
「!?」
「寝てろ」
流石に反応できなかったのか、後ろから足払いをかけて、今度こそ
「木の葉閃光」
踵落しを決める。地面がひび割れ、手ごたえもある。
「ごは!」
そうして、顔面を砂利が付いた裸足でぐりぐりとする…が……
「あ、アヤカちゃん……」
「ん?」
「…見えてるってばよ」
顔を真っ赤にさせて視線を外しながら此方を指差すナルト
「ほぉ~…まだ毛も生えとらんガキに此処までやられるとはのぉ」
……瞬時に螺旋丸を展開する
「そ、それはミナt「螺旋丸!!」ごはぁ!!」
地面に向かって抉られるような衝撃を変態にぶちかまし、肌蹴たタオルをしっかり巻きなおして
「その変質者…さっさと警備の人に突き出して」
「わ、分かったてばよ」
幸いギャラリーは皆無だったので。何とか衆人の目には晒されなかったが…非常に恥ずかしいことをしたもんだ。そうして、気絶したことを確認して温泉の中へ入り、一服する。
体等も全て洗い、風呂から上がり、瓶のコーヒー牛乳をがぶ飲みした後、着替えて出る。
「待て!わしは変態じゃない!変態という名の紳士じゃ!!」
そう聞こえたので、見ると変態が、エビス先生と言い争っていた。
「お疲れだねナルト」
「ああ…」
心底疲れましたという表情のナルトはかなり珍しいと思う。
そこで、諸悪の根源の変態を見ると…
「あいや!しばらく!!よく聞いた!妙木山蝦蟇の精霊仙素道人、通称・ガマ仙人と、見知りおけ!!」
その一言で、エビス先生が起きて、あの伝説の三忍の!?と驚いていた。
しかし、自来也に戦闘を教われば……相当なレベルアップを図れるはずだな。
「ねぇナルト、良い事思いついちゃった」
「よろしくお願いしまーす」
「よろしくってばよ!ドスケベ!」
「こやつら、礼儀ってもんを知らんのかのぉ」
次の日、ナルトのお色気の術とそれをコピーした私のお色気の術であえなくノックダウンした自来也に修行を見てもらうことを取り付けた。…まぁナルトの九尾の封印を見てナルトは確定だったけど、私に対しては、覗いたという事を武器にちくちくと攻めて行ったら、許可を頂いたのだ。
「まずは、自己紹介をしろ」
「うずまきナルトっていうんだってばよ!」
「うちはアヤカです」
そうして始まった修行、ナルトはやはりというか、ガマ一族と契約しての口寄せにチャレンジしている。
…まぁナルトの父、その師匠も契約に入っているのだ、ナルトも加わることは必然である。一方私は…
「お主は忍者としてのセンスは抜群じゃのぉ…ただ、経験が圧倒的に少ない」
というご指摘を頂いた。まぁそりゃそうだろう。まともに戦ったのなんてこの一年で…二回位だぞ。
「どうすれば良いのでしょうか?」
「とりあえず、お主の全力がみたいのぉ」
そういって、急接近して貫手を私の顔面に放ってくる自来也。超速だ…が、頭を傾けて紙一重で回避し、距離を取る。
「ここじゃ」
そういって、手の平を此方に向けてストップポーズを取る
「どうもお主…保身に走っているように見受けられるのぉ…お主ならあそこで責めに転じられると思うたがのぉ」
「…」
まぁ保身に走っているのは確かだ。
「ヒットアンドアウェイで戦っていこうと思っているのですが」
「なるほどの…じゃが、もう少し見極めてからでも遅くは無いのではないかのぉ」
それに…と付け加え此方に向かって拳を放ってくる、瞬時に距離を取ろうと思ったら、全く同じ速度で付いてくる、地来也。さらに、追撃が入って受け流す。
「まぁ今ので分かったと思うが、同じスピードかそれ以上のスピードが相手だと効果が薄い」
「なるほど」
まだ全力は出してないけど…
「まぁおぬしが全力を出せばその戦術もかなり効率が良いかもしれんがの」
そういいながら笑う。それも不適な笑みで。…ばれてーら。
「分かりました。全力を出します」
そういって、手足についている錘を全て外す。全て外し、錘が地面に付いた瞬間、ドゴォと音を立てて地面が陥没した。
「…お前あほだろ」
「結構良い運動になりますよ」
そういって、瞬時に後ろに回る。音何ざ立てるはずが無い
「……速いの」
その一言で、戦闘の再開。裏拳を放ってくる。その拳を下から蹴り上げる。が、体を捻られ、そのまま掌底を放ってきたが、此方もカポエラーの要領で
「木の葉大旋風!」
周りの木々が風圧にざわめく。…バク転で普通に避けられた。
「火遁、火龍炎弾!!」
超高速で印を結んで放つ超高等忍術。しかし、私も車輪眼を展開し、同じ速度で
「火遁、火龍炎弾!」
同じ炎の龍どうしてぶつかり合い、爆発。その爆発の隙に高速で印を組み
「水遁、大瀑布の術」
後ろの川の水を利用し、水遁の上位忍術…圧力を持った津波を地来也が居たであろう場所にぶち込む。
が、あろう事か私の水遁を足場にして、此方に駆けて来るではないか、瞬時に切り替え、とある印を結ぶ
そうして、接触。流れるような動作で貫手を放ってくるので横にトンと押すように、軌道をずらし、車輪眼で、幻術を掛ける…
「ちぃ!開眼しておったか!」
その言葉と共に、幻術が解かれるが…ゲームオーバーだ。此方は三人の影分身を作り、全員ある術を発動した状態で、自来也に触れるだけ。
「む!チャクラが!?」
そう、チャクラ吸引術。すぐさま、髪の毛を針の如く尖らして、影分身を全て消されるが、一瞬の隙を突き距離をつめ、そのまま
「木の葉昇風!」
蹴り上げる。しかし、私の足を横なぎに払い、直撃は避けるが…向こうも距離を取る
「…チャクラ吸引術とはのぉ…さっきと、今で結構持ってかれたわい」
そういって、冷や汗を垂らす。瞬間的に近づき打撃も重いし、チャクラも吸収する。正に嫌らしい戦い方。しかも私は常にオートリジェネ…自動治癒の術が掛かっているのでそうそう、戦闘不能になることは無い。そのチャクラ量も一級品異常で、少なくとも通常ナルトの5倍はある。
さらに、永遠の万華鏡写輪眼で時間の概念を取り払った、自身にとって最強のフィールドを展開でき、そこで使用したチャクラは現実に反映されない。反映されるのは、空間を使用した時間分のチャクラである。そして、月読。目が合った瞬間、尾獣か、複数人居ないと抜け出せない最強の幻術を瞬時に掛けることも可能と、共に、相手の血継限界も限定ながらコピーできる。
そう、結構隙が無いと思われる布陣なのだ。
ただの車輪眼でも、体、忍、幻のコピーが可能であるのだ…うちは強くね?強すぎだろ。
そうして、殺傷力が無いとは言えない忍術等を駆使して修行に明け暮れた。
「くっそーーー!おたまじゃくししか出ないってばよー!」
ナルトの修行は前途多難そうだ…