「よし!完成だ!!」
10歳の夏休みに、とうとう俺の「発」が閃きそのまま完成に至った。
俺の発それは【空間移動(ジャンプ)】だ。
【空間移動(ジャンプ)】
自身がマーキングした場所へ瞬時に移動することが出来る
マーキングしたものを自身の場所へ瞬時に持ってくることが出来る
マーキングは任意に消したり作成したり出来る
「マーキング」
ジャンプで使用する為のマーキング。念で出来たり、神字で出来たりする。どちらも効果は一緒
オーラでこすればそのマーキングは無効化される。
制約
・念でのマーキングは6箇所しか出来ない
・神字でのマーキングは3箇所しか出来ない
・マーキングが消されたら其処へはもう一度マーキングしないとジャンプできない
・マーキングは自分の体かオーラが何れかの部分が触れていないと出来ない。
・マーキングした中心の半径1m以内しか飛ぶことが出来ない
・他人と一緒には瞬間移動できない
誓約
・マーキングが自分以外に消されたら24時間マーキングできる箇所が1箇所減る
・全てのマーキングが24時間以内に自分以外に消された場合、1ヶ月念が使用できない。
特質系を生かして、他の系統だと真似できない様な発にした。
葉っぱが消えたので、何か楽に移動したいなぁとか思っていたので、瞬間移動でいいんじゃね?ってなってそのまま…
いやぁ…戦闘用発を作る気マンマンだったのだけど…全然思いつかない。
いや、思いついたには思いついたけど…そう、ぶっちゃけ実現不可能っぽいというより
チートすぎて誓約とかどれだけきつくしないといけないのか分からなかったからこれに落ち着いた。
といってもこれもかなり便利な能力だけどね。クロロあたりが欲しがりそう。
あとは戦闘経験を手っ取り早く手に入れたいから…一回きりの使い捨て能力を作って誰かくっそ強い人と戦うのはいいかも。
それも殺し無しなら最高だが…確か、天空闘技場が200階までなら殺し禁止だよな…ううむ、でも10歳だからなぁ…いや、こういうのは早めに取っとくのもいいかも
しかし、両親にはどう説明する…まさか自分の子供がそんな危険なところへ行くのを承知するはずが無い。
しかし、ハンター試験はもっと過酷だ。いきなり死ぬかもしれないからそれを引き合いに出して承知してもらうしかない。
あと、闘技場は結構近い(と言っても100km以上は離れている)から何とかなるかもしれないしな。物は試しだ。掛け合ってみるか…
「駄目に決まってるじゃない!!」
凄く怒られた。当たり前か。まだ10歳だし、小学生だもんな。いくらボクシングでアマに勝てたからと言っても、それはプロが監修の元、練習の一環で行った事に過ぎない。
闘技場はもう、一生物の怪我とかを負うかもしれない。けど、プロハンター許してくれたのに…と思ったけど、やっぱり心配なものは心配で
日がたつにつれ、やっぱりハンターなんかならなくて、普通に仕事しろと進言してきたしなぁ。
しかし、そこは譲れるところではない。やりたいことをやるんだ。てか、ハンター試験で受かってニート生活なんて…考えてみたら全然楽しくない。
むしろ、結構世間の目とか気にしている自分がニートなんて勤まるはずがない。そうだ、やりたいことやってお金をもらおう。
でも、そうすると戦闘経験どうしよう。ぶっちゃけ、自分で経験してもいいけど、せっかくの特質系だし。有意義に使いたい。
攻撃防御力がが確か強化系の半分以下のレベルしか出せないと思ったから、自分で経験値を稼いでたら危険かも?
親に言われて普通に過ごすのもありかなと思ったけど、もしアリが世界進行とかしてきたらゲームオーバーだ。
故に最低でも自衛できる力が必要だし、家族も心配だ。いや、家を飛び出す自分が言えた義理じゃないけどね。
しかし、平穏な未来を目指すには女王の駆除が必要。でも…どこに何があるのかいまいち覚えてない。
とにかく、特質Tueeee!状態な相手だった。身体能力とオーラだけで強化系を圧倒っていうか、見向きもしないほどの強さだからな。
戦闘系の発を一つ作りたいけど
やっぱ戦闘は強化がいいなぁ…単純に考えられるし、絡め手も強引に破って相手ぶん殴れば勝負付くしな
特質ってその正反対なんだよね。だから結構頭ひねって戦わないと勝てなさそうだけど…そんなん関係ない発を作れればなぁ
ベクトル操作とか、最強じゃね?とか思ったけど、いまいちピンとこないし、時間停止なんて理屈で考えたら空気も固まって普通動けないと考えてしまったので却下。
でも何か地味なのも嫌だ。もっと俺の中二心が躍動するすげぇ「俺が考えたかっこいいノウリョク」を作りたい。
急がなくてもいいけど、何かさっさと作っておきたいのが本音だ。
「でも、プロのハンターにはなるからね!」
「それも」
「約束だからね!」
母には申し訳ないけど、やっぱり未来を知っている身では強引にでもハンター資格は取っておきたいところ。ゴンご一行にこっそり付いていくためには何かと便利だしな。
あと、信頼の証にもなるし、損は絶対無い。てか、ビスケに修行を付けてもらいたいしなぁ…あのまっちょにならなければ相当可愛い部類に入るだろうな、見た目だけは。
おっと、話がそれたな。
ううむ…小学生卒業と同時に家を飛び出すか?そうすれば、基本自由だし、天空闘技場に参加すればお金の心配は無いと思う。
お金が安定する100階クラスまで行って200階昇進のやつでちょっと戦ってリタイアすれば当面の生活資金は大丈夫だろう。
そうしよう。しかし、今の俺は力がある少女だ。なるべく念は使わないでお金を稼ぎたいし、地味に戦闘経験も積んでおきたいところ。
とりあえず、押し出しで勝てる力を付けよう。確かゴンは12歳位で大の大人を押し出してたな。
やっぱ小学生卒業まではガンガン筋トレを行おう。この世界。やっぱり念が一つの鍵であり、その才能がある人は
念を取得しなくても身体能力ががんがん上がる。逆に念の才能が無いものはやっぱり常識の範囲内に収まってしまう。
俺は念の才能は…あるのだろうけど、ぶっちゃけどれくらいあるか良く分からない。けど、数百キロ位ある岩を持ち上げられたから、まぁ常識外になっているのだろう。
ボクシングでも結構加減しないと普通に一発KOだしな。今は通ってないけど。
近くに心源流道場っだっけかな。それがあれば即入会したけど…ちょっと遠い。学校の帰りに寄れるところでは無かったのでこれも家を出たら通ってみようかな。
理想としては、他人の動きと自身の戦闘経験をマッチさせて自分だけの戦闘理論を作ること。
筋トレと同時に、念の修行も同時並行中である。筋トレはまぁ体がむきむきマッチョにならないのに力や体力がガンガン上がる。
念はよほど才能に恵まれたのか、それとも知っているということが有利に働いているのか、これもガンガン上がる。
総合すると、このままの調子で行きましょうってやつだ。
「なぁ、ルクル」
もはやハサンと一緒に帰ることが定例化とした夏が終わった秋の放課後、急にハサンが声を掛けてきた。
俯いた顔は少し怯えている…?
「ん?なした?」
「俺…俺も、ハンターになる!」
ばっと顔を上げたときにはその怯えが吹き飛んで、なにか決心した顔になっている。
……これが俺以外の異性だったら惚れそうないい表情だ。たぶんその異性はバックがほわほわのピンク色だろう。
しかし、生憎、俺はこいつに惚れることは一生ない。
「あ、そうなの?頑張ってね?」
「あ、ああ!そ、それで、お、おお、お前を…」
顔を真っ赤にしてちらちら見ているが、最近になってやっとこいつが俺に惚れていることが分かった。
しかし、俺は惚れていない。むしろ女のコが大好物な変態だからな。ドンマイだぜ。
「まぁ無茶はしないでね?」
ね?の部分で顔をこてんとさせて、可愛らしさをアップさせる。俺なりのサービスというやつだ。
精神は男だけど、行動がだんだん女の子化していくが、ぶっちゃけ使えるものは使う。自分気持ち悪いと思うのは一人になったときだ。
「お、おう!一緒にハンターになろうぜ!」
「一緒にハンターになれるか分からないけど、私が14の時にとりあえず受けてみようかなと思うんだ」
「あ、あと5年か…」
何か思案しながら一緒に歩くハサン。まぁ頑張ってくれ。こっちは着々と準備が整っているけどな。あとは、家を飛び出すタイミングだ。
飛び出したら定期的に手紙と顔を見せればいいかな。まぁ飛び出したら数年は顔を出さない予定だけど。
この人生は結構自由に生きることをどこかで決めたしな。いや、今決めた。ハイ決めたー。
「それじゃあ、家はこっちだから。じゃ、がんばってねー。ばいばい」
「お、おう!じゃあなー!」
そうしてそれぞれの道の帰路へと歩いていったのだった。