「いやー、どうもありがとう御座いました」
「此方こそ、ありがとう」
「カブトのにいちゃん!ありがとうだってばよ!!」
中忍試験タイムリミットを10時間切った所で、私達第七班はゴールした。
あの後、二日間は何も進展が無く、食料をとって食べてと、サバイバル生活を行っていたが、最終日の前日の夜に、このままではまずいということになり、最後の日を迎えたのだが…
ナルトが、目を放した隙に巻物の偽者を作ろうとした所を、寸での所で、薬師カブトが止めてくれた。
感謝感激である。…こいつ確か、大蛇丸陣営だよね。あまり手の内を見せないほうがいいな…
そう思って、下忍らしく動こうかと思ったけど…ナルトとサスケは私の実力を知っているので、下手に弱くすると勘ぐられる。
よって、考え出したのが…
「これからも第七班が続くと思うんだ…連携の訓練を兼ねよう」
ということで、連携をしながら動くので、下手に実力を落としてもサスケのプライドが傷つくだけで済む
これでカブトの目を誤魔化して、行く手を阻む敵をなぎ倒して、巻物をゲットし漸くゴールしたのである
薬師カブトと別れた後、ゴールの建物内に入る。
「誰も…いないってばよ」
入ったはいいが、誰もいない。…ここでどうするんだけっか、と思って、目の前にばーんとある。文字を読む。
「天無くば、智を識り機に備え、地無くば野を駆け利を求めん…天地双書を開かば危道は正道に帰す、これら即ち「」の極意…導く者なり」
「…つまり、巻物を二つ同時に開くって事か?」
「恐らく…」
あんまり思い出せねぇけど、そうだと思った。そうして、ナルトに視線を向けると、既に天と地の巻物が手元に出ていた。
「それじゃ…開くってばよ」
そうして、開くと…真ん中に人という言葉が書いており、周りに口寄せの術式が記載されている。
そのことに気付き、すぐさま投げ捨てる。
「ナルト!!」
サスケもすぐに気付き、ナルトの名前を大きな声で呼び、ナルトも巻物を投げ捨てる。投げ捨てた巻物から煙が立ち込め出てきた人物が…
「よっ!久しぶりだな」
腕を組んでいるイルカ先生が出てきた。
「え!?何でイルカ先生が口寄せででてくんだってばよ!?」
「この第二試験の最後は俺たち中忍伝令約として受験生を迎える事になっててな…ふー…時間ぎりぎりだな。第二の試験、三人とも突破、おめでとう」
その言葉と共に、ナルトが
「やったーーー!」
嬉しさ爆発してイルカ先生に抱きつく。一時して、サスケがこの巻物の意図に気付き、イルカ先生に確認するように言葉を紡ぐ。
「ふー…開かなくて良かった」
その意図にナルトは今頃危機感を持ってくれたようだ。
「さて、目の前の文書は火影様が記した、中忍の心得だ。天とは即ち、人間の頭を指し、地は人間の体を指し天のさ」
その言葉に相槌を打ちながら話を聞く
「まぁ人には体を動かすのが得意という忍びもいれば、頭を使うのが得意の忍びもいる…しかし、そのどちらも兼ね備えれば…どんな任務も安全な任務になりえるというわけさ」
まぁそりゃ完璧人間だからね。
「そして、あの抜けた文字は中忍を意味する文字…人という一文字が入るというわけだ。この中忍の心得を忘れずに次のステップへ臨んで欲しい」
そうして、私達は第二次試験を突破したのである。
そうして、休憩室が設けられていて、そこで一旦休憩し、時間が来たときに中央へ繋がる扉を潜ると…
第二次突破者がずらりと並んでいた。
「私達が一番遅かったみたいだね」
そうして、前のほうに並んだ。中にはヒナタも居たので、手を振ったら振り替えしてくれた。
一気に心が和んだのは気のせいじゃないと思うよ。
(うお、あの音の三人生きてるよ…つんつん君はふらふらしてるけど)
あの時吹っ飛ばした音の男集は満身創痍って感じだ。恐らく立ってるのもやっとであろう…まぁ知ったこっちゃねぇけど。でもすげぇこっち睨んでる。つんつんめっちゃにらんでる。
「ふ…あんまり良い予感がしねぇな」
サスケが何か独り言を言ったので知らない人の振りを全力でした。
第三試験に入る前に火影様からの説明があった。この試験の真の目的である。
「この試験は同盟国間の戦争の縮図なのだ」
そう、同盟国通しで高めあいレベルを競う。そして、尤も優秀な下忍が誕生した国はそのままレベルが高いということになる。何故なら、部下の教育が伴っていない国なぞ、実力も何にも無い国なのだ。そんな国に大名達は依頼など回さないだろう。
まぁ個々を見れば確かにずば抜けて高い人物もいるが、この場にいるのは全員下忍である。
目に見えるものと目に見えないもの。どちらを信用するか…と聞かれると、当然目に見える結果を信じる
故に、同盟国間の戦争の縮図なのだ。…まぁほかに意図があるかもしれないけど。
火影様の説明にひと段落がついたころ
「ここからは審判を仰せつかったこの…月光ハヤテから…」
「…任せよう」
そうして、自己紹介が始まり…
「えー皆さんには第三試験の前にやってもらいたいことがあるんですね……」
すげぇ今にも死にそうな忍者が此方を振り向いてそう言ってくる。
「えーそれは本線の出場を懸けた第三試験の予選です」
「予選って…どういうことだよ!!」
尤もな言い分である。この試験で合格すれば本来であれば第三試験に臨める筈なのだ。
「えー今回は少将人数が残りすぎてしまいましてね…」
そういって、説明に入る。つまり、出場者を減らす必要がある。何故か。それは本戦ではたくさんのゲストが足を運ぶのだ。その中でダラダラ試合をやるわけにも行かない。時間は限られているからだ。
「というわけで、体調がすぐれないかた、やめたくなった人はすぐ申し出てください…これからすぐに予選が始まりますんで」
「これからすぐだと!?」
そういって、一息ついたときに
「あのー…僕はやめときます」
薬師カブトが手を上げたのである。その事で動揺するナルト…しかし、カブトはナルトに何かを言ってから、会場を後にする。おっと…
「く…」
そうそう、呪印が痛むような素振りを見せないと…大蛇丸が目の前にいるからな……後でたっぷり料理してやるよ。痛む素振りをしながらサスケのほうを見ると、脂汗が浮かんでいる。やっぱ相当痛いんだろうな…と思いつつ、何も言わない。
「サスケ、アヤカ…やっぱ痛むのか?棄権「「しない」」…わかったってばよ」
「ナルト…オレはお前とも戦ってみたい」
あれ?私は?ねぇ私は?そう思ったけど、ナルトとサスケが見詰め合っている。…何これ、誰か助けてくれ。二人を尻目に月光ハヤテが予選のルールを説明し…といっても、ルール無しの殺し合い。
ただ、死人が出ないような配慮はするということであった。
「電光掲示板にそれぞれ対戦者の名前が出ます。では、早速一回戦目は…」
ウチハ・サスケ VS アカドウ・ヨロイ
原作どおりか…まぁいいここでゲットする術があるからな。
上に移動し、観戦席に来て、車輪眼を展開する。
「何で車輪眼をだしてるんだってば?」
「いや、どんな動きするんだろうと思ってね」
なるほど~といいながらサスケを見るナルト。…熱い視線だね。そうして、サスケと会話していたカカシ先生が此方に瞬神の術で来る。
「お前も…」
「これですか……問題ないです」
「……発動したら直ぐに止めるからな」
その一言で、サスケのほうを向くカカシ先生…すみません。これ偽者なんです。
「では、はじめ!!」
その瞬間印を組むヨロイ…その術貰った!!…なるほど、この術は手に展開して相手のチャクラを吸い取るのか…一定量しか取らなく、一気には取れない。しかも、この術を展開していると他の術が満足に使えそうに無いな。…まぁ要研究だな。ただ、体術との組み合わせは最高だと思う。攻撃するたびにチャクラを吸収するという厄介な嫌らしい攻撃が出来、さらに私のオートリジェネを組み合わせれば…
「くく…」
「何してんの?」
おっと、笑みが零れていたらしい…最高だね。そう思っていたら、最後はいつぞやした獅子連弾で蹴りを付けて終了した。あれ?こんなにあっけなかったっけ?まぁいっか。
試合後、カカシ先生がサスケを預かることとなった。私はそこまで痛みは無いですと伝えたので、後で封印するということになった。
次の試合は、蟲使いの油女・シノと音のつんつん君…ザク・アブミの対戦となった。
結果はシノの勝ち。ザクが使う掌の穴に蟲を詰め込ませて、内部で斬空波を使用させる。
そうする事によって、圧力が腕の中ではじけて、結果。両腕が殆ど使えない状態…片腕は吹っ飛んでしまった。そこで、シノが最後に止めを刺し終了となったのだ。
次にツルギ・ミスミとカンクロウの対戦。
ツルギミスミは軟の改造…まぁ大蛇丸見たいに関節を外して色々できる改造が施してある。その為、その異常な柔軟性を持つ体を利用して、相手を締め上げるという、女性にとってはセクハラレベルの攻撃で戦うが…カンクロウを軟の体で締め上げて、首の骨を折った…かに見えたが、実はカンクロウとそのカンクロウが操る人形が入れ替わっており、逆に人形で締め上げられ、全身の骨を折られて終了した。
そして、次の試合が…
ウチハ アヤカ VS ヤマナカ イノ
その文字を見たときに、だるいと思いながら下に行く。そうして、対面するイノ。
さて…彼女は私の戦っている姿を見たはずだ…だが、棄権する気配がない……策があると見ていい。
うーむ…どうするか、だな。まず、彼女が使える術は心転心の術。術者の精神を対象に乗り移させる術である。これは諜報に適した技で、この場で使うのは不適切である。…が、この術は我が物にしたい。
「はじめ!」
さて、どうでる。
「はじめ!」
その一言でまずはイノが動いた。ホルスターから素早くクナイを取り出して投げる。が、アヤカは難なくキャッチする。そのクナイを投げ返すが…勢い余って壁まで飛んでいった。そこで突き刺さるクナイ。しかし、イノは瞬時に悟る
(忍具の扱いも私より上だけど安定していない!)
そこに付け入る隙があると確信する。二次試験を見て体術勝負は火を見るより明らかなので、クナイを投げて、対応しきれない所に術をかける…そのレベルしか、土壇場では思いつかなかった。そも、心転心の術は、一対一で使う術ではないのだが…
(精神を乗っ取って、負け宣言させるしかない)
そう思っていると、突然アヤカが、首筋を押さえて呻きだしたじゃないか
(チャンス!!)
すぐさま術の印を組みチャクラを練り
「心転心の術!」
そうやって、体を乗っ取れたはず…のだが…
(乗っ取れない!?)
動揺した瞬間、目の前のアヤカがぽんと音を立てて消え、その代わり首筋にクナイを添えたアヤカが姿を現した。
「…クナイ投げ返したとき」
その一言で疑問は一気に氷解した。
(こりゃ…勝てないわ)
「ギブアップ」
その一言で、対戦は終了した。
side アヤカ
よっしゃー術ゲット!何に使うかは分からないけど術ゲット!!一気に抱きついてチャクラの吸収でも良かったけど…それだと、術が確保できないので、このような回りくどい事を行ったのだ。
しっかし、悪いことをやっちゃったなぁ…印なんて偽m
「アヤカ!大丈夫か!?」
いきなりカカシ先生が瞬神の術でやって来て、何か私を小脇に抱える。そのまま上に上り、ナルトに事情を説明して、何処かへ移動する…そこには、何か難しい術式が書かれた陣がある部屋に通った。
「今から呪印を封印する」
そう言ってきたが……ここに誰もいない事を確認し
「必要御座いません」
「何馬鹿なことを言っている!!」
そうして、荒々しく私の手を掴み髪を掻き分け首筋を覗かれるが…
「無い…だと?」
「ええ、ありません。フェイクです」
そういって、試験中何が起きたかを話した。大蛇丸に色々されたことは伏せておいたが。
「そうか…良かった」
「ありがとうございます」
「しかし、何故変化の術でその印を保っているの?」
「それは…秘密です」
大蛇丸ぶっ殺す為とは言えない。これで策は完了である。後は本戦後の時を待つだけ…
待っているろよ…くそオカマ。サスケに気絶した後何かあったのって聞いたら、とりあえず体を舐められていた…と……どおりで、記憶に残っているより、服が肌蹴ていると思ったら……
この怨み晴らす
100倍にして