呪印を付けられて、寝ずの番を行う。…すっげぇ眠い。前世でも一日中起きて仕事してたことあったが…
「くく…寝ずの見張りかい?」
振り向くと、音の三忍衆が目に付いた。真ん中の包帯ヤロー、岩に座っているつんつんヤロー、右の私とあんまり変わらない髪型…おい、被ってんぞ。
そう、眠い時にこういうふざけた輩を見ると、とてつもなくいらいらして来るんだ。
「でも、もう必要ない…サスケ君を起こしてくれよ。ぼく達、そいつと戦いたいんでね!」
一番前の姿勢の悪い奴が行ってくる。うるせぇ
「サスケは大蛇丸って奴に、キスマークを付けられてぐっすり眠っているよ…とんだお休みのキスだったらしい…私も付けられたけど、お休みのキス以上にハードだったからね…おかげで寝れなかったよ」
「何!?」
うるせぇ。もう、ナチュラルハイを通り越して瞼に錘が付いているか分からないレベルで眠たいよ。
「あの人は何をお考えなのかな…」
「しかし、それを聞いちゃあ黙っちゃられねぇ…この女もオレが殺る。サスケとやらもオレが殺る…」
どうやら、包帯の人は冷静に考えられる人らしいが、つんつんの人はやる気満々のようだ。
「まぁいい…全員殺せばそれで終わる」
包帯のヤローがそんな事いう…こいつら肉片にしてやろう。三人とも此方にジャンプして向かってくる。
着地した時点で、千鳥で全員の心臓をぶち破ろうと、印を組んだんだが…
「木の葉旋風!!!」
空中で三人が黒い影に殴られ、その影が私の前に着地する
「可愛い女の子一人に三人一斉に来るとは…忍者の風上に置けない人たちですね」
おめぇのそのタイツも忍者としてどうかと思う。…まぁ確かに動きやすいというのは認めよう。
だが、厳しい物がある。ビジュアル的に。
「な、何者です…!?」
「木の葉の美しき碧い野獣…ロック・リーだ!」
自分で美しいとかいっちゃ世話無いよね。まぁいいや。こいつらって、大蛇丸に戦闘風景報告するっけか…もういいや
「仕方ないなぁ…ザク、サスケ君はあげるよ…こいつらは僕が殺す!!」
「させません!」
その言葉と共に飛び出してくる包帯の人。
「じゃあ、それ以外は私が引き受けます」
「その体で大丈夫なのですか!?」
「問題ありません」
もう、ここまでくれば大筋には影響ないと思われる。恐らく。
「舐められたもんだぜ…女はオレが殺す!!」
そういってこっちに向かってくる。おせぇ。
「喰らえ!斬空h「この両手、風穴があるね」!!?」
一瞬で背後に回りこんで両手を掴み、後ろへ
「!?キン!援護を頼む!!」
「!あ、ああ!」
そう言って千本を投げてくる。高速でせまる千本
「忍法、風穴君盾」
「なに!?」
強引に位置を動かして、千本を全てガードする
「ぐあ!…舐めた真似を!!」
その言葉と共に、なけなしの力で掌を此方に向けてくる
「しねぇ!斬空波!!」
チャクラが手に収束し、発射される直前に、音のくの一に手を向けさせた
「え?」
衝撃波がくの一を襲う、軽く吹っ飛ばされて、木にぶつかり…口から吐血した
「あーあ…やっちゃったね」
「て、てめぇ…!!」
そう言って睨みつけてくるが…もういいや。
「飽きた」
ぱっと手を離した瞬間に此方に両手を向けてくる
「斬空極波!!」
何も無い森に向かって大きな衝撃波をぶっ飛ばす風穴君の攻撃を、軽いステップで避ける
「馬鹿な!?見切られているのか!?」
相当吃驚した顔で此方を見てくるので頷いた。その時
「表蓮華!!」
大地に衝撃が走る。どうやら、犬神家の如く地面に突き刺さっている包帯君。
どうやら、リーさんのほうは終わったらしい。
「くそ!お前ら全員おr「木の葉大烈風」」
何か言いかけた時に顔面に向けて、蹴りを放つ。勿論、チャクラで肉体活性した蹴りだ。
当たった瞬間、縦に回転しながらまるでゴムボールのように吹っ飛んでいった。
「雑魚が」
そうして、気を失っているくの一の方へ向かい、両手足を縛る。その後、頬を叩いて起こす。
「う…うーん……」
「起きて」
「は!?」
そうして、覚醒。縛ってあることを自覚して此方をにらめ付ける。
「巻物ちょーだい」
「だr「デコピンするよ?」
その横にある大岩にデコピンをする。
人差し指が当たった瞬間に、大岩が轟音と共に粉々に粉砕された
「まきものちょーだい」
物凄い勢いで首を立てに振ってくれた。なぁんだ、やさしい所があるね。
全ての縄を解いて、手をつなぎながら、巻物を持っている包帯君へ近づき、ポーチを漁る。
「こ、これでいいだろ?」
そう言って巻物を渡してくる。地の巻物だ。
「ありがとー」
そういって、片手で包帯君を引き抜く。顔面血だらけで骨も色々砕けてそうだ…まぁいっか。
「風穴君は森へ散歩に行っちゃったから何処にいるか分かんないよ」
「わかった、わかったから!!」
そういって、包帯君を背負いすぐに駆け出す。女の子ってやっぱりやわらかい。
「く!僕もまだまだだ…」
サスケとナルトが寝ている近くでうなだれているリーさん。
「アヤカさん!!」
「なんでしょう?」
「貴方を超えたと思ったら…迎えに行きます」
突然此方を真剣な眼差しでこういってくるもんだから
「謹んで遠慮いたします」
当然の拒否。私は女の子以外に興味なしですよ
「では!」
話し聞けよ、と思いながら、去っていくリーさん…相変わらず濃かったなぁ…
しかし、ここで表蓮華をやるとは…結構苦戦していたのかな?それにしても怪我は…まぁ耳から血を流していたけど、それ程重症じゃなさそうだった。そんなことより…
「そこに隠れている三人…出てこないとくの一さんだけ、捕まえてあんな事こんな事を実践しちゃうよ」
そういって出てくるのは、いのしかちょうの三人。随分と顔色が悪いことで。
「あ…あんた、アヤカ……ちゃん?」
「うん」
そういって、私の荷物の所へ移動し、水筒を取りだし、水を飲む。うむ。うまい!
「で…単刀直入に言うと、敵?味方?」
「味方だぜ!」
「そ、そうよー!味方よー!!」
なるほど、戦闘を見ていたか…気付いてたけど
「ふふ…敵だっていったら、巻物を奪っていたよ」
そういうと、少し引く三人。それと同時に起きるサスケ
「お、おはよーサスケ」
「く!…!?や、奴はどこだ!!?」
「大丈夫、今はいないよ」
そうか…そういって、目を伏せるサスケ…とりあえず
「あそこのいの、シカマル、チョウジは敵じゃないって…あと、これ」
そう言って、地の巻物を渡す
「これは…」
「途中で雑魚が来て、脅したらゲットした」
「……そうか」
そういって、私の首筋を見る。そこには…呪印……の形をしているだけで、実際は変化の術で誤魔化しているだけだが…車輪眼と組み合わせると相当な効果を発揮する。
「…」
「まぁ、仕方が無いよ。とりあえず…私は寝る」
お、おい!とサスケの声がするが、こっちは寝ていないんだ…緊急時になったらたたき起こしてーと言って睡眠に入った。
「朝か」
「いや、既に夕方だぞ」
ぐっすり寝て、起きたらもう夕日が傾いていた。辺りを見てみると、サスケとナルトしかいない。
「アヤカちゃん、やっと起きたってばか」
そういって、愚痴ってくるナルト。申し訳御座いませんでした。
「それで、これからどうするか…だな」
サスケの問いに頷く私達、話し合いの結果、とりあえずまずは、食料の確保。巻物は会った班から奪っていく…が、また大蛇丸級のがいるかもしれないので、一人での行動は厳禁。
いまは、二日目の朝なので、まだ慌てる時間帯でもないだろうという事で、まずは食料となったのだ。
しかし、既に夜も近いし、本日分の食料は既に確保済みである。サスケが大きなクマをノックアウトしてきたのだ。調味料は私は何時でもバターを持っているので、問題ない。バターで味付けしたクマ肉と、川の綺麗な水を水筒に入れて飲料水の確保。完璧だ…ただ
「ねぇ、私水浴びしたいんだけど…良い?」
「お前、今がどんな時か分かっていってるのか?」
「あのねぇ、女の子は何時如何なる時でも自身を清潔に保つ必要があるの。オーケー?」
そういって、サスケに凄む。しかし、納得行ってなさそう…仕方が無い。であれば…
「じゃあ、皆で川の近くで土を掘って、お風呂作っちゃいましょうか」
そうして始まったお風呂作り。最初は渋っていたサスケとナルトだが、やはりというか何と言うか
「二人とも汗臭い」
そういうと、渋々ながらも協力してくれた。しかし、着替えがないと女の子は納得しない…そこでだ
この試験を突破する為に私は、用意したのである…着替えを口寄せする巻物を。
カカシ先生の口寄せの術を写輪眼でコピーし、巻物に記す印も教えてもらい…漸く完成した一品。
作業を開始してから一時間後、漸く土を綺麗に彫り終えて、石を敷いて完成した。
「お湯はどうするんだ?」
「水分身」
印を組んで、川から大量の水分身を出現させて、全員穴に折り重なるように入ってもらい、解除すると…
「おおー!綺麗な水が丁度良い具合に溜まっているってばよ!」
「お湯は…」
「火遁宜しく」
その言葉と同時に、サスケが渋々火遁を放ち、温度を上昇させて完成。さて、誰が一番風呂をお預かりするか…
「アヤカちゃん一番いいってばよ」
「ああ」
お優しい二人が一番を譲ってくれた。ありがとうと、返事をしながら服を脱ごうとすると
「ちょ、ちょっと待っててば!まだ俺たちがいるから!!」
おう、そうだった。あまりにも嬉しかったのでそのまま真っ裸になるところだった。そうして、ナルトと、サスケで警備をしてもらいながら、ゆっくりお湯に浸かったのである…最高です。シャンプー持ってくれば良かったなぁ…と満点の星空の中後悔した。
私が上がり、口寄せで全身を覆うタオルと着替え一式を口寄せし、タオルを巻きながら着替える。
そうして、手に取る使用済みの下着…やっぱちょっと汗臭い。
「入って正解だったな…」
そう思呟きながら、ナルトとサスケを呼ぶ。入れ替わりで今度は私が監視の番である。川で水分身を大量に作って、一斉に放つ。これでオッケー。私も、何時でも駆けつけられる距離でぎりぎり見えない箇所を陣取って監視するが…異常なし。
ナルトと呼ぶ声が聞こえたので、水分身を全て水に戻し、二人の下へ。
そうして、三人そろって、とりあえず、汚れた衣類を川であらい、焚き火を起こす。その上に簡易な洗濯棒を作成し、乾かしながら、交代しながら夜を過ごした。