「ここが第二試験会場、第44演習場…別名、死の森よ!」
アンコ試験管に案内された所は、もう見た感じなんか出てきそうな森が広がっている。
薄気味悪いったらありゃしない。しかし、此処では美味しい場面があるはずだ…そう!アンコ試験管の…
「ここが死の森と呼ばれる所以…すぐ実感する事になるわ」
「死の森と呼ばれる所以、すぐ実感する事になるわ…なーんておどしても、ぜんっぜんへーき!怖くないってばよ!!」
…ここだ!!!
「そう…君は元気がいいね」
その言葉と共に、クナイをナルトに向かって投げてくる。
「ナルト、駄目でしょ!?」
クナイを投げたと気付かない振りをして、ナルトと私の位置をすぐさま変える。
クナイは人を殺せるほどのスピードが出ているが…
(見切った!!)
そうして、私の頬に切り傷が出来、血が垂れて来る。
「いたっ」
その瞬間後ろに女性特有の甘い香り
「運がいいね君…でも、君見たいのが真っ先に死ぬのよねぇ…」
頬に右手を添えられて後ろから血が出た傷口をぺロリと頬を舐められる……はずだった。
「クナイ…お返ししますわ」
………濃厚な…私が期待した……アンコ試験管の……その口で甘美な暖かい聖水を私の傷口に塗っていただく直前に…この仕打ち!!!予定変更だ…今まで大蛇丸の目がサスケに行くように意図的に実力を隠していたが……もういい。どうせ、狙われるのは一緒だ…潰してやる
くく…くくく……、遭遇したときが楽しみだなぁ…
ああ、ヒナタ、そんなに見つめないでくれよ…興奮するじゃないか
そうして開放され、試験の説明と、同意書が渡される。
「だ、大丈夫だってば?」
「…大丈夫……ただ、ちょっと…ね」
「……」
私の気迫に押されているのか、凄い勢いで引いていく二人。あのサスケですら引いている。そんなに酷い表情なのか?まぁいい。あのクソ蛇はこの手で殺す。最初で最後の女性と濃密に接することが出来るチャンスを無に返した恨み…ここで晴らす
「最後にアドバイス…死ぬな!」
その一言で私達の狩りが始まったのである。
「オレってばちっとしょんべん…」
死の森に入り、すぐの事。突如悲鳴があがり、一気に緊張感が高まった。アヤカはこんな悲鳴を、大蛇丸の口から吐き出させてやろうと、何通りも撲殺パターンを脳内でシミュレートしている。その表情は…どこか逝っちゃっている感じだ。
「ああ…此処で待ってるから行ってこい」
本来であれば、アヤカの台詞だ。だが、アヤカは一人で何かぶつぶつ言っているだけ。ぶっちゃけ使えない状態である。そう、サスケからしてみれば…アカデミーでドベであったナルトにこういう風に接すること事体がありえないはずだったが…
(ち!…流石に一人じゃ厳しい……)
この試験に来る前でのメンバーを見て、一人でこの試験を切り抜けるのは非常に困難であると自覚している。そうでなければ、巻物回収の為、一人でさっさと回収したほうがいい。が、試験を受ける前の
(ロック・リー……)
リーがサスケに与えた影響は大きい。同年代で、アヤカ……なら、プライドが傷つくがまぁ百歩譲って納得が出来る…が、あんな濃い奴に手も足も出なかった…木の葉の下忍の上位であのレベルとなると、他里の下忍上位もあのレベルと睨んでも、差し支えない。
つまり、非常に認めたくないことだが…一人だと、厳しい戦いになる。というのは確実なのだ。
「あーすっげー出たー…すっきりー!」
用を足してきたナルトの姿を見て、アヤカが、いやらしく笑いながら
「あれ?…ホルスターが逆足についてるよ……?」
その瞬間、轟音と共にナルトの体がピンボールの如く弾け飛ぶ。木々をなぎ倒す音が響きながら、森の奥に姿を消していった。サスケも偽ナルトと気付き攻撃を加えようとしたが、それ以上の速度を持って、掌底を繰り出していたのだ。
「…ナルトを探すぞ」
「了解」
こいつはあまり怒らせないほうがいい。今の自分ではあの速度…まったく目に追いつけなかった。
(人に教わった…か)
あの、ロック・リーもリー以上に濃い人物が師匠と言っていた。
(…クソ)
あの時、アヤカの誘いに乗っていれば、今頃自分もあのレベルに到達していたかもしれない…
「何してるの?早く行こう」
「あ、ああ」
だが今は、違う。目の前の事を集中する為、その思考を頭の隅に置き、保留した。
無事ナルトを救出した第七班は恐らく、班員がバラバラになる可能性がこれからも発生する。
その際には、何か合言葉を決めて本人かどうか確認したほうがいいのでは?というサスケの意見から、合言葉を決めた。その合言葉は結構長い。しかし、アヤカは覚えられる…が、ナルトは覚えられないはずだ
しかし、それすらフェイク。ナルトが覚えられない前提で話を進める。何故なら…地中に忍がいる事は既にサスケとアヤカの共通認識である。よって、ナルトには事情を話さずに事を進める事とあえて、聞かせるように話、おびき寄せる。という作戦だ。
(まぁ…あのおかしな位置で切れている竹筒…怪しすぎる)
そも、ばればれだったのである。
合言葉を決め、一息置いた所で突如、アヤカ達に向かって突風が吹き荒れる。
(来た!!!)
そう、アヤカはこの時を待ていたのである。前世での原作知識で、このシーンは覚えている。圧倒的な格上と出会う主人公達の描写が良く表現されているシーンである為、非常に印象に残っているのだ。
よって此処を耐え切れれば…と思っていたが
「く!」
流石に、三忍が放った風遁系の忍術である。軽い体ではアヤカの体は吹き飛ばされてしまった。
受身を取り、顔を上げると…目の前には超巨大蛇
「でか」
自分の身長の何倍あるんだろうなぁ…と思いながら、見上げていると、突如アヤカに向かって顔を突っ込ませる。が、アヤカは印を組み
「千鳥刀」
手に持つのは超高圧電気を携えた雷の剣。アヤカには剣術の心得なぞ無い…が
「避けて首をぶった切るのは造作も無い」
ステップで蛇の頭と入れ違いになった瞬間。袈裟切り。生き物が焼ける匂いと共に、大量の血が雨となる
それを浴びないように瞬時に場所を離れる。
「とりあえず…第一関門クリア……かな」
そうして、印を組み
「影分身」
一体の影分身を作る。その影分身に、ナルト達のところへ行くように指示を出す。その際、消えないようにある術式を込めて、血で印を結び作ったのだ。チャクラもごっそり取られているのか、苦しい顔をしている。
「とりあえず、無害そうに振舞って…恐らく呪印を付けてくるけど…まぁ甘んじて受け入れて。どうせ影分身だから」
指示と共にその事を付け足す。そう…まだ好機じゃないとアヤカは感じている。何故なら今の大蛇丸は確実にアヤカより上であると見ている。いくら万華鏡があっても勝てるかどうか分からないレベルだったら後の祭りだ。死ぬまでうちはの血筋を増やす為の母体で人生終了するかもしれない。
故にまだだ。…チャンスはちゃんと存在している。
しかし、それも原作どおり事が進めばの話だ…よって、何か起こっても強引に原作通りの結果を出せばいい…
「待ってろよ、大蛇丸…この仕打ち、100倍にして返す」
その呟きと不気味な笑い…禍々しいチャクラの奔流…死の森を飾る木々達が、そのチャクラを恐れているのか……チャクラが噴出するその瞬間に、ざわめきがぴたりと…止んでいた。
「う!?…本体の奴、相当ぶち切れてるな……ご愁傷様だね、大蛇丸」
所変わって影分身、サスケの位置は既に把握している。というより、自動的にサスケの所へ移動している最中だ。万華鏡写輪眼を開眼させながら。
「本当に便利だな…この『氷遁』は」
氷の鏡をサスケのポーチの中に忍ばせておいた。そう、白の秘術である。かなりの高速で移動できるし、燃費もかなり良い。ただ、瞬間的に使うのなら、雷遁がいいなと一人思う。前方に見えるのはサスケ
「サスケ、大丈夫?」
「!?…アヤカか、合言葉『忍機』」
その言葉と共に、決められた言葉を言い、氷遁で作った氷を消す。一言一句間違っておらず、サスケは頷いて辺りを警戒する。
「いってー皆大丈夫か?」
その言葉共に表れるナルト…しかし、瞬時に違和感に気付く忍が一人
(チャクラの質が全然違うんですけど)
写輪眼を開眼させてなくても、何となく肌身で分かるようになった、チャクラの質。サスケのめは誤魔化せてもアヤカの目は誤魔化せなかったが…
(原作どおり…か。不要とみなされない程度の力を発揮して殺されないようにしないとな…あ~唾液が付くよー)
アヤカは結構余裕であった。
「ナルト、合言葉」
そのアヤカの言葉と共に、すらすらと合言葉を読み上げるナルト。サスケも此処で偽者と判断した。
判断した瞬間に、サスケの手裏剣がナルトを襲うが、避けられる
「今度は俺の攻撃を避けられる奴か」
「よく分かったわね」
ねちっこいオカマ口調…正直、気持ち悪いの一言で全てが完結する。その瞬間、ナルトの体を煙が覆って、大蛇丸…今は草忍の姿に戻った。
「ふふ、よく分かったわね…貴方達、この地の書が欲しいのでしょ?」
そういって、巻物を体内に取り入れる。
「さぁ、始めようじゃない。巻物の奪い合いを…」
「命懸けで」
side 影分身アヤカ
その瞬間、言い知れない圧迫感が私を襲った、一瞬心臓の動機が早くなる…足に力が…入らない。
隣のサスケは膝を付きながら嘔吐する…無理も無い。私も正直一瞬でも此処に居たくない。
逃げろ!と本能が警告を出すが…影分身の身。この経験が、本体にとって良い経験となることを祈る。
ま、やることやってからだけど。
大蛇丸の方を見ると、手裏剣が迫って来ている、それを確認した瞬間に、サスケとは別の木に乗り移る。
木に乗り移ったら一旦引いて、サスケの木へ向かう
「どうする?」
「……」
物凄く動揺している…まぁサスケは影分身じゃないから、死んだらそれで終わりなのだ、緊張感も尋常じゃないだろう。サスケと私の間に、蛇が来る。
「邪魔」
クナイを取り出し、一閃。目に傷が入ったのと同時に、ひるんだ所を蹴る。女の子の力で蹴ったので、ポーンと飛ぶだけ。その蛇の頭部から、皮を突き破って姿を現す…大蛇丸。
「あら、あなた…忍具の扱いに力が付いていってないようね……うちはアヤカちゃん」
どうやら、影分身とばれていない様だ。まぁばれたら全力で逃げに走るので問題は無い…はずである。
「でも、私が用のあるのはサスケ君だけよぉ…」
ぎろり、とサスケを射抜くように見る。
「う、うわぁああ!」
取り乱しながら手裏剣を投げるが、全て当たらず…が、其処に誰かが投げた手裏剣が刺さる。
「悪いな、サスケ…合言葉は、忘れちまったぜ!」
どーんと、木の上に腕を組んで現れるナルト。それをじっと見て考えるサスケ。さて、此処からどうするのか…と思った矢先に写輪眼を引っ込め
「巻物ならお前にやる…頼む、これをもって引いてくれ」
その言葉は悪手である。何故なら、殺して奪い取ったほうが遥かに簡単だ。ナルトはその事に大声で反論するが、スルーされる
「受け取れ」
そういって放物線を描く巻物をナルトが全力で取りに行く。大蛇丸に渡る前に巻物を取るナルト。
「てめぇ!よけーなことするな!この状況が分かってるのか!!」
俯いた顔を上げたナルトが、サスケを殴る
「てめー、サスケの偽者だろ。こんな馬鹿で腰抜けなサスケは俺の知っているサスケじゃねぇ!!こいつがドンだけ強いかしらねーけど…巻物渡して俺たちを見逃す保障なんか…何処にもねぇ!!」
そういうことだ。大蛇丸の実力なら交渉に応じるわけが無い…何故なら何のリスクも負ってないのだ。圧倒的有利者が交渉の席に着くわけがない。
「ナルト君…正解よ」
おぞましい雰囲気を撒き散らしながらナルトに言う。
「巻物なんて…殺して奪えばいいんだからね……!」
その瞬間腕にある、口寄せの術式に自信の血を塗り、口寄せを行う。目の前に出現したのは大蛇にふさわしい大きさの蛇。私が殺した物より遥かにでかい。
その蛇にナルトが尻尾で打ち上げられる
「ナルト!」
木々をつき抜け、最後に大きな木へぶち当たり、吐血する…そうして、自由落下してくるナルトを大蛇が食べようと、下を伸ばしたときに…圧倒的な禍々しいチャクラをナルトから湧き出てくるのを感じる。
そう、波の国のときと同じように
「クソ喰らえーーー!!」
チャクラ任せの一撃で、蛇の口は閉じられ、何とか食べられずに済む。
私もそれに続けといわんばかりに、サスケより若干下くらいのレベルで手裏剣を投げ、牽制する
「ふふ、妹のほうが優秀なのかしらねぇ…サスケ君はどうかしら!?」
その瞬間明らかに、動揺がサスケに走るのを感じる。これは…私を呪印の肥料にして、苗床をより完成された形に持っていくって事か。そう思った瞬間に、大蛇がサスケに向かって押しつぶさんとする。
サスケと、大蛇の間に黒い影が割り込み、進軍をストップさせる
「へへ…怪我はねぇか?サスケ」
その言葉と共に、印を組み始める大蛇丸…なるほど、これが五行封印ね…車輪眼でばっちりコピーしました。勿論、ほんの一瞬だし、万華鏡を開眼すると、殆どチャクラを消費しないので車輪眼が開眼出来、チャクラが漏れる事はほぼ無い。その証拠に大蛇丸も気付いて無い様だ……よし、チャクラの流れもおおよそ分かったしな。そうして、ナルトが大蛇丸の下に絡め取られそうになる。
「させない!」
手裏剣を投げるが…気持ち悪い動きでかわされ、逆にナルトを盾にされた
「く!」
「ふふ…急がないの、貴方のほうが、サスケ君より美味しそうに感じるわぁ……」
きめええええ!舌が…こう…意味が分からない。もうあれ人間じゃないよね。
しかし、このままではナルトに五行封印が掛かってしまう…しかし、盾にされたら…
そう悩んでいたら、五行封印がナルトになされた。
高い木のうえからぽいっと捨てられるけど、其処をクナイで木に縫い付ける。
「さて、今度は…」
「私だ」
車輪眼を開眼しクナイを投げながら接近する、斬り付けるも余裕で避けられている…が
「火遁、豪火球の術」
私は十八番じゃないけど、うちはの十八番を繰り出す。
「よせ!アヤカ!!」
「やらなきゃ、やられるだけでしょーが!!」
「そう、その通りよ」
私の後ろに回りこまれる。が、やはり、スピードは私以下。見える。何時でも避けれるが…まぁ本体の意向で、あえて、かろうじて反応したように見せかける。次の瞬間に、蛇の頭の上で組み伏せられる。
「ぐ!」
「アヤカ!!」
そうして、私の首筋を長い舌でなめて、頬を舐めてくる…くそ!そこはアンコ試験管の特等席だぞ!!
どうやら、死にたいらしいな…ばっちり目も合ってるし、万華鏡であの空間でぶっ殺してやろうか…
「ふふ…いいわぁ、貴方の容姿も美しいし、実力も下忍を越えようとしている…しかも、開眼してるじゃない」
そうして、顔から、首、鎖骨、と満遍なく舐められる。…これはきつい。精神的に。もう無の心が大事だと実感した。というより、その境地に立ったかも。
「……犯すんだったら、せめて殺してからにしてよ」
「ふふ……生きて悲鳴を上げさせて犯すのが、一番の快感なのよ…」
「……下衆め」
もう意図的に私を消したい。もう影分身解除してもいいよ本体。頼む。犯される。絶対やられる。
「でも、悲鳴を聞きたいのなら……もっと良い方法があるわね」
そういいながら私の首に顔を近づける。呪印か…これを物にできたら相当応用が効きそうだ…でも、印とか結んでないよね…車輪眼じゃ見切れn
「私を感じさせて」
首筋に生暖かいぬめっている何かと、チクリと何かが流れ込んできた。その瞬間
「ぐ、あああああああああ!」
「いい!アヤカちゃん!いいわ!その表情…最高だわ!」
「アヤカ!?クソ!!」
激痛どころじゃない、味わったこと無い痛みだ。もういっそ殺して欲しい…が、本体が頑張って維持してるみたいで全然消えない。もうなにもかんがえたくない
「あああああ!ぐぅ!いああああああ!!!」
「アヤカーーーー!!」
最後にサスケの声を聞いた…怨むぞ、本体。
「うわぁ………いっそ消さないようにしようかな」
影分身を保つ為に精神を集中させる。今何が行われているのか全くわからないが…凄い勢いで消えようとしている。恐らく想像を絶する何かを…呪印だな……消したくねぇ…経験が全部入ってくるよね…
そうして、ぷっつりと消えようとする力が切れた。……気を失ったか死んだかである。
この影分身はちょっと特別で、私の血液と共に普通の影分身じゃない特別な印を結んである。…そう、あの人形を参考に研究してきたのだ。で、キーポイントとなるのが、『情報』である。
髪とかでもいいけど、より力を発揮できるのは、代償が大きい物…で負担がない物と言ったら、まぁ血液が一番いいと判断し、チャクラを練り印を組むと…私が意図的に消さない限り消えない影分身の完成である。
しかし、リスクが大きく、経験を全て余す所なく持ってくるのでもし死んだとなると…私も死ぬかもしれない。…まぁ精神的に参っていて大蛇丸の呪印を受けるとなると、気を失っていると思う。…たぶん。
いや、そう信じさせてくれ。頼むから。
そう思って、ゆっくりと気配を消しながら現場へ向かう。見付かってしまったら…幻術だな。
そうして、現場へ到着すると…私の影分身が地面で…よし!気絶しているだけだ!何か服が肌蹴ているけど…おいいいい!大蛇丸なにした!?私の体に何したんだ!?…まぁ最後までは致していないのかちゃんとスパッツは履いたままだった。良かった。
木に縫い付けられているナルトと、木の上で呻いているサスケ。まずナルトを回収し、サスケには幻術で眠らせる。既にチャクラの乱れが激しいのであっという間にかかり、眠りへ落ちる。
二人を一箇所に集めて影分身に刻まれた呪印の形をメモした後にを消す
「!!!?」
入ってくる様々な情報、此処で何が合ったのか、全てが伝わってくる。濃密な殺気、舐められた記憶。そして、
「ぐ…あああああ!」
激痛。しかし、此処で気絶するわけにも行かない。地面をのた打ち回って、影分身が消える時間まで耐える。耐える。タエル。たえる。
「はぁ…はぁ…」
二分くらい経って漸く、痛みが引いた。そして首筋には…
「な、い…はぁ……く…」
呪印なし。これでいい。呼吸を落ち着かせて一休憩する。因みに巻物は取られていた。
「ふぅー…気持ち悪かった」
まさか大蛇丸に体を少しだけだけど許すこととなるとは…だが、勝てる。勝算はある。
そうして、メモした呪印を模した模様を変化の術で浮かばせてミッションコンプリートである。
「さて…一休憩したら、移動しますか」
そう思って、チャクラと体力の回復を図るのだった。