ぎい…
と、301教室の扉を開けると…いるはいるは。他国の忍びから木の葉の忍びまでずらりと勢ぞろい。
年齢もかなり幅があり、明らかに30代の人いれば、私たち同様、10代の人もいる。
「すげー」
ナルトの言葉に同意する。しかも、ドアを開けた瞬間に皆こっちを見てくるもんだから、正直びびった。…さて、この試験に出てくる蛇さん…正直倒せる気がしません。恐らく私がガイさんを越していたとしてもだ…火影を倒す実力を持つ蛇さんに勝てるのか…といわれると、難しいと言わざるを得ないのが現実だ。
ただ、そこまで悲観することも無い。此方はすでに蛇さんが誰なのかは覚えているという事と、確実に格上ということが既に分かっているという所が強みだ。原作の記憶にある蛇さんの実力は一部の隙が無い…様に見えるが…果たして。
恐らくカブトであれば倒せる自信はある。千鳥で心臓をぶち抜ける自信と速さがあるから。原作で見る限り、いくら弱っていたとしても…ナルトの攻撃に当たるのはどうなのだろう。…まぁ細かく覚えてないので、ナルトがもしかしたら奇抜な発想でカブトに攻撃したのかもしれないけど…
それと、中忍試験の最大の肝。「木の葉崩し」こいつも危険だ。生き残れる自身はある…が、正直何が起こるかわからない。もしかしたらナルトが砂の尾獣に負けるかもしれない。そうなったら…万華鏡写輪眼で従わせるしかない。……どうやるのかはぶっつけ本番だが。
「サスケくぅーん!」
そう声がするほうを向くと、山中いのが走ってきてサスケに抱きつく。それを私はじと目で見る。
いいなぁ…と思いながら。あれ絶対胸が当たってるよね。当たってるよね?ね?
そう思いながら、いのが走ってきた所を見ると、ため息を付いたシカマルとお菓子を食べているチョージが見える。相変わらずのマイペースぶりでめっちゃ羨ましい。
「ふふ…あのでこりんの班は試験を受けなかったみたいねー」
ほう……成る程…サクラは無事下忍になっているようだな。
「よー!ナルトじゃねぇか!」
その声と共に姿を現したのが犬を連れたキバそして…
「お、お久しぶり…アヤカ」
「おっひさしぶりー!ヒナタ!」
懐かしい顔を見かけて素直に抱きつく。
「わ!」
「ん~ヒナタ成分補給ー。…いやぁ……暖かい」
「わわ…」
ヒナタの匂いを満遍なく私の二つの肺と脳みそに行き渡ったのを感じ取り、名残惜しいが体を離す。
「あ…」
と、名残惜しそうな声を上げるので襲い掛かりたくなったのは、秘密だ。
「ふふ…ナルト!……ってあら」
そちらを見ていると、何やら木の葉の見たこと無い…てカブトか。その人を交えて何か札を見たりしている…随分と私はヒナタに抱きついていたんだ…自重せねばならないな。
「あちゃー…ごめんねヒナタ、ナルトの奴、最近強い人にご執心でさぁ」
「う、ううん。全然気にしてないよ」
此方を見ながらそう言ってくれているが…ちょっと残念そうに言う。…すまんのぉ。
「俺の名前はうずまきナルトだ!てめーらにゃぁまけねぇってばよ!!」
いきなりナルトが大きな声で叫ぶもんだから、ちょっと吃驚した。その言葉と共にじろりと注目を浴びるナルト。そのナルトをじーっと見ているヒナタ。…やはり、男女の関係が普通なんだよね……ちきしょー!
「ふふ、ナルト君らしいね」
「…うん」
ヒナタ…私の好物はナルヒナなんだよ……そう真正面から言いたい。しかし、原作見てて思ったけど…全然答えてないよねナルト。ふざけんなだよね。…まぁ今は何処まで言ってるか分からんが…最後までずるずるだったら、私はナルトに引導を渡さないとなぁ…
「あ、アヤカちゃん。あれ」
「ん?」
ヒナタが指差した先には…音符マークを携えた忍びがカブトに攻撃をしているところが目に映った。
「うええぇええ」
「カブトの兄ちゃん!?」
その瞬間を見たヒナタの顔が強張る。…手を取り、ぎゅっと握る
「あ…」
そうして、此方を見てくるヒナタ……すげぇ、私、青春してる!!前世で味わえなかった快感!しかもこんな可愛くてもろタイプな子!嬉しいぜ。
「静かにしやがれどぐされヤローが!」
黒板のほうに現れた試験管の一括に試験会場が静まる。
「待たせたな…中忍選抜第一の試験、試験管の森乃イビキだ…」
顔に傷があり見た目めっちゃ怖いおじさんが顔を出す。ヒナタも少しびくっとなっている。…可愛い。
「音の三人!…失格になりてーのか?」
「すみませんねぇ、なんせ受験が初めてなもんで」
「ふん…」
鼻で笑うと共に、注意事項を言ってくれる。…まぁ許可無くほかの受験者に危害を加えるなって事である
「俺様に逆らうようなブタ共は、即失格だ…分かったな」
こええええ!実際にこれ対峙したくねぇええ!さっきとかそれ以前の問題で、普通に街中歩いて絡まれたら直ぐに財布を差し出す自信があるほどこええええ!
こうして、一次試験が始まったのである。
この一次試験の内容はずばり「筆記試験」但し、カンニング公認の筆記試験だ。
私はこの答え…どう乗り越えるかを知っている。それをヒナタに教えるべきか…と悩んだが……
まぁそれは余計なお世話ってやつだと思った。だから
「ヒナタ、頑張ろうね」
「うん!」
精一杯の笑顔で送り出す。友としてそれだけで十分だ。
イビキ試験管から今回の試験のルール説明を聞く。まぁ先ほど私が要約したとおりの内容だ。
席は皆とは離れて一番前の席の一つ下。…こえええ!イビキ試験管間近で見るとめっちゃ怖い。
あんまり見ないように適当に鉛筆を動かそうかな。
そう思いながら、試験に挑んだ。…勿論、問題なんか一問たりとも分からん。よって…
「まずはアタリを描いて…」
落書きする事にした。私が18歳になったら…いちゃいちゃパラダイスを漫画化するんだ。
その為には日々精進するのみ!…冗談だけど。ちなみに、変化の術を駆使して全巻家にある。
非常に…エロスであった。内容を思い出していると…
「よし、これから第10問目を出題する!」
その一言の後、教室の扉が開き
「ふ…お人形遊びが無駄にならずにすんだなぁ」
…たしか、テマリチームのカンクロって言う人の人形を駆使したカンニングだよね。
「まず、お前らには選択権を与える…受けるか、受けないかだ」
「選択だって!?もし、受けないと選んだらどうなるんだ!?」
女の子の声が上がる…あれは、テマリさんか!?ううむ…体のラインがはっきり見え…あ、カウント1になった。
「受けない場合…その時点で持ち点0になり、失格。勿論その班全員である。受けた場合、10問目を間違えば、一生中忍選抜試験を受けれなくなる」
その言葉で、非難の声が上がる。確かに馬鹿げているが、最初に聴いていると思うが…
「ここでは俺がルールだ…お前らは運が無かったんだよ」
そうして、受けるか受けないかを受験者に聞く。…一人がギブアップした時点で、集団性の心理か分からんが、次々と手を上げてリタイアしていく受験者達。…因みに私は物凄く手を上げたい。もう帰りたい。ここで、試験中断すれば…いや、待て。確か、木の葉病院でもカブトがサスケの病室に潜入できてたよな…そうなるとだ、もう、受けようが受けまいが…変わらないということか…
「なめんじゃねー!俺は逃げねーぞ!受けてやる!もし、一生下忍になったって…意地でも火影になってやるから別にいいってばよ!!」
机を叩きながらナルトが吼え、残った78名に合格が通知されたのであった。
合格が言い渡されてほのぼのした空気になっていたところでいきなり、窓ガラスが盛大に割れる音がしたと同時に黒い影が教室に入り込んでくる。
クナイが四方に投げられ、何かの布が固定され…
「あんた達、喜んでる場合じゃないわよ!!私は第2試験管、みたらしアンコ!次行くわよ!次!」
ついてらっしゃい!と盛大に空気をブレイクしやがってきた。
…ナイスバディという事で私は全てを許したのであった。