「おはよう、ヒナタ」
「あ…あ、アヤカ。お、おはよう」
今日から下忍なのだ…気持ち一転。ヒナタも呼び捨てにしよう…一気に親近感沸いたのは気のせいじゃない。その意図を汲み取ってくれたのか、ヒナタも私を呼び捨てに…うむ。相思相愛でいいよね?
「さてさて、愛しのナルト君は…合格してるみたいだね」
「もう!アヤカ!」
ぷりぷり怒るヒナタは…もういこいこしたい。いやぁ…和むねぇ~
そうして、続々と合格者が集まって来る。中にはいのや、シカマル、チョウジといった原作キャラから、原作では描写されていないはずのキャラまで。…まぁキャラではなくて人物なんだけどね。
しっかし…ナルトは春野サクラが気になるのか、話しかけられると直ぐにデレてしまっている。
…しかし以外にもヒナタは顔に出さないな……なんでだろ?…ま、いっか。
そうしてヒナタとだべっていると、イルカ先生が入ってくる。
「さて、まずはここに居る皆。おめでとう」
そういって、辺りを見回す…いや、結構人数居るよ?ナルトは何かノックダウンしてるけど。
「えー…これから君達に里から任務が与えられるわけだが…今後はスリーマンセルの班を作り、各班ごとに上忍をつけ、指導のもと任務をこなしていく事になる。そこで、班は力のバランスが均等になるよう、こっちで決めた」
「「「「「えー!!」」」」
勿論私も声を上げた…乗りで。隣でヒナタが苦笑いして此方を見ている。まぁまぁ…若気の至りってやつよ。しかし、私はどうせモブと班を組むんだろうなぁ…
「煩いぞお前ら。これは決定事項だ。じゃあまずは一斑から…」
そう言って名前が呼ばれていく。さて。何処で呼ばれるのだろう…
「第六班……春野サクラ…伊達メガネ…」
な、なん…だと。横に眼をやると悔しがっているサクラ…馬鹿な!原作と違うぞ!?
「だ、大丈夫?」
心配して此方に声を掛けてくるヒナタ…ふぅ~、まずは落ち着こう。
「ありがと」
「ううん、どういたしまして」
そう言って笑ってくれる。…お嫁さんに欲しい。めっちゃ欲しい。
「第七班…うちはアヤカ、うずまきナルト、うちはサスケ」
!?…成る程、これで担当上忍がカカシであれば納得がいく…うちはと九尾を一元管理するつもりか。
確かに、カカシ以上の担当は居ないだろう。写輪眼持ちで尚且つ、腕も立つので九尾のチャクラを万が一暴走させても、封印術を扱えるカカシであれば、文句なしである。
まさか…意図せず原作が変わるとは……だが、大本は変わらないはずだ。恐らく木の葉崩しが発生する。
…サスケは、どうすればいい。抜け忍にさせたほうがいいのか?……結論を出すのはまだ時期が早い。
もう少し様子を見るのが良い。…その時の最上を選び、結果を必ずベターに抑えよう。
「…以上だ!じゃ午後から上忍の先生方を紹介するから、それまで解散!」
そう言って、各自お昼に入ったのだった。私は勿論…
「ひーなーたー。一緒に食べよ?」
「うん!」
そうして、今後の動きについてを肴にして、ご飯を食べるのであった。…因みに本日はヒナタの手作り弁当だ。マジ美味い!お嫁さんに欲しいっす!!
「そんな…お嫁さんだなんて……」
どうやら、口に出していたらしいが、気にしない。これは紛れも無い本心だ!…まぁ無理だけど。
ヒナタも冗談に受け取っているのか、苦笑いしながらお弁当を食べていく。…男に生まれたかったぜ。
あ、卵すごく美味い。
「ナルトく…ナルト、どうしたん?」
「ん~…オレ達七班の先生だけ遅いってばよ~」
確かに遅い。原作見てどれ位待たせたんだろう…と思っていたが…
(一時間半も遅刻してるよ)
そう、一時間半だ。幸い影分身を65体修行に当てているので無駄ではないが…なんともいえない気持ちである。サスケはゲンドウポーズでじっとしているだけだし。ナルトは落ち着きが無い。
…サクラ。よく頑張ってたね。
「サスケ~」
「…なんだ」
「呼んだだけ」
「…」
若干の怒気を感じながら、またゲンドウポーズに入る。…どうも会話が見つからないのである。
まぁ家ではちょくちょく話してるし…仲は悪くは無い。恐らく。
「にしし…」
暫くしてナルトの笑い声が聞こえてきたので、持参した本から顔を上げると…まあ何てことは無い。
教室のドアに黒板消しを設置したのだ。
「ふん、上忍がそんなトラップに引っかかるかよ」
そう、指摘する。いや全くだよ。と思ったんだけど…
バフ
入ってきた上忍に向かって一直線に黒板消しが落ちていって、直撃。その瞬間、今まで溜めに溜めたチョークの粉が降りかかる。銀髪の髪が所々白く化粧された。
「ぎゃははは!」
「……」
「ん~…なんて言うか、お前らの第一印象はぁ……嫌いだ!」
態と引っかかってそれは無いんじゃないの?と思った。
「まぁいい。じゃあ場所変えるよ」
「じゃ、一人ずつ自己紹介してもらおう」
「その前に!」
そういって、ナルトが言葉を遮る。
「先生の自己紹介をしてくれってばよ!」
尤もである。…まぁはたけカカシなんだけどね。知ってます。
「あ…オレか?オレははたけカカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気は無い!」
「…分かったの名前だけじゃん」
「いいだろう、じゃあ次はお前らだ、右から言ってもらおうか」
そういって、右を見るとナルト、サスケ、私の順番だ。成る程…〆は私という事か…緊張するぜ。
「オレさ!オレさ!うずまきナルト!好きなものはカップラーメン。もっと好きなのは一楽のラーメン!嫌いなものはお湯を入れてからの3分間」
見事にラーメン一色である。カカシ先生も半眼ナルトを見ている。
「将来の夢は、火影を越す!んでもって、里のやつら全員にオレの存在を認めさせてやるんだ!」
……何時かそんな日が来るはずさ。というより、私がナルトの立場だったら、とっくに精神が可笑しくなってる自信があるね。断言できる。
「次!」
「名はうちはサスケ、嫌いなものはたくさんあるが、好きなものは別にない。それから…将来の夢は…野望は一族の復興とある男を必ず…殺すことだ」
まて、それには意見があるぞ。まず一族の復興。これだ。私はもうこれ将来決まってるよね。
もうこの里出られないよね…私の処女は私より強くないと捧げないよ?というより、女の子以外捧げる気は無い。断言する!
「よし、じゃ最後」
「はい。名前はうちはアヤカ、好きなものは塩バターラーメン嫌いなものはピーマン。将来の夢は…まぁサスケと同じで一族の復興……手段はこれから探します」
まぁ一族は復興しなければな。…どうにかしよう。
「自己紹介はそこまでだ。明日から任務をやるぞ」
…いよいよか。あ~あ…強くなってて良かったよ……この班に居ると確実に蛇さんと遭遇するし。
「サバイバル演習だ相手はオレだが、ただの演習じゃない。脱落率66%の超難関テストだ」
「な、じゃあ何のための試験だったんだってばよ!?」
「ああ、下忍になれる可能性のある者を選抜するだけ」
「なぁに~!」
そこから、朝飯を食ってくるなと注意されて、プリントを渡される。集合場所が簡単に書いてあるだけ。
「明日は忍具一式持ってくること、いいな!…では解散」
その言葉で本日は解散となった。
その後普通に帰宅した。サスケは修練があるからといって途中で別れた。
ご飯を作って冷蔵庫に入れる。そしてサスケにメモを残して考える。何時、実力を見せようか…
恐らく、あまりにも強かったらサスケはショックで寝込んでしまうのは予想できる。
が、私があえて隠していた理由は唯一つ…下忍になるまで目立ちたくなかった。この一点に過ぎる。
アカデミーの情報が蛇さんに伝わっているはずなのだ。だが、これから下忍として行動する。
よって、詳細な情報が外に漏れることは無い。アカデミーより丁寧に情報が扱われるからである。
載るのは経歴くらいか…故にもうおおっぴらにさせても全く問題ない。
ただ、それによってナルトとサスケに対する経験値が少なくなると、今後の展開に何か大きな問題が発生するかもしれない。それはまずい。
うーん…幻術はサスケには写輪眼で抵抗されたらどうしようもないし…まぁ方針として、少しずつ実力を上げていこう。…蛇に狙われたらその限りではないけど。
そう思って、明日の朝食をどうしようか、頭を悩ませるのであった。