さて、あの日から数週間が経った。相変わらずアカデミーでは平均王を維持し続けている。
原作キャラで仲良くなってしまったのが…
「ヒナタちゃん。ご飯一緒に食べましょう?」
「う、うん!」
そう、日向ヒナタである。総合成績が近いということと、ヒナタも人見知りのおかげか、固定の友達があまり居ない。そこで、お昼に寂しそうに弁当を広げようとしているヒナタを見つけて、たまらず声を掛けてしまった。…私も勿論一人でしたけど何か?
そこで、意気投合して、今では仲良しこよしである。お昼は一緒に必ず毎回食べるし、組み手はいっつもヒナタとで、たまに買い物とかもしたりしているのだ。
しっかし
「ヒナタの食べっぷりはいいねぇ~」
「え?そ、そう…かな?」
「うんうん。見ていて気持ちがいいね!」
そう、小柄な体型だが…出ているところはしっかり出ているのだ。その要因となっていると思われるのが…この食事量である。結構作ってきてあるお弁当をぺロリと平らげてしまうのだ。
因みに私もそれくらい食べているけど、おっぱおはあんまり育たないです。
テレながら弁当を食べる姿は小動物を連想させてめちゃくちゃ可愛い。
「ヒナター!」
そう声を出して、がばっと抱きつく。
「わ!?ちょ、ちょっと…食事中だよ?」
といいつつ、振り払わない。初やつ初やつ…ふひひ、良い匂いだ。
そのまま押し倒したい気持ちを抑えつつ、体を離す。
「ふふ、ごめんね。でも、あんまりにも可愛くて」
「か、可愛いだなんて…」
そういって、うつむいちゃってこっちをちらちら見てくる。…はぁはぁ……ご飯何杯でもいけます!
やばい、性欲を押さえつけるのだ!まずい!ここで押し倒してみろ!天国の後に地獄が待っているぞ!
「はぁはぁ…ヒナタちゃん…は!…ご、ごはん食べよっか?」
「食べてたよね?」
「あ、あははは…」
ちょっぴり恨めしく此方を見てくるヒナタ。すげぇ萌える。くそ!何故私ではなくナルトなのだ!
女だからか!?私が女だからか!…ちくしょー!
「もう、ここも卒業だね」
そういって声を掛けてくるヒナタ。ううむ、恐らくナルトの事を考えているのだろう。
しかし、何故か此方をちらっと見てくる。…惚れてるか?……いやない!
「ね~…まぁ何時でも会えるさ」
「あ…うん!」
そうして、お昼が過ぎて行くのであった。
午後の授業に入った時にいきなりイルカ先生の怒鳴り声が聞こえた。
…おそらくナルトが何かをしたのだろう。まぁ何時ものことだ。しっかし、本当に見ていて気持ちが良い少年だと思うよ。ナルトは。家のサスケなんか暗くて暗くて…まぁそこが良いっていうのが大半なんだよね。
さっぱり理解できん。私は、ヒナタみたいな子がいいな。男は論外だけど。
そう思いつつ、くの一の授業に励むのであった。…原作は既に始まっているのだ。
授業が終わり、一旦帰宅した。その後の訓練の最中にふと、お腹が減ってしまった。…夜食の時間である。夕飯が終わったのに最近やたらとお腹が減るのである。…まぁお腹には付いてないからいいけども。
よって、何処かの店で食べようかと思った。夜食といったらラーメンだよね。
目指すはラーメン一楽。ここの塩ラーメンが上手いんだこれが。持参するのはバター。ラーメン一楽の塩ラーメンに合うバターを探しに探して、ついに見つけたのだ。究極のバターを。…近くのスーパーで。
それを屋敷から取ってきて、一楽までゆったり移動する。因みにサスケは夕食後訓練に明け暮れている。
店前まで来ると…ナルトとイルカ先生が食事をしていた。…まぁいっか。
「お疲れ様です。イルカ先生、ナルト君」
「アヤカか、どうしたこんな時間に?」
「お疲れーだってばよ!」
そうして、ナルトの隣に座る。テウチさんが水を置いて
「いらっしゃい」
「塩ラーメンで」
「あいよ!塩一丁!」
そういって、品を待つ。そして先ほどの質問を質問で返す。
「先生とナルト君こそどうしたんです?」
「あぁ、こいつが歴代火影の顔岩に落書きをしたんだよ」
「どーだ!」
どーだ!じゃなぇよ。ただ、それだけでは分からん。
「それと、ラーメン…何か関係が?」
「一緒に掃除してな、夕食は一緒にラーメンでも食おうと思ってよ」
「成る程」
「イルカ先生ちょー良い人なんだってばよ!」
こういうことを素直に真っ直ぐ言える人は非常に好ましい。…私はテンションが乗ってないと言えない。
「ふふ…良かったね。ナルト君」
「おう!」
ひと段落かと見計らい、手提げ鞄からバターを取り出す。
「それなんだってばよ?」
「バター」
「ば、バター?何すんだ?」
「それは…」
そこでタイミングよく、ヘイお待ち!と塩ラーメンが着たので実践する。
「バターを塩ラーメンに入れるのだ」
ぽとっと、バターを塩ラーメンにいれてかき混ぜる。完全にバターが溶けたのを確認してから、水を一口飲み、スープを口にする。…うまい!
「へ~そんな食べ方もあるのか」
「ええ、結構美味しいですよ?」
「ほんと!?ちょっと食べさせて?」
いいよ~といって、既に二口位食った塩バターラーメンをナルトに渡す。
麺を箸で掴み口に運んでいく。
「うまーい!」
「でしょ?」
「うん!上手いってばよ!」
喜んでくれて何よりだ。このバターを探すまで結構苦労したものだ。
「先生も食べます?」
「はは、先生はもうお腹一杯だ」
「そうですか」
そういって、ナルトからラーメンを返してもらって食べる。うん、上手い。
「ナルト」
「んー?」
「何であんな落書きしたんだ?」
ずるずる食べていると、イルカ先生がナルトに問いかけてきた。…恐らく起こった件であろう。
「このオレはいずれ火影の名を受け継いで、んでよ!先代のどの火影をも越えてやるんだ!」
本当に真っ直ぐにイルカ先生に向かって宣言した。
「でさ、でさ、里にオレの力を認めさせてやんだよ!」
……そうだったね、里ではナルトは嫌われ者だ。無害を主張している為、ひどい迫害は受けていないが…イルカ先生は実情を見ているのだ。この言葉は相当重いであろう。
「でさ、そこでお願いがあるんだけど…木の葉の額あてちっとやらしてー!」
「…これか?だめだめ!これはお前が一人前として認められてからだ!」
「けちー!」
そういって笑う。ナルトも本気で言ってはいないようだ…尤も悔しいという顔を全力でしているけど。
「ナルト君」
「どうしたってばよ?」
「明日、頑張ろうね」
「当たり前だってばよ!」
火影は…ナルトならなれる。原作とかそういうのを関係なくそう思った。
そうして、一夜が過ぎ…試験当日となった。
「それじゃあ、今回の卒業試験は「分身の術」よ」
担任である、紅先生がそう宣言する。…いける!
「ヒナタ?大丈夫」
「う、うん」
隣に座っている、かちかちに固まったヒナタ…こりゃ、まずいぜよ
「大丈夫…ヒナタ。自分を信じて」
「で、でもぉ…」
おいおい、今日は何時に無く弱気じゃないか…
「じゃあ…さ、ヒナタを信じる私を信じて」
「え?」
驚きに眼を見開いて此方を見てくる。今すぐでも抱きしめたいけど…こっちも挑戦的な目線を送る。
「う、うん!」
顔を赤くして力強く頷く。よし!これで大丈夫なはずだ!
「次、うちはアヤカ」
「じゃ、行ってくるね」
「頑張って!」
……何気にどもってないな…こりゃ、気合入れましょうか。
まぁ合格しました。ヒナタも無事に合格して、早速家に帰って報告するとかで直ぐに帰ってしまった。
サスケも普通に合格していて、額宛を付けている。無論私も付けている。しかし、他の人と違って私とサスケには迎えに来る親何ざ居ない。
「サスケ」
「…何だ」
「おめでと」
「…ああ、そっちこそな」
「ありがと」
軽いやり取り、だがこの里の唯一の家族同士のやり取りである。そうして、鼻を鳴らして何処かへ行ってしまうサスケ。…まぁ見ているのは辛いよね。親子共々喜びを分かち合う光景が眼一杯広がっているから
私も、ガイさんに報告でもしようかな…そう思って、音も無く瞬神の術でアカデミーを後にする。
ナルトの姿は…既に無かった。
「おお!おめでとう!」
「はい、ありがとう御座います」
街中を散策すると居なかったので、修練場に来てみると…班の訓練をしているところではないか。
どうしようかなぁ…と様子を見ていると
「其処に隠れているやつ!出て来い!」
と、何かネジ先輩に白眼で言われたので、ひょっこり出ていったのだ。
そして、ガイさんとテンテン先輩が反応して、試験の結果をガイさんに報告してガイさんに祝福されたのである。
「あの、この方は?」
「おお!リー!前々から話していたアヤカちゃんだよ!」
「……話は伺っておりましたが、可愛い……」
そうして、此方を上目遣いでちらっと見てくる。…なんだ?二、三度程此方を見てきて、意を決した表情となり…
「僕とお付き合いしましょう!一生貴方を守ります!!」
「お断りします」
がーん!といった表情をだし、此方を見つめてくるリーさん。濃い…非常に濃い顔なんだよ。というより初対面で告白とか、かなりの面食いだよねこの人。
「ガイさん」
「どうした?」
「…何処まで話しました?」
「なぁに、心配はいらん!」
そう見栄をきられたので、これ以上の問答は逆に怪しくなるので中断する。ガイさんを信じるしかない。
…まぁばれてもいいけどね。アカデミーの記録は既に平均で通っているから。蛇にわたるデータもそれだ。
「どうだ?俺たちの班と模擬戦でもしてみないか?」
「あ~…やめときます。まだ報告する人がいるので」
「……そうか、分かった!」
そういって、その場を離れたのである。…結局ネジとは全く話をしなかったな…リーさんはあれ以降うなだれていたし、テンテンさんは可愛いかった。
そうして、墓地に移動し、父と母に本日の事を墓前で報告する。
「さてっと…これからだ」
そう気合を新たにして、家に帰るのであった。
何時も通り…夕日は綺麗であった。