「終ーーーー了ーーーー!!」
「71頭だと…どういうことだ」
「おかしい…明らかに奴の体積より食べた量のほうが多い!!」
小屋に到着して、まず聞こえたのはかなりでかい何かの音。
それに耐えながら一次試験終わりまで待つ。そうしてヒソカと気絶したレオリオが姿を現し、そこからしばらくしてゴン御一行が到着した。
二次試験の最初の試験は原作どおり巨人みたいな男のブハラが出したお題。豚の丸焼きであった。凝で見ても念能力は使っていなかった。
そう、彼は生身で自身の体積より多い量の豚の丸焼きを食べたのだ。
人間やれば出来るものだ。
「いや、できねぇよ」
心を読むなバロガンさん。なんだ?読心術の使い手になったのか?
「豚の丸焼き料理審査!71名通過!」
銅鑼の音と共に女性…メンチさんがそう宣告した。
しっかし、メンチさんめちゃナイスバディだ。しかも、上着が鎖帷子みたな半そでで中がすけすけ。そう、ブラかなんか分からないけどもう丸見え
そして腿を惜しげもなく晒している。ホットパンツなのだしかもめっちゃ短い。すこし動いたらパンツ見えるよ。絶対に。
総合すると、めちゃエロイエロ過ぎる…
「二次試験後半…あたしのメニューは……スシよ!!」
そして始まる二次試験後半…ククク…この俺は知っている…スシ、いや…寿司がどんな料理なのかを!!
そう、四角いご飯に魚肉を乗せて山葵をネタとご飯の間に付けて醤油で味を付けていただきますだ…
「ふふふ…」
「ル、ルクル?」
おっといけない…さぁ魚を持って…捌こうじゃないか!
「ルクル…お前知ってるのか?」
「何?!知っているのか!?」
「声がでかい!」
むふふ…知っているさ……だが、ここは確か誰かの台詞だったと思うけど、借りちゃいましょう
「ふふ…新鮮な魚の肉を使うんだ」
「やはりか、昔文献で読んで私もそう記憶していたが、勘違いではなさそうだ」
「魚!?ここは森だぞ!?」
「声がでかい!!」
そうして一斉に森へ向けて奪取する受験生。くく…しかし魚だけではスシにたどり着くのは不可能…
置いてある器具から察することもまた困難だ。スシなんて本当にマジでこの世に生を受けてから出てきていない。
名前も今日久しぶりに聞いたし、殆どの受験生が知らなくて当然…まぁ中にも知っている奴がいるが、問題ない。
「私たちもいきましょう」
「うん!」「ああ」
子供二人が返事をして一斉に駆け出した。
「さて、魚を取ってきたはいいが…」
受験生が次々と魚を用いて試行錯誤している中、俺は寿司がどんな料理かは把握している…が、ここで問題が発生したのだ。
「…料理、したことない」
生前は確かに料理はしたことあったけど、野菜炒めとかもやし炒めとかもやしのサラダとか、たまにカレーとかしか作ったことない。
魚なんて捌いたのは学校の授業しかない。そして今生に至っては料理のりの字もしていない。包丁なんかこの体になって握ったことないぞ。
「……さて、知識はあっても使えない奴は放っといてだな」
「く…何てことだ……お前ら何かに絶対にもう教えないからね!」
くっそ、バロガンのやつめ…しかし、いいさ…どうせ分からないに決まっているさ
「俺が一番乗りだぁ!!」
「食えるかぁ!」
ゴンも
「403番と同じ!」
クラピカも
「あんたも403番と同じ!」
ハサンも
「どいつもこいつも403番並み!」
バロガンさんも
「血だらけじゃないの!?」
ククク…はーっはっはっは!踊れ踊れ!悶えろ!苦しめ!正解が分からなくて悔しいだろう!?
はははは!いいぞクラピカ!その顔!はははは!
「ルクルはださねぇの?」
「ふ…キルア……マジで料理できないんだけど」
「……救えねぇ」
ちくしょー!
まず、魚の切り身が出来ない…俺の予想だと胴体から斬って何かして血がなくなって皮を剥いてその前に鱗を何とかしてやってから
こう、包丁を斜めに入れてすっと切り身を作るんだと思ったけど…まず腹から内臓を取り出して…鱗を削って皮を剥いた…
そう、剥いたけど、何か全然思い通りに行かなくて、切り身が血だらけになった。5匹捕まえたけど、5匹とも血だらけになったり、形が崩れたり
もう俺には料理の才能はない。というより料理なんてほっとんどしていない人生なのに料理をするほうがまず無理。
「こんなん誰が作ったって味に大差ねーーべ!」
「ざっけんなてめー!!」
そうしてハンゾウがスシのネタ明かしをして全員がスシを作ってきているが、メンチからおいしいの一言が出ないで
「わり!お腹いっぱいになっちった!」
二次試験、合格者0で終了になった。
しかし今思うけど、皆それなりに形に出来るんだね、俺、何か泣きそうだよ。色々なプライドが…
ま、いいか。
その後、少しハプニングがあったけど原作どおりに会長がやってきて試験内容変更で、深い谷の間にある鳥の巣の卵をゲットする試験になり、無事に45名の人間が二次試験合格となった。
しかし、間近で見る会長のオーラの力強さは半端無い。量では何か勝っていたけど、質が月とすっぽんくらい。
…まぁ冗談だが、やはり結構差が開いていそうだし、確実に負けるイメージしかわかない。
あれが最強キャラというものか……あれで強化系だったらもう勝てる気がしない。
いや、勝つ必要は無いけど、あのレベルにあったら確実に逃げの一手だね。死ぬことは無いと断言できるけど、絶対に勝てないだろうという奴。
まあ、後十数年であのレベルまでいければいいやと思っているが、そうもいってられないのが現実だ。
故にあの差を何かで埋めるしかないということだ。能力もメモリの関係上まだあと一ついけるかな?と思えるけど…とりあえず自力を上げるしかないようだ。
あとはどれだけ使いこなせるかという事だ。…まぁ再三いっていることだけどな
さて、現在飛行船に乗って3次試験会場まではぶっちゃけ暇になる。
ゴンとキルアは早々に飛行船の中を探索しに行ってレオリオ、クラピカは何か疲れてるらしく、そうそうと休憩場所を探しにいった
バロガンさんは開いてる空間に腰を下ろして絶をして既に休憩モード、やはり年には勝てないか
そしてハサンは…
「あー疲れた」
やはり俺と一緒に行動をしている。結構疲れたっていう顔をしながら歩いているが、大丈夫か?
「ハサン、大丈夫?」
「はは、大丈夫」
言い返さないあたり、結構来ている。早々に休むことをお勧めするけど…まぁそのうちクラピカとかと一緒に休憩すると思う。
俺は普通に飛行船の中をぶらぶらしながら探索したり、どんな受験生がいるかチェックしたりしている。
と言ってもやはり気になる点においては原作組み以上の印象を抱いた人間はあまり居ない。
ポックルは将来脳みそほじくられるという事は分かっているのでそういった意味では印象深い人物だ。
ポンズちゃんは同じ女同士ということもあり、結構気を許している節があるけど、そこまで話が合う訳ではなかったのでさっき会って二言三言会話しただけだ。
そして奥でトランプタワーを作っているヒソカを見つけて近づく
「おっすヒソカ」
「やぁ☆ルクル」
途端に警戒しだすハサン。
…それはそうか、ぶっちゃけこれまでの行動のおかげでヒソカは警戒に値する人物だ。
まぁ、今はそこまで殺気立っていないから今は大丈夫だろう
「ルクル…知り合いなのか?」
「知り合いっていうか……ん~腐れ縁?」
「クク…ひどいじゃないか♪」
そう、腐れ縁だ。なんだかんだで持ちつ持たれつの関係なのだ。俺は修行のための実戦経験、あっちは欲求の発散。
あれ?何か卑猥に聞こえる不思議!っていうのは冗談で、ヒソカに出会ってから俺のレベルが格段に上がったというのは事実。
今のところ俺が勝ち越している。6:4で。ヒソカを何回も病院送りにしているぜ。俺も病院へ送られるが。
「……」
警戒しているハサンが俺の前へと出てヒソカの視線を遮った。
「君も中々☆」
「おーいハサン、そいつ男でもいける口だよ」
「マジか!?」
そう驚くがハサンは場所を変えようとしない。
「クク…君じゃルクルのナイトにはなれない☆」
「はん!お前が決めることじゃない」
ごごご…と聞こえてきそうな雰囲気だ。
ただ、今のハサンは正直小指一本で倒せる。体力は凄いあると思うけど、筋力はまだまだ付が甘いと見た。
さらに戦闘面も殆どしたことが無いと思われる。まぁそれは以前言ったことだが、やはりでかい。
対して俺は物心が付く前から念を身に着けており、物心付いたときから念の修行を行っている。
体はそれに対応してか限界を天元突破してガンガン筋力が上がる状況で、戦闘面はヒソカや天空闘技場で様々な経験をしているし、
契約ハンター紛いで殺し合いもしている。
ぶっちゃけ天と地以上の差があっておかしくないレベルなのだ。
故にヒソカが言っていることは事実である。
「まぁまぁお互いそれくらいにして、ハサン。疲れてるようだからしっかり休んできなよ」
「でも…」
「大丈夫だって、私だってこいつと何時までも一緒に居たいと思わないし」
ひどいじゃないか☆といってくるヒソカだけど、全然気持ちが篭っていないので無視だ。
「……そうするよ」
「私はまた船内の探索に戻ったり、何かいい情報でもあれば拾ってくるよ」
「ああ」
そうして、レオリオクラピカが休んでる場所まで二人で足を運び、ハサンはそこでタオルケットに包まって早々に意識を落とした。
「やっぱ疲れてたね」
そう呟いて、船内探索へと戻った。そうして見つけたのはゴンとキルアと…ネテロ会長である
絶をして様子を見て、二人ともボールをネテロから奪おうと躍起になっている。
しかし腐ってもハンター協会会長。二人とも惜しいところまで行ったが、陥没するほどの踏み込みで一瞬で二人を抜き去りボールを死守したネテロ会長。
あれで、オーラ使ってないなんて…やべぇ程の身体能力だ。私でも陥没させようと思えば出来るけど、あんな踏み込みで陥没させるなんて出来ない。
キルアがネテロには届かないと完全に悟りあきらめて俺とは違う方向へ去っていき、ゴンは頑張って取ろうと躍起になるが、最終的に目的が変わって
ネテロが使っていない手足を使わせた所で満足し、そのまま寝てしまった。
「ほっほ…今年はまこと豊作じゃの……そうは思わんか」
「私に言われても…」
既に気が付いていることは知っていた。けどまぁそれは当然のことだと思う。なんせあちらはプロのトップを張る人物。
俺の絶はまぁまぁだと思っていたが、ネテロにしてみれば拙いレベルなのだろう。
「ふむ、お前さん使えるの?」
「…まぁ使えます」
「見事な絶じゃった」
「……えっと、皮肉ですか?」
ほっほっほと笑うネテロは食えない爺さんだと直感的に思った。
「どうじゃ?お主も参加するかの?」
そういうネテロは指の上でボールをまわし始める。
「え?いいんですか?」
「勿論じゃ、但し1時間以内でという時間制限があるが、ボールが取れたらハンター試験合格じゃ」
更に攻撃をしてきてもOK。あちらは攻撃してこないで避けるだけとの事。
「了解です。では、お願いします。あ、ライセンスもいただけるんですよね?」
「勿論じゃ」
「ふふ…やる気、出てきました」
その言葉と共に堅を展開する。もうやる気マンマンだぜ。
「ほっほ…」
笑った後、ネテロも堅を展開する。間近で見るとやはりレベルの違いがはっきりと分かる。
神々しいオーラが針のように此方を貫いてくる。しかし俺も負けじとその真逆と言っていい禍々しいオーラをまとう。
そうしてゲームが始まった。
(あのオーラ量…これはちとやばそうじゃ)
ルクルが展開したオーラ量はネテロが展開しているオーラ量よりも確実に多い。
一瞬で悟ったネテロは纏では確実にダメージを負うと確信して堅を展開する。
いっそ神々しいといえるオーラはネテロが今まで積み上げてきた経験と人生が詰まっている。
故にネテロは自身の念に対して絶対の自信を持っていた。半世紀前までは
今現在はやはり年と共に衰えを感じており、自身が最強とは断言することが難しくなってきた。
それでも自信はある。そう、今までの実績がそれを作っているからだ
しかし
(何と禍々しいオーラ…)
ルクルのオーラは今まで見てきた中でも群を抜いて禍々しい。ヒソカのオーラも見たがそれ以上。
力強さもかなりあり、毎日真面目に修行しているということは火を見るより明らかである。
だからこそ惜しいと感じた。これほどまで禍々しいオーラを発している人物は闇の中のそれも深淵の奥底に居る住人というのは確実だ。
「いきます」
その言葉と共に15メートルの距離を0.5秒で距離を詰められ、頭上で回転させているボールに手が伸ばされる
しかし、ネテロにとってはまだまだ遅い。あと0.4秒早くても十分に反応が出来る。
空を切る手からオーラの弾が発射されてボールに当たる直前に体を回転させ、蹴り上げてオーラをかき消す
それと同時に足の裏に奇妙な感覚が走る。
(この感覚…念による攻撃かの)
しかし、確認する隙を全く与えないルクルの猛攻。速度はまだ十分反応できる速度だが…若干だが確実に速度が上がりつつある。
(戦闘における才能は天才…いや、鬼才じゃの)
冷や汗をかくネテロ。此方から攻撃するのは自身でしないと宣言しているいじょう、避けきらないといけない。
しかも足の裏には念による何らかの攻撃がある。これが実際の殺し合いであれば自身は死んでいるかもしれない。
そう、ネテロはその事実に気付き久しぶりに「死の危険」というものに対して冷や汗を流したのだった。
(くそ…全然当たらない)
対してルクルは必死も同然だ。足の裏にマーキングを付けれたのはいいが、それ以降の全てのけん制や攻撃が空を切る。
明らかにネテロの動きが早いのだ。
(まだ、まだまだ全然足りない!)
実感する。これが世界の頂点の実力。自力の差。経験の差。初撃以外すべて空を切っていることからレベルの差が伺える。
だが、傍から見れば、二人の姿が殆ど見えない状態だ。いや、胴体や顔などといった軸となる部分は見えるが、忙しなく動いている手足は残像や音を残して目に映らないだろう。
(でも…)
ルクルには念能力【ジャンプ】がある。それを使おうと決心したのだ。
距離を一旦とるルクル
「ほほ…若いのにやるのぉ」
「ふふ、それほどでもないですよ。所で会長…」
「なんじゃ?」
ネテロが「なんじ」まで発言した時点でルクルの姿が消えてボールが蹴られる。
「ほ!?」
「油断大敵、ですよ」
そうして、ネテロはボールが弾かれた事に気付き、瞬時にオーラを足へと送りそのまま空に浮いているボールを取ろうとしたが
ボールにマーキングを施していたルクルが既に【ジャンプ】で飛んでボールを掴んだいた。
(…速い)
ネテロは自分のオーラを操作して爆発的な加速を生み出しボールを掴むのに掛かる時間を0.1秒位と瞬時に予測を立てながら動いていたが
ルクルのジャンプはまさに「0秒」なのだ。思考をしている内に詰みとなる。
そう、ルクルは【ジャンプ】という能力を漸く使いこなせるようになったのだ。
使ってからの初動はまさに光の速さ。それを可能にしているのが時間の圧縮によるもの。
前世のルクルが死の間際に体験した「走馬灯」
【ジャンプ】する感覚が自殺する際に飛び降りたときの浮遊感に酷似していた為に感じる世界。
その1秒にも0.1秒にも満たない世界の中でルクルは自由に行動が出来る。
が、その世界はジャンプする前とした直後の3秒間だけの限定された世界だが、ルクル自身はその時間だけで十分と悟っている。
その限定された世界の中だからこそ、瞬時にボールの元まで飛べたのだ。
「私の勝ちですね」
「…うむ。わしの負けじゃ。ルクル・リーデット…ハンター試験合格!!」