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No.34386の一覧
[0] 【ネタ】どきどき魔女神判2~スケベな男の魔女探し~【主人公変更、男子高校生の欲望】[ししめい](2012/08/23 00:12)
[1] 第一話 羽織くれは編 その1 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/06 18:19)
[2] 第一話 羽織くれは編 その2 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/19 20:59)
[3] 第一話 羽織くれは編 その3 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/11 14:11)
[5] 第一話 羽織くれは編 その4 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/19 21:02)
[6] 第一話 羽織くれは編 その5 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/19 21:03)
[7] 第一話 羽織くれは編 その6 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/19 21:04)
[8] 第一話 羽織くれは編 その7 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/20 03:07)
[9] 第一話 羽織くれは編 その8 ~会長は魔女なのか!?~[ししめい](2012/08/20 17:34)
[10] 第一話 羽織くれは編 その9・完  ~会長は魔女なのか!?~ [ししめい](2012/08/20 22:13)
[11] 第一話 エクストラエピソード 「くれはとデート」[ししめい](2012/08/22 17:30)
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[34386] 第一話 エクストラエピソード 「くれはとデート」
Name: ししめい◆e5009ad3 ID:c95f0cbc 前を表示する
Date: 2012/08/22 17:30
 
 担任の連絡も済んで、ホームルームが終わると教室の中が一気に騒がしくなる。
 気の合う友人と話し込む者や部活にいくために早々と席を外す者、掃除道具を取り出し教室の掃除を始める者と様々。俺はそんなクラスメートを横目で眺めつつ大きな欠伸を漏らし、ぐっと体を伸ばす。
 今日は喫茶パタータでのバイトは休みだ。部活に所属していない俺は、放課後の時間を持て余して仕方がない。あ、あと性欲も。

「ころんでも誘って遊びに出かけようかな……」

 一人で入るのは寂しいし、美少女が一人隣にいるだけで気分が違う。
 放課後の予定を組み立てていると、今までずっと黙って浮かんでいたクロが口を開いた。

「シモベ様シモベ様」
「どうした?」
「センエツながら……お暇でしたら、イケニエのための用品を買って下さいませんか?」
「……具体的には?」
「成人男性の髑髏にトカゲの心臓、黒猫の耳にウーパールーパーの足……それから」
「却下だ」

 黒魔術にしか使えないようなピンポイントな物品がどこに売っているんだよ。あったとしても買わん。そう伝えると、クロは残念そうな顔をしていた。そんな顔をされても、買わないものは買わない。
 立ち上がり、とりあえず教室をあとにしようとすると鞄に教科書を片づけているくれはの姿が目に入った。そういえば、くれはを遊びに連れて行く約束をしていたっけ。

「くれは」
「……? どうしたの、長瀬くん」
「今日暇なら遊びに行かないか?」

 そう言うと、くれはは指を顎に当てて考えるような仕草をとった。え、なにこの男を悩殺するポーズは。これを無意識でやってると言うのだから、くれは、恐ろしい子……!

「そうね……。いいわ、行きましょう。せっかくのお誘いを断るのも失礼だし」
「やったぜ! それじゃあ商店街に行くかー。エスコートはお任せください」

 役者っぽく気取った挨拶をすると、くれははふふっと笑った。

「そうね。あまりいかない場所だから新鮮かもしれないわ。期待してるわよ、長瀬くん」



「まずは学生の御用達、ボーリングだ」

 ボーリング場は学生の遊び場の定番ともいえる場所だろう。俺も中学時代はよく友達を誘って遊びに来ていた。カラオケ、ゲーセン、ボーリングは学生の三種の神器として認定されているほどだ。

「ボーリングねえ……」
「来るの初めてだったりするのか?」
「ええ。噂には聞いたことあるけど……ふーん、こうなってるのね」

 興味深そうに首を忙しなく動かすくれはに苦笑いをしつつ、さっそくレクチャーに入る。

「ボーリングは球を使って十本のピンを倒すゲームだ。一人二回投げたら交代、それを繰り返していって最終的なスコアを競う」
「へぇ、思ったより簡単そうね」
「簡単に見えて奥が深いんだよ。くれは、先やってみるか?」
「ええ」

 くれはは頷くとボールを両手で持った。そしてとことこと歩いていき、ファウルゾーンギリギリでしゃがむとコロコロとボールを転がした。投げ方をしらない子供がよくやるパターンだ。勢いのないボールはゆっくりと転がっていくが、やがて右に逸れてピンにあたることなくガターに落ちてしまった。くれははこてんと首を傾げ、戻ってくる。

「あたらなかったわ」

 そして、しゅんとうなだれた。くれはの一連の動作を見て俺はポツリと呟く。

「萌え殺す気か……?」
「長瀬くん?」

 ハッ! いかんいかん。余りにもくれはの行動が可愛すぎてぼーっとしてたぜ。

「もう一度投げてくるわ! 今度こそ!」

 と、闘志を燃やすくれはに声をかける。

「待て待て。言い忘れてたけど、ボーリングには投げ方があってさ」
「投げ方?」
「ほら、球に三つの穴があるだろう? まずそこに人差し指、中指、親指を入れるんだ」

 くれはの手を掴み、指を入れてやる。くれはは俺の説明に頷いた。
 賢明なる男子諸君はお気づきだろうか。普段はボディタッチをしただけで怒るくれはが、手を触ったのに怒らないでいるのを。
 ふっふっふこれぞ名付けて、ボーリングを教えるフリをして体を触る大作戦! 教えるために触っているだけだからくれはは気にしていないっぽいが、俺はナチュラルに手に触れることが出来て心の中で喜びのサンバを踊っていた。うぉぉぉ! 柔らけぇぇ! ボーリングに来て良かった!

「長瀬くん?」
「あ、悪い悪いぼーっとしてた。次は投げ方なんだけど」

 くれはの腰を掴み俺の方へと引き寄せる。それには流石にくれはも顔を赤くして抗議の声を上げた。

「ちょ、ちょっと!」
「どうした、くれは? 顔赤いけど」
「ち、近すぎないかしら?」
「え? 教えるんだから当然だろ?」

 下心を感じさせないようにあっさりと言うと、くれはは顔を赤くしたまま「それもそうね……」と頷いた。
 本当は教えるだけなら俺のフォームを見てもらった方が早いんだけど、こっちの方が俺が楽しめるからな。くれはの柔らかさが制服越しに伝わって頬が緩んでしまう。役得役得っと。
 くれはに正しい投げ方を教えている間、俺は至福の時間を味わった。



 ボーリングでひとしきり遊んだ俺たちは、小腹がすいたのでファミレスへと足を運んでいた。店員に案内されて禁煙席に二人で座ると、話題は先ほどのボーリングの話へと自然に移る。

「悔しいわ! 結局、長瀬くんに勝てなかった!」
「そりゃな。俺は昔からやってるし、生まれて初めて遊んだくれはには負けないさ」
「そうだけど」

 ぷくっと頬を膨らませてくれははそっぽを向いた。くれはには負けない、と言った俺だが内心は実はヒヤヒヤしていたりする。初めこそ目も当てられないようなスコアだったくれはだが、回を重ねるごとにどんどん上手くなっていき、最後には俺と僅差まで持ち込んだのだ。運動神経抜群だとは知っていたが、ここまで上達が早いのは驚きである。

「だけどさ、まさか十ゲームもやるとは思わなかった」
「しょうがないじゃない! 悔しかったんだから……」

 バツの悪そうな表情のくれはに、俺は気にしてないと告げる。いやはや、くれはの負けず嫌いには脱帽である。おかげでもうそろそろ夕飯時の時間帯だった。


「さっさと食っちまおうぜ、腹減ったし。注文決まったか?」
「ええ」

 メニューをパラパラとめくっていたくれはは、視線をメニューに固定したまま肯定する。ボタンを押して店員を呼ぶと、店員はほどなくしてやってきた。

「ご注文はお決まりでしょうか?」
「俺はハンバーグセット。くれはは?」
「ミートソーススパゲティ、明太子スパゲティ、デミグラスソースのハンバーグにエビフライセット……あとはドリアとチャーハンにカレーライス、緑野菜のサラダ、コーンスープ……食後にパフェをお願いできるかしら?」

 ……はい?
 明らかに女の子が食べる量じゃないけど、マジ?

「それ、食べきれるのか?」
「ええ。これでも少し足りないくらいよ」
「いつもはもっと食べるのか?」
「そうね。倍は食べるかしら」

 フードファイターでもそこまで食べないだろう。というか、いつもそんなに食べているのにどうして太っていないのだれう。まじまじとくれはを観察して、ああと納得する。

「胸に栄養がいってるのか」
「は、は、破廉恥な! どこを見ているのよ!」

 胸を両腕で隠し、くれはは涙目で睨んできた。その表情、実にそそるぜ……。


 食事もつつがなく終了してファミレスから出る。

「さてと、そろそろ帰ろうかしらね」

 くれはの言うとおりもう遅い時間だ。

「もう遅いしなぁ……あ、そうだ。まだあれやってなかった。最後にあそこいこうぜ」
「あれ? ちょ、ちょっとどこに行くのよ!」

 くれはの手を引き、俺は走る。善は急げって言うしな!

 最後にやってきたのはゲーセンである。入り口の自動ドアから入ると、コインゲームやらなんやらの騒がしい音が襲いかかってくる。慣れていないくれはは、眉をひそめ耳を押さえていた。

「ここがゲームセンター? やかましいところね」
「慣れてないとそう思うよな。とと、ゲームで時間潰す暇もないし、さっさと終わらせるか」
「ここで何をするのかしら?」
「プリクラだよ。記念撮影みたいなもんだ」

 女の子と二人で遊びに来たらプリクラをとらなきゃだめだろう。
 さっそく機体の中に入り、お金を投入し設定を終わらせる。

「四回写真とるからなー」
「よく分からないから任せるわ」
『それじゃあ、一枚目。ニコッと可愛く笑って』

 アナウンスの声が聞こえてくると、くれはは「え、え?」と慌てていた。

「真正面のレンズに向かって笑うんだよ」
「こ、こうかしら?」

 カシャとシャッターが切られ、画面にブイサインをした俺とぎこちない笑みを浮かべたくれはが映る。

「くれはー緊張するなよー」
「だ、だって!」
『それじゃあ、二枚目! キュートなポーズで』
「え、え!? もう撮るの!?」
「プリクラは早いからなー」
『三枚目は変顔! 3、2、1!』
「〜〜っ!」

 くれはが悶えてる。食べちゃいたいくらいに、可愛いんですけど。

『最後は恋人ショットだよ! 二人でくっついて撮ろう!』
「こ、こ、恋人!?」

 お、キタキタ。メインイベント。これがやりたいがためにプリクラを撮りにきたと言っても過言ではない。

「アナウンスされたんだから仕方ないよな。ほら、くれは笑ってねー」

 くれはの肩を抱き寄せ俺はニヤニヤと笑いながらブイサイン。シャッター音のあとに、映った確認画面の画像には恋人のように寄り添って、恥ずかしげな笑みを浮かべるくれはの姿があった。


「色々と疲れたわ」

 プリクラも撮り終わり、出てきた写真を二等分に切り分けて渡すとくれははすぐにそれをバックの中に押し込んだ。よっぽど恥ずかしかったんだろう。

「まあまあ、俺は満足だよ」

 そう言うと、ジト目で睨まれたので自重する。

「はぁ、それじゃあ長瀬くん。私は帰るわね」
「送っていこうか?」
「いいわ。すぐそこに車を呼んだから」
 くれはの指差した方を見ると黒塗りの大きな車が止まっていて、モノクルをかけら老紳士がぺこりと頭を下げていた。さ、流石はお嬢様だ。

「じゃあね、長瀬くん。また明日」
「おう」

 くれははたったったと走っていくと、途中で振り返った。何だ? 忘れ物か?

「長瀬くん! そ、そのね……」
「どうした? 告白ならいつでもOKだぞ?」
「違うわよ! 今日は楽しかったわ。また次も期待してるわね!」

 にっこりと笑って、そう言うとくれはは今度こそ車の中に入っていく。車が遠くに走り去っていくのを見送りながら、俺はニヤニヤと緩んでしまった顔を抑えられずにいた。

「うぐぅ……またウチの存在が忘れられているのでございますのです……」


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