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No.33578の一覧
[0] 【ネタ】久秀日記 (戦極姫3)[海堂 司](2012/06/25 16:10)
[1] 久秀日記 その2 (戦極姫3)[海堂 司](2012/06/25 20:43)
[2] 久秀日記 その3 (戦極姫3)[海堂 司](2012/06/27 20:12)
[3] 久秀日記 幕間その1 前編 (戦極姫3)[海堂 司](2012/06/30 10:50)
[4] 久秀日記 幕間その1 後編 (戦極姫3)[海堂 司](2012/07/08 08:14)
[5] 久秀日記 その4 (戦極姫3)[海堂 司](2012/08/15 08:16)
[6] 久秀日記 その5 (戦極姫3)[海堂 司](2012/08/16 09:22)
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[33578] 久秀日記 幕間その1 前編 (戦極姫3)
Name: 海堂 司◆39f6d39a ID:fc355867 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/06/30 10:50
「しばらくエッチ禁止!」

 と言い渡した時の颯馬の顔ったら無かった。絶望とか悲哀とかそういうのではなく、なんと言うか、子供がお菓子を口に入れる直前にそれを取り上げられたような顔、というのが一番しっくりくるだろうか。

「な、なんで?」

 少しばかり震える、それでもなんとか搾り出したような声で言う颯馬を睨みつける。

「なんで、じゃないでしょう。最近の自分がした事を考えてみなさいよ」

 颯馬はフム、と腕を組んで考え込むと、すぐにハッとなった顔になった。

「もしかして、気持ちよくないのか?」

 ブッた斬ってやろうかと思ったけど、なんとか我慢した。

「違うわよ!」
「じゃあ… 回数が少ないとか?」
「一晩であんだけやっといて、どうしてそうなるわけ?」
「じゃあ、他の女と寝たこと?」

 ほっほう…

「…あ、いや、今のは冗談で」

 慌てたように取り繕う颯馬。 …とはいえ、コイツが他の女と寝たというのが冗談というのは、本当だろう。

 この男の周りには、やたらと美女や美少女が多い。その中には大名や地方の有力者の娘とか、あるいはそれそのものとかいう女もいる。颯馬の立場を考えれば、側室とか、そうでなくても何らかの関係を持ってもおかしくはない。

 おまけにその多くが、颯馬に並み以上の好意を持っているときたものだ。にも関わらず、颯馬が久秀以外の女の部屋で一晩過ごしたという話はまるで聞かないし、噂はあってもそれが噂以上になる事も無かった。

 颯馬は、久秀しか抱かない。

『ど~して久秀ちゃんばっかりソウちゃんに愛されるの~? お姉ちゃんだってソウちゃんのコト大好きなのに~ ずるいずるいず~る~い~』

 …とか訳のわからない事を言うおっぱいもいたっけ。

 とはいえ、本気で怒っている久秀に、颯馬はそんなくだらない冗談を言ってきたわけで… 

「…冗談なのね?」
「もちろんだ。もしかして本気にしちゃったか?」

 その、してやったりみたいな顔がムカつく。

「…その件についてはあとでゆっくりいたぶってあげるから、とりあえず今は置いといてあげるわ。感謝なさい」
「いや、だから冗談…」
「感謝するわよね? ありがたいわよね? 不満なら、今すぐにいたぶってあげてもいいけど?」
「…具体的には?」
「口の中に塩を詰め込んで、針金で唇を縫い合わせるとかどう? きっと楽しいでしょうねえ」
「ゴメンナサイ反省してます…」

 やっと久秀が本気で怒っていると分かったらしい。 

「…なあ久秀」
「なによ?」

 久秀の不機嫌な声に、いくらかビビりながらも、颯馬は言葉を続ける。

「なんでエッチしちゃダメなんだ?」
「…本当に分からないの?」

 颯馬は再び腕を組んで考え込む。が、いくら考えても思い当たらないようだった。

「ヒントはこの前観に行った芝居よ」

 2日前だったか、暇をもてあましていた久秀に、颯馬が今人気の芝居を観に行かないか、と誘ってくれたのだ。なかなかに面白いと評判で、立ち見も多くできる程だという。断る理由なんかもちろん無い。それになにより、颯馬と一緒に芝居を見に行くなんて今まで無かった。

 それはそれは楽しみにしていた、のだが。



 ―評判通り、なかなか面白い芝居だな、久秀。
 ―あへぇ… しょ、しょんらのわかんらいよぉ…
 ―分からないって事はないだろ? 苦労してよく見える席をとったのに。
 ―らってえ、しょうまがひしゃひでのハズカシイところ、ずっといぢめてるんらもん…
 ―じゃあ、止める?
 ―らめぇ… やめらいれぇ… ひしゃひでのことぉ、もっろいぢめてぇ… 



「久秀だって楽しんでたじゃないか」
「久秀は! 芝居を! 観に行ったの! あんなヤラシイ事をしに行ったんじゃない!」

 そうなのだ。今回だけではない。颯馬と何かやろうとする度に、必ずと言っていいほどこんなイヤラシイことばかりになってしまって、まともに事が済んだためしがほとんど無い。

 この前だって、今夜は月がキレイだから月見でもしないかと誘われ、久秀もそれに付き合うことにした。そして、例によって颯馬にイヤラシイことをされた。

 訂正、颯馬にお月見という言葉からはとても想像できないような、とんでもなくイヤラシイことをされた。 …まさか月見団子をあんなふうに使うなんてっ!

「…って颯馬? 何してるの?」

 ちょっと考え事をしていた隙に、颯馬はいつの間にか久秀の後ろに回りこみ、両手を久秀の腰に回していた。ちょうど後ろから抱きしめられている形だ。

「いや、怒ってる久秀もカワイイなって」

 この男は…! 

「そうやって調子のいい事を言ってれば、許されるとか思ってないわよね?」
「…久秀が怒ってるのは、俺がその… すぐにエッチな事をするからか?」

 その通りだ。別に颯馬に抱かれるのが嫌なわけじゃない。でも久秀はもっと、颯馬と二人きりの思い出が欲しい。だって…

「だって結婚してからも、颯馬は仕事で家を空けることも多いし、一緒にいてもエッチな事ばかりじゃ、意味が無いでしょ? せっかく二人っきりなんだから」
「そっか… そうだな」

 むに

「俺はホラ、久秀との付き合いは長いけど、久秀とこんな風に話せるようになったのって割と最近だろ?」
「うん… ん?」

 むに ぐに

「それまでは… 『あんな関係』でさ。久秀の事、ずっと好きだったけど、その思いを自分の胸に溜め込んでおくことしかできなくて」
「う… ンッ」

 むに ぐに もみ

「そのせいかな… 今は久秀がこんなにもそばにいてくれるって、それだけで感情が抑えきれなくなっちゃうんだよな」
「あうッ… あまり面倒くさい事考えなくても、夫婦だもん。昔がどうでも、久秀は颯馬といるって決めたんだから …ッハア…」 

 むに ぐに もみ むに ぐに もみ

「うん、ゴメンな。俺、自分の事しか考えてなかったな。久秀が怒るのも当然だな… 本当に済まない」
「…本当にそう思って、いる、なら」

 むに ぐに もみ むに ぐに もみ むに ぐに もみ 

「さっきから、なんで久秀の胸をもんでるワケ?」
「………」

 むに ぐに もみ むに ぐに もみ むに ぐに もみ …くちゅ

「ヒッ!? …このバカ颯馬ぁ!!」
「うわあ!?」

 一本背負いの要領で、久秀の胸どころかそれ以上に大事な所にまで手を伸ばしてきた颯馬を投げ飛ばす。そのまま仰向けに、大の字の形で畳の上に寝転がる颯馬に、刀を抜き放ち、その切っ先を向けた。

「ま、待て! なんだその刀は!」
「死になさい。久秀のために死になさい。久秀のことが好きならできるわよね?」
「ちょっと待てって! な? 話し合おう!」
「颯馬なら久秀のために笑って死んでくれるハズよね? 笑いなさい… 笑え!」
「流石にそれはシャレになってないぞ! 頼むから落ち着いてくれ久秀! 俺が悪かったから!」

 そうやってみっともなく命乞いをする颯馬に、ため息をつきながら刀の切っ先を逸らした。もっとも逸らしただけで、刀を鞘に納めてはいない。

「…あの、久秀さん? 刀を納めないのでしょうか?」
「何よ、急に変な言葉になって。 …まだ何も斬ってないのに収めるわけないでしょ?」
「斬るって… まだ俺を、いえ、まだ私めを斬るつもりなのでございましょうか?」
「ううん。斬るのはアンタじゃなくて」

 そう言って、寝転がったままの颯馬のコカンに、視線と刀の切っ先を向ける。

「アンタのムスコ」
「やめてえええええええええええええええええ!!」

 本気の悲鳴だった。

「それだけは本当に止めてくれ! っていうか、ソレが無くなったら久秀も困るんじゃないか?」
「大丈夫よ、ちゃんと塩漬けにして保存しておくから。必要になったら取り出して洗ってから使うわ」
「し、塩漬けって…」
「あ、でもそうしたら颯馬の『本体』は必要無くなるわよね。やっぱり今のうちに死んでもらおうかしら」
「すまーーーん! 俺が悪かったああああああああああああああっ!!」

 頭を畳にこすりつけ、そのまま火が出るかのような勢いで土下座する颯馬。フン、いい気味よ。

「本当に悪かった! 調子に乗りすぎてました!」
「それじゃあ、そういうことだから」

 土下座の姿勢のまま、顔だけをこちらに向ける颯馬に、刀をチラつかせながら微笑を浮べる。

「これから久秀がいいっていうまで、エッチ禁止ね」
「…ハイ」
「他の女と寝るのもダメだからね」
「だからそれは冗談で」
「ハイか、イイエで答えなさい」
「…ハイ」
「あ、そういえばその件についてはまた別のオシオキを考えなきゃいけないわね。フフ、楽しみだわ」
「………」
「楽しみよねえ? 颯馬?」
「…ハイ」
「楽しみって言いなさい?」
「タノシミデス」
「あらそう? そんなに楽しみなら、遠慮とかする必要はないわね。久秀も楽しみよ? 颯馬?」
「…ハイ」
「笑え」
「アハハハハハハハハハハ…」





 そんなわけで、エッチ禁止令が施行されたのだった。そしてこの時はまだ、この後自分の身がどうなるのか、予想も何もしていなかった。









〈後書き〉
 まだだ! まだアウトじゃない! センターフライを大きく打ち上げた感はものすごいするけれども、取りこぼすかもしれないし!

 どうも、海堂 司です。具体的な描写無しに、ギリギリのエロを求める探求者です。 …何を言ってるんでしょうね。

 前編、後編に分けるような話でもないのですが、長くなってしまったので一旦、この辺で区切ることにしたいと思います。

 それでは、読んで下さってありがとうございました。また次回にお会いいたしましょう。


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