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No.33468の一覧
[0] 【習作】 我が魔導を、鉄槌の騎士にささぐ。 【リリカルなのは】[はじっこ](2012/08/05 10:55)
[1] 【1】太郎「タイトルからして、作者はおそらく厨二だ。」[はじっこ](2012/08/04 22:45)
[2] 【2】太郎「甘いお茶には気をつけろ。」[はじっこ](2012/08/05 10:46)
[3] 【3】太郎「魔法戦闘?ムリ、ゼッタイ。」[はじっこ](2012/08/04 22:44)
[4] 【4】太郎「こちら古代遺物管理部遺失物保管室管財課」[はじっこ](2012/07/08 15:41)
[5] 【5】太郎「こちら古代遺物管理部遺失物保管室管財課」その2[はじっこ](2012/07/15 10:53)
[6] 【6】フェイト「休日の悩み相談」[はじっこ](2012/08/05 10:54)
[7] 【7】ヴィータ「私の罪」[はじっこ](2012/08/18 18:49)
[8] 【8】ヴィータ「私の罪」その2[はじっこ](2012/09/15 16:14)
[9] 【9】ヴィータ「私の罪」その3[はじっこ](2012/10/14 12:23)
[10] 【10】太郎「ただいま土下座の練習中」[はじっこ](2012/12/09 16:33)
[11] 【11】スーさん「あなたはどうしたいの?タロくん」[はじっこ](2013/01/27 13:00)
[12] 【12】ヴィータ「色のない空」[はじっこ](2013/01/27 12:55)
[13] 【13】はやて「かえして」[はじっこ](2013/03/03 18:50)
[14] 【14】シャマル「偽善者と最悪の手段」[はじっこ](2013/03/25 16:40)
[15] 【15】太郎「俺の“魂(すべて)”を紅の少女に…」[はじっこ](2013/03/31 13:55)
[16] 【16】太郎「俺の“魂(すべて)”を紅の少女に…」その2[はじっこ](2013/09/08 08:43)
[17] 【17】太郎「色のない心」[はじっこ](2013/11/08 18:50)
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[33468] 【6】フェイト「休日の悩み相談」
Name: はじっこ◆e894d58f ID:02e9b97b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/08/05 10:54


――ミッドチルダ中央区 首都クラナガン某所。



ここは道路沿いにある喫茶店。 内装はモダンというか中世的な風味のある感じで雰囲気は悪くない。ただ、その周囲の建物が未来的すぎて少々ミスマッチ感がなんともいえない。

だが、それなりに人気があるらしく今日が休日ともあって店内の席はほぼ埋まっている。 オープンテラスに至っては満席だ。 しかもそのほとんどが男女ペア―――所謂、カップルというやつで……はた目から見たらイチャついとるようにしか見えん。

そんなお砂糖空間に二人の野郎が一つのテーブルに腰を据えている光景はあまりいい絵面じゃないかもしれんな。場違い感MAXだ。 さらに言えば話している内容も。




「――――まあ、次元犯罪者を捕縛したまでは良かったんだが、『神崎』が後から暴行をくわえたみたいでな。一応厳重に注意したんだが……」

「『テメェはひっこんでろ! 犯罪者なんざ庇ってんじゃねぇ!』って逆につっかえされた、と」

「あ、ああ。 まさに一字一句間違いなくその台詞が出た」

「―――まじか?」

黒髪の青年、クロノ・ハラオウンの言葉に思わず聞き返してしまう。 クロノは「ああ」とため息のような返事を返す。


「その、銀髪くんの傍若無人ぶりは担当の上司とかに話したのか?」

「もちろん話したさ。だが――」

クロノのあきらめ半分、疲れ半分の微妙な表情になる。

「黙認されてそうだよなぁ。問題起こしてるけど上司にとっちゃあ使える人材だしな。 他人にに問題押しつけてる時点でどうかと思うけど――っとこれは一言余計か」

そんな俺の失言にクロノは、

「まあ、今聞いてるのは僕だけだ。別にかまわないだろう」

そう言い、肩をすくめる。

「ほほうクロノ、おぬしもワルよのう~」

「――っぶ!?…くくっ」

「笑うなよ……」

狙ったわけじゃないのに。

「すっすまない…っく」

しばらくクロノが笑いをこらえる状態が続いた。 ツボだったのかクロノ……





どもども、ただいまクロノと休日の午後を満喫(というか悩み相談)している 山田太郎だ。 まあ、どうしてこんな展開になってるのかは二日前にさかのぼっちゃったりする。






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  #月 *日   天気・曇り


ここは陸上警備部隊に隣接する本局部署、古代遺物管理……以下略。 通称『保管課』。

そこで働く俺こと、田中太郎は管理外世界の出身で『転生者』だ。 本来なら俺は今頃高校生活をだらだら過ごしていただろうが、冬のはじめに『例の赤いの』に襲われ、それをきっかけに俺は管理局と関わり、色々悩んだ末に就職を決めたのだ。

ただ、入る動機が『魔法を使いたい。空を飛びたい』―――とまあ、不純すぎるのは自分でも自覚しているが、こればかりは譲れない。 いや、近頃は新魔法…もとい、“ネタ”魔法開発やデバイス改造にこってるからわりと充実した毎日を送ってたりする。


「うしっ、こんなもんか」

あらためてみるとモニター作業も結構なれたなぁ。 前はパソコン関係なんてネット見るぐらいしか使ってなかったからな。――と、

「タロくん、おつかれさま。 少し休憩する?」

ちょうどいいタイミングでスーさんが声をかけてきた。

「そうっすね、だいたいキリがいいんで」

「ふふっ、じゃあお茶入れるから休憩室で待っててね」

いつものようにスーさんは小さく笑い、お茶の準備を始めた。

この人は、アラニア・アマティスタ。 皆からはスーさんと呼ばれ慕われているここ保管課の先輩だ。 褐色の肌に、紫がかった髪をポニーテイルにしていて、細身で女性っぽい口調だけど、れっきとした“男性”だ。 だが、その包容力と寛容さは女性と間違えるには十分すぎるほどだ。 なによりこの人、女性局員からの恋愛相談まで請け負うほどの人望の持ち主だったりする。 すごいぜスーさん。


モニターの電源を落とし、俺はいつもの休憩室に足を運ぶ。


すると、休憩室ドアの前に一人の少女がいた。――――――逆立ちして。


…はっきり言ってこのまま放置したかったが、いかんせん扉の前にいるからなぁ。 はぁ。


「……今度は何の遊びだ?」

「お! おっす~タロー。びっくらこいた?」

「俺はお前がどういう経緯で逆立ちしてんのかが驚きだよ」

「ん~、どうやってタローをおどろかそうかかんがえてたら、こうなった――よっと!」

そう言いながら少女―――ソゥちゃんは逆立ちの体制から腕の筋力だけを使い勢いよく反転。両の足で立つ。

「なら、お前の目論みは見事成功だ」

「んん~…なんかおもってたのとちがう~」

お前は小学生か。

あ、この女の子はソゥちゃん。 士官学校では俺と同期、今は陸上警備隊の研修性だ。 深緑色のクセッ毛ショートヘアで、タレ目の瞳にほわんとした雰囲気の人懐っこい性格の少女だ。 士官学校の戦闘訓練では教官も認める実力の持ち主なんだが……、興奮すると暴走するトラブルメイカー。 で、筋肉マニア。(←重要) 自分のいる警備隊が近いのをいいことに、まいど休憩時間になるとどこからともなく現れるカピバラ系女子だ。

「…あとソゥちゃん。これは男として一言」

「お! 告白か!」

「ちゃうわ。 逆立ちするのはいいけどスカートのままはやめとけって言いたいの。 さっき丸見えだったぞパ」



―――瞬間、 ソゥちゃん渾身のラリアットが寸分の狂いもなく俺の首をとらえた。





     *****




休憩室。 そこで俺は痛む首をさすりつつ休憩という名の反省会が行われていた。


「うーん、さすがに今回はタロくんが悪いかも。 女の子に対しての配慮とか」

お茶を淹れつつ、スーさんは俺をたしなめるように言う。

「そうだよ~!デリカシーない!」

「だったら、そもそも逆立ちなんてすんなよ」

「む~!」

ソゥちゃんはほっぺを膨らませ、ぷいっとそっぽを向く。 若干顔が赤く見えるのは多分気のせいだ。―――気のせいだよね?


あれ? これって悪いの俺なのか? 俺注意しただけなのになんか間違ったか?

「間違ってはいないけど、でも言い方にもう少し気をつけた方がいいってことよ」

と、スーさんの辛口コメント。

「はい…スイマセン」

「私じゃなくて………ね?」


そう言われ、俺は向かいのソファーに座るソゥちゃんの方に向く。未だにご機嫌斜めなのか、横目でこちらを睨んでくる。 迫力はないが。

「…ゴメン、ソゥちゃん! 今度から気をつけるから」

手を合わせ、頭を下げる俺。 

「……」

じぃ~っと睨むソゥちゃん。 どうやらまだ腹の虫がおさまらないようだ。 ぶっちゃけ、ソゥちゃんがこんな風に怒るなんて今までなかったから正直俺は動揺しまくりだ。―――すると、スーさんが鶴の一声。

「もういいんじゃない? タロくんも反省してるし。さすがにあなたも少し不注意だったんだし」

そして、ソゥちゃんはいまだ仏頂面のままだったが、

「……こんどチョコポットおごって」

「…オーケー」


俺が慰謝料の要求に応じる形で何とか反省会は終了となった。 やれやれ、乙女心はミステリアスだ。





     *****





「タロくん、じつは明後日のシフトのことなんだけど…」


スーさんが話を切り出してきたのが、俺のとっておきのおやつでご機嫌が回復したソゥちゃんとともにスーさんのお茶に舌鼓をうってる時だった。

「あ、はい。たしかその日は士官学校が休みで午後からの出勤でしたね」

午前は士官学校で午後は研修なんてスケジュールなもんだから、近頃は一日まるまる休んだなんて記憶がない。 一応それぞれ休みはあるんだが、いかんせん休みの日がバラバラだから半日休みになってる。

「ええ。 それなんだけど、実は明日にシフトを変えたいの」

「明日ですか?」

一応シフトでは研修は明日が休みで明後日が出勤となっている。

「どうにも“せっかちな人”が明日までにここの資材をいくつか借りたいって今朝連絡あってね」

「そりゃまた……」

普通、そういうのってもっと早く連絡入れるもんじゃないのか? 整理するだけでもあのバカみたいに広い倉庫の中を往復せにゃあならんのに。 本局から来る押収品の格納もあるんだぞ?

「ごめんね急で。 そのかわり明後日を休みにできるようにしたから」

「おお~!タローいちにちまるまる休みだぁ」

ソゥちゃんが声を上げる。

「はあ、まあ俺は構いませんけど。 いいんすか?」

「こっちから無理言ってるんだもの。 それに休めるときには休まないと」


まあ、そんなわけで一日休みをもらった俺は久々に遠出なんかしようと思ったわけで。






  △月〇日  天気・晴れ


お休み当日。

とりあえず、今日の予定としてはクラナガンの大手デバイスショップに行くつもりだ。 お目当てはズバリ、インテリジェントデバイスの『AIコアパーツ』だ。

そろそろ俺のデバイスもバージョンアップを図ろうと思い、思い切ってAIを搭載しようと考えたのだ。 まあ相性とかの問題もあるけど俺自身は戦わないし、たぶんビビってなんもできないし。 原作にかかわるつもりはないけど、この先何が起こるかわからんからな。 それなら自動で防御したり追撃してくれるAIの存在は俺にとって心強いはずだ。なにはともあれ身の安全です。 その上このバカ容量デバイスなら多少の無茶な改造だって耐えられる。 まあ、趣味と練習も兼ねてるからな。

一応、中古も置いてあるジャンクパーツショップも何件か回ろうかな。 正直中古パーツは性能不備が多いみたいだからあんまり見ないんだけど、もしかしたら掘り出し物がありそうだし。




そんでもってリニアレールに乗ること二時間後、目的地のミッドチルダ中央区『クラナガン』に到着。


「おおー、何度見てもすげぇなあ。 未来都市だなぁ」

森林のようにきつ立する高層ビル群。 ビルの窓ガラス部分が空の光を映し出し、青く染まるビル郡は壮観の一言に尽きる。

子供のようにはしゃぎまくり。 完全におのぼりさんです。俺。 いかん、当初の目的忘れそうだ。

「さて、まだ昼前だけど先に昼飯かなぁ。」


「――――ん? タロー?」

一人、予定を模索してると不意に後ろからずいぶんと聞きなれた――声変わりし始めた――声に名前を呼ばれた。


「んう?」


反射的に振り返ると、 黒髪に精悍な顔つきの青年――――

「お! クロノじゃん!」

「ああ、士官学校の試験勉強のとき以来だな」


あれから身長が高くなったクロノの姿があった。





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とまあ、思いがけずクロノと再会。 まあついでとばかりに昼食でもとりながら積もる話でもしようと席が開いてる喫茶店に突入したわけだ。

クロノも今日はお休みだそうで私服姿だ。 まあ、本人の話によると周りから「ちゃんと休みをとれ」と、しつこく言われ渋々承諾したそうだ。 で、家で寝てようと思ってたそうだが「せっかくなんだし、気分転換に外で散歩すればいいじゃない」と、エイミィに家からたたき出されたそうだ。 あ、ちなみにエイミィはクロノ家に同棲してるそうだ。 「賑やかすぎて困るんだが」とクロノは愚痴っているが――――――クロノ、そんなユルユルの顔で言われても説得力はないぞ。 ううむ、こりゃあエイミィとの仲も秒読み段階かもしれんな。


「まあ、いい機会だしエイミィとのデートコースの下見でもすればいいじゃん」

「―――っぶご?! ゴホッゲホッ…………なんでそこでエイミィが出てくるんだ…」

盛大に飲みかけていたコーヒーにむせるクロノ。 動揺しすぎ。

「さあ? 俺個人としてはどうして今日エイミィといないのかが疑問なんだが?」

「そ、それは……」

「まあ大方、『今日は予定もないし家で休んでるよ』なんてぼやいたらエイミィが機嫌損ねたんだろ」

「う゛…」

図星かい!



「…クロノ。そこはエイミィ誘うトコでしょうに」

「そ、そいうものなのか?」

「……」




朴念仁すぎるぞ、クロノ………





     *****




そのあとクロノと少し話したあと、喫茶店で別れた。 クロノは俺の助言でデートコースの下見。 あと次の休みにはエイミィをデートに誘うように厳命した。 がんばれクロノ。 超がんばれ!


まあ俺は本日の目的地である大手デバイスショップに無事到着。


「おおおお! でけぇ!」

その大きさに思わず感嘆の声を上げる。

大きさは8階建てのデパートみたいで、交差点の十文字に区切られた四つのスペースの一つに堂々と鎮座している。 ほぼ全面がガラス張りの窓で、日が傾き始めているのか、太陽光がこっちに反射してるので結構まぶしい。 どう見ても半日じゃ回りきれない。


「さーて、いいヤツ見つかるかなぁ」


ううむ、今後のデバイス改造の参考のためにも今日はいろいろ見たいしな。


では、いざ突入!










「うおおぉぉ………多すぎ。」

今回の目的のパーツを見るべく、ただいまデバイスパーツコーナーにいます。 そしてその広さと数の多さに圧倒しています。 コーナー、なんて言ってるがすでに三階をぶち抜いています。


俺の目の前には立派なショーウィンドウに収められている色とりどりの宝石―――AIコアが飾られている。 形もいろいろあるなぁ。ほとんど丸いのだけどクリスタルみたいなのからビーズみたいな小さいのもあるな。 で、別のショーウィンドウにはアームド用のベルカ式AIコアもある。 あっちはもっとメカメカしい感じだ。


「う~ん。 俺のデバイスの強度と容量ならこっち(ミッド)でいけそうだけど、……」


ただ、値段が――――うあぁ、けっ桁が! うん、これはもう少し見送ろう。


まあその後アームドのAIコアとかも見てたんだけど

「――って、あれは!」


俺の視界をかすめたのは、ひときは人目を引く赤い宝石。 その燃えるような赤い輝きはまるで―――






「「レイジングハートそっくり!」」










あり?



「あ…」

「ん?」

なんか今セリフが被ったような…? と、ちょうど俺の隣あたりに顔を向けると…………目が合った。


その瞳は先ほどの赤い宝珠のような輝きを宿し、次に目に映ったのが金色の絹のように綺麗な髪。髪型はツインテール。 全体的な姿はまだ少女のそれだが、その整った顔立から将来はそこいらの美人では到底及ばないほどの女性になることが容易に想像できる。   そしてなにより、この少女を俺は知っている。


―――――そう、リリカルなのはの中では最重要主要キャラであり第二の主人公、 フェイ…


「タローさん?」

「へ?」


と、おそらく初対面であろう少女の口から俺の名前が飛び出す。



何で俺の名前知ってるんすか?フェイトさん?





     *****





「やっぱり、クロノの言ったとおり面白い人だねタローさんは」

「面白いって……クロノの奴、俺のことなんて言ってんだよ」


おそらくここの階の通路は最近出始めた『アームドデバイス』専門のコーナーのようだ。 そこらじゅうに剣やら斧やら―――ギロチン? とにかく凶悪そうなデバイスが飾られている。(後から聞いたがあのギロチンは非売品だったそうだ)


そんな中、ひときは周囲の目線が俺達に集中する。 まあそうだよな……隣を歩く彼女はあらゆる方面では結構知られているらしいからな。その上べっぴんさんだ。

今現在、俺はフェイト―――『フェイト・T・ハラオウン』と雑談しながら見て回っております。

ぶちゃけ、逃げたかったり。 まさかこんなところで『原作キャラ』と遭遇することになるとは………いや、クロノならまだいいんだ。ただフェイトにいたってはさすがに俺の許容量オーバーだ。

なんせ、俺のうろ覚えの原作の知識に鮮明に残ってることから、おそらく三期でも超重要人物であることは疑いようもない。 ココはなるべく距離を



「じゃあ、テス――」

「あ、私のことは呼び捨てで構いませんから。あと敬語もいりませんよ」

縮めてきやがった!


「……おーけー、テスタロッサ」

「フェイトです」

「原尾?」

「ハラオウン……フェイトです!」

「お、オーケー フェイト」


ははは……もういいや。 いろいろとメンドイ



「そういえば、何で俺の名前を?…ってクロノから聞いてたんだったな」

「はい。 あとヴィータにタローさんのことで相だ…―――あ!」

「…」


ちょい。 今、聞き捨てならんワードが飛び出したぞ。


「ち、ちがうちがう! じゃなくてなのはから相談があって、それで、えとえと…」

「その、なのはさん? はなんて言ってたんだ?」

「う、うん、タローさんとヴィータの―――じゃ、じゃなくて! ええと…」


う、うーん、この子は隠し事ができない性格なのかな? 俺の中で彼女の印象がずいぶんと変わってくな。けっこうしっかりしてるように見えたんだが。

「うん、フェイトはおもしろいなぁ」

あ、本音出ちゃった。

「う、うぅ~~~!」


フェイトが唸りながら上目づかいに睨んでくる。 ぐぁっ………破壊力あるなぁ。

「あーゴメンゴメン。 ほれ、アメちゃんあげる」

「へ? あ、ありがとう…」

イカンイカン。 いつもソゥちゃんをあしらうときの対応になってしまった。

ううむ。 これじゃあまたスーさんに叱られそうだなぁ。


「そんじゃあお詫びと言っては何だが、この太郎さんがちょっとした相談に乗ってやろう」

「そうだん?」

「おうとも! 名づけて『お悩み相談・太郎の部屋』!(出張版)」

「…」


あれ? すべった?





「―――ぷっ、ふふふ」

「お?」

「ふふ、そうですね。 じゃあ少しお願いしていいですか?」

「おう! まかたれよ」







ビルの1階。 道路側に位置する場所にある喫茶店……また喫茶店か。 そこで本日二度目のお悩み相談室。

一面すべてがガラス張りで、外の様子がうかがえる。 ちょうど道路側で大小様々な車が走っている。

そんな窓側の席に俺とフェイトは座っている。 フェイトはオレンジジュースを、俺は麦茶(こっちにもあるんだ麦茶…)を頼んだ。

で、フェイトの悩み相談の内容なんだが……


「またか銀髪ぅ………」


まさかの銀髪くんの迷惑伝説パート2。 オマエは何がしたいんだ…

フェイトの話によれば、銀髪くんのなれなれしい態度に困っているんだそうだ。 ニヤニヤしながらこちらを見たり、頭をなでようとしたり、男性局員と話してたら「俺のフェイトに色目使ってんじゃねぇ!」なんて言いながら殴りかかったとか。

あとクロノをKYと呼んだり、ストーキングされたり、嘗め回されるような視線で見られたり、友達も同じことされて困っていたり……etc



ぎ、銀髪くーん! さすがに小学生で許される範囲を超えとるぞぉー! 俺と同じ転生者なら自重しろ!! イケメンだからってそんなことしてたらいつか捕まるぞぉ!


―――あ、頭痛ぇ…。


「その…フェイトはそれが嫌なんだろ? だったら銀髪くんにそう言ってやればいいじゃん。 なるべくストレートに」

「うん。 実は前に言ったんだ。『あんまり近づかないで』って。 だけど…」

「だけど?」

「『照れるなよ。素直じゃないなぁ』って言うばかりで、全然わかってくれなくて……」

「Oh……」


いったい何がどうなったらそんな結論にたどり着けるんだよ。 俺が言われたらショックで学校休むレベルだぞ。


「んー… 勘違いしてて人の話を聞かない上に自己中、女たらし…… アカン、俺にはどうにもできんかもしれん」

「そ、そんなぁ」

がっくりと項垂れてしまうフェイト。 彼女の背後に「しゅ~ん…」という擬音が見えそうだ。

「…まぁこういう場合はなるべく相手にしないとか距離を置いて会わないようにするぐらいか、あとは――」

「あとは?」


「そいつのケツを思い切り蹴り飛ばす」


「ええ!?…………………………う、うーん」


え? ふぇ、ふぇいとさん? なぜに真剣に考えてるの?

「え、えーと…いちおうジョークなんだけど?」

「い、いえ違うんです。 実はこの前アルフが――あ、アルフっていうのは私の使い魔――とうとう怒っちゃって、殴ろうとしたみたいなんだけど……魔法(シールド)で防がれちゃって………」


うおおおい?! そんなしょうもないことに魔法使うなよ銀髪ぅー!! んなことに使うくらいなら俺にその才能分けてくれよ! ちょっとでいいから!



「はは……まぁ世の中にはいろんな人間がいるからな、いちいち付き合ってたらこっちの身が持たないだろ? あっちがなんか言ってきてもなるべく関わらないようにすればいいさ」

「そうですか……」


フェイトは浮かない顔でオレンジジュースに口をつける。  ――――あんまり納得のいく解決策では無かったからなぁ…


「すまんな。 あまり力になれなくて」

「い、いえ! そんなこと……相談に乗ってもらってこっちがお礼を言いたいくらいです。 クロノの言ったとおり、タローさんにはいろいろと話しやすいです」

「そっか。 じゃあ今度クロノに『エイミィとデートの最中にこっちに電話なんかすんな』って伝えといてくれ」

「――っぷ、あははっ」


影が差していた顔に笑顔がほころぶ。 うん、やっぱりかわいい子には笑顔が似合うなぁ。





     *****





なんだかんだで結構話し込んだなぁ。 西日がまぶしいぜ!


「今日はありがとね、タロー」

「いやいや」


なんかいつのまにかくだけた話し方になってるんだよな。 まあ俺は堅苦しいのは好きじゃないからいいけど。


何気に麦茶三杯は飲みすぎたな。 腹がタプタプだ。 日も傾いてきたみたいだし、そろそろ―――



「――じゃあ、次は私の番」


俺が席を立とうとした時だった。


「んう?」


「私がタローの悩みを聞く番だよ」


おいおい。  何の脈略も無く、いきなりそんなこと言われてもなぁ。


「悩み………ねぇ」

「うん。 私の相談に乗ってくれたんだし、それくらいはさせて」


うーん。 その気持ちはうれしいけど―――





「―――ぶっちゃけ、無いかも」




「……え、ええ!?」


いや、そんな驚くことか?



「いやいや。 正直、今の生活に不満はないし。 仕事場の人間関係も悪くないし。 まあ、ウチの部署の“噂”はあれだけど、そんなに悪いとこじゃないしさ」

「そう、なんだ。………じゃあ」

フェイトは意を決して言葉を発する。




「―――タローはヴィータのこと、どう思ってる?」




イキナリだなぁ。


「ヴィータから聞いたのか? 俺のこと」

「………うん」

なるほどな。

「どう思っている、か。 んー……」





実際、ヴィータに対して思うところが無いかといえば―――嘘になる。


でも、恨んでいるとかの部類ではないと思う。たぶん。 襲われといてなんだけどね、俺も必死だったし。 正直、いい思い出ではないからな。 でもなぁ。 ヴィータと会ったのは襲われた時とアースラにいた時の二回だけだし、あれから結構経ってるから今更なぁ。


―――だから俺は、答える。


「…特別、どうとは思ってないかな」

「…そう、なんだ」

「………まあ、今度ヴィータに会ったら「俺のことは気にしなくていい」って伝えてくれるかな?」


地上と本局じゃ会う機会は多分ないからな。




「―――――私は」


「…ん?」


「私はやっぱり大切なことは直接会って伝えたほういいと思うんだ。 ヴィータにとっても、タローにとっても。」


「…」

「ご、ごめんなさい。 差し出がましいこと言ってしまって」


「いや、いいよ。――――――まあ、そのうち…ね」

「…はい」



最後は少し暗い雰囲気になってしまったけど、その後軽く雑談して喫茶店を出た後、フェイトと別れた。 そしてなぜかフェイトとメルアドを交換した。 あるぇ? 何で??





     *****





  Э月Щ日  天気・晴れ


休日の翌日。


午前の士官学校の講義が終わったので、ただいま保管課のほうに移動中。 弁当持参で。

いつの間にか士官学校が終わったあとに保管課の休憩室で昼飯を食べるのが日課になってしまった。 いや、べつにスーさんのお茶が目当てではないぞ。 がっついてるわけじゃないぞ。 本当だぞ。


「う~い、タロー」

「おお、ソゥちゃんおっすー」


と、廊下でソゥちゃんと遭遇。 ――――重箱とともに。


「毎度のことながらすげぇ量の弁当だな」

「ふぉふぉふぉ。あげないよぉ」

「もとよりいらんわ」


食べてるトコ想像するだけで胸焼けしそうだよ。 どこに入るんだよ、どこに。


「―――あっ スーさんだ! お~い!」


そう言い、ソゥちゃんが元気いっぱいにスーさんの所に駆け寄る。 廊下では静かにな。 あと走るな。


「あら、二人ともこんにちは」

休憩室の扉の前でスーさんがいつものように小さく笑い、出迎えてくれる。

「こんちはっす………あれ? スーさん、何か見てるんすか?」


仕事の途中だったのかな? スーさんの目の前に半透明のモニターがある。 何か文字のようなものがびっしりあるが細かくてわからん。 まあ、盗み見るつもりもないし。


「ああこれ? 一応、タロくんに関係あることなんだけど…」

「―――へ?」

思わず間抜けな声が出る俺。









―――そのとき、俺は気づかなかった。  これが、すべての始まりであったことに。



―――この時まで、まだ始まってすらいなかったことに。





―――その瞬間から、「俺」と「彼女」の運命が、大きく動き出したのだ。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



遅れてしまって申し訳ありません。 作者です。



フェイトが好きです。大好きです。 でもヴィータの方がもっと好きです。


―――突然スイマセン。 最近ヴィータまともに出せてないんでストレスが……次は出番がありますので気合を入れて書いていこうと思います!!


読者の方々、毎回の感想ありがとうございます。 時に読者の意見を取り入れつつ、試行錯誤の連続ですが、これからもどうかよろしくおねがいいたします!


【次回】

ヴィータ「私の罪」



【修正しました。】

フェイトのセリフとか色々。

ご意見ありがとうございます。


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