魔法少女リリカルフィア これは中の人ネタですか? はい、ハレンチ小僧のせいです。 それは、シーキューブ原作Ⅶ巻の短編集に収録されたある話で起こった。 その話はフィア達が秋祭りに行くというものだが、フィアが春亮に秋祭りに行きたいとねだろうとした際、別の短編でフィアは犬を拾ってきたため、彼はまた何か動物を拾ってきたと勘違いしてこう言ったのだ。 「今度は犬か、それとも猫か!分かったぞ。ちょっとひねって“フェレット”とかだな!」 フェwwwレッwwwトwww このセリフのせいでフィアの声が田村ゆかりさんに決まったのではないかと思ってしまった私は多分悪くない。 というわけで、『魔法少女リリカルフィア』始まります。なお、『暁』にてリメイク版の投稿を開始しました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第一話 魔法少女、始めたぞ。 暗い竹林の中、一人の少年が走っていた。少年は何かに追われているようである。 少年は一度立ち止まり、来た道を振り返る。すると、そこから現れたのは“黒い毛玉”としか言えない物だった。一応、目と口はついているが“この世界”のどの生き物にも当てはならない姿をしている。そして、そいつは少年に襲いかかった。 少年は手に持った赤い宝石を掲げ“呪文をとなえる”。すると、彼の前面に光る魔法陣が展開され、怪物はそれにぶつかり弾かれた。 怪物はそれでいくらかダメージを受けたようだが、倒すことまでは出来ず、そのまま夜闇に消えていった。 少年はそれを追おうとするが、怪物との戦いで傷を負っていたらしく、そのまま倒れてしまう。そして、少年の姿は小さなフェレットのような生き物に変わった。 朝、一人の少女が目を覚ました。綺麗な銀色の髪に、赤い瞳が特徴的な小柄な少女である。 彼女の名は“フィア・イン・キューブ”。人間ではなく禍具(ワース)と呼ばれる“呪われた道具”がその呪いの強さゆえ、人の性質を得た物だ。現在彼女は呪いを解くために“夜知家”という場所で暮らし、“フィア・キューブリック”という人間として高校に通いつつ、善行をつんでいる。 「・・・変な夢を見たな。」 フィアは、寝ぼけ眼をこすりながらこう言った。 布団から出て着替えたフィアは、朝食をとるために居間に向かった。 「あれ、今日は日曜日なのに早いな。フィア。」 朝食の用意をしながらフィアに挨拶した少年は“夜知春亮”。一応この家の家主である高校生だ。“呪いの効かない体質”なのでフィア達呪われた道具の持ち主となり、呪いを解くのを手伝っている。 「珍しいですね。いつもならもっとゆっくり寝ているのに。」 春亮の手伝いをしているのは“村正このは”。彼女もフィアと同じ呪われた道具で、かの有名な“妖刀村正”である。そこから黒髪ポニーテールの武士娘を想像するかもしれないが、眼鏡をかけたおさげで巨乳の少女である。ちなみに、彼女も高校生をやっている。 「なんか変な夢をみたのだ。」 「変な夢?いったいどんな夢だったん。」 フィアの言葉に反応した黒髪幼女は“人形原黒絵”。彼女も呪われた日本人形だが呪いはすでに解けており、現在は“壇ノ浦”という美容室を経営している。 「それよりまず、朝飯にしないか。」 春亮の意見に、一同は賛成した。 「魔法で怪物と戦う男の子?」 朝食をとりながら、フィアの話を聞いて春亮が言った。 「大体そんな感じだ。前にクロエが見せてくれたマンガに出てきた“魔法少女”というやつみたいだったぞ。」 「じゃあ、男の子じゃから“魔法少年”というわけじゃね。」 「ああ。しかし、今回の夢で分かった事があった。」 「何ですか?」 「モフモフは素晴らしいが、モジャモジャは恐ろしいという事だ!」 その言葉に一同はずっこける。 「きっとあの夢は、モジャモジャをモフモフと同じと考え、無闇に近づいたらヒドイ目に会うという警告だったのだろう!つまり、モジャモジャはウシチチの体にぶら下がっているクリーチャーと同じくらいおぞましい物なのだ!」 「何でそうなるんですか!」 いつも通り、夜知家は今日も賑やかだった。 さて、この日は日曜日だが夜知家には特にやる事が無かった。買い物などに出かける予定も無いし、呪われた道具に関するトラブルも無いので、春亮としては家でのんびり過ごしたいと思っていたが… 「・・・暇だ。」そうは思わない者が一人いた。もちろんフィアである。 「なあハルアキ、散歩に行ってもよいか?」 「ん?別にいいぞ。でもあんま遠くには行くなよ。」 「分かっているわい。」 彼女はそのままパタパタと走りながら玄関に向かった。 フィアが出かけてから十分ほど経ち、彼女が帰って来た。 「思ったより早かったな、フィア…」 居間のふすまが開く音を聞き、春亮が振り返ると… 「た、大変だハルアキ!」フィアが一匹の動物を抱えて立っていた。 「お、お前またそんなの拾って…」 「待って下さい春亮くん。」 勝手に動物を拾ってきたフィアを春亮は叱ろうとするが、それをこのはが止めた。 「どうしたんだこのは。」 「この子、怪我をしています。」 「えっ!」 よく見てみると、確かにその動物は傷を負っていた。 「ホントだ、早く手当てをしなきゃな。すぐ救急箱を持って来るから待っててくれ。黒絵も手伝い頼む。」 「オッケ~。こういう時こそウチの出番じゃね。」 動物の怪我の手当を終えて、春亮達は一息をついた。 「にしても、これって何の動物なんだ?」 ふと、春亮が疑問を口にする。 「イタチの仲間みたいですけどねえ。」 「私が思うに、これはフェレットというやつではないのか。」 「確かにそんな感じじゃけどこんな種類のフェレット、ウチは見た事無いよ。」 彼の疑問に、各々が推測を言った。 「でもまあ、いるんじゃないか。こいつも誰かのペットみたいいだし。」 フェレット(?)の首についている赤い宝石のついた首輪を見ながら春亮が言った。 「とりあえず、怪我が治るのと飼い主が見つかるまでの間、こいつはうちで預かることになるな。」 「そうですね。でもフェレットって何を食べるんでしょうか?」 「ペットショップで聞けばいいんじゃないか?」 結局、このフェレット(?)はここで預かることが確定したのだが… 「そう言えばふぃっちー、この子は何処で拾ったん?」 ふとした疑問を、黒絵がフィアにぶつけた。 「それが、家の裏の竹林で倒れていたのだ。」 「家の裏の竹林・・・?お前どうしてそんな所に行ったんだ。」 「・・・声が聞こえたのだ。頭の中に直接、助けを呼ぶ声が・・・それが聞こえた方に行ったらこいつがいた。」 「声って・・・まさか!」 フィアの話を聞いた一同は、フェレットの首輪についている赤い宝石を見た。 「いや、私も一応確かめてみたが、その宝石は呪われた道具の類ではなかったぞ。」 「じゃあ、フィアの聞いた声っていうのは何だったんだ?」 「私に聞かれても分からん。」 ひとまず、フィアの聞いた声については置いておくことになった。 夜中、皆が寝静まった頃再びフィアの頭の中に直接声が響いた。 『助けて…誰か、僕の声が聞こえていますか。誰か…』 「‼また、あの声だ…」 昼間に聞いた声がまた響き、フィアは慌てて布団から飛び起きた。すぐさま、自室から出ようと障子に手をかけようとするが… ドゴーン!!突然、庭の方から轟音が響いた。一瞬それに驚き、フィアはその場でこけそうになるがなんとか踏みとどまり障子を開け放つ。 障子を開けたフィアの目に入って来たのは、縁側の向こうにある庭そして・・・そこにいる毛玉としか表現しようのない、謎の怪物だった。 「な、何だこいつは…」 フィアがそう呟いた。すると、先程の音を聞きいたのか別の部屋から春亮とこのはが、それに離れからは黒絵が飛び出して来た。 「いきなりとんでもないのが来ましたね。」 「でも何か、呪われた道具とは違う感じがするな。」 「道具そのものじゃなくて、それが作り出したものかもしれんねえ。」 怪物を見た春亮達が各々の意見を言う。 『助けて…助けて…』 すると、再びフィアの頭に直接あの声が響いた。それを聞いた彼女は、声のする場所・・・フェレットの寝かせてあるカゴが置いてある夜知家の居間に向かい、障子を開けた。そこから出てきたのは、例のフェレットだった。すると、それは怪物を見て“しゃべった”。 「もう、こんな所まで来てたなんて…」 「なっ…!」 「フェ、フェレットがしゃべった…!?」 それを見て一同は驚くが、怪物はそれに構わず突進して来る。 「モード《カオティック忠盛》!」 すぐさま黒絵が髪を伸ばし拘束するがそれが続いたのは一瞬で、怪物は力任せにそれを引きちぎる。 「行かせません!」 しかし、このはがすぐさま手刀で斬りかかり、怪物の進行を食い止める。 「う、うそ。生身で暴走体と戦ってる。」 それを見たフェレットが目を丸くした。 「いや、お前の存在もかなりびっくりだぞ。」 フェレットの発言に、春亮がツッコミを入れる。 「というかお前、あれが何だか知っているのか!」 今度はフィアがフェレットに食ってかかった。 「あ、そうだった。これを…」 フェレットはフィアに首輪についた宝石をわたす。 「これを使って下さい。あなたにはあれを封じる力・・・魔法の才能があります。あれを放っておくと大変な事になるんです。お願いします、お礼は後で何でもしますから!」 「ちょっと待て、何を言っているのだ!魔法だの才能だの何なんだか…」 一気にまくし立てられ、フィアは混乱するが… 「ふぃっちー、ここはひとまずそれに従っておくべきだと思うよ。」 「こっちはそろそろ持ちそうにありません。これを何とかする方法があるなら早く!」 「・・・わかった。」このは達に言われ、心を決める。 「で、これをどうすればいいのだ?」 「それを持ったまま僕の言う言葉を続けて下さい。“我、使命を受けし者なり”」 「ええと・・・我、使命を受けし者なり。」 「“契約の下、その力を解き放て”」 「契約の下、その力を解き放て。」 「“風は空に、星は天に”。」 「風は空に、星は天に…」 「“そして”」 「そして…」 「「不屈の心はこの胸に!この手に魔法を!レイジングハート、セットアップ!」」 〈Stand by ready set up.〉 その言葉を唱え終えると、宝石から機械のような音声が鳴り、さらに光を放った。 「やっぱりこの人、すごい魔力だ…」 その光の強さを見て、フェレットは声をもらす。 「な、なんなのだこれは!」 一方フィアは、突然宝石が光を放った事に混乱する。 「早く!あなたの杖とあなたを守る服をイメージして!」 しかしそれに構わず、フェレットは指示を続けた。 「なっ、急にそんな事を言われてもなあ!」 フィアはとっさに考える。まずは自分が通う“私立大秋高校”の制服。そして自分の似姿。 「と、とりあえずこれでよい!」 そう決めたとたん、フィアの姿が光に包まれた。 「うわっ!」 彼女のすぐそばにいた春亮は、思わず目をつむる。そして、光が収まった時出てきたのは… 「な、何だこれは!」 先程とは別の服装をしたフィアだった。寝間着は大秋高校の制服によく似たものに変わっていた。違いはネクタイがリボンに変わったのと、足を守るためにブーツを履いている事の他、細部のデザインが異なっている。そして彼女の右手には、面の一つの中央に赤い宝石の埋め込まれた鋼鉄の立方体が先端についた杖が握られていた。 「こ、これって…」 それを見た春亮は困惑する。 「いけない!」 「ふぃっちー、ハル逃げて!」 その時、怪物がこのは達を振り払い、フィアに向かって突進して来た。 (間に合わない!) フィアはまだこの杖の使い方を知らないのでそう思ったが… 〈Protection〉 レイジングハートから音声が鳴り、フィアの周囲にバリアが展開される。それに弾かれ、怪物は庭を転がる。 「す、すごい…」 その光景を見て、春亮は思わず声をもらした。 「ええと・・・その封印というのはどうすればよいのだ。」 「僕達の使う魔法は術式がプログラムとして組み込まれています。だから攻撃や防御は思うだけで自動的に発動します。」 「なんと言うか、ハイテクな感じだな。」 「でも、封印などの高度な魔法は使うのに呪文が必要になります。」 「そうか、それでその呪文は?」 「心を澄まして下さい。そうすれば自然と浮かんできます。」 「心を澄ます…?ええと…」 フィアはフェレットの言う通りにした。すると、一つの呪文が浮かんでくる。 「・・・これだな。」 〈Sealing mode stand by〉 それに応じて、レイジングハートが変形する。 「いくぞ!“リリカルマジカル 封印すべきは忌わしき器 ジュエルシードシリアル21封印!”」 彼女が呪文を唱えると、レイジングハートから無数の銀色に光る帯が伸びて、怪物に絡みつく。怪物は抵抗しようとしたがそのまま消えて、後に残ったのはローマ数字で21と刻まれた青い菱形の宝石だった。 「早く、レイジングハートでふれて。」 「あ、ああ。」 フェレットに言われ、フィアはレイジングハートで青い宝石にふれた。すると、宝石はレイジングハートの中に収納された。その後、フィアの服は寝間着に、杖は宝石にもどった。 「終わったのか?」 「ええ。」 春亮の質問にフェレットが答えた。 続く・・・のか?ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ピンポンパンポーン この作品は『空亡の孫娘』の執筆がつまった時の気分転換に書いたものです。なので続くかどうか分かりませんのでご了承ください。 続くとしても長くてGOD、短くて無印までです。 もしA's以降に入るなら、C3の時間軸でどのへんかを無視します。 めんどうだもの せぶん P,S 黒絵のしゃべり方が難しかった。