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No.33160の一覧
[0] 【ネタ】検証結果が運ゲーだった。【二次】【ごちゃまぜMMO】[注位置秒](2012/05/25 17:30)
[1] 検証結果が『なりきり勢トップ』だった。[注位置秒](2012/05/25 17:31)
[2] 検証結果が二つ名持ちレベルだった。[注位置秒](2012/05/25 17:31)
[3] 検証結果が二人目だった。[注位置秒](2012/05/25 17:31)
[4] 検証結果が俺以上だった。[注位置秒](2012/05/27 22:28)
[5] 検証結果が小説よりも奇なりだった。【本編1】[注位置秒](2012/06/01 20:25)
[6] 検証結果がインチキだった。[注位置秒](2012/06/06 17:02)
[7] 検証結果がアオイが主役だった。【本編2】[注位置秒](2012/06/12 02:02)
[8] 検証結果の登場人物[注位置秒](2012/06/11 16:54)
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[33160] 検証結果が二つ名持ちレベルだった。
Name: 注位置秒◆c2c13e9c ID:6f8ebee9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/25 17:31
「あなたの心のお道具箱、スマイリーGMです! バグと聞いて歩いて来ました」

「貴方が神か。歩いてお帰り」

「えっ」

 珍しくマイ【ホーム】の呼び鈴が鳴ったから誰かと思って出てみたら(ある意味プレイヤーにとっての)神が居た。
 神様が歩いて来たら「歩いてお帰り」って言うのが礼儀だってゆうかりんが言ってたからそうしてみた。でも、本当にコレが礼儀なんだろうか?

 †    †    †

「ようこそマイ【ホーム】へ。この【テキーラ】はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。うん、『また』なんだ。済まない。仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。でも、俺のバグ報告を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない『ときめき』みたいなものを感じてくれたと思う。殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。そう思って、あの検証結果を送信したんだ。じゃあ、注文を聞こうか。」

 とりあえずGMさんをマイホームに招き入れ、リビングのイスに座って貰ったところで例の長台詞を言いながら【テキーラ】をテーブルの上に置く。
 そして、GMさんはこう言った。

「自重してください」

「絶対にノゥ!!」

「なん……だと……!」

 それにしてもこのGMさん、ノリノリである。
 いやまぁ、何でこんなに親しげなのかって言うと、例の長台詞にもある様に『また』だからなんだけどね!
 GM的に一般プレイヤーと個人的な交友関係を結ぶのはよろしくないらしいが、ノリの良い人がノリの良い会話をするくらいならモウマンタイ。

「おいおっさん。分かってんのか? 俺は『検証勢』だぜ? ノーとしか言わない男さ」

「フッ……ならば、君の心変わりを誘発しよう!」

「ムッ!?」

 このネタに応じれるだと……!?
 本当に幅広いネタを知ってる人だな。いや、もしかしたら俺の日常の会話ログから元ネタを検索してたり……無いな。

「『二つ名』『ユニークスキル』『ユニークアイテム』!! この三つを同時に授与すると言っても君は断れるのかね?」

「イエス」

「ッ!? ノーとしか言わない筈……!?」

 ちなみに此処までテンプレ。しかし突っ込み不在だと話が進まないのでもうちょっと真面目に話そうと思う。

「それで、GMさんは何しに来たんですか? 漫才ですか?」

「いや、貴方と会話してると楽しくて。つい本題よりも優先してしまうのですよ。いやはや、悪い癖です」

 GMさん本来の話し方に戻ってようやくマトモな会話が行われる。しかし、飲んでいるのは【バーボン】。実際にアルコールが回ることはないのだが、どうも飲み会のノリに感じる。

「直す気が無い様に思えますが、きっと気のせいですね」

「ええ、気のせいですよ。それじゃあ、本題に入りましょう」

 †    †    †

「――――にご同意いただいたものとみなします。長くなりましたが、以上です。よろしいですか?」

 長々とした説明を終え、こちらに確認を取るGMさん。

「つまり、あれだ」

 話を纏めると。

「ラック補正値の修正入れないから、代わりに色んな分野で目立つようにざっと発破をかけて盛り上げてこい、と。サーバー全体のゲームバランスを崩さないように」

「ざっくり言うとそんな感じです。ゲームバランスについての配慮は、ここ数日の貴方のプレイログを見る限り、わざわざ言う必要は無さそうですし」

 何か良く分からないが、依頼された。運営側から特定のプレイヤーにそういうの良いのか?

「その発破行為って、どんなメリットがあるんです?」

「先日『グランドクエスト』の最終クエスト『魔王決戦』が【救国の英雄】を筆頭とするトッププレイヤー達にクリアされましたので、次の大型アップデートまでの場繋ぎとしての賑わいですね。今までに無い目立ち方をするPCが居れば、話題のタネにもなるでしょう。一時的な物で良いのです、大型アップデートまでの」

 語られた理由は、納得するには非常に弱い。

「だからと言って、流石にこの待遇は可笑し過ぎでしょう。レアドロップは出したい放題。戦闘では正に無敵。生産、精錬では失敗しない。こんなPC、害悪以外の何者でもない。それを使えと?」

 その言葉を聞き、苦笑しながらGMさんは続ける。

「その『誰もが望む結果を出せるPC』を『害悪』だと断言できる貴方がプレイヤーだからこその対応です。後は『攻略勢』『なりきり勢』『生産勢』『生活勢』果ては『マッタリ勢』までが二つ名持ちのPCが居るにも関わらず『検証勢』には二つ名持ちのPCが居ないことが一つ。あらゆる楽しみ方を推奨してるにも関わらず『特定の楽しみ方だけを評価できない』というのは、私たち運営にとって不本意な状況でした。そんな時に、『他のプレイヤーから見て非常に目立つ』偉業を達成した良識あるプレイヤーが現れれば、こうなります」

 どうやら本格的にこのPCボディを二つ名持ちにしたいらしい。というか、さっきの賑わい云々より、今言った理由の方が本音に近いな?

「残念だが、俺は根っからの『検証勢』でね。正直、このPCボディで調べられることは終わった。後はもうこのPCボディは廃棄して次の新しいPCを「作って――――」」

「「作って――――」検証式の正誤検証をして、終わりでしょう? 既に貴方は、現状ゲーム内で用いられてる全ての検証式が求められる状態の筈です。ラック補正値の計算式が確定した今、各計算式の乱数範囲を調べる程度しか出来ません。そうでしょう?」

 俺の言葉に被せて、GMさんが続ける。
 ……実際、そうなのだ。俺は、このゲームの事を調べ尽くした。GMさんの言うとおり、俺の楽しみ(としている検証)はもはや終わりが見えている。

「ラック補正値を算出できる程のヘヴィプレイヤーは、以後現れない可能性も有りえます。そして、このゲームは『グランドクエスト』が終了したとは言え、まだまだ発展します。情報秘匿の為、具体的な内容はお教え出来ませんが、今後追加される新しいスキルと共に、貴方が検証したくなるようなダメージ計算、成否判定なども増えてくるでしょう。貴方が今、この段階でこのゲームから手を引くことは、ゲーム全体の損失に繋がる。そう考える人が当社には少なからず居ます。もっとも、既にこのゲーム自体に魅力を感じていない、リアルの事情でゲームプレイが困難だ、という事なら我々も引き止めはしないのですが……そういう訳でないのなら。私たち運営に、時間的猶予をくれませんか?」

「……何度も言うようですが、流石にこの待遇は可笑し過ぎでしょう? ただの一プレイヤーの影響が其処まであるとは思えませんが」

 流石に困惑しているから、どう答えれば良いのか分からない。
 どう考えても、運営が俺というプレイヤーの引退を引き止めている。

「じゃあ、考えてみてください。今このタイミングで『攻略勢』の【救国の英雄】や【Summon Knight】が、『なりきり勢』の【四季のフラワーマスター】や【ブルームーン第五王女】が、 『生産勢』の【ブラウニー】や【錬金術師】が、『生活勢』の【ビッグダディ】や【マスター・マスター】が、『マッタリ勢』の【ダンシングわっしょい】が。そう言った人たちが引退するという状況を」

 今挙げられた二つ名持ちは、それぞれの主な二つ名持ちである。このゲームのプレイヤーのほぼ全てが、一度は名前を聞いたことがあるレベルの。
 どうでも良いけど、このシリアスな雰囲気で【ダンシングわっしょい】だけが何か凄い違和感だな。

「そうしたハイエンドは特殊な例でしょう。俺と比べるのが、そもそもの間違いです」

「将来的に、いえ、既にそうしたハイエンドのPCたちと肩を並べる存在だ、と私は言っているのですよ。貴方にないのは、一般PCたちに対する知名度だけです」

 GMさんの目を見る。0と1で作られたデジタルなPCボディではあるが、その声や口調、その表情からは本心で話しているのが分かった。
 正直、そこまで自分の評価が高いとは思っていなかったが。

「……分かりました。そこまで仰るのでしたら、俺の趣味からは外れますが、目立つように発破をかけて回るというお願い、受けましょう。その代わり、あくまで善意の協力です。強制力は一切ありませんよ?」

「ええ、もちろんです。貴方がこのゲームを続けること。それ自体がお願いの趣旨みたいなものですからね」

 そして真面目な表情を崩し、笑顔になるGMさん。
 ……なんか、どっと疲れた気がする。というか、GMとこんなに長々と話したのは初めてだ。

「いやぁ、実はですね、貴方そこらのデバッガーよりよっぽど腕が良いんですよ。貴方のバグ報告は内部データ方面に偏っていますが、グラフィックバグなんかは一般プレイヤーでもすぐ報告が来ますからね。そういう方面でも助かってます。『命中計算にステータスAgi値は含まれているのに、装備のAgi値が含まれてないのは仕様ですか?』ってメールが一般プレイヤーの貴方から来た時は結構本気で頭抱えましたからね、私」

「おぉい! 職務怠慢を朗らかに話すな!」

「やっちゃったZE☆」

「『やっちゃったZE☆』じゃないですよぉ!  真面目に仕事してくださいよぉ!」

「おや。仕事した結果、魔王のAIが勝手に魔王城に情け容赦ない罠を増やして『運営仕事し過ぎだろぉ!』って書き込みが【掲示板】に殺到した覚えがあるのですが」

「あれは苦情じゃなくて賞賛みたいなもんです。トップクラスの攻略勢以外には全く関係ないですし。良いぞもっとやれ」

 †    †    †

 あの後、適度に雑談をしてGMさんはログアウトした。
 中々(ネタ的な意味で)有意義な会話を楽しめたので俺としては満足。あと、GMさんはゆうかりんに会えなかったのを残念がってた。彼女のなりきりプレイ的にGMってどんな存在なのか気になってるらしい。今度ゆうかりんに聞いてみよう。
 あと、授与される二つ名は特に希望が無ければ【検証者】になるって言ってた。GMさん個人では【ムテキング】が良いって言ってたけど。確かにバグで無敵だからぴったりって言えばぴったりだが、当たり判定はあるし、道行く人に「あ、【ムテキング】だ!」とか言われるのは凄い嫌なので止めた。
 まぁ、俺も自分のことじゃなかったら【ラッキーマン】とか推してただろうしね。そういった方向性に 走るのは仕方ないと思うけど。
 【ユニークスキル】については、このステータスがその代わりとして無し。【ユニークアイテム】については、使用前ディレイが30秒と長めだが、指定MAPに制限無くワープできる【ワープスクロール】(使用回数制限無し)を授与となった。
 明日にはアイテムと二つ名のデータをこのPCに加えておくとのこと。ついでに公式HPでの二つ名授与の告知も。
 とりあえず、今日のところは終えるか。さ、検証結果を纏めよう。

 †    †    †

 今日の検証結果――――俺は二つ名持ちレベル。ネトゲ廃人的な意味で。



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命中率=50+(H-D) 変域は100≧命中率≧0
H=Dex+Agi*0.5+Dex修正値*3+Agi修正値*1.5+L*0.2+スキル命中補正値
D=Agi+Dex*0.4+Agi修正値*3+Dex修正値*1.2+L*0.2

Hは命中値とする。
Dは回避値とする。
Dex・Agi修正値は装備品による修正値。
Lはラック補正値とする。
スキル命中補正値はスキルに設定された数値。通常攻撃を0とする。

以上が命中率に関する検証結果である。

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【あなたの心のお道具箱、スマイリー~~です】
元ネタ:聖剣伝説 LEGEND OF MANA
概要:悪徳商人ニキータの台詞。語尾が「にゃ」のくせにウサ耳という容姿も相まって凄く胡散臭い。

【~~と聞いて歩いて来ました→歩いてお帰り】
元ネタ:東方project二次ネタ
概要:元ネタでは「神と聞いて歩いて来ました→歩いてお帰り」である。神と聞けば歩いてくる神綺に対し一蹴する流れである。

【貴方が神か】
元ネタ:DEATH NOTE
概要:新世界の神を自称した主人公 夜神月の信者 魅上照が夜神月と会った時に言った台詞。

【ようこそ~~~~~~~~。じゃあ、注文を聞こうか。】
元ネタ:2chコピペ
概要:釣りと言われる『興味を引くスレッドタイトルにして、本文を確認するとそのスレッドタイトルの内容ではない』という行為がある。その時、このバーボンハウスのコピペを見るとちょっとだけ心が安らぐ。

【絶対にノゥ!→おいおっさん。分かって~~~~→フッ……→ムッ!?→君は断れるのかね?→イエス→ノーとしか言わない筈】
元ネタ:スクライド(漫画)
概要:反逆者 カズマがホーリー隊長 マーティン・ジグマールに勧誘された時のやり取り。

【なん……だと……!】
元ネタ:BLEACH
概要:驚いた時に言う台詞。元ネタでは一時期、どいつもこいつも1ページごとに言うような状況に陥っていた。結果、大人気ネタに。

【Summon Knight】
元ネタ:Summon Nightシリーズ
概要:直訳すると『召喚騎士』。意味合いとしては『召喚された騎士』と『召喚術を使う騎士』の二つがある。

【ブルームーン第五王女】
元ネタ:Sonata
概要:PSゲーム『Sonata』のヒロインの一人、アオイ・サウス・ブルームーンのこと。ちなみに第一王女から第四王女までは全員嫁いでいる。家事が出来ない可哀想な子。

【やっちゃったZE☆→やっちゃったZE☆じゃないですよ!】
元ネタ:ギャグマンガ日和
概要:作中作 ソードマスターヤマトの誤植を連発した編集者 小島と作者 夢野カケラ
のやり取り。

【運営仕事し過ぎだろぉ!】
元ネタ:.hack//Quantum
概要:巨大モンスターから逃げたところ、モンスターがMAP破壊しながら追いかけてきた。そんなトンデモなさと芸の細かさに叫んだ台詞。元ネタでは『CC社仕事し過ぎだろぉ!』と叫んでいた。CC社(シーシーしゃ)とは作中ゲーム『The World』の運営会社である。

【ムテキング】
元ネタ:AC北斗の拳
概要:バグゲーとして名高い元ネタにおいても2大バグとして扱われるバグ。コマンド入力であらゆる打撃が当たらなくなる。しかし投げと当て身は防げず、一部攻撃を使用すると解除されてしまうため、ネタの域を出なかった。

【ラッキーマン】
元ネタ:ラッキーマン
概要:あまりにラッキー過ぎてそれだけで全てを乗り越えられる主人公 ラッキーマン。Luc補正値だけでやりたい放題という状況から。


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