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No.33012の一覧
[0] 【ネタ】幻想となった高町なのは(リリなの×東方)[くわ](2012/05/04 13:40)
[1] プロローグ[くわ](2012/05/13 12:06)
[2] [くわ](2012/05/04 13:42)
[3] [くわ](2012/05/05 14:19)
[4] [くわ](2012/05/13 12:18)
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[33012]
Name: くわ◆6d0a19c0 ID:43fe4ce5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/05 14:19

「今日は捜索を休憩にするの」

「…唐突にどうしたのですか? また、暴走したら被害が広がりますよ?」

 樹木の暴走体を封印した次の日の朝、私は桜にそう提案した。旅行雑誌を桜にみせる。

「暴走したら距離が合ってもわかるから問題ないの。それに毎日探しても見つからないってことは、探す範囲が狭かったのかもしれないの。休息と気分転換、ついでにジュエルシードがあったらいいな位の気持ちで旅行に行くの」

「本音の部分は隠して下さい。…でもいいかもしれませんね。温泉ですか?」

「そうなの。ここからそんなに離れていないし。きっと、私には休息が必要なの」

「自分で言うことでもないと思いますが。わかりました。早速予約を入れてきますね?平日ですからきっとすいてるでしょうし」

 そう言って予約の電話をしに桜が席を立った。でも、実際茶化して言ってはいるけど私には少し気持ちの整理の時間が必要だった。昨日の私の状態を見ていた桜も口ではああ言っているがわかってくれている。それに今回の依頼は別に時間制限があるわけではから少しくらいならいいと思うし。

「予約は済みましたよ。やはりすいていました」

「それじゃあ、用意をして早速向かうの」

 そうして、気分転換に私たちは小旅行に向かった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「やっぱり街中だとなかなか見つからないの」

「散々歩き回りましたからね」

 小旅行を二人で楽しんだ翌日、私たちは相変わらず街中を捜索していた。

「やっぱり探す場所が悪いの」

「だからと言ってまた旅行へ行こうとしてもだめですよ?」

「そう言うけど、結局旅先で一つ見つけることが出来たの。博麗の巫女ほどではないけど私の勘もなかなかのものなの」

「確かにそうですけど…」

 旅先で森を散策している時微弱な反応を捉え、暴走前のジュエルシードを一つ確保することができた。もっとも、旅館の人が私をみて何かを言っていたようであったが。そのあたりは桜が対応してくれたため、何を言われていたのかは詳しく知らない。

「道にないのなら、どこかの敷地内にあるの。具体的にはこの屋敷が怪しいの」

 ちょうど目の前にある、大きめの家を指してそう言う。これだけ敷地があれば一つくらい落ちていてもおかしくない。…かもしれない。

「はあ、もういいです。母さま、なかなかみつからないからって、少し飽きてきていませんか?」

 何をいうんだ。確かに昼間ずっと探し続けて。今はもう少し日が落ちてきてはいるが、そんな事は…、少ししかない。

「…そんなことないの」

「どうやって中を捜索するんですか?」

「当然、こっそり入ってこっそり探すの」

 そのまま、空に跳びあがる。

「ちょっと、母さま! はあ、私は一応事情を話してきますね」

「無駄だと思うけど、一応お願いするの」

 桜がそう言っていたが、私はそのまま塀を越えて、敷地内に飛びこんでいった」






 結論から言うと、暴走前のジュエルシードを見つけることは出来た。出来たのだが

「ちょっと、何なの!? 最近の一般家庭はこんなに迎撃機能を付けるのがふつうなの?!」

 ちょっとあり得ない状況に陥っていた。たまたま、入ったその場にあったジュエルシードを封印。そのまま、もう一つくらい落ちていないか捜索しようとしたら、警備システムだか何だかに感知され、そのまま迎撃システムシステムが作動したらしい。

「実弾とか、あり得ないの!? ここは日本だったはずなの! あう。痛いの…」

 最初は非殺傷のゴム弾。気づいたら、無数の実弾の銃口がこちらを向いていた。必死に避けてはいるが、さすがに全てを避けきれるわけでもなく何発かすでにあたっている。すでに血まみれである。私は妖怪ほど堅くないし、桜ほど防御を固めていない。どうせすぐに回復するけど、痛いものは痛い。空に上がればこの程度は避けるのは出来るし、魔法や霊気で迎撃することも考えたが、監視カメラにみられている今はそれも得策とは言えない。私は必死になって逃げ続けた。

『あう。ちょっと…、あり得ないくらい警備が激しいんだけど、桜の方は問題ない?』

 桜が心配になり、念話を送ってみた。その間も何発か被弾している。

『こちらも少し問題が。よくわからない人間?と、少しあり得ない動きをする人間。それと良く分からないメイド二人と交戦しています』

『大丈夫なの? 痛!! 怪我はない?!』

『この程度なら全く問題はありませんが。むしろ母さまの方こそ平気なのですか? そちらから凄い音が聞こえてくるのですが』

『私はこの程度慣れているから。でも、とりあえず合流するよ。今はどこ?』

『屋敷の外ですよ。庭と言うんでしょうか』

『わかった。そこに向かうよ』

 そこまで念話で会話して、私は屋敷の方向へかけた。次々に被弾し、傷だらけになるがもう気にしなかった。ひたすらまっすぐに向かう。あの娘に何かあったらと思うと、自分の傷を気にしている余裕はなかった。そして

「桜!! 大丈夫??」

 漸く桜を肉眼で捉えることが出来た。見ると、4人の男女と対峙している。相手は銃や小太刀を持っている。すぐに駆けつけ、横に並び立つ。

「ちょっと、母さま! 傷だらけじゃないですか?!」

「そんな事はいい。桜は怪我はない?」

「今程度の相手でしたら問題ないとさっきも言いましたのに…。そんな傷だらけになって―――」

「それでも心配だったの!!」

 確かに今の私はひどい格好だ。桜とお揃いの、白を基調とした巫女服は穴だらけで、傷だらけで、私の流した血で真っ赤に染まっている。私自身もまだ、傷が治りきっていないため、そこかしこから血を流し続けている。小学生の姿だと、傷の直りが遅いのは相変わらずのようだ。相手も私の姿に驚いているのか、動きが止まっている。

「それで、どういう状況? 確か桜は事情を説明しに―――」

「なのは!!」

「なのはちゃん!!」

「はい?」

 私が桜に状況を聞こうとすると、突然相手の男女に名前をよばれた。直後、小太刀を持った男が鬼気迫る表情でこちらへかけてきた。ちょっと、ほんとあり得ない速度がでているんだけど…。まあ、確かに早いけど、私に見えるって事は桜にも見えるってことで

「無駄だと言いましたよ」

 すかさず桜が迎撃。迫ってきた男に蹴りを一撃。桜は魔法使いだがなぜか体術も得意で。ほんとになんでだろう。男は何とか防ごうとしたみたいだが、それでもダメージを受けているのか、もとの位置まで後退している。確かにこの程度の相手なら桜が如何にかなるはずもないかと、漸く感情に少し余裕が出てきた。でも、

「どういう状況なのよ」

 相手の男は悲壮な表情。女は蒼白で、何か取り返しのつかない事をしてしまったかのようで。メイドの二人は、一人は冷静にこちらを見やり、片方はおろおろしている。

「さあ、わかりません。言いがかりを付けられましたのでそれに答えていましたら。気づいたらこんな状況でした」

「そうなの? そこのメイド、桜に何を言った?」

 相手の中で一番冷静そうなメイドに聞いてみるが、

「なのはちゃん、そんな事より早く病院へ!!」

 蒼白な表情をした女がそう叫んでくる。そう言えば私は血だらけで、まだ治っていないところもあったか。

「必要ない。それより状況を―――」

「ふざけてる場合か!! 早く治療しないと間に合わなくなる!!」

 今度は悲壮な表情の男が叫んでくる。今にも泣きだしそうだ。間に合わないって何に?あー、普通なら致命傷か。私は空を仰ぎ見る。もう夕方か。夕飯は何を作ろうか。など、現実逃避ぎみにいると

「なのはちゃん!」

 いつの間にやら相手に加わっていた少女がこちらをみて叫ぶ。叫んでそのまま泣き出してしまった。

「桜、私は空気を読んで死んだ方がいいの?」

「さあ。相手が勝手に盛り上がっているだけですし。ほっとけばよいのでは?」

「…帰ろうか」

「そうですね」

 そう言ってその場を後にしようとすると、

「なのは、いいから言う事をきけ! こっちへ来い! そいつは危険だ!」

「なのは様、早くしないと取り返しがつかない事になります!」

 そう言って男が牽制してくる。冷静な方のメイドもそれに加わってくる。だから、直りは少し遅いけどほっといても直るし。それに、さっきから思っていた事だけど。

「さっきから私の名前を軽々しく口にしているけど、あなた達は誰? それに傷の事なら問題ない」

 結局のところ、相手が何を言っていても知らない相手から言われていては不気味でしかない。名前を知られている事もある。私がそう言うと、相手にさらに困惑が広がった。

「何を言っているんだ? その傷で問題ないはずがないだろ!」

 男がなおもそう言ってくる。心配してくれているのはわかるが…。

「いいから質問に答えなさい」

少しだけ、守り神をしていたころ威厳を出して言ってみる。

「高町恭也だ。行方不明になっている間に兄の顔を忘れたのか? それとも忘れさせられたのか?」

 そう言って桜を睨んでくるが。…たかまちきょうや?

「あー、うん。そんな名の兄が確かにいたわ。桜は何もしてないから睨むのをやめなさい」

 桜が睨まれて可哀そうだ。…おびえるわけもなく、臨戦態勢に入っているけど。

「母さま。この人間の言うことは本当ですか?」

「名前を偽ってもしょうがないし、本当でしょ。私の兄がきょうやだったのは確かだし」

「そうですか。それでしたらごあいさつをしなければいけませんね」

 やっと桜の方は警戒を解いた。そして

「高町なのはの娘の桜です。はじめまして、叔父様」

 ただでさえ、混乱気味の場へ、綺麗な笑顔とともに自己紹介が行われた。さらに広がる混乱。私は再び空を仰ぎ見る。綺麗な夕日だ…。さあ、どうやってこの場を収めようか。


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