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No.32801の一覧
[0] 【ネタ】立ちすぎたフラグ(転生・オリジナル)[かえる](2012/04/16 03:09)
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[32801] 【ネタ】立ちすぎたフラグ(転生・オリジナル)
Name: かえる◆cb7a2f1c ID:a8c7905d
Date: 2012/04/16 03:09

世の中にはフラグというものがある。ここで言うフラグとは当然のことながら女の子が、男を好きになる瞬間のことを指す。
言い換えれば、フラグとは正常なヘテロ男性が保有する大いなる夢想だとも言える。

さて、ここに運悪くも若くして死んだ青年がいる。
だが一方で彼はこの世で一番運が良い。なぜなら彼は転生することができる権利を獲得して死亡することができたのだ。
そして尚且つ、転生時に3つも特典を与えられた。
これはそんな彼の物語。



「しっかり整列しろ! 列を乱すな! 乱したら地獄行きだ! 先頭から順に転生室に入れ! 早くしろ!」

この真っ白でだだっ広い空間の前方にいる、やたら恐ろしい天使が声を張り上げて俺たちを転生室へといざなっている。前後にいる生命体たちも、このピリピリした状況に不快感を露にしているようだ。転生とはもっと和やかに行われるものではないのだろうかと思っていたが、莫大な人数を処理するために限りなく迅速に行われているようだ。

先ほど、反抗しようとした人間が消された。天使によると「地獄行きにしただけだ! 騒ぐな!」ということらしく、その後も幾人か騒いだがそれらも全て地獄行きにされて、今は実に静寂である。皆、前の生命体が前に進んだら自分も前に進むという行動しかしていない。

最初の説明によると、転生は、約100万分の1の確率(というか神様がそれくらいの割合で無作為に選ぶだけ)でできるらしく、特に生前悪いことをしたとか良いことをしたとかは考慮されない。善悪というものはあくまで主観的なものなので、生前での善悪というのはここでは全く意味をなさないものらしい。しかしここでの善悪は厳密に決められているのでそれを乱すと直ちに地獄行きとなるとか。「我々は普段からお前たちを転生させる仕事で疲れているので手を煩わせたものはすぐさま地獄行きだからな。」というセリフを何度も聞かされた。

生命体が転生室へ入っていくスピードは割と早く、もうすぐ俺の順番がやってくる。このピリリな状況は辛いが、転生を考えるととてもわくわくする。あぁもう次だ。

「次!」

天使に声を掛けられ空きっぱなしの扉から入室する。そこには先ほどとは違う容姿の1人の天使がいた。天使だけあって顔が尋常ならざるほど整っているのだが、無表情なためとても怖い。

「返答時以外の発語は不要である。発した場合直ちに地獄行きとなることを忘れないように。ではこれより転生番号000000002000000000000000000000の転生処置を始める。」

じっと観察しているとそんなことを言われた。キリ番じゃねーか!

「キリ番により転生時の特典を5つ進呈する。喜んでもよいぞ。」

「は、ははは……」

苦笑しかでてこなかった。しかしすぐさま口を手で押さえる。しまった! 発語してしまった。おわた。俺の人生おわた。

「発語は喜べと言って許可しているから良いが、喜び方が私の好みではないので特典は2つ減らす。以後命令には正しく従うように。」

普段だったらふざけんなと叫ぶところだが、叫ぶと一瞬で地獄行きになることを思い出し、やめておいた。

「今から転生を執り行おうと思うが、転生は単なる権利である。もし天国もしくは地獄に行きたければ意見せよ。今より意見のために時間の猶予を設ける。」

「てん

シュパッ!!

こうして俺の転生は行われた。天国に行きたかったという俺の願いは全く無視されて。



白いもやの中、魂が火照っているような感覚を覚えた。魂に転生特典が刻み付けられているのだ。なぜかそうわかった。もやの中思っていたが、普通転生特典って最初に知らされたり自分で選択するようなものではないのだろうか。本当なら勝手に決めんなと叫びたかった。それに別に俺は天国行きでも良かったのだ。だって死ぬときすごく痛かったんだ。あの痛みをもう一度味わえだなんてそれこそ地獄としか言いようがないんじゃないか。

そう独り言ちて転生特典を確認した。魂に刻み付け終わったらしい。

1. もう一度同じ種族・性別に生まれ変わる
2. 記憶を引き継ぐ
3. 異性にもてもてになる

なんだこれ。1.と2.って巷で噂の普通の転生じゃないか。何が特典なのか意味が分からない。唯一嬉しいのは3.だ。前世では全然モテなかったのでこれは純粋に嬉しい。別に童貞を拗らせて死んだわけではないけれど、やっぱりモテたら嬉しいのだ。それがたとえ特典であろうとも。

もやから脱出する。遂に産まれるのか。あぁ産まれるのか。やっほう帰ってきたぜ俺はこの世界によう! なんだかんだ言っといて産まれるのは結構嬉しいらしい。自分でも驚いた。死ぬのはやだけど、産まれるのは良いことなのかもしれない。そして俺はこの世界に産まれて初めて掛けられる言葉に期待する。元気な赤ちゃんですよだと最高なのだが……。

「決めた! 私この赤ちゃんと結婚する!」

それが俺の聞いた初めての一声だった。おぎゃあと演技するのも忘れた。文字通り息をするのも忘れてしまったとはこのことを言うんではないだろうか。おかげで息をしていない!ということで一大事になりかけたが、すぐさまおぎゃあと叫んで事無きを得た。

その後どこかへ連れて行かれた。非常に眠かったから色々なことはどうでもよくなった。


――3年後


困った。ここ3年間一度も家の外に出してもらえない。なんだこれは児童虐待じゃないのか。ちなみに両親は俺が産まれてすぐ離婚した。母親が言うには父親は「ママを残してどこかへ行ってしまった」と言っていた。本当なのだろうか。

さすがに3年監禁状態は辛いので外へ出たいと言うと、「ママお仕事で疲れてるの。だから私を癒して~」とすぐに抱きついてくる。「大きくなったらママと結婚しようね。親子でも結婚できる国があるからそこじゃないと無理だけど。」とはこの母親の口癖だ。マジキチ。たまに俺の名前を呼びながらオナニーしてるとこも目撃する。挑発してるのかどうかはわからないが、肉体的年齢のおかげでまるで劣情を催さないため俺には効果がない。常に賢者モードみたいな感じ。

こんな風になるのは俺の母親だけではない。俺が産まれた病院勤めのナースもうちに頻繁にやってくる。頻繁と言うか毎日やってくるわけだが。ナースをやめてベビーシッターになったらしい。ちなみに俺が産まれた瞬間に「この赤ちゃんと結婚する!」と発したのはどうやらまた別のナースだったようで、そっちは普通に解雇になっていた。彼女は今どこで何をしているのやらとんと知れぬ。知りたくもない。

しばらく考えていたのだが、こういった現象はずばり特典のせいなのではないだろうか。異性にもてもてになるらしいが、まさかこんなことになるとは思っていなかった。大体この元ナースは不細工すぎる。まぁ母親みたいに変なことはしてないから3歳児の俺から見ればマシなんだけど、別に不細工にモテても嬉しくないし、これから先もずっとどんな女からもモテるとか天国を通り越して地獄だと思うのだが。刺されて死んだらどうするんだばか。

「はぁ……」

「どうしたのゆうくん。ため息みたいな声出して。」

「わー」

「わー」

ぶっちゃけすごく暇だ。本当だったらもっといろいろ話してもいいのだが、別に俺は天才扱いされたいわけではない。ただぐうたらに毎日生きておいしいもの食べていけて痛いのだけは無ければそれでいいのだ。でもやはり娯楽もほしい。

「ゆうくん明日から幼稚園に行くんだよね……はぁぁ私もお役御免かぁ。さびしくなるね。また会いに来てもいい?」

「やだー」

「え……そんなのやだよ! どうして! わ、わたしゆうくんに嫌われたら生きてけないよ……ぐすっ」

そんなことは知ったことではなかったが一応慰めておいた。女という生き物はとてもめんどくさいのだ。それになんといっても会うのはこれで最後なのだから今までの恩をこれで返すことにしよう。彼女の頭を撫でる。別に俺は不細工が嫌いなわけではなくて、ただ単に不細工への性的な関心を持たないだけなのだからこれぐらいは不快ではない。

その後は絶対また会いに来るからねとか何してあそぼっかとかで監禁状態最後の一日が終わった。

そして翌日、俺は遂に幼稚園児となった。



「ちょっとあの子めっちゃ可愛くない?」

「可愛すぎる!! うちの子と交換してほしい!」

「だめようちの子と交換するのよ!!」

「おい。交換とか何言ってるんだ……たけしが泣きそうな顔してるじゃないか……」

「わたしあなたすきー」

「ねえねえみゆとけっこんしよーよー」

入園式が始まる前からすでにひどい調子だった。女と言う女がこっちに群がってくる。とても怖い。神様は何を考えてこんな能力を作ったんだと頭が痛くなった。

「うちの子は誰にも渡しません! 私と結婚するんですから!」

ドン引きされていた。

その後卒園まで地獄だった。遠足のときに誘拐されかけたし。あほか。



小学生になると今度はより大変なことになった。何しろ集団登校で通学路を自分で歩くので、人目につくようになったからだ。噂が噂を呼び、毎日女が群がって登校するようになった。むちゃくちゃだ。なんで100人もの女が俺を囲んでいるのか理解できない。しかもなんか傲慢な女ばかり。ひょっとしたら、行動的な女しかここにきていないから100人ばかりで済んでいるのかもしれない。毎日俺の周りでは女同士の喧嘩が繰り広げられる。学校に着けばそうでもないがそれでもやはり群がる女たち。給食は毎日5人の女の子に囲まれて食べ、時折上級生からラブレターをもらう。定年間近の女教師に迫られたときは前人生も合わせて一番寒気がした。帰りは朝とはちょっと顔ぶれが違う大勢の人数が押し寄せ、町の名物になっていた。ちなみに、童貞は喪失している。きもちよくなかったしたたなかった。

ある日、テレビ局がやってきた。「世界一モテる男の子特集」を組むというらしくうちに取材に来ていた。母親はなぜか喜んで承諾したようで、俺の胃が痛くなった。全力で拒否したいところだけど、あれよあれよと言う間に特番放送された。

視聴率53%。それがその放送の結果だった。小学4年生の秋のことである。

放送後すぐさま家に火が放たれた。これには俺も予想していなくてびっくり。俺のせいで離婚されてとち狂った男が放ったものだったらしい。なんでもラブラブしながら一緒にテレビを見てたら「私この男の子のこと好きになっちゃった。もう何が何でも手に入れたい……あ、あんたとは離婚ね」と言われて家を出て行かれたらしい。そんなことが供述されて全世界で爆笑ニュースとして取り上げられた。俺も他人だったら爆笑していただろうが、自分のことなので全然笑えない。腰を振りながら、そんなことを考えていた。200人目だった。

その後世界中で俺のことが取り上げられたことで、俺の存在そのものが核兵器の威力を遥かに上回る戦略兵器とされた。そして大体の国で俺の映像・写真に対して規制がかけられた。人体実験も一時されかけられたが、世論の強い反対により却下された。

そうして一時的にだが平和は訪れた。俺は永久に海外に行くことができなくなった代わりに、俺の写真を撮ることや映像を撮ることは犯罪になって、これ以上「被害」(被害とは失礼な)が広がることはなくなった。まぁそれでも裏では出回って高値で取引されているという噂があるが。

最近の世論調査では、日本での離婚率は99.9%、婚姻率は0.00%、犯罪率は39.6%(犯罪件数/人口)まで高まり、日本は一気に3等国に落ちた。少子化が行き着くところまで来て絶滅寸前である。今年の出生人数は1490人であり、うち457人が俺の子供である。生まれた彼らは特殊な施設に収容され、その中で男以外が生涯俺の顔を見ることはない。ちなみに前年の出生人数が8541人だったことから顧みるとものすごい速度で減っていることが分かる。男女比等はとくに変わりない様子。

中学校に入学する。周りはほとんど女子である。普通の公立中学だったが、あまりにも引っ越してきた人たちが多かったし、わがまま一人娘を持つ金持ち家族がこぞってこの町に転入してきたため、子供が男しかいない貧乏な家庭は消え失せた。

町はいつのまにか市に昇格していた。

中学に入ると周りはだいぶなりを潜め、普通のエロゲ時空のような状態となった。ヒロインは学校の全区画に存在するんだけど。

おはようのキスが当たり前の世界。男子も一応通ってはいるが、俺と相容れることはない。最近では男はホモになる傾向が150%というらしい。一度嫌になってホモになりやっぱりこんなんじゃダメだ俺は女が好きなんだと思い直した後俺のモテ具合を視界に入れてまたホモになる確率が50%という意味である。残りの50%は海外に逃亡する。

日本で唯一の純ヘテロは俺しかいないというのだから驚きである。

卒業までに俺は1万人切りを達成した。性病に掛かっていた。

俺が性病にかかったことは嫉妬に狂った男性記者が無理矢理ニュースにして(もちろん顔は伏せられた)世界中を沸かせた。

どこのどいつとも知れぬ輩から「ざwwwwwまwwwwwあwwwww」だの「おめでとうございます」だののメールや、「こwwのwwwたびwwwはwwwwご愁傷様wwwwでしwwたwww」なんていう電報まで届いた。さすがに泣きたくなったが学校では特に何事もなかった。いや、何事もなかったわけではないが、俺に何か言おうとした男は全て女たちに殲滅されていただけだ。

twitterはこの日、最高ツイート数を記録した。

むしろ今まで性病にはかなり気を使っていたが、1万人もやってならなかったことに褒めてほしかった。

運の悪いことに、この性病は現在では不治の病であった。エイズである。

直ちに発症することはないが、長い間潜伏し、死ぬ可能性が高い病気だ。まぁ人生こんなこともあるだろう。俺は痛くなければ別にいいのだからどうせ最期は安楽死で死ぬことに決めている。死期が早まっただけで大した問題ではないのだ。

高校に入って数日はやっぱりエイズだしセックスなんてしたらダメだよなと思っていたが誘惑にあっさり負けた。むしろ数日の禁欲のせいで今まで以上に激しかった気がする。5分ごとに女の子が入れ替わってセックスする日もあった。1日で120人と性交だなんてまさに誰にも越せないワールドレコードではないだろうか。翌日以降は使い物にならなくなったポークビッツで激痛に耐える日々だったが。
(※註 ヤりすぎると痛くなります)

高校生活を無為に過ごし、うまいもん食ってただぐうたら生きていた。それが俺の望みだったとは言え、なんとも空しい気持ちになってきたある日、なんと宇宙船が発見されたらしい。

テレビを見ると宇宙船からは人類と同じ形態の宇宙人が現れ、その宇宙人は俺のことが好きなので、違う星系から会いに来ましたということだと。2万光年走るのに10年もかかっちゃったと言って姿を消し、一瞬で俺の目の前までテレポートしてきたのか、抱き着いてきた。そして、

「わ、わお。ぐ、ぐうぜんだね。ちょうどネゲレタル星系に行く途中だったのにあなたとぶつかるだなんて……もしかして……天命なのかな」

とのたまっておられる。なにをいってるんだこいつは。

唖然としている間に「さぁわたしと一緒にハネムーンだよ!」と拉致された。地球よさらば。

話を聞くとどうやらこの宇宙人、種族はネコから進化した人間で、性別は『7』らしく、普通は『3』や『6』と結婚するらしいのだが、軍の任務で太陽系を監視していたところ俺を発見し、一目惚れしてしまったらしい。何がなんだかさっぱりわからないが、とりあえず拉致するのはやめてほしかった。こんなのでも俺の母星なのだからやっぱり愛着はあるのだ。

「私の考えるところによると、性別『2』はあなたと同じ性別『男』にあたるから、たぶん『2』だけは安心だと思うの。だから『2』の母星で私と永遠に暮らしましょう!!」

そう言って、いろいろなところを案内してくれる宇宙人。エイズはもらった薬飲んだら治った。

『2』の母星で数年暮らしていると(この時期はこの宇宙人の味にやや食傷気味だった。何万人とやった俺が一途になることは絶対にあり得なかった)やたらでかい宇宙船がやってきて俺の視界を覆った。

「その男を解放しなさい! それはフンダラナントカ帝国の皇帝様のものとなりました! それに私のものでもあります。」

「あ、あれは……銀河系を3個束ねる帝国であるフンダラナントカ帝国の母船……どうしようゆうくん……わたしどうしたらいいの……」

「いままで楽しかったよ」

「ゆーうーくーんー!!!!」

そして俺は帝国の『皇妃』となった。皇帝の種族はケイ素人間。性別は『P-1002x』であった。このころになるとなんかもう可愛い人とヤれればいいやって思考になっていて、もはや快楽しか俺の頭になかった。

皇帝が俺を臣民に紹介したせいで、帝国は荒れた。あんたなんか死ねばいいのよ!!と言われながら俺は性別『男』のケイ素人間に最期は10徳ナイフで刺されて死んだ。すごく痛かった。やっぱり痛いのはダメだと思った。



ガバッ!!

「なんだ夢か……」

「あ、ゆうくんやっと起きたの? お寝坊さんだね。もう。明日から20歳なんだからちゃんと起きなきゃダメだよ。あ、ママこれからお仕事だからしっかりお留守番しててね。いってきますのちゅー!」

床に横たわる元ナースのベビーシッターの死体は腐乱の状態を通り越して骨になっていた。

今日も彼は手錠で繋がれて外に出られない。



HAPPY END


――――――――
追記

校正わず


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