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No.32229の一覧
[0] 【ネタ短編連作・完結】マンドレイク・フォレストキング【植物モンスター&オーク鬼】[へびさんマン](2013/01/13 18:41)
[1] 竜とオーク鬼[へびさんマン](2012/04/08 16:23)
[2] 土の魔法戦士とオーク鬼[へびさんマン](2012/04/21 13:02)
[3] スライムと女斥候とオーク鬼[へびさんマン](2012/06/27 23:54)
[4] マ薬工場とオーク鬼[へびさんマン](2012/06/27 23:53)
[5] 新大陸とオーク鬼[へびさんマン](2012/07/09 19:41)
[6] ラストマンとオーク鬼(後半に加筆_2013.10.10)[へびさんマン](2013/10/10 11:28)
[7] スノーボールアースとオーク鬼。そして――【最終話】[へびさんマン](2013/02/22 17:48)
[8] 【世界観継承の続編予告的な何か】 オーバード事件 @地球[へびさんマン](2013/10/10 11:37)
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[32229] 【世界観継承の続編予告的な何か】 オーバード事件 @地球
Name: へびさんマン◆29ccac37 ID:a6a7b38f 前を表示する
Date: 2013/10/10 11:37
※構想中の次回作の触りというか、世界観設定というか、そんな感じです。今回の内容は予告なく変更したり、あるいは削除する可能性があります。次回作の投稿時期も未定です……。他に連載中の二次創作も続き書かなきゃいけませんが、ひとまずこちらをアウトプットしておきます。
あと、『7.ラストマンとオーク鬼』の後半部分を加筆していますのでそちらも良ければご覧ください(←むしろこちらのお知らせがメインです)。2013.10.10


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 時は西暦20XX年、世界は激変に見舞われた。

 それは『魔力の発見』によるものであり、つまりは後に『オーバード事件』とも呼称される非常にエポックメイキングな出来事のためであった。

 『オーバード事件』。
 知恵ある植物である『夢海(ゆめみ)教授の蔓サボテン』の誕生に端を発した、新たな物理法則と新たな素粒子の発見のことであり、文字通りに全世界を揺るがした事件である。
 いや、発見というのは正しくないだろう、発見とは、今までそこにあったのに気づけなかったものに対して使うべき言葉なのだから。

 その意味でこれは、『発見』ではなく、『誕生』と呼ぶべき事態だった。
 つまり新たな世界法則が、その時にまさしく『誕生』したのであった。

 魔力とそれに伴う諸法則は、ある瞬間に唐突に誕生したとしか思えなかった。
 『夢海教授の蔓サボテン』が生まれた直後から、それ以前では考えられなかった現象が発生するようになったのだ。
 それは例えば、通常ではあり得ない生態の生物の発生であり、また、超能力や魔法としか言えない特異能力を発現させる生物の出現であった。

 地球周辺を覆っていた物理法則そのものが、全く新しいものに変わってしまったとしか考えられなかった。

 人々は混乱した。
 当然だ、今まで不変で不偏で普遍だと思われてきた物理法則が、『そうではない』、ということが明らかになったのだ。
 人類はこの時、宇宙の星々にも偏りがあるように、物理法則にも偏りがあることを、初めて知ったのだ。


 空を飛ぶ飛行機は、これまで通りに飛び続けるのか?
 水は零度で凍り、百度で沸くのか?
 鉄は水より重いままなのか?
 空気は電気を通さないのか?
 火は物を燃やすのか?
 半導体の物性は変化していないのか?

 ――いや、そんなことを気にする必要はない、だって皆、今も普通に暮らしているではないか。
 そのような主張もあった。

 だが誰も、疑念を完全に取り除くことはできない。
 今まで当たり前だったこと全てに対して、世界は検証を余儀なくされたのだ。

 だが、その混乱を救った女性が居た。

 その名を『丘咲夢海《おかざき ゆめみ》』という。
 彼女は二十を少し過ぎたばかりの若い教授であり、それまでにも天才の名を欲しいままにしていた女だ。
 その彼女のもとに現れたのが、後に『夢海教授の蔓サボテン《ウィッピー・シャボンティ》』として有名になる地球上初の『オーバード』だった。

 『オーバード』――それは超越者(オーヴァード)と夜明け歌(オーバーデュ)の二つをもじった、丘咲夢海の造語である。
 既存生物を超越した存在であり、世界の新たな夜明けを告げるもの……そういう意味合いを込めたらしい。
 vとbの区別をごちゃ混ぜにした如何にも日本人らしい造語ではあるが、その言葉は世界に受け入れられた。

 丘咲夢海は、相棒である蔓サボテン《ウィッピー・シャボンティ》からヒアリングした話を論文としてまとめた。
 そう、蔓サボテン《ウィッピー・シャボンティ》はなんと、人間と意思を交わすことが出来るのだ。
 意思ある植物。考える葦ならぬ、思索するサボテン。そんなものは、これまでの常識ではありえなかった。
 だが――『ユメミの血を受けて生まれたんだから、それは当然』と、当のウィッピー・シャボンティは嘯いたという。

 そしてそのウィッピー・シャボンティは、自らの来歴を語った。

 『自分は遥か宇宙の果てにてその生命を謳歌した偉大な森王の遺志を継いだものである』こと。
 遥か外宇宙からの思念波を受け、さらに当代一の俊英たる丘咲夢海の血を吸ったことで、そのサボテンは目覚めたのだということ。

 さらにウィッピー・シャボンティは自らが知る、異界の諸法則についても語った。

 『新しく発現している諸法則は、かつてその森王が生きていた領域の法則であり、自分が伝播したのに引きずられて、こちらの宇宙領域に感染したのだろう』ということ。
 『既存の物理法則との競合は限定的である』こと。
 『意志の強さによって、現象の発動は左右される』こと。

 だが、ウィッピー・シャボンティにも分からないことはあるようだ。

 『この新たな諸法則についてだが、かつての森王が居た宇宙領域と全く同じだとは限らない』こと。
 『ましてや今後も諸法則が一定してかつ不変だとは限らない。むしろ過渡期にあるだろう。私のような外宇宙からの使者によって、さらなる変化が起こる可能性もある』こと。
 『今現在強烈な変化が起こったのは、私の肉体を変性させるために必要な世界法則が、優先的に付加されたためであろう』ということ。

 『今後は数百年かそれ以上の時間を掛けて、新しい魔法則がこの世界に馴染んでいくことになるだろう。世界とは存外に気が長いものなのだ』と、蔓サボテンのオーバードは語った。

 実際に丘咲夢海を通じて全世界に伝えられた彼の言葉通り、庶民の実生活に即座にかつ顕著に影響するレベルでの物理法則の変化は、多くの者の懸念とは裏腹に、殆ど顕れなかった。(人間のオーバードも現れたので、全く影響がなかった訳ではない)
 そして彼女は、異界の諸法則――魔法則が生み出す、既存の物理にそぐわぬものについて、一旦すべてを『魔力』や『魔素』と定義した。

 物理学者は魔法則の検証と発見に追われ、化学者は魔力や魔素と既存物質の関係の解明に躍起になり、生物学者はオーバードという未知の形態の生物の研究に首っ引きになったりしたが――、
 丘咲夢海の発表の後、世界は一応の落ち着きを見せた。


 オーバード事件直後、彼女とその相棒たるウィッピー・シャボンティは、中東の沙漠を緑化する事業に従事した。
 『殖えて蔓延り地に満ちる』、それが最初のオーバードである蔓サボテンの唯一にして最大の望みなのだ。それはウィッピー・シャボンティの前身である外宇宙の森王の悲願でもあり、森王は惑星の枠を超えて、思念波の形で自らの形質を伝播させて全宇宙にウィッピー・シャボンティのような子孫を殖やしているのだという。
 紆余曲折の末であるが、丘咲夢海は中東の砂漠地帯の緑化に従事しつつ、相棒の蔓サボテンから異界の知識を吸収することになったのだった。


 ――人類はこの時まだ、オーバードの力を甘く見ていた。
 かつて彼方で惑星を席巻し、宇宙に飛び出し、あまつさえはるかに離れた地球まで魔法則を手弁当で携えてまで伝播するほどの、そんなにも強大なオーバードの力を見誤った。
 この時に滅ぼしておけばよかったのだ! 外宇宙の森王の末裔など! そうすればあるいは、これ以上の魔法則の侵蝕も、この後の事件も、防げたかもしれないのに!

 しかし残念ながら、人類が彼らオーバードの脅威を認識するのは数年後のことであり、その頃にはこの始まりのオーバードは、手を付けられないほどに大きくなっていたのだ。
 その時にはもはや、誰も彼らの居場所を沙漠とは呼べないほどに、かつての中東の沙漠は植物に満ちた場所になっていた。その全てが、ウィッピー・シャボンティなるただ一体のオーバードの肉体であり、支配領域でもあるのだ。
 せめてもの救いは、丘咲夢海の尽力によって蔓サボテンの植物王と彼女の間では友好的な関係が築けていたことであろうか。蔓サボテンのオーバードは、人類の敵には回らないだろう――少なくとも丘咲夢海が存命の間は、だが。それ以降のことは、今はまだ誰にも分からない。

 まあここでは彼らについては、これ以上は触れるまい。
 それはまたの機会にするとしよう。

 さておき何が言いたいかというと、『オーバード事件』を契機に人類は純粋科学文明から、魔導科学文明へと足を踏み出したのだということだ。


  ◆◇◆


 そして激変する世界のうねりは、オーバード事件から十数年後の、太平洋に作られた人工海上都市へと集束する。
 公海上に企業連合の手によって作られたそこでは、各国の法が及ばないことを良いことに、荒唐無稽な計画が進められていた。

 それは――神を造ろうという計画だ。

 ウィッピー・シャボンティという強大な植物の庇護があれば、人類は繁栄を謳歌できるだろう。
 かつての彼方の惑星で森王と共生したオーク鬼たちのように。
 神の如き植物の王を崇めて生きるそんな未来だ。

 だが、そのようにウィッピー・シャボンティの顔色を窺って生きるような未来を良しとせずに危惧する勢力も、当然ながら存在する。
 従属を良しとせず、対等を目指し――いや、『人類が霊長の座から引きずり降ろされるなど認められるものか! 世界を支配するのは我々だ!』と気焔を上げる者たちが居たのだ。

 であるからこその、造神計画。

 オーバードに対する相互確証破壊。
 目には目を、歯には歯を、戦略核には戦略核を――そして強大なオーバードには、オーバードを。
 均衡状態を生み出すためには、神の如く強力なウィッピー・シャボンティに対して、同じく神の如く強大な人類の守護者を用意するしか無い。

 海上都市という箱庭で、人類の極秘計画が動き出す。

 造神計画『プロジェクト・エニアグラム』――始動。
 海上都市で渦巻く陰謀は、海よりも深く、暗い。


=====================


次回作『海上都市のエニアグラム』(仮題)。

『――『プロジェクト・エニアグラム』あるいは『九芒星計画』。
 それは選ばれた九人のオーバードの乙女たちを競い合わせて、神の如く強力な人類の守護者に至らせるという計画である。
 海上都市という箱庭で、知ってか知らずか『計画』に巻き込まれていく乙女たち。
 彼女たちは、神へと至れるのか。
 それともその運命に抗うのか。
 あるいは――盤外から来た何者かが、全てをひっくり返してしまうのか。
 さあ彼女らの運命やいかに!』

みたいな感じで次回作を考えています。
第二部でがらっと雰囲気が変わるのは、私が書いた他のSSでもありましたね。

舞台は『スノーボールアースとオーク鬼』の最後で出てきた、地球です。サボテンが急成長し始めたというアレです。アレの十数年後の世界観です。近未来サイエンス・ファンタジーです。

そして、今度は人類側メインです。
植物とかモンスターとか神話生物チックなアレコレもやっぱり出ますが、あんまりメインにはならないかも。
カッコ可愛いヒロインたちを書く練習をせねばな、ということで、9人ほど女性キャラを出さざるをえない設定にしています。
――私が書く話だと今の時点から既に、そのヒロインたちが人外化して怪獣大戦争を始める悪い予感しかしないのですが、それは。
……まあ、多分なんとかなるでしょう。おそらく、きっと。
嘘予告にならないように気をつけます。

初投稿 2013.10.10


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