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No.32038の一覧
[0] 【習作】零の飛空士 (ゼロ魔×架空戦記) 新話投稿[蒼龍](2013/02/18 13:29)
[1] プロローグ とあるアメリカ兵が見た光景[蒼龍](2012/03/16 09:43)
[2] ここは?[蒼龍](2012/03/16 06:46)
[3] 誓い[蒼龍](2012/03/16 10:50)
[4] 霞ヶ浦飛行場[蒼龍](2012/03/16 21:11)
[5] 訓練[蒼龍](2012/03/16 09:53)
[6] 空の侍[蒼龍](2012/03/17 22:54)
[7] 初陣[蒼龍](2012/03/16 10:32)
[8] 出会い[蒼龍](2012/03/16 21:14)
[9] 零の初陣[蒼龍](2012/03/16 10:04)
[10] 奥地[蒼龍](2012/03/16 21:27)
[11] 開戦準備[蒼龍](2012/03/16 21:18)
[12] 開戦[蒼龍](2012/03/16 10:18)
[13] 進撃[蒼龍](2012/03/16 10:42)
[21] 本土空襲[蒼龍](2012/03/16 21:33)
[22] 次期作戦へ[蒼龍](2012/03/16 07:45)
[23] ミッドウェー海戦 開幕[蒼龍](2012/03/16 21:42)
[24] ミッドウェー海戦 運命[蒼龍](2012/03/16 21:55)
[25] ミッドウェー海戦 龍の反撃[蒼龍](2012/03/16 22:02)
[26] ミッドウェー海戦 龍力尽きる時[蒼龍](2012/03/16 22:11)
[27] ミッドウェー海戦の後始末[蒼龍](2012/03/20 15:29)
[28] 渡洋[蒼龍](2012/03/16 11:00)
[29] 渡洋 終わり[蒼龍](2012/03/17 22:57)
[30] ガダルカナルの戦い 開幕[蒼龍](2012/03/17 23:01)
[31] ガダルカナルの戦い 攻撃開始[蒼龍](2012/03/17 23:08)
[32] ガダルカナルの戦い 空襲[蒼龍](2012/03/17 23:13)
[33] ガダルカナルの戦い 終わり[蒼龍](2012/03/17 23:17)
[34] 悪夢 (グロ表現注意)[蒼龍](2012/03/20 10:13)
[35] 不安の影[蒼龍](2012/03/16 08:05)
[36] 油断[蒼龍](2012/03/17 23:20)
[37] 堕ちる[蒼龍](2012/03/17 23:22)
[38] 外伝 爆龍隊始動[蒼龍](2012/03/20 10:20)
[39] 外伝 爆龍隊の長い一日 前編[蒼龍](2012/03/20 10:30)
[40] 外伝 爆龍隊の長い一日 後編[蒼龍](2012/03/20 10:38)
[41] 外伝 ガダルカナルの結末[蒼龍](2012/03/20 10:42)
[42] 内地[蒼龍](2012/03/20 10:46)
[43] お見合い[蒼龍](2012/03/20 10:58)
[44] 教官[蒼龍](2012/03/20 13:08)
[45] 地獄への航路[蒼龍](2012/03/20 13:12)
[46] ただいま 相棒[蒼龍](2012/03/20 13:15)
[47] 幽鬼な男[蒼龍](2012/03/21 19:17)
[48] 杉田庄一[蒼龍](2013/02/18 13:27)
[49] 超外伝 才人がストライクウィッチーズの世界に突っ込まれたらこうなる[蒼龍](2012/04/30 23:02)
[50] 零のウィッチーズ 1[蒼龍](2012/07/04 18:13)
[51] 零のウィッチーズ 2―初飛行―[蒼龍](2012/07/04 18:19)
[52] 零のウィッチーズ 3―約束―[蒼龍](2012/07/04 18:28)
[53] 零のウィッチーズ 4―私にできること―[蒼龍](2012/07/04 18:38)
[54] 零のウィッチーズ 5-自己紹介ー[蒼龍](2012/07/16 22:08)
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[32038] 杉田庄一
Name: 蒼龍◆fbabc090 ID:a9e5d299 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/02/18 13:27
始まりは、今年4月に行われたい号作戦であるという。

い号作戦とは、日々ソロモンで強まってくる連合軍の圧力を打開するために
基地航空隊と機動艦隊の艦載機を用いて行われた航空作戦である。


機動艦隊の艦載機が、陸揚げされてラバウルで基地航空隊と共同し
連合軍に向かって一斉に攻撃した


と書けば聞こえは良いが、彼らの合同訓練を行わずに強行した為に
それぞれ別行動を余儀なくされ、戦果はそれほど上がらなかったとされる。


問題は、い号作戦終盤にあった。


連合艦隊司令長官山本五十六大将は、い号作戦開始時からラバウルにて直接指揮を行い
出撃者を見送っていた。

そして、最前線基地であるブーゲンヒルでの視察の予定が立てられた。

護衛戦闘機はたった6機であった。


周りにいた者は、口々に「護衛の零戦の数が少なすぎる」「前線での安全は確保されてないので視察を止めてください」というが、

山本大将は彼らの懸念を杞憂だと笑い、護衛の零戦もい号作戦の参加者が多く、
疲労しているものが多いのでこれ以上はいらないという。


こうも言われては、引き下がるほかなかった・・・・・。




しかし、彼らの懸念は最悪の形で当たってしまう。


――――4月18日

2機の陸攻と6機の零戦は、ラバウルを出発しブーゲンヒルへと向かう。


行路は、何事もなく晴天であった。


もうすぐ、飛行場に降りようかという時に事態は変化した。





護衛の零戦は、慌てるかのように増槽を捨て陸攻の機銃座が慌しく旋回する。


そんな彼らの上から、大きな影が覆う。



その影のロッキードP-38であった。

P―38は、液冷エンジン・双発双胴という、珍しい機体構造をしており、
排気タービン過給機を採用していて高高度性能はよかった。

最大速度がL型で667km、20m機関砲×1、12.7m機関銃×4を機首に
集中配備させていて、重火力であった。

また、第二次世界大戦の陸軍のエースパイロット、ボングとマクガイアがいるが
彼らは、P-38のパイロットでそれぞれ1位・2位を占めていた。

日本では、ペロハチというありがたくないあだ名を付けられたが大戦末期には疾風と
空戦し勝利する事例もあった


このようにP-38は油断ならない戦闘機であることがわかる。



戦後になって、初めて知らされたことだが、アメリカ軍はこの時期
ほぼ完璧に日本軍の暗号解読に成功しており、その暗号から山本五十六大将の
前線視察をキャッチし、待ち伏せされたということだ。

間抜けなことに、日本海軍は終戦までに暗号解読されたことに気づくことはなかった。



P―38は、16機を率いて慌てる彼らに襲い掛かった。

一方零戦達は、日本軍勢力圏内であったので、ここまで来ないだろうなという
油断があったので一泊遅れた。



空戦の結果、護衛の零戦達はP-38を6機撃墜させるが、最も重要な任務である
連合艦隊司令部の護衛は失敗に終わる。


陸攻が2機とも撃墜されて、生存者は2番機に乗っていた宇垣参謀長以下3名という有様で、山本大将が乗っていた1番機は総員戦死した。


皮肉にも、護衛の零戦6機は1機も被撃墜機は出なかった。




海軍上層部は大いに荒れに荒れた。


安全だったはずの後方戦域で撃墜された上に、連合艦隊司令部の人員の大半が戦死したものだから、その衝撃は大きかった。

知らない秘密基地が出来たとか、裏切り者がいるのではないかという疑心暗鬼に
陥る者など、その混乱ぶりは凄まじかった。

後任の連合艦隊司令長官を早急に決めなければならなかった。


事件原因調査も行われたが、結果は何一つも得ることはできなかった。

アメリカ軍が徹底的に情報漏れを隠蔽したうえに、翌日にはブーゲンヒルへの通常爆撃も行われており、作戦行動の一環であるかのように日本軍に誤認させたからだ。


何一つも解決できなかった上層部は、八つ当たり気味にその責任を現場に求めたが
現場の司令部は、当時居合わせた護衛の零戦の搭乗員たちに押し付け
自分らは責任を取ることはなかった。



それから、彼らは過酷な出撃を連日のように繰り返した。
彼らの安寧の時は昼も夜も無かった。


彼らは、そんな上層部の仕打ちに腹を立てるものの誰一人たりとも死ぬものかと
誓い合ったが、運命とは残酷なものだ


まず、日高上飛曹が大空に散華した。彼は複数の戦闘機に囲まれて
空戦した末だった。


それからタガが外れたかのように、次々と戦死してゆき
7月には隊長であった森崎中尉も戦死し

とうとう、杉田が最後に残ったそうだ。




彼は、自分だけが生きていることが許されないらしく死に急いでいて
今日の空戦のように、命を削るかのような戦い方をするそうだ。









「それで、あの男は荒れているんだ」
鈴木大尉が哀しい目で見る。

連合艦隊司令官を戦死させた、責任を彼一人背負っているのだからだ・・・・。



「ま、話はこれぐらいにして、どうだ、久々の実戦は?」
「ええ、カンが鈍っているかと心配していましたが大丈夫で何よりです」
「そりゃ良かった。ラバウルはガダルカナル以上に、お客さんはたくさん来てくれるぞ」
「物騒な、お客さんですね」

二人して、はっはっはっはっはと笑うと宿舎へと移動する。









――――夜

日がとっぷりと暮れ、周りのヤシ林から、鳥の鳴き声が聞こえてくる。

その暗闇の中、2人の人影が飛行場に立っていた。

人影は、才人と杉田であった。

「で、ここまで呼んできて、俺に何の用事でしょうか?少尉さんよ」
やさぐれているのか、口調がどことなく馴れ馴れしい


やがて、才人は口を開く
「単刀直入で言う。お前、海軍航空隊を辞めろ」


「―――っ!」
息を呑む杉田。


「お前の戦い方は、いつか死ぬぞ」
「だから、何です!?あなたには関係ない話でしょう!」
「関係あるさ」


才人は言葉を切り、睨みつけながら言う


「お前がこのまま戦い続けたら、周りに迷惑を懸ける。それも死と言う形で
払わされるんだぞ。お前一人の為に周りが死なれたら困るんでな」


才人はため息つきたそうに言う


「お前の独りよがりに周りは付き合って入られんだよ。お前一人で死にたければ
周りに迷惑をかけない方法で死ねば?」
「・・・なたに・・・る・・・」


そこまで言った時、杉田が低い声で何かを言い始めた。
それに気付いた才人は黙る


「・・・たに・・・あなたに何が分かる!」
杉田は突然激高した


「山本長官を守れなかったあの日から俺達は後悔しないできたと思っているのか!」
あの日の壮絶な後悔


「上層部は本気で守れたと考えたのか!本気で襲われないと思ったのか!」
容赦ない罵詈雑言を浴びせられた日々


「山本長官の弔い合戦も考えた!」
燃え上がる復讐心

それなのに

「俺達に死ねというような出撃!」
毎日、休みを与える暇も無く出撃した


「みんな・・・皆死んだんだぞ!」
一人一人櫛の歯が欠けるように戦死して逝った。


「森崎中尉も・・・辻さんも・・・日高さんも・・・
皆・・・皆・・・死んじまったんですよ・・・・」
思い浮かべるはあの日、たった6人で護衛した人達

それが、杉田を除いて皆戦死してしまった。


「うおおおおおお!!!!」
そこまで語ったのが限界なのか男泣きをする杉田。



辺りは、杉田の泣き声以外は何も聞こえない・・・・


やがて、才人の口が開かれる
「杉田、山本長官の弔いを本気で考えているなら」
才人は一端言葉を切り、杉田の目を見るように言う




「生きろ!何があっても生きろ!」
「――――!」
その言葉に驚かされたのか、目も見開く杉田

それを無視し、才人は質問する
「なあ、杉田。この戦争はどうなると思う?」
「え?えっと・・・・日本が勝つと思います」
「違う」
その言葉にはっきりと否定する。

才人に脳裏に浮かぶは、歴史の授業で習った、空襲で丸焼けとなった日本
そして、道端に無造作に転がる死体・・・・

才人は、それを回避するために戦い続けたが、日本が勝つ所が日々悪くなっているのを
実感していた。

「いまでこそ、何とか拮抗しているが、いつしか破られる。その後はズルズルと
日本は負け続け、日本中あちこちで大量の爆撃機によって、焼け野原にされるだろうな」
「そんな・・・馬鹿な!」
杉田は、否定するかのように叫ぶ


「日本が負ける?そんな馬鹿な事あるわけがない!」
「なら杉田。今ここでは勝っているのか?今日はたまたま勝利することが出来た。
だが、俺達の誰かが死んだり、負傷したりしたら、その補充はすぐできるのか?
すごく時間がかかるだろう。それに対して敵はすぐさま補充ができる。
つまり、同じ土俵で戦い続けたら徐々に消耗戦になり、俺達は負けてしまう。
どうあがいても、日本が今すぐ降伏しない限り、日本が焼け野原になる事は避けられないだろうな」
「・・・な・・なら!俺はどうすればいいんだ!日本が破滅の未来を歩むことを止められないなら、俺が戦い続ける意味があるのか!」
「そこだ」

才人はもったいぶるかのように言う

「杉田は何としてでも生きろ。泥をすすろうが、無様な戦いを見せようが、卑怯な戦いを振舞おうが生きろ。終戦までに生き続けろ」
「だから!」
「そして、日本を復興しろ」


続けて話された言葉に、息をのむ杉田。


「方法は何でもいい。教育でも商売でも技術家になるのでも良い。とにかく、日本を復興しろ。見事日本を復興させて、日本が世界No1に輝く事が出来たら、山本長官や亡くなった仲間達の最高の供養だと思わないか?」
「少尉・・・・」
杉田が呆けたかのように言う



才人は、話は終わったと言わんばかりに背を向き、兵舎へと歩きながら言う。
「とにかく、命は粗末にするな」














この後の杉田庄一


数日後に撃墜され、大やけどを負うも辛うじて生還する。


内地に送還され、治療に専念し、教官を経て実戦部隊に復帰する



パラオ・フィリピン諸島などの激戦地を歴戦しながらも生還する。


司令部より、特攻出撃の命令が出るも杉田が「否!」と拒否し大喧嘩に発展したこともあった。


その後は、横浜空の試製雷電改のテストパイロットとなり
まもなく334空に転属命令が出される。


その部隊で、大胆な空戦をとりながらも、自分と部下の命を守るという慎重な戦いぶりを見せつける


ある日、敵機動艦隊の空襲が迫った時に司令部から上がれという命令に対し
間に合わないと判断し、部下と共に防空壕に入った


結果的に杉田の判断が正しかったが、司令部の長官は なぜ!すぐさま上がらなかった!と、杉田の判断をなじるかのように言った時、杉田は あなたは犬死させるつもりですか!と怒鳴り返した。

結局その喧嘩が元で、地方の航空部隊に飛ばされ、その地で終戦を迎えた。



杉田は、復員した後に、すぐさまに行った行動は人員集めであった。
焼け野原になった日本を再興させる!という理念のもと、元仲間や部下などを中心に電気技術の会社を興す。


最初の数年は、なかなか軌道は乗らなかったがテレビの改良が大当たりし、
そこから会社が大きくなり、世界中から注文が来るほどとなった。

杉田は、その過程で社長となり、儲かったお金で孤児の為に孤児院を立てたり
教育を支援するなど、日本の為になる事を奉仕続けた。


「もし、あの時に平賀少尉に出会わなければ、私はとっくに死んでいたでしょうね
あの人は、私の恩人ですよ。」
戦後30周年のインタビューの会話より


晩年の杉田庄一は自分の伝記を書いた。その本は山本五十六元帥の最期の模様を書いた本として大ヒットし、印税で儲かった資金は、世界中で貧困にあえぐ人たちのために寄付し続けたという。


1994年、胃がんで亡くなる。享年70歳であった・・・・・



あとがき

お待たせしました。楽しみにしていただいた方々遅れて申しわけありません。

やはり、説得力のある語りを作るのは難しいですね。

ここを乗り越えればサクサク進むことができるでしょう。

一言感想意見をお願いします。


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