※これは言ってしまえばまどかがマリィポジになるようなものです。いろいろと設定に矛盾が見えるかもしれませんが、ご容赦を。
たった一人の少女から生まれた魔女によって地球から命が消えていく。
そして、ただ一人、彼だけはその光景を見て息をつく。幾度見ても飽きないその光景を。
「美しい、やはり素晴らしいなその魂」
大丈夫、大丈夫だよ。怖くない。みんな私が抱き締めるから。私がみんなを愛してあげるから。
分け隔てない愛、抱き締めたいという思い。
いつかどこかで見た覚えのあるその渇望。だが、その美しさは変わらない。
その宝石の輝きを理解できない愚者どもに絶望に突き落とされ、歪め、貶められても欠片もくすまない。
その輝きに彼は魅了されていた。
「その思い、私の胸すらも打つ」
ああ、だが悲しいかなそれでも彼女は足らない。至らない。
所詮は魂の、心の本当の意義も価値すらも知らないものたちの作り上げられたシステム。
そんな型に嵌められては息苦しかろう。苦しかろう。流れ出せないだろう。
「故に」
青い、どこまでも澄んだ青空の下に彼女はいた。真っ黒な法衣に、ピンクの髪を二つに纏めた彼女。
そして、彼女は己の世界にある異物に気づいて振り向いた。
そこにいるのはボロボロの外套を纏ったまるで現実感がない影法師。
「あなたに恋をした」
先に言うと、この時の彼は舞い上がっていた。まるで初心な少年のように。
結果、彼はストレートに彼女へ告白をしてしまっていた。
迂遠かつ婉曲かつ壮大で胡散臭い言い回しを好む質の彼が、ここまで率直かつ簡潔に、他に解釈のしようのないことを放ってしまった。
「あなたに跪かせていただきたい、花よ」
つまるところ彼は緊張したのだ。故に言葉の装飾が剥がされ率直な言葉を口にしてしまった。
内心では失敗したと嘆いていた。彼にとっては数少ないはずの甘苦い失敗談。
「誰、ですか?」
突然の告白よりも突然現れた彼に対しての驚きと戸惑いが今の彼女の中では大きかった。
「あなたの奴隷だよ、鹿目まどか。あなたの所有物であり、あなたの力であり、あなたの分身としてあなたを救い、あなたのお陰で幸せを得るあなたの傀儡だ。私はそのために生まれた」
その発言に余計に彼女は戸惑ってしまう。なんで、どうして?
そんな彼女の姿が余計に愛らしくて影法師はより笑みを深くする。
ああ、だから我が〇〇よ……グランギニョルを始めようか。
暁美ほむらは転校初日に戸惑っていた。
今までのループでは必ずこの学校に転校してくればまどかがいた。そして、自分が少々強引に保健室への案内を頼む。それが転校初日の儀式……だったのだが、その日はまどかは学校にいなかった。
この世界にまどかはいない? そのはずはない。
事前に調べた限りこの学校にいるのは変わらず、不本意ながら美樹さやかに尋ねたところ、
「あ~、あいつのところにいったんだろうね」
と、にやにやしながらそんな言葉を零した。
あいつ……その単語がほむらの中に引っ掛かるのだった。
まどかは急ぐ。
普段はしないような学校をさぼるなんてマネにちょっとした罪悪感とドキドキと共に急ぐ。
だって、きっと彼は自分がこんなことをするなんて想像していないだろう。自分でだってこんな大胆なことをするなんて信じられないんだから。
そして、見つけた。予想通りに勝手に早めに退院した彼を。
まどかは軽く息を吸って、
「蓮くーん!!」
彼の名前を呼んだ。
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なぜか気づくとこんなの思いついていた。
時間軸おかしくね? と後から思ったものの、あのコズミック変態は時間も空間も超える変態だから大丈夫ということで。
まどかの法衣が黒いのは魔女かの影響ということで。
反省はしている後悔はない。が、もしもこれが未知だったら嬉しいです。
あ、まどかさん最後になにかありますか?
まどか
「えっと、その……私は全てを愛しています!」
ありがとうございます。