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No.31933の一覧
[0] GANTZ 低クオリティ編  *R―15[ガツン](2012/03/27 22:25)
[1] 低クオリティ編 2[ガツン](2012/03/13 19:21)
[2] 低クオリティ編 3[ガツン](2012/03/19 00:04)
[3] 低クオリティ編 4[ガツン](2012/03/15 19:51)
[4] 低クオリティ編 5[ガツン](2012/03/19 09:11)
[5] 低クオリティ編 6[ガツン](2012/03/28 05:47)
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[31933] 低クオリティ編 3
Name: ガツン◆3adaabeb ID:fbc8b878 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/03/19 00:04
*注意!勘違い系、グロテスク
*拒否反応ある方はUターン推奨します。

*妹転送の件についてのご指摘、完璧に設定ミスです!すいません、後の章で辻褄合わせます!
*感想ありがとうございます!
















今思えば、あの野郎は他のヤツ等とは何かが違った。

一度は死んだ筈の連中は、部屋に現れた時点でみっともねえほど取り乱すだけだったが、ヤツはそう、静かだった。

叫び出すわけでもなく、混乱するわけでもなく、まるでこうなることがわかりきっていたように落ち着いていやがった。

眠りから覚めた戦士。

漫画なんか大して読んでねえオレでもそんな台詞が思い浮かんじまって、アホらしくてついニヤけちまったが。

その後、あの黒い玉を見てビビり出すヤツを見て「あぁ結局コイツも他の野郎どもと同じか」と鼻を鳴らしたが……よくよく考えてみれば、あのガキにとっても何か誤算があったのかもしれねえ。

それから先のヤツの行動は、これから何かが起きるのかわかってるヤツの動きだった。

笑うオレ達になりふり構わず準備を進めたヤツには、みっともなかろうが、生って言うもんに必死にしがみつことうする執念みてえのが見えた。

戦士の本能ってやつ、だったのかもしれねえ。

極めつけは、アレだ。

オレに向けられた冷たい目。心の底では人を人とは思ってはいない……そうだ、まるで死んだ魚を見るかのような、冷酷な瞳。

どうぞくたばれ、なんて口にしたヤツは、あたかも義理はもう果たしたと言わんばかりだった。無慈悲に死刑宣告を言う、死神みてえだった。

思わず言葉に詰まっちまった。ビビっちまったんだオレは。オレの隣にいたマサルだって同じことを感じた筈だぜ。

──あぁそうだ、ヤツには、“こうなること”がわかっていたんだ。

歴戦の戦士には、死ぬと決まった野郎の命なんて、道端に転がっている空き缶みてえに、既にどうでもいい存在だったんだろう。



「──ぶ、ぇ」



銃の力に全てを忘れて興奮しちまったオレは、宙を舞っていた。

何が起きたかなんかわからねえ。ただ首から上がねえオレの体を見つけて、ああ、と悟っちまう。

ちくしょう。

何で言ってくれなかったんだ。

何でもっとちゃんと、スーツを着ろと、簡単に首が飛んで死んじまうぞと、教えてくれなかったんだ。

ちくしょう、ちくしょう。

俺に恨みでもあったのかよ。俺が何かしたってのかよ。

ちゃんと言ってくれれば、ちゃんと伝えてくれれば、オレだって、こんな……。

ちくしょうっ……。





粗チン野郎って言って、ごめんなさい……。












GANTZ 低クオリティ編 3











もう、普通にパニくった。
まざまざと人の死を見せつけられ、暴れまくる心臓が喉から飛び出そうになる。
金髪の頭は明後日の方向に飛んで塀の向こうに消えた。残った体は噴水みたく血のシャワーを上げている。グロすぎだ。
震えが、全く治まらない
歴戦の戦士でもねーんだからこの反応は至極当然のものだろう。
むしろすぐに逃げ出そうとしないだけ立派の筈だ。



「……っ!」



参加者達は蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げる。
僕は彼等に一瞥くれる余裕もなく、前方にいる二匹のモグラ星人と対峙していた。
後ろに下がりそうになる足を全力で堪えて、ガシャコッ、と意味もなくショットガンのフォアグリップを引く。
自分をこの場に縫い止め奮い立たせるための儀式だ。ちょっとカッコいい銃器の音は、少しだけ恐怖を誤魔化してくれる。

今逃げ出すのは、きっと駄目だ。
狩られる側に回った瞬間、いつ襲われるかわからない恐怖に苛まれ続け、気を緩めたところで所で、グシャと不意打ち。
そんなビジョンが軽く想像できる。主に原作の流れからいって。

何より、最初の一匹は仕留めたという事実が、臆病な僕にやれるのではないかというかすかな希望を抱かせていた。
やってやる。やってやるさ。
どうせ一時間も逃走するなんてできっこないんだ、愛しい妹と再会するためにも、ここであいつらの息の根を止めてやる。
軽く死亡フラグが立ったことに後悔しながら、僕はモグラの化物達に銃口を向けた。



「!?」



しかし引鉄を引く直前、モグラ星人達は無言で地中へともぐり始めた。
またもや直立体勢のまま。色んな法則を無視して地面へ消えていく星人に、面食らった僕の対処は遅れてしまう。
慌ててトリガーを引いた時には、静まり返った空間しか残っていなかった。



「ちょっ……!?」



ギョーン……ドゴンッ、とタイムラグを経て粉砕する舗装道路を尻目に、僕は動転しながら周囲を見回す。
あのモグラども、下から僕に襲いかかる気か? さっき金髪を殺ったみたいに?
ちっぽけな自信はすぐに後悔へと変容した。足がみっともなくガクガクと震動する。
ばっ、ばっ、と何度も体の向きを変えながら、僕はショットガンを地面に構える。なんて滑稽なダンス。
こんな絵を漫画で読んでいれば、「あーあ、死んだな」と、間違いなく思うだろうモブキャラの惨殺シーンだ。
ふ・ざ・け・ん・な。



(待てっ、待てよ……)



息を吐くばかりで碌に酸素を取り込めない中、僕は金髪が殺された時のことを思い出す。
音もなく背後を取って、スパン。
後ろ。
後ろだ。
絶対後ろから来る。
ていうか、それしか思いつかない。



「っ!?」



道路の曲がり角、最初と同じ場所から、またモグラ星人が歩いて姿を現した。
めっちゃ既視感。僕は弾かれたように今立っている場所からダッシュする。
振り向くと、まさに二匹のモグラ星人が直立姿勢で地面から生えてくる所だった。



「な、舐めんなよ!?」



同じパターンで殺られるか!
地面へと戻り出しているモグラ達に向かって、ショットガンを二連射。
今度は間に合った筈だ。
ギョーン、ギョーンと間延びした音響をBGMにして、モグラ星人達は完璧に姿を消すが──。



「ブギョォ!?」


「グシッッ!?」



ドンッ!ドンッ! と掘られた穴から地雷が炸裂したように、肉片が打ち上がった。地中で見事爆死したらしい。
……まるでモグラ叩きだな。
ぼとっぼとっぼとっと地面へ落下してくるモグラ星人達だったものに青白くなりながら、そんな感想を抱く。そしてすぐ、思い出したように後ろを向いた。
まだ新しいモグラ星人がいた筈……。



「……おい」



増えていた。四匹ほどに。
いくつもの円らな目を全て僕に向けてくるモグラ星人達は、全く同じタイミングで地面へともぐり出す。



「無理ゲーすぎる」



今度ばかりは逃げた。
全力だった。
数が多すぎる。あそこに残り続ければまず先に精神が追い詰められるだろう。
体にフィットするガンツスーツを必死に動かし、僕は住宅街を駆け抜けた。



(うっ!?)



もしかしなくても通常以上の速度で走行し続ける僕の視界に、血を撒き散らした数々の死体が飛び込んでくる。
他の参加者達だ。
むごい、胴を真っ二つにされている人もいれば体に風穴を開けられている人もいる。
内臓とか、脳漿とか。おええぇっ。

この世のものとは思えない光景に立ちくらみ、目眩にも似た症状が頭を襲う。
ていうか、あっちの四匹以外にもまだいんのかよ。ふざけんなよ。
最初の戦闘でこの多勢はねーだろ。漫画冒頭のミッションは何だったんだよ。難易度が、難易度が。

挫けそうになる心。
原型を留めていない死体が散乱する住宅街は、僕の気力を折るのには十分な破壊力を秘めていた。
理性の許容範囲を超えた惨憺たる地獄絵図に、脳がオーバーヒートしかけた……その時。
僕はある光景を目にする。



「あ、ぃ、ゃ……い、いぁああああああああああっ!?」



女の子。
転送される前の部屋で見た、僕と同い年くらいのあの少女だ。
彼女は先程の僕と同じように、地面を見下ろしながらぶんぶんっと体を振っている。
地中にいるモグラ星人を警戒していることはすぐにわかった。パニックを引き起こしてしまっていることも。
それからすぐに、ぬおっ、という無音。

目を限界までかっ開く僕には、そんな音が聞こえたような気がした。
招き猫のポーズを取った二匹のモグラ星人が、涙を流している少女の背後へ一挙に出現する。
──や、やめんかぁ!?
スプラッタの連続に音を上げていた精神が、息を吹き返す。
少女のピンチに、僕は力を取り戻した。



「伏せろぉっ!」



言いながらホルスターの小銃を掴み、ショットガンとともに両銃を構える。
ダブルトリガー。
驚きをあらわにする少女は咄嗟にその場でしゃがみこんだ。
間髪いれず、銃撃×2。



「「ボゴァ!?」」



二匹のモグラ星人は同時に吹き飛んだ。
うおおおおおおおおおおおおおおっ、僕カッコ良くね!?



「あ、危ない!?」



いきなり女の子が叫んだ。
ちょっと自分に酔いしれていた僕ははっと肩を揺らし、なんと超反応。
まだカッコ良い僕のターンは終わっちゃいないぜ!?
そこかと見抜き、右腕を振り上げて首をガードする。



「(ブンッ!)」


「ぐはぁっ!?」



逆だった。
右ではなく左側から振るわれた長い爪は僕の首を強打する。
すげー間抜けな絵。言ってる側からカッコ悪いぃ。



「ぐっ……おぉっ!」



壁に叩きつけられた僕は引っくり返った体勢でショットガンを撃った。
モグラ星人は穴にもぐる前に爆死する。
ていうか、いかん。
うんこ漏らした。



「大丈夫ですか!?」


「……平気、だから」



助けたのに心配されてる自分はやっぱり滑稽だったけど、そんな思いをおくびにださないよう、顔を引き締めた。
いてて、という声を口内で噛み殺しながら打たれた首をさする。
痛みはあるけど、傷一つ無し。これがスーツの防御力なのか。



「……走れる?」


「あ、はいっ」


「じゃあ、逃げよう」



立ち上がった僕は彼女の手を取って走り出した。
まだ少なくても四匹残ってる。
この場に留まり続けるのは恐らく、不味い。



「他の人達は?」


「わ、私以外は、みんなっ……」


「……そう」



流れからして予想はついたけど、胸が塞がりそうになる。
口を手で押さえながら嗚咽を出すまいとしている女の子。そりゃ泣きたくもなる。
僕だって、今はこの子がいるから平気そうに強がっているだけだ。
というか、うん、アレだ。
漏らしてしまったブツの臭いはバレないだろうか……。
関係ないところに意識が逸れることで、比較的僕は心の安定を取り戻していた。



「……あ、あのっ」


「今は安全な場所に逃げよう」



聞きたいことは山ほどあるだろうけど、正直語ることは億劫だった。
まだ殺し合いは続いているのだから。
女の子の言葉に先回りして、僕は逃げることを促す。



「……私っ、東雲美月(しののめ みつき)って、言いますっ」


「……?」


「貴方のっ、名前はっ?」



頭の奥で鳴り出したピピピという電子音に冷や汗を流し、進路を転じた時だった。
少女……東雲さんは、息を切らしながらそんなことを聞いてくる。
おい、まさか、これは……ヒュー! だったりするのか?
東雲さんの瞳は潤み、熱っぽい視線を僕に送り続けている。
その上気する頬に、首だけ振り向かせながら走る僕は生唾を飲んだ。



「……木崎、彰人(あきと)」



声が震えていないか気になってしまう。
確かに、『今度の僕』は母さん譲りの可愛い顔をしている。カッコ良いとは違うかもしれないけど、印象に残らないということはないだろう。
これは自惚れていいのだろうか。
後は、まぁ、このシチュエーション……吊り橋効果か。



「……」


「……」



不幸中の幸いなんて口が裂けても言わないが、東雲さんの心にこの状況が熱い何かをもたらしたのは、恐らく間違いないだろう。
僕と彼女は走りながら互いの顔を見つめ合った。
やばい、東雲さん超可愛い。こうして改めて見るとよくわかる。
大きな瞳に柔らかそうな唇。背中まで届く濡羽色の髪は大人びた顔立ちによく合っていた。これで腰が細く胸は大きいとくるのだからたまらない。

ドクドクと心臓がうるさい。
視線を絡み合わせたまま、僕達はどちらからともなく、繋がっている手をぎゅうと握った。



「──ず」


「──え」



が。
不意に、東雲さんが変な声を、漏らした。
眼球を硬直させる彼女の腹の辺りからは、一本の、触手のような……もの、が?



「あ」



ぐいんっ、と変な力に引っ張られ、前に走る僕とは逆方向へ東雲さんは行ってしまう。
繋がっていた手が離れた。
熱かった手が、一気に冷たくなった。



「えぁ、ぅ──?」



信じられないものを見るかのように自分の胴を見下ろす東雲さん。
距離が離れたことで、僕はことの全貌を理解する。
地面から顔だけ出した、一匹のモグラ星人。そいつが鋭い牙の並ぶ醜い口をがぱっと開けて、触手……長い舌を伸ばし東雲さんの腹部を貫いていた。
彼女の体は貫かれた体勢で、足先が地面から浮いている。



「ぁ、きざっ────ぐえっ」



腹を貫いた触手はUターンして、震える手を僕に伸ばそうとした東雲さんの右胸に突き刺さる。
思い出したように腹から血が溢れ、ふくよかな右胸も出血し、その柔らかそうな唇からもまた喀血する。
今は宙をがくがくと泳ぐ手は、事実、僕に助けを求めたのだろう。
しかし僕は、時間を凍結させることしかできなかった。

やがて東雲さんの意思に反して、その細い体は軽く仰け反り、ぼこぼこと喉が鳴って蠢いたかと思うと、その唇からうねる触手が生えて────。



「ツツッ!!」



消去した。
今目に映った光景を全てデリートした。
触手に蹂躙される東雲さんも彼女の足元にできあがる黒い血溜まりもバキボキョと鳴りながら不細工にはねる細い手足もグルンと裏返る白い目玉も裂けた喉笛から勢いよく噴出する血飛沫も全部全部全部、脳ミソの中から、焼き払った。
■■さんを見上げる格好から顔を地面へ振り下ろし、僕は撃鉄を上げるようにショットガンのグリップを引き絞る。

吐き気がするほど円らな目をしている化物へ、狂ったように何度もトリガーを押し込んだ。






「────う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」



ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン



「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」



ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン



「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」



ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン、ギョーン



「は・や・くッッ、BA☆KU☆HA☆TUしろよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」



ちゅどーーーーーーーーーーーーんっ


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