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No.31933の一覧
[0] GANTZ 低クオリティ編  *R―15[ガツン](2012/03/27 22:25)
[1] 低クオリティ編 2[ガツン](2012/03/13 19:21)
[2] 低クオリティ編 3[ガツン](2012/03/19 00:04)
[3] 低クオリティ編 4[ガツン](2012/03/15 19:51)
[4] 低クオリティ編 5[ガツン](2012/03/19 09:11)
[5] 低クオリティ編 6[ガツン](2012/03/28 05:47)
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[31933] GANTZ 低クオリティ編  *R―15
Name: ガツン◆3adaabeb ID:5d48b739 次を表示する
Date: 2012/03/27 22:25
*注意!原作崩壊、現実→原作
*拒否反応ある方はUターン推奨します











いっぺん死んで赤ん坊になっていたことには、酷く驚いた。



十六年という多分短い人生を終えた僕は、気が付けば新たな人生をスタートさせていた。
俗に言う生まれ変わりというやつなのか、死というものを漠然と怖がり死後の世界というものを極力考えないようにしてきた自分にとって、この成り行きは不意打ちに近い。
や、いきなり交通事故起こされて即死を迎えたのも不意打ちには違いないけれども。

最初は混乱した。けど、新しい両親に惜しみない愛情をそそがれながら育てられていくうちに、次第に感情の動きも落ち着いていった。
生前……過去に対する何とも言えない孤独感は、今という安息に取って代わっていったのである。
ちょっと気取ってご託を並べたが、詰まる所、過去を過去のものとして割り切った『今度の僕』は、前世?の知識と経験を活かして人生を程々に満喫しているということだ。

幼稚園とか小学校とか、勉強でも運動でも周りより優れていると持て囃されるのは存外に気持ち良いものだった。前世という特典は今の所、僕の人生を快適に送らせてくれている。
でも、中学生になってそろそろ化けの皮も剥がれてくるだろうとも感じている。
子供の皮を被ったエセ高校生なんてそんなもの、成熟していく周囲の者に段々と埋もれていくに違いない。僕の絶頂期も潮時だ。




『今度の僕』が生まれた世界は『以前の僕』が生活していた世界と差異はないように思える。
少しだけ違うのは生まれた時代だろうか。
『今度の僕』はなんと昭和生まれだ。単なる生まれ変わりではなく、時も遡っているのかもしれない。驚愕ものだが。
ちなみに今は西暦1992年。21世紀のゲームや漫画を知る僕からすると、娯楽に関しては満たされない部分が多々ある。や、レトロはレトロで面白いんだけど。でも時折「パネぇ」とか口走るとめちゃくちゃ浮いちゃうんだこの時代。
平成になってようやく時代が僕に追い付いてきた云々。

知ったかの知識振りかざして「ベルリンの壁が崩壊する!」とか言ってみたかったけど、そういうのは止めといた。バタフライ効果とかなんちゃらも怖いし、『以前の僕』の知る歴史がこの世界に当てはまるかもわからない。ぶっちゃっけ、常識はずれの人間になる勇気がなかった。
自分の知る世界なのか見極めつつ、完結まで見届けることのできなかったワンピース、あの漫画の最新刊を読むことが目下僕の目標だ。というかこの世界で拝めるのかなぁ、と。
でもジャンプも刊行していればダイの大冒険なんかも絶賛連載しているからきっと大丈夫の筈。フレイザードつえええええええぇっ。

現時点では、こんなのが今の世界に対する僕の世界観。








「お兄ちゃん、お兄ちゃん」


「ん……どうしたの、ちぃちゃん?」



車の窓の外をぼんやり眺めていた僕は、妹の呼ぶ声によって思考の海から引き上げられた。
家族旅行の帰り道、父さんが運転する車は崖の上に設けられた道路を快調に走行していた。
一人っ子であった『以前の僕』とは異なって、『今度の僕』には妹がいる。
『以前の僕』との環境の違いは沢山の困惑をもたらしてくるが、同時に新鮮な感情も預けてくれる。



「お膝、貸して?」


「何をするの?」


「えへへ、膝枕!」


「よぅし、バッチこい妹よ」


「きゃー!」



妹はべらぼうに可愛い。
兄としての贔屓目が入っているかもしれないが、んなぁこたぁはどうでもいい。六つ年下の可愛い過ぎる妹は僕をシスコン化させるのに十分な存在だった。
マイラブリーエンジェルちとせちゃん。



「「あ」」


「……あ?」



膝に飛び込んでくる実妹に頬をとろけさせていると、前部席にいた父と母が声を揃えた。
何ぞやと僕が顔を上げると、視界に映るのは急カーブの先から顔を出した一台の大型トラックだった。
正面方向、衝突コースで。



「──」



見覚えのあり過ぎる光景に、僕はすぐにこの瞬間が死期だと悟った。
もう、回避できない。
よりにもよって前世と同じ末路かよ。トホホ。
バックミラーの中で恐怖に歪んだ両親の顔を捉えながら、僕は咄嗟に、膝もとの妹を庇うようにその小さな体へ覆い被さった。



「ちぃちゃん!」


「え?」



そしてトラックは僕達の乗る乗用車に激突した。
ミシャ、と後部座席にいる僕の体をあっさりと圧砕して。









まぁ、何となく思ってたんだ。
『今度』もまた助かるんじゃないかって。
助かるっていうのは語弊があるけど、また僕は何でもないように目を覚まして、人間を始められるんじゃないかって。
だから何となく落ち着いていたし、あっさりと死ぬことを受け入れちゃったし、咄嗟に妹を庇うこともできた。
小さい頃からご近所で評判だった通り、死に対してだって、僕は終始生意気のままでいた。
あぁ、でも父さんと母さんは……ちくしょう、やっぱりトラックの運転手ふざけんな。
僕の家族を返せ。
ちぃちゃんを、妹を返せ。
ていうか、ちぃちゃんは無事なのか。
くそっ……。















「……」



瞼を開けて最初に思ったことは、ああやっぱり、だった。
呼吸をしてる。
自我がある。
記憶がある。
僕は、『僕』のままだ。
ぼーっとただ視界に映るものを見ていると、やがて頭がはっきりと目覚めてくる。
僕が見ているものはフローリングの床だった。付け加えると、どうやら床に座り込んでいる姿勢らしい。

……僕は、どうなったんだ?

まだ僕は生きているのか。
それともまた生まれ変わりでもやらかしたか。
無意味に手をグーパーと開きながら顔を上げると、そこには僕のことを見つめる何人もの人達がいた。



「また来た……」


「何が起きてるんだよ……」


「生肉グロぉ」


「あの人も死んじゃったの……?」



……?
ひそひそと交わされる話の内容と、向けられている変な類の視線に、僕はきっと怪訝そうな顔を浮かべただろう。
むくりと立ち上がって周囲を見渡した。
多分、マンションの一室。
何も調度品が置かれていない空き家の状態。カーテンが開かれている窓の向こうは暗闇一色だ。今は夜なのか。
部屋にいた人達は男女大人子供バラバラだった。僕くらいの学生もいるし、白い髭を生やした爺さんもいる。一目で関わりたくないと思う柄の悪い不良らしき青年達も。何だかこっち見てニヤニヤしてるし。
僕はDQNという存在を前にすぐこの場を離れたくなった。



「君。君も、死んでしまったのかい?」


「……?」



『僕』はまだ『ちぃちゃんの実兄』であることを確認していると、近寄ってきた人の良さそうな中年男性に、そんなことを尋ねられた。
普通じゃない質問の内容に戸惑いを覚える。
僕も、僕“も”ってなんだ。この人達も死んだっていうのか。
まさか、ここには僕みたいに生まれ変わった人達が大勢……なんて少し頭を混乱させていると、不意に。
酷い、既視感に襲われた。



「…………………」



おい。
待て。
僕はこんなやり取りを知ってないか?
いや、こんなやり取りを目にしたことがないか?
具体的には、俯瞰する形で。
『紙面を見下ろす』という形で。



「……………………………………………」



僕がそんな素っ頓狂な思考に陥ったのには、一つ、致命的な原因があった。
何だか見覚えのある部屋で何だか印象のある言葉を聞いたことに加え、ソレが視界を掠めてしまったのだ。
僕と負けず劣らず混乱している人達の奥で、不気味な存在が音もなく、たたずんでいたのだ。







おい。
待て。
ふざけんな。
タイム。
ちょっとタイムだ。
これはない。
この場面は、この状況はあっちゃあならない。
僕は、ぜってー関わりたくない。



『あーたーらーしーいーあーさがきたー、きーぼーうーのあーさがー────♪』



半開きになった口から吐息が零れ落ちる。
目元は歪み、頬が電気を流されているかのように痙攣し続けた。
『僕』は初めて、血の気が引くという感覚を味わった。


「な、なにっ、何が起きてるのっ?」


「ラ、ラジオ体操の……?」


「おい、あの子、大丈夫か?」


「うっわぁ、すごい顔してるんだけど……キモ~~」


突如鳴り出した音楽に動揺する者と、僕のあまりにも普通じゃない状態に注目する者、半々に分かれた。
肌を黒人みてーに染めたギャル子がげらげらと笑う声も、今の僕にとっては些末なものでしかない。
気にする、余裕がない。

真っ黒な物体。
直径一メートルのブラックホール。
影のような球体。
黒アメちゃん。
その外見からは様々な呼称が思いつくだろうが、僕がコレを見て口にできる名前は一つだけだ。



「────GANTZ」



詰んだ。


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