寮の大浴場で行われたネギ先生を元気づける会が、ネギ先生に逆セクハラする会になってしまった。
「頭冷やせ」
桶ですくったお湯を一気に冷やしてぶちまける千雨。調整に失敗したので8℃程度まで下がってしまったが気にしない。
「つ、冷たいッ」
「千雨ちゃんどっからこんな冷水持って来たの!?」
歯止めが利かなくなりそうなのでお開きにしようとしたが、千雨の一撃で体が冷えてしまった面々から抗議の声が。
「体冷えちゃったもん!」
「5分もつかってれば温まるだろ。そしたら出てこい」
付き合いきれなくなった千雨は脱衣所に移動する。
と、そこで何やら妙な声を聞き取った千雨。
「うへへ、こりゃまたイイ感じの……」
そこにはどう考えてもエロいことを考えている様にしか見えない小動物が!
ガシッ!ボカッ!
「何モンだてめー」
「きゅ、きゅー!」
「とぼけんな」
「あ、アルベール・カモミールと申します……」
「しゃべるネズミか」
「猫妖精に並ぶ由緒正しいオコジョ妖精つかまえてネズミ呼ばわりとはなんだ!」
瞬間、千雨の周囲の温度が下がった。
「……妖精?」
「おうよ!」
さらに温度が下がる。
「……お前が?」
「何度も言わせんな!」
かつての友、仲間、そして自分自身の尊厳を守るため、千雨は動いた。
「よし、久しぶりにコールドスリープごっこするか。今回は下品なオコジョでやろう」
ようやく千雨の怒りに気が付いたカモが尋ねる。
「……あの、コールドスリープごっこって?」
「一瞬で凍らせた生き物を水に入れて戻して、それで生き返ったら成功っていう遊び」
「……殺される!」
にっこり笑った千雨が言う。
「大丈夫。カエルでは三回中二回は成功してたから」
「あの、残りの一回は……?」
「砕け散るよ」
「えっ」
「砕け散るの」
十二回やっても失敗しなかった。