修学旅行明けの日曜日、午前を幻想郷で過ごして帰ってきた千雨。昼食をとってから、勝手に維持されているちびチルノのことを学園長に相談することにした。
「制御できるようになるのが一番なんですが、まずは消さないと魔法関係をバラしまくるので……」
「確かにそれはまずいのう」
そんなわけで学園長が教師役に選んだのは、エヴァ。
「なんで私がお前に魔法を教えなければならんのだ……」
「ちびチルノ放置しとくと、またお前を追っかけまわしそうだし」
「よしわかった。速攻で一人前の魔法使いにしてやろう」
快諾してくれた。
「ところでなぜお前が、……ちびチルノを動かしているんだ? チルノが動かしてるのならわかるが」
「だから私がチルノなんだって」
エヴァの視線が生暖かい感じになったので、ちびチルノに行ってよしと命令を出す千雨。
「し、師匠には敬意をもって接しろ!」
「まだ何も教えてもらってないから尊敬できる点が……」
そんな時に茶々丸が客が来たという。やってきたのはネギと明日菜。カモも一緒だ。
「千雨さんがこちらにいると聞いて……」
チルノかなのはを紹介してほしいと頼み込んできた。
魔法使いとして弟子入りしたいとの事だが、千雨はなのはの魔法がネギたちの魔法とは違うことを知っている。チルノ(千雨)に至っては魔法すら使ってない。その辺をちゃんと説明して提案。
「私の師匠に教えてもらったらどうですか?」
「おい、そこで私を巻き込むんじゃない」
「エヴァンジェリンさんが師匠?」
「まあ、今日からですけど」
停電の時の情けない姿がネギたちの頭に浮かぶ。表情を見てそれを察知した千雨はフォローに回る。
「いやでもチルノも、エヴァンジェリンはなのはにも負けない……負け……、負けるか」
一発が核兵器級の魔法使いと一緒にするのは無理があった。
「でもまあ、すごい魔法使いだってのは学園長も言ってましたし……、なのはとかチルノは規格外なので」
結局、ネギもエヴァに弟子入りすることになった。
月曜日、千雨が相坂さよの席に八ッ橋を置いて手を合わせたら、何故か普通の人間にもさよが見えるようになった。
トコトコやってきたエヴァに耳打ちされる。
「どうもお前が供えた八つ橋に大量の魔力が溜まっていて、その魔力で一時的に見える状態になったようだ」
さよのことで大騒ぎになって、授業どころではなくなった。嬉しそうなさよをみて、毎日弁当を供えるのも悪くないかなと千雨は思った。
放課後、エヴァンジェリンによる魔法修行タイム。
魔力についての説明を受け、放出を止めてみることになった千雨。目を閉じて、魔力放出を止めるイメージ。
「……止まったか?」
「止まってない! ナチュラルに『気と魔力の合一』を成功させるな!」
頭をはたかれた千雨。どうやらちびチルノ制御にはまだまだ時間がかかりそうだ。