何とか自分への契約執行で小太郎に痛撃を与えたネギ。そこに夕映から連絡を受けて長瀬楓、龍宮真名、古菲の三人が来たので、小太郎と月読を抑えてもらい、木乃香を助けに行く事になった。
しかし小太郎との戦いは代償は大きく、もはやネギは限界。白い髪の少年を出し抜くことはできそうになかった。
「それでも、このかさんを助けないと!」
何とか木乃香が見える場所にやってきたが、そこで儀式が終わってしまった。
「……そ、そんな……」
現れたのは、巨大な鬼。千草が笑いながら、呼び出した者の説明をしてネギたちに絶望を与えようとする。
「二面四手の巨躯の大鬼『リョウメンスクナノカミ』や! これで明日来るとかいう応援も蹴散らしたる!」
そこに、雷光が奔る。
千草にぶち当たったそれは、黒い衣装に身を包んだ、明日菜たちと同年代の少女。
弾き飛ばされた千草が、少女に怒鳴る。
「な、なんや貴様!」
「……フェイト・T・ハラオウン。覚えなくていいよ。その必要は直ぐに無くなるから」
怒る千草はスクナを操り、フェイトに攻撃を加えようとする。が、軽くかわされる。
「くそっ、新入り! こいつを何とかせい!」
白髪の少年がフェイトに飛び掛かろうとしたところで、足を包む違和感に気が付く。
「これは、氷?」
「テメーの相手は私だ! 白ガキ!」
下から飛び出したチルノが少年の顎に拳をたたきこみ、そのまま少年を足止めする。
「糞、クソッ! スクナ、あのガキ共を叩き潰せっ!!」
千草の声に従い、スクナが腕を振り上げ、そしてなぜかとまる。
「……な、なんや?」
コントロールが効かない。その事実に気が付き、原因を探して、見つけた。木乃香がいたはずの場所から誰もいなくなっている。
「はやてちゃん、近衛木乃香ちゃんの救出完了しました!」
「ようやった、シャマル! ほなヴォルケンリッターは味方を拾いながら全速で避難!」
「おうっ!」
いつの間にかネギたちの周りにいた謎の人物たちが、ネギたちを掴んで逃げる。
「ちょ、え!? なんですかあなたたち!?」
ネギの疑問に答えたのは、シャマルと呼ばれた女性。
「あとで説明します! 今は全力で逃げないと、巻き込まれます!」
見ればフェイトという少女もものすごい速さであさっての方向へ飛んでいく。彼女を目で追うと、目に映ったのは、桃色に光る星。
「な、なんだあのバカみたいな魔力の塊!」
カモが絶叫する。
「いまからあれが敵にぶち込まれるんや。はよ逃げんとぶっ飛ぶでー!」
はやての言葉から、その威力を想像して顔が青ざめるネギとカモ。
「みなさん、今は逃げることだけ考えましょう!」
「なのは、あとは千雨さんだけだよ」
フェイトが魔力を収束させているなのはに声をかける。
「うん、すぐ来るよ」
なのはの肩に乗っていたちびチルノが氷を空中に放り投げて、その氷からチルノ状態の千雨が飛び出す。
「おし、準備完了」
千雨の声を聞き、なのはがうなずく。
「悪いことした人には、お仕置き! これが本当の、スターライト――」
フェイトが十字を切る。
「――ブレイカーッ!」
一瞬、世界が桃色の光に包まれる。
キノコ雲が発生し、地震が起きた。