「え? 魔法関係ってバレたら駄目なの?」
「あ、当たり前です!」
刹那から聞いて初めて知った千雨。学園長もそんなことは一言も言っていなかった。罰があるなら言ってほしいものだ。
「でも6班の中ならいいだろ?」
「え? でもザジさんは……」
「悪魔だろ? 別に悪い奴じゃないっぽいけど」
なあ、と千雨が顔を向けた方向にザジがいてコックリ肯いた。固まる刹那。
「さて、大体ウチの班長さんの意図も理解できて来たところで……」
「へ?」
「うおーぉい、こーのかー! 良かったら私たちを5班にまぜてくんねー!?」
「えうおれあうええッ!? ちょっ、長谷川さん!」
見事に狼狽する刹那。
「ええよー!」
ということで合流後、五秒後。
「わりぃ、携帯落としたみたいだ! 茶々丸探すの手伝ってくれ!」
「わかりました」
千雨と茶々丸はあさっての方向へ走り出す。
「は、長谷川さんッ! そういう事なら6班のみんなで……え? あ、あれ?」
ザジはいつの間にか消えていた。班員全員を見失った刹那は5班と行動を共にする他なかったそうな。
「ほう、のどかを告白させると」
「残念なことにまだできていないんだけどねえ」
早乙女ハルナと綾瀬夕映の二人と合流した千雨はそんな話を聞いた。
「となればパルよ、私たちがやることは決まってるな」
「ふふふ、ちうっち、話が早い」
ハルナと千雨の声がハモる。
「デバガメだ!」
ふたりはデバガメ!
二人の眼鏡がギラッと光る。
「違うでしょう! 陰ながら応援するのです!」
夕映が訂正するが、基本的にやることは変わらない。
「茶々丸、映像記録頼む」
「了解です」
ハルナと千雨がコンビを組むと暴走するのが常であった。
「というか、千雨は最近暴走に拍車がかかってるような……」
夕映のつぶやきは空に溶けて消えた。