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No.31754の一覧
[0] 【ネタ】新しい可能性のトビアさん(クロスボーンガンダム)[ひんにゅー](2012/02/28 21:53)
[1] 1話『狙われた地球』[ひんにゅー](2012/03/05 21:26)
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[31754] 【ネタ】新しい可能性のトビアさん(クロスボーンガンダム)
Name: ひんにゅー◆c31d8bf0 ID:7ca90a76 次を表示する
Date: 2012/02/28 21:53
ニュータイプという言葉がある、その定義は人それぞれの解釈があるが大雑把に言えば新しい人類の可能性が当てはまるだろう。例えば相手の動きを先読みできたり、心の機微を読み取ったり等々。無論ニュータイプであっても万能ではなく、普通の人と何ら変わりはない。だが積み重ねてきた歴史を紐解くとニュータイプは戦争に巻き込まれている、アムロ・レイやカミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタ。


彼らも初めは普通の子供だった、ある時はハロを弄くりある時はブライト・ノアにサインを求めたりある時はジャンク屋で生計を立てたりと。戦争に身を置けば才能が開花し状況は一変する、一騎当千とまではいかなくても十分な戦績を残してきた。


メインカメラがやられても挫けぬ闘志、人の想いをバイオセンサーに集め突撃。そんな彼らだからこそニュータイプは人々の希望となった、人はもっと先までいけると信じて。これはとある可能性に目覚めたニュータイプの話だ、彼が駆け抜ける宇宙世紀がどんな運命を紡ぐのか。その一幕が今、明かされる。


最も後世の人々は彼の事をこう語るだろう……


「あんな覚醒をしたニュータイプなら、まだ猿が目覚めた方がマシだ」


いい意味でも悪い意味でも彼の覚醒は人類には早すぎたのかもしれない、その名は――トビア・アロナクス。


宇宙世紀0133、木星圏。何処までも広がる宇宙の海、煌めく星を背に一隻の船が往く。地球と木星の架け橋となる航行船スマシオンだ、アナウンスによれば中継ステーションのドッキング態勢に入るらしい。それを聞いたトビアは木星のリングを見て叫ぶ。


「ついに来たぞ木星!」


――動け、ジ・オ! なぜ動かん!?


何故か脳裏に浮かんだ言葉、トビアは気にせず鑑賞を続ける。時たま聞こえるのだ、時場所問わずに何かの声が小さい頃から。故に慣れている、慣れたら負けな気もするが気にしない。


「それにしても木星か、何か危なそうな気もするけど大丈夫かな?」


――私シャリア・ブルは充分、公国のお役に立てましたものを!!


誰かは知らないが役に立ったような気がするよとトビアは声に返答した、答えは返ってこないが。過去の記録を見ても木星には何かある、そう思わざるをえないトビアだった。在学中に木星について調べてみれば、そこから出てきた男たちは戦争に関わっている。今は平和そのもの、戦争とは無縁。嫌な予感ですめばそれに越したことはない、級友達と雑談しつつステーション内で過ごす。


そして響き渡る警報、密航者の少女……宇宙海賊。


状況が動く中、胸に少女を抱きトビアはステーションから宇宙を見る。そこには光の帆をはった船があった、そこから出撃した光点はMSだろう。ステーションもまた防衛するためにMSバタラを発進させる、その光景をトビアと少女は見守るしかない。


戦況は海賊側が圧倒的だった、海賊の旧型に対しバタラが遅れをとるとは思えない。級友が悪態吐くがトビアの目は旧型ではなく漆黒のガンダムを捉えていた、旧型は牽制。本命はドクロマークをつけマントを纏う漆黒のガンダムだ、スピアらしきものでバタラを撃墜していく。


漆黒のガンダムの他にももう一機、白いガンダム。これもまた鎖のついた武装らしきものでバタラを倒していった、このままではステーション側が敗北する。白いガンダムが倒したバタラの爆発から少女を庇い皆のところへ逃がしてから、トビアは待機していたバタラを見る。


――僕が、ガンダムを一番うまく使えるんだ。


覚悟は決まった、胸に灯る勇気。トビアはバタラに乗り込む、それを見咎めた船員。


「おい貴様、パイロットじゃないな!」


「機械工学科の学生です、見ててください! 学生だって戦えるんだ」


「バカな真似は止めろ!」


船員の制止を振り切りバタラ起動、レバーを握り全点周囲モニターを見渡し敵を見つける。ガンダムだろうが無敵ではない、弱点は必ずあるはずだ。引き金を引く、ビームが発射される。それを受けたガンダムは……


――質量をもった残像だと!?


「えっ」


残像ではないがビームが命中しているにも関わらずガンダムは何事もないようにこちらへと突き進む、ヤバいとトビアは冷や汗が流れる。間近に迫る死、だが。


《飛び降りろ、コクピットをつぶすぞ》



パイロットからの通信にトビアは慌ててバタラから離れる、それを確認したガンダムはビームザンバーを突き刺しバタラを爆発させた。それを見たトビアは回りを見る、自分だけではなく他のパイロットも殺していなかった。その疑念に首をかしげるが逃げるのが先だ、逃げた先が天国だったのは笑えない。


恩師カラスの謀叛、木星帝国の影。危機を救ってくれたガンダム、そのパイロットにトビアは問いかけた。何が起こっているのかと、パイロットは答えた。


「お前のとるべき道は二つ、一つは何事もなかったかのように忘れること。そしてもう一つは、我らと共に真実に立ち向かうことだ」


――なんとぉぉっ!


「あ、あなたは?」


白いガンダムの肩に立つ海賊、煌めく宇宙。頭に響く声を余所にトビアは彼の名乗りを聞いた。


「宇宙海賊クロスボーン・バンガード! 俺の名はキンケドゥ・ナゥだ」


――今の私はクワトロ・バジーナ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない。


時に宇宙世紀0133、トビアはこうして長き闘争の運命に巻き込まれたのである。新たなニュータイプの始まりだった。




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