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No.31282の一覧
[0] 【ネタ・処女作】ブレイン・バースト・バックドア【アクセル・ワールド・オリ主】[カヱン](2012/01/22 16:43)
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[25] [カヱン](2012/03/15 14:37)
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[31282] 【ネタ・処女作】ブレイン・バースト・バックドア【アクセル・ワールド・オリ主】
Name: カヱン◆bf138b59 ID:2d9e3e18 次を表示する
Date: 2012/01/22 16:43
 初めまして、カヱンです。
 アニメが始まる前にネタ二次創作を書こうと思います。
 タイトルでわかるように能力チートのオリジナル主人公が無双します。
 すいません、ごめんなさい、という話です。

 ― ― ― ― ―

 時計アプリが示す時刻が午前零時を回っていることに気づいたが、全く眠くはない。
 日本の遥か西に位置する山岳の国境地帯を、アドレナリン全開で走っているからだ。
 左肩にきつく巻いた包帯には血が滲んでいる。5.56mm弾でえぐられた怪我の応急処置は完璧とは言いがたい。だけども、痛みは感じない。無論、モルヒネや気合いで止めているわけではない。
 それはここが限りなくリアルなバーチャルだからだ。
 身体の部分欠損とて、所詮は体力ゲージに影響する不利状態に過ぎず、ゲームキャラクターの行動を阻害することはほとんどない。ニューロリンカーには痛覚遮断機能が搭載されており、プレイヤー自身に何か苦痛となるフィードバックが来ることもない。
 そんな仮想空間のオンラインFPSでログインネーム《GK》ことコウジは今日も戦っていた。

「チッ。ラス一人のHALの野郎、なんで見つかんねーんだよ」
 悪態は量子信号に変換され、ネットワークを通じ中央サーバーで複数の言語に瞬時に翻訳され、無線機から音としてチームメンバーに届けられた。
「おいおい、あのHALだぜ? そうそう見つかんねーよ。てか、合流が先だろ」
「悔しさはわかるぜ。撃たれて見失ってるしな。それより、HALに撃たれて生き残ってるお前にビックリだよ」
 元は英語とドイツ語の発言が、プレイヤーの声を元にした日本語の合成音声で自分の耳に届けられる。

 ――《HAL》。
 プレイヤーたる傭兵が国境地帯での領土争奪戦闘に参戦する、このオンラインFPSでもっとも有名なプレイヤーの一人だ。所属は敵である同盟軍。自己申告の国籍表記は日本。ここ数ヶ月の参加戦闘の勝率は九割近い。こちらが撃つ前にハンドガンで三発撃ち込める反応速度で近中距離射撃は最強クラス。とんでもないゲームフリークである。
 対するGKは、ここ最近こそ、それなりの有名プレイヤーを狩っているとはいえ、連邦軍の新鋭プレイヤーにすぎない。
 毎日ログインするわけではなく、プレイ時間もそう長いわけではない。有名プレイヤーによくいるキチガイじみた反応速度や行動経験を持っているわけでもない。電脳孫子だとかリンカー界のクラウゼヴィッツと二つ名が付けられるほど兵法に詳しいわけでもない。
 それはチームメンバーとて同じようなものだ。こちらの生き残りの方が数は多くとも、勝算はないとされるだろう。
 でも、コウジはそんなものは小さい差だと思っていた。自分に偏見の目を向けられることはない、評価と勝利が等号で結ばれた、結果をただ賞賛する世界であれば、いくらでもやり方があるからだ。

 だから、だからこそ――「今日は勝つ」

 再び独り言が味方に届いていた。
「ああ、そろそろ連邦にも劇的な勝利が欲しいからな」
「そうさ、HALを倒すという戦」
 ブツッと無線が切れる音(切れたことを通知するための偽音だ)が装備しているヘッドセットから聞こえた。
「おい、どうしたッ!」
 呼びかけの返事はザーッというノイズだった。
 コウジはすぐさま右上に仮想的に表示されているプレイヤーリストを確認した。アメリカの国籍マークとプレイヤー名は既に戦闘不能を表す灰色の表示になっていた。リアリズムのために戦闘不能プレイヤーとは交信はできない、というルールが頭の中を駆けた。
 HALに殺られた。
 判断も直感もそう言っていた。直後、残されたもう一人の言葉が無線を通して飛び込んでくる。
「地図を確認したけどよ、奴が死んだのは普通に平地だ。事故はないな」
「だろうな……クソッ、もっと早く合流しておけば」
 コウジの焦りを聞きとったからか、ドイツ人(自己申告だけれども)の国民性からか、もう一人は落ち着いていた。
「そうだな。とりあえず、合流を急ごう。2vs1には持ち込みたい」
「了解」
 少しの動揺を落ち着けるべく短く返答した。
 直後、「あの早業、HALはマジ忍者だぜ」と相手の投げやりな言葉がこちらに届いた。
 コウジは鼻で笑ってやった。忍者であるものか。どうせ、ピザとポテチとコーラで作られたデブのひきこもりに違いない。
 だけども、例えそんな体型でダメな生活を送っていたとしても、この世界でHALがすごいのは間違いない。それが実力と結果の世界だ。そう、勝利は実力の全てだ。だからこそ、HALに勝ちたい。
 コウジは反応速度も戦術知識もあるわけじゃない。でも、この世界で戦える実力はある。少なくとも自分はそれを信じていたし、GKというプレイヤーの最近の戦績もそれで形作られていた。

 ああそうさ。ここで実力を見せつけないで、いつ見せる。
 コウジは銃をしっかりと握り直した。いや、「握り直す」行為をしてみせた。
 自分を中心に味方しか表示されない左上の位置付きマップをちょうど重なり隠すように、新しい画面が表示された。画面の名前は《オール・チャート》。表示された0%のローディングインディケータがあっという間に100%を指した。それはゲーム通信で使われている暗号を瞬間的に破ったことを示していた。
 間もなく、先程隠したのと同じレイアウトのマップ情報が表示された。そこには通常表示される味方プレイヤーの青い点の他、通常は表示されないはずの敵プレイヤーが赤い点で描画されていた。
 チートアプリだ。そういうものが作れるのが自分の「実力」である。
 こんなんなら初めっから使えばよかったぜ。と今度こそ心の中で悪態を吐いた。
 だが、表示された光点の位置は容赦なかった。もう一人の味方の青い点にそろりそろりと赤い点が近づいていた。
 チートという根拠を出して、HALが近づいている!なんて言えるわけがない。適切な忠告を送る、その少しの逡巡が命取りとなった。
「合流急ぐぞ! 敵の急襲にも気を付けろよ!」
「ああ、もちろ」
 タタンという短い銃声とドサリと体が倒れこむ音が同時に無線から聞こえた。
 右上を見た。チームメンバーのプレイヤーの名前と国籍のドイツ国旗がグレーアウトしていた。
 あっという間に1vs1に持っていかれた。
 HALは凄い。素直にそう思うしかなかった。グローバルネットの掲示板では派手な戦闘での勝利が褒め称えられるが、本来の持ち味はその高い戦闘能力に裏打ちされた奇襲や弱点を的確についたクレバーな攻撃だ。それゆえの極めて高い勝率だ。
 デブ戦士、中々やるじゃねーか。リアルを知らぬHALを勝手に想像して、心の中で侮辱半分の褒め言葉を作る。
 チートで敵位置を確認する。HALは索敵のためか左右を確認しながら、自分から遠ざかるように移動していた。
 後ろからの急襲はいける。そう判断して、注意深く森の中で間合いを一気に詰めた。

 木々の向こう側にHALの背中が見える。同時に手前の窪みに身を隠した。
 装着された手榴弾のピンを外し、右手で力を込めて握る。これもチートジェスチャーだ。最後に目視した標的に対して、最適効率で投擲を行う機能が発動する。今日お披露目の新兵器だ。
 体の感覚が無くなるのを感じる。投擲チート機能に体の操作権限を奪われる。体が自分のものではないことを認識しつつある奇妙な感覚のまま、第二の安全装置であるレバーから指は勝手に離れ、爆発のタイミングを調整するかのように数瞬の間を空けた後、しゃがんだ体勢でプロ野球の捕手並の投球モーションが実行に移される。
 瞬間、HALがこちらを振り向いたのが見えた。
 ――この一瞬でも認知すんのかよ……。
 指先から手榴弾が離れた直後、チートアプリから体の操作権限が返され、金縛りから解けたような感覚を手に入れる。投球終了の姿勢を惰性で取りながら、手榴弾が木々の隙間を全て通り抜け、奇跡のような放物線を描いているのを目で追った。避けようとしたのかHALが動く姿も目に入った。
 あれで回避が間にあうはずがない。
 コウジは投げ終わった態勢から倒れ込むように伏せた。前方で爆音が轟いた。手榴弾はおそらくドンピシャのタイミングで爆発した。
 顔も上げずに右上のプレイヤーリストをチェックした。だが、HALの名前はグレーになっていなかった。
 ――マジかよ。
 しかし、さすがにダメージは受けているはずだ。これで止めを刺せば勝ちである。急いで起き上がり銃を向けた。
 ゲーム的な演出か、過剰なぐらい煙が立ち込めていた。闇雲に撃つつもりは全くない。コウジは右小指を動かすジェスチャーを行った。位置情報を元に一番近い敵プレイヤーに対して自動照準が行われ、自分の意思とは無関係に少し銃口が左下に移動した。
 コウジは軽く引き金に力を入れた。
 下品な音が響き渡り、一瞬にして、数十発の銅メッキされた鉄芯の鉛弾がぶっ飛んでいった。
 しかし、【YOU WIN!!】というアナウンスは無い。
 弾倉は空になったが、交換して連射を続けたところで埒が明かない。様子見のために手を休めた。
 その瞬間、煙の向こうからマズルフラッシュが見えた。常時有効になっている攻撃の自動回避チートが発動した。全身の感覚が再び無くなる。自由の利かない体の中で、昔の映画にあったらしい、最短距離で銃弾を避けるための背を反らしての回避が行われつつあることを感じていた。
 体が勝手に銃弾を避け始め、自由が効かない中、コウジはHALの実力を再認識していた。さっきもこのチートが有効であったにも関わらず、自分にダメージを与えたのだ。ダメージを受けたのは自作チートのバグかと思ったが、そうではないだろう。最適な動きをしてもなお、軽傷ならば与えることができる、そんな攻撃をHALがしてきたと考えるのが自然だ。
 しかし、今のはそれに比べたら単調な五発連射だ。華麗に避けて、自分の体に力が戻る。
 先ほど、身を隠していたくぼみにバックステップで下がり、全身を隠し銃を向ける。
 煙が空けた先には発煙筒を持った奴がいた。煙に紛れての奇襲は作戦だったようだ。全部、避けてやったけれど。
 だが、どう見ても奴も無傷だ。なわけあるか。と思ったが手榴弾の爆発痕が予想よりも遥かに直前だ。おそらく、飛んでくる手榴弾を撃ち抜いたに違いない。
 それでも、爆発のダメージを受けるとは思ったが、奴の足元に手榴弾の破片痕と十数発の銃痕が付けられた機関銃が転がっており理解できた。それを盾に攻撃から身を守ったのであろう。なるほど。と納得、できるわけねーよ。そんなことできんのかよ。
 しかし、今必要なのは冷静さだ。こっちは軽機関銃をまだ装備している。あっちはチッコイ拳銃だ。さらに自分はチートの自動照準も有効だ。これは勝てる。
 思ったのも、つかの間のことだった。HALは拳銃を連射して突っ込んできて、こちらは自動制御で全弾回避。だけども、間合いは詰められて、回避不能なゼロ距離で射殺。
 ポカーンとしている間に【YOU LOSE!!】という結果表示が情けないぐらいデカイ文字で目の前に踊った。

 幾許かぼんやりした後、ため息をつきながら、リンク・アウトと発声するとチートアプリごとゲームは終了され、四畳半の自分の部屋の勉強机の前に帰ってきた。
 椅子にもたれかかったまま、間接照明で白く光る天井を見上げて呟いた。
 ――何だあれ。強すぎだろ……。


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