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No.31244の一覧
[0] 【ネタ】イルククゥに転生…のはずだった(ゼロ魔)[スイスイ](2012/01/19 05:16)
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[31244] 【ネタ】イルククゥに転生…のはずだった(ゼロ魔)
Name: スイスイ◆fc4896fe ID:b709b6c8
Date: 2012/01/19 05:16
 あたしは風竜のイルククゥ。大きな瞳と青いうろこ、空に羽ばたく背中の羽根がキュートな愛され体質のふわもてガール♪

 でも実はあたし、ひょんなことでガシッ!ボカッ!スイーツ(笑)されて死んじゃった、元人間の女の子。

 でもねでもね、とってもベリーハードな最期を遂げたあたしのために、自称カミサマのおじさまが別の世界に生まれ変わらせてくれたのっ!
 信じられる?
 あたしは信じられなかったなー。そういうのケータイ小説とかマンガの中だけのお話だと思ってたし。
 おまけに、「次の世界では生き残れるように」ってお得な特殊能力までくれるお得っぷり。いまどきのカミサマってすごい親切なんだね♪

 そうして数百年目の生まれ変わりライフをエンジョイブイしているあたしは、今日も今日とてお腹を空かせてハルケギニアの空を翔る。
 目指すはわたしのお腹を満たしてくれる大きな獲物!
 家にいればご飯はパパやママが獲ってきてくれるけど、いい加減お外を自由に飛びまわりたいわたしはピクニック気分でお家を出奔していたのだ。ふふん♪

 だって、何百年も竜の生活なんてしてられないんだもん。
 竜はお洋服なんて着ないし、お風呂は水浴びしかできないし。
 おまけに、パパやママはあたしがいても華麗に無視してラブラブえっちしだしちゃうし。TPOをわきまえろってのー。

 閑話休題。

 今のあたしは竜だけど、元は人間だし?まだまだおしゃれしたいし、かっこいい男の子とトキメキハイテンションな日々を送りたい!
 何百年もよく我慢したなぁって自分でも思うし!たまには自由に行動してもいいよね!自分へのご褒美だもん!
 途中、ふと道端で見かけたイケメンを追いかけていたら道に迷って家がどこなのかわからなくなったけど、いつかなんとかなるよね!

 だってあたし、主人公だもん!





 …なんて考えていた時が、あたしにもありました。

 両親の説得を振り切りハルケギニアの外れにある巣を飛び出して数ヶ月。
 今まで風竜としての生活の術を全然身に着けていなかったせいか、ほんと何度も死にそうになりました。

 だって、ハルケギニアって予想外にイケメン多いし。あたしはフツメン相手でも外人ならほいほい付いて行っちゃう聖女だし。
 さすがに竜の姿のままじゃまずいから、魔法で人間に擬態してなんとかしっぽりしようと思ったんだけどなぁ。うまくいかないよぉ…。
 途中で擬態が解けちゃって、そのせいで化け物扱いされて殺されそうになるし…。それも何度も…。
 ちくせう。わたしはただ、イケメンと子作りしたいだけなのにっ!

 でも、よくよく考えたら初体験の相手は貴族様がいいと思ったり。
 どうもこの世界は弟が持ってたゼロ魔の世界っぽいし。そういえば神様がそんなこと言ってたかなぁ…。
 貴族の原作キャラだと、ワルドなんかわりと好みかも。性格は正直ないわーってカンジだけど。マザコンだし。
 でも、あたしは尽くす女だし?ああいう駄目な男って尽くし甲斐があると思うのよねー。

 …よーっし!
 そうと決まったら善は急げ。とりあえず時系列はわからないけど王都へ乗り込むゾ!

 ま、もうトリスタニアの近くまで来てるんですけどね。
 ふっふん。さすがあたし。計画的な行動ができてるわ。
 本当はただ道に迷ってそれっぽい街の側にたどり着いただけだけど。

 ここであたし、華麗に着陸体勢へ。
 風魔法を使えば風竜の巨体でも華麗な着地が可能なの。画面の向こうのアナタも、魔法で華麗な着地を愛しのカレに見せ付けてあげちゃえ☆

『ぷちっ』

 …あら?
 今、なにかが潰れるような音がしたのだわ。もしかしてなにか生き物潰しちゃったのかも。
 今までも追いかけてたイケメンを踏み潰しちゃったこと、あるからなぁ。ちょっと反省。
 反省のできる女。あたしってほんと最高の女だわ。未だに処女なのが不思議なくらい。まったく、この世界の人間の男ってほんと見る目ないわね。

 あたしは体は竜でも心は乙女。下品な動作は御法度。流れるような、しなやかな動きで足を潰れたトマトみたいな物体から動かす。
 そうすると、元は人間だったっぽいべちゃべちゃの血溜まりがあたしの視界に…!

「きゃ…きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 まるで鐘の音のような咆哮があたしの大きく裂けた風竜マウスから漏れ出る。
 そこにあるものはあまりに残酷で…、あまりに無残な光景だったから。ただの女でしかないあたしにはあまりに刺激の強い光景だった。

 散乱する人間の体“だったもの”。血に塗れた長い桃色の髪。イケてない変な服っぽいなにか。細長い杖っぽいなにか。

 …やだ。この血溜まり見てたら、あたし…。なにか頭の奥が疼いちゃう…。
 なにか霊的な…そう、スピリチュアルな感覚が背筋を駆け巡る。

 そういえばあたし、ここのところなにも食べてないんだった。

 乙女的には無駄な殺生はNG。すべての生き物には生まれてきた意味がある的な?
 そう、この哀れな桃髪ちゃんだってきっと生まれてきた意味はあった。あたしの空腹を紛らわせるという意味が。

 きっと、何百年も風竜として生きてきたせいなのだろう。あたしの論理感はかなり境界線のホライゾンに来ちゃったっていうか…。

 ―――いただきます。

 そうして、あたしは桃髪ちゃんの命をいただく。
 …これが生きるってことなんだ。あたしは生きる意味について深いインスピレーションを得た。

 そして、満腹とはいかなかったものの、ある程度おなかが膨れて休んでいたときのことだった。
 突如としてあたしのハートの中へ桃髪ちゃんのものらしい記憶が流れ込み始めたのだ。
 それは桃髪ちゃんがあたしに踏み潰されるまでの記憶だった。
 名前はカリーヌ・デジレ・ド・マイヤールって…、どっかで見たような。よく覚えてないけど。

 ちなみに、これはあたしの能力らしい。
 人間を食べると、その人間の“すべて”を吸収することができるという神様に貰った能力だ。
 カニバリズム!?冗談じゃないわよ!って神様に弟が使ったコンニャクを投げつけたときのことを不意に思い出して、あたしはちょっぴりセンチメンタリズムな心情を呈した。

 もともと人間に擬態はできたけど、今までは適当に可愛いと思った女の子の容姿をコピーしていただけ。
 だけど、神様からの能力は一味違う。あたしは食べた人間に遺伝子単位で変身することができるのだ。

 よぉし。せっかくだし変身してみようっと。桃髪ちゃん。あなたのすべてはわたしが引き継ぐから…。

 安心して成仏してね!

 それでは、トリスタニア市街地へ突撃ー★















「なに?ここらで見かけない子供とお前がトラブルを起こして、返り討ちにされた?」
「ああ。しかも…すごく可愛かった」

 トリスタニアの酒場で酒をあおっていたサンドリオンの元へ鼻から鼻血を垂れ流した金髪の大男が現れたのは、とある虚無の曜日の昼下がりだった。

 サンドリオンはまず、自身が在籍する魔法衛士隊の同僚であるこの大男の頭がとうとう狂ってしまったのかと深く絶望した。
 だが、そこで安易に仲間を見捨てるほど彼は白状ではないようだった。
 やがて彼はにこやかに微笑むと、股間を押さえて前かがみになりつつある大男の肩をぽんと叩く。

「なぁ、バッカス。いいヤブ医者を知ってるから、今から診てもらおう。な?」

「ヤブにいいも糞もあるか!嘘など吐いていない!」

「うんうん、わかったよ。まだお前は引き返せるんだ。遠くへ逝っちゃいないんだよ」

「さ、サンドリオン!今はふざけている場合じゃ…」

 大男ことバッカスはごく真面目に切迫した状況を伝えてきていたのだが、少々滑稽であるとしか評せない彼の出で立ちがその信憑性を大いに薄めてしまっていた。

「さ、サンドリオン!大変だ!いや、変態だ!変態の少女が暴れている!」

「ナルシス…。お前もか。お前も俺をからかおうってんだな?」

「『事実は小説よりも奇なり』って言葉があるだろう!そう、それはぼくの神々を模った彫刻のような美しく神聖な―――ぐわぁっ!?」

 胸元を大きくはだけた紫色のシャツを身に着けた男がポーズを取ろうとした瞬間、彼は後方からの風の塊によって一撃で吹き飛ばされてしまった。
 その光景を目の当たりにして、それまで仲間の話に耳を貸さなかったサンドリオンはようやく真剣な顔つきになって自信の杖に手をかけた。

「まさか」

 もうもうと舞い上がる土煙。やがてそれが段々と薄らいできたころ、ゆっくりと細身の少女らしき影が浮かびあがる。

「な…!?」

 やがて、完全に土煙が晴れたとき、サンドリオンの視界に『それ』は飛び込んできた。
 それはか細い少女の肢体である。成長途上の未成熟な体つきではあったが、ある種の神々しさを感ずにはいられない。
 サンドリオンの隣で少女を凝視していたバッカスなどは、もう完全に参ってしまって地面でのびている。

 桃髪の少女は、自身が破壊したであろう建物の残骸の上で直立不動の姿勢を保っていた。背筋をぴんと伸ばし、ゆっくりと周囲を見回している。

 一見して異様であるとしか形容しようのないこの状況であるが、あまりの異常さにこの場の人間は皆どこか精神がマヒしていたらしい。
 まるで、絵画の中に描かれている地上に舞い降りた天使のようだ。バッカス辺りは本気でそんな感想を抱いたりした。

 少女はしばらく周囲を見回したあと、やがてサンドリオンに目を留める。
 そして、大きな鳶色の瞳をことさら大きく見開いた。整った唇がかすかに上下に開く。

 その場の誰もが、しばらく身じろぎすることすらできなかった。

 やがて少女はゆっくりと前へ進み出る。
 その瞳に歓喜の色を宿して、ゆっくりと、しかし徐々に歩幅を広めながらまっすぐサンドリオンに向かって突き進む。
 そして、とろけるような甘い笑みを浮かべながら、彼女は第一声を放つ。

「―――あたし好みのイケメン発見!ねぇ、今すぐ子作りしましょ!」

 それは、すべてが台無しになった瞬間だった。














 ―――謎の美少女との共同生活

「…なぁ。お前がよく言う“イケメン”って、どんな意味の言葉なんだ?」

「サンドリオンみたいな容姿の人のことを言うのっ!抱いて!」

「お前は、大衆の面前…こんな街中でもヤれるというのか?」

「出来るよ!パパとママはあたしたちの目の前でアオカンばっかりしてたし!」

「どういう家だよそれはっ!?」










           カリーヌ
 ―――胎動する“本来の人格”

『わたしの体を返せ、泥棒!』

「あんたもう死んでるじゃん。それにこれあたしの体だしw返せとかイミフwww」

『ぐぬぬ』

「プギャーw(^д^)gm」










    サンドリオン
 ―――灰被りの憂鬱

「時々思うんだよ。カリン…、あいつさ。もしかしたら人間じゃないかもしれないって」

「人間ではない…もしや、天使だと?」

「バッカス。お前はさすがだよ」











 ―――竜少女と王女

「私は女ですので、姫様の護衛は…(…ちっ。うぜえよブス、あっち逝け)」

「そこは大丈夫です!お父様にはわたしから言付けますから、ね!(ああ…。今日もカリーヌはとっても愛らしいですわ…。食べちゃいたい…ハァハァ…)」










 ―――ゲルマニア貴族との小競り合い

「ここはあたしが食い止める!だから、サンドリオンは姫殿下の所へ行って!」

「だが、やつらは火石を破裂させるつもりだぞ!」

「あたしは大丈夫。これでも、そこらへんの人間よりは頑丈だから♪」

「…そういう問題なのか?」










 ―――過程は無に帰す

「エスターシュと…あいつは…。おいカリーヌ、その口の周りの血はなんだ!?いや、笑って誤魔化すなよ!」










 ―――策謀

「ミス・マイヤールのご家族は…残念ながら、王都へ向かう途中で事故に…」

「そんな…ううっ…ぐすっ…( 計 画 通 り )」

「カリーヌ…(微妙に口の端が吊り上ってないか…?いや、だが、俺はこいつを疑うことは…)」










 ―――公爵夫人

「可愛い女の赤ちゃん…、なのですが…、あの、尻尾のような…というか、尻尾…」

「口外するな。したら埋める」

「…(俺はどこでなにを間違えたのだろうか)」









 ―――娘たち

「ラ・ヴァリエールの長姉…、彼女、また婚約者が亜人に襲われて亡くなられたそうよ。なんでも首を人間では到底出せないような力で締め上げられたとかなんとか…」

「二番目の娘さんの婚約者のワルド男爵も事故で亡くなられたとか…」

「三番目の子はどうなるのかしらねぇ。貰い手がいなくなるんじゃない?こうも不幸が続くと、いくら公爵家でもねぇ…」










 ―――虚無の担い手と伝説の使い魔

「み、見ないで!(や…やだ…み、見られちゃう…家族以外の、そ、それも、男の人に…)」

「…尻尾?」

「こりゃおでれーた。娘っ子、お前さん竜の混血か。おでれーた。…いや、マジで。これやべえよ。よりによって竜とかよ。未来に逝きすぎだろうがよ。なんとかしてくれよ、ブリミルゥッッッッ!」










 -永久に未完-










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 ボツにした設定から流用。今は反省している。


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