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No.31220の一覧
[0] 【ネタ】ヒキコ→リア充(レイセン、戦闘城塞マスラヲ)R-15[uwa](2012/04/26 20:19)
[1] 2話 巫女巫女とらいあんぐる[uwa](2012/04/25 14:00)
[2] 3話 私の妹がこんなにかわいいはずがない by謎の豊満セクシーメイド[uwa](2012/05/03 12:25)
[3] 4話 電波的な彼女[uwa](2012/04/25 14:00)
[4] 5話 ヒデオ君に女神の祝福を![uwa](2012/04/26 21:27)
[5] 6話 伝説の英雄の伝説[uwa](2012/05/03 14:43)
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[31220] 4話 電波的な彼女
Name: uwa◆153f0aec ID:f3b856e3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/04/25 14:00
4話 電波的な彼女 というか電波が彼女。










「な、な、な、なんなのよーー!!これはぁあああ!!!!」

エリーゼ工業の社長室。

マホガニーの机を蹴倒して激昂しているのはブレザー姿の少女。

怒りもあらわにエリーゼ・ミスリライトはクソ忌々しい暗黒神の端末より送られたDVDを、再生端末ごと粉砕した。


「お、落ち着いてください!どうしたんですか、社長!?」
「うっさい!!黙れ!!」
「ぐほっ!!」

暴れるエリーゼを止めに入った役員を、蹴飛ばす。
鳩尾に真っ直ぐ入った前蹴りは役員Aの横隔膜を痙攣させ、呼吸困難に陥らせた。

「川村ヒデオ!あ、あンのクソニート!!調子コイてんのか!!」ゲシゲシ
「あふんっ!!そ、そこは駄目です社長!!」
「黙れっ、そしてシネッ!!」
「へぶん!!」

ドッカン、ドッカン。
破壊音と役員の嬉しそうな悲鳴が社長室に響き渡る。

「か、川村ヒデオが、どうか……したんですか?」
「どうもこうも……!!っ、アイツが他の女とどうなろうと、わ、私は何とも思っていないわよ!!」ゲシゲシ
「思いっきり……動揺しまくっている、じゃないですか。ぐふっ」
「だ、誰が動揺しているのよ!いつ、何処で、地球が何周回ったころ!?」ゲシゲシ

子供のようなことを言いながらエリーゼは役員Aにストンピングを繰り返す。

エリーゼに顔面を踏まれて意識を失った役員Aであったが、その顔は幸せそうだった。


後にこの役員Aはこう語る、「黒のレース付きだった」と。













ノルカ、ソルカ姉妹は混乱していた。

主人であるエルシア様の御命令で隔離都市から連れ出されたのはいいが、何故かとても高貴なエルシア様には相応しくない安っぽいアパートに来ることになった。
この部屋の主人らしき人間は、目の前に居るやたら眼つきの悪い痩せた男のようだ。
先程からこちらを睨んでいる(驚いて呆然としているだけ)ようだが、人間の分際で何様のつもりだろうか?


肝心のエルシアは座布団の上に座って読書をしている。
ヒデオたちの方に一瞥もくれることが無いことから、説明をする気はなさそうだ。

「あ、あのエルシア様。なんですか?この眼つきの悪い人g…ぇぐほおお!!」

ヒデオを指差してエルシアに質問をしようとしたノルカが、凄まじい勢いで飛んできた『獣の書』を顔面に喰らって吹き飛ぶ。
そのまま玄関のドアを突き破って外まで吹き飛んだノルカは、後頭部をしこたま打ち付けて意識を失った。
エルシアは突然のことに固まっているソルカ(とヒデオ)に一瞥をくれると、静かな怒りを湛えた口調で話す。

「この方は私の旦那様、お前たちは私の使用人。お前たちのことをそれなりに気に入っているから旦那様に紹介しようと思ったの。でも、これ以上私に恥をかかせるなら……殺すわ」
「ひぃいい!!」
「拾ってきなさい」
「は、はいぃ!!」

急いでノルカを拾いに行くソルカ。
姉をかついで帰ってきたソルカに対してエルシアは……

ばちぃんん!!!

「ぶっ……!!」

ソルカの体が3回転するほどのビンタをかました。

「誰がその雌犬を拾って来いと言ったの?」

どうやらエルシアは『獣の書』を拾って来いと言ったつもりらしかった。

「も、申し訳ありません!!すぐに拾ってきます!!」

未だに気を失っている姉を放り投げて『獣の書』を拾いに走るソルカ。
『獣の書』を拾い上げ、ほこりや汚れを落として急いでエルシアのもとに向かう。
膝をついて両手で捧げ持つかのようにして、エルシアに渡す。

今度は納得したのか、エルシアは冷たい目でソルカを見下ろしながら本を受け取った。

エルシアはおもむろに『獣の書』を開くと、

「12ページ」
「ひっ!!」

魔法発動の光に思わず身を竦めるソルカであったが、書から伸びた光は玄関のドアを包みこみ、破壊される前の状態に戻した。
……ちなみにここまでヒデオは目の前の事態についていけず黙っている。
さしもの魔眼王も特に命のかかっていない修羅場には、悪魔的なひらめきが効かないようだ。

「申し訳ありません旦那様。ペットが無礼をいたしました」
「も、申し訳ありません!!」

エルシアがこちらを振り向き優雅に頭を下げる。
傍にいるソルカも土下座せんばかりの勢いで頭を下げた。
ソルカの目にはエルシアが上位に置くヒデオが、大怪獣のように映っているようだ。
既に慣れた、畏怖するかのような目がヒデオに向けられる。

「あ、あぁ。別に、構わない」
「寛大な御心に感謝を……。ソルカ、旦那様の前で頭が高いわ」
「は、はい!!」

エルシアの指摘を受けたソルカは、すぐさま跪くと懇願するような目でヒデオを見上げた。

「あの。あまり……酷く扱わないであげて下さい」
「……はい、分かりました。立ちなさいソルカ、旦那様に感謝しなさい」
「あ、ありがとうございまひゅ!!」

ヒデオの言葉にあからさまに不機嫌になり、ソルカを睨みつけるエルシア。
主人から嫉妬と殺意すら含んだ視線を受け、ひきつけを起こしそうになるソルカ。





「ぁ、痛ぅ!わ、私は一体?」

赤くなった顔を押さえながら意識を取り戻したノルカ。
エルシアはそれを一瞥するとソルカに目を向けた。
「事情を説明しなさい。次は無いわ」そんなニュアンスを明確に伝えるエルシアのブリザードのような視線にソルカは慌てて姉に飛びついた。










「それで。……これは一体どういうことなんですか?」

突然やたら露出の多い美人姉妹を連れてきたエルシア。
それで特に説明もないまま、先程の折檻の嵐である。

「私の使用人を旦那様にご紹介しようと思ったのですが、躾が足りなかったようですわ。申し訳ありません」
「躾って……」

薄々気が付いていたが自分の前ではやたら従順なエルシア嬢は、実のところかなりのドSらしい。
ちらり、とノルカ・ソルカ姉妹に目を向ける。
ひぃ、と怯えられた。

(……むなしい。引きこもりたい)

最近は人に怯えられることも減ってきただけに、久しぶりにこんな反応をされるとかなり傷ついた。

「そう言えば、旦那様。鈴蘭の妹をお召しになられたとか……」
「ぶっ!!な、何故。それを……!!」

思わず息が詰まる。
隠していたつもりは無いが、やはり言いだせなかったのも事実。
睡蓮とエルシア、2人に対する裏切り行為を働いている事実に胸が痛む。

「すまない。エルシア……それはっ」
「謝る必要はありませんわ。私のお母様も何人か男を囲っていて、私も兄たちとは種が違うらしいですし。高位にある者ならば、妾の1人や2人当然のものでしょう」

衝撃の告白。
いや、確かに男としては嬉しすぎる告白ではあるが……。良いのかそれは?


「ですが、他の女に序列を譲る気はありません」

そう言ってエルシアはヒデオを押し倒して、馬乗りになった。

「ちょ、人が見てるっ」
「私が1番でないと気が済まないわ」

グッ、とヒデオを覗きこむエルシア。
その氷のような瞳には燃え上がるような嫉妬と独占欲が渦巻いていた。

「ノルカ、ソルカいらっしゃい。旦那様を気持ちよくして差し上げるのよ」
「「は、はい!エルシア様!!失礼します、ご主人様!!」」

そう言って3人はヒデオに圧し掛かっていった。









暗黒神イオンブロック!!!















「太陽が黄色い。空はこんなに美しいものだっただろうか」

部屋のベランダから、心なしか干からびたヒデオが空を仰ぎ見る。
関係の無い話であるが、既に隔離都市に帰還したエルシアたちはやたらとツヤツヤしていた。

PiPiPiPiPiPi!!




不意にヒデオの携帯から呼び出し音が鳴る。
ヒデオは携帯を取り出し耳に当てる。

「もしもし、川村ですが……」
『電子の神キィッーーク!!』
「ぐふっ!!」

耳にあてた携帯の液晶から足が飛び出し、側頭部にドロップキックが勢いよく決まる。
もんどりうったヒデオは、そのまま部屋の中に転がり込んだ。

「な、なんだ!!」
「ウィル子なのですよー!!」

バッ、バッと謎の決めポーズを決めるウィル子。
久しぶりというか、ほとんど初めての出番に浮かれているようだ。

「うぃ、ウィル子。いきなり、なにを……」
「何を……ですと?」

ゆらり、とウィル子がヒデオの方に振り返る。





「に、ほほ、にはは。にほはは、にはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははーーーーー!!!!」
「うぃ……!!」


「マスターはぁ!!ウィル子の奴隷でっ!!!私の、私だけの……パートナーなのですよ!!!」


血を吐くような叫び。
憎悪さえ滲ませて電子の神は咆哮した。


「ウィル子の全てはマスターから貰ったもので、ウィル子の全てはマスターのものなのに!!」


ガッ、01構成能力が発動してヒデオを拘束した。
手枷と足枷を嵌められて身動きを封じられたヒデオ。


「ウィル子っ、……何を!!」
「あなたさえ、居てくれれば……私は神になんかなれなくても良かったのに!!神になったことでマスターと離れ離れになるくらいなら、ウィル子はずっと……ウイルスで良かったのに!!」




ウィル子は幼い。
若い神というだけでなく、そもそも自我を得てから10年も経っていないのだ。

そして肉体を得てからの隔離都市での生活は、今のウィル子を形成する核ともいえる経験であった。
当初は神になるために参加した聖魔杯は、いつの間にかヒデオと勝利を勝ち取るための聖魔杯となった。
唯一無二のパートナーと勝利し続けた結果、神になったのに過ぎないのだ。
しかし神になった結果、ウィル子とヒデオの接点は減り、身も心も繋がっていた時からすればその繋がりは微々たるものになっていた。

それでも、それでもヒデオが自分に神となって人類を導くことを望むのならば、ウィル子は離れ離れでも構わなかったのだ。
何処に居ようが、どれだけ離れようとも、自分の1番がヒデオであるようにヒデオの1番も自分であるのならばっ!!!

だが、違った。
神である自分とは違って、人の子である彼は移ろいゆくのだ。
隔離都市では彼の心の中は自分がほとんどを占めていた。
しかし、今の彼には友人も同僚も……想ってくれる女性すらもいる。

精霊であるが故に人の心を感じることができるウィル子は、ヒデオの心の中に占める自分の割合が減っていくことに激しい焦燥を感じていた。


爆発する様な感情の奔流。
ウィル子の叫びを聞いたヒデオは、おぼろげではあるが彼女の心の内を理解した。
例えかつてのような繋がりは無くとも、あの聖魔杯で培ってきたものはそれだけではないのだから。


「ウィル子!止めるんだ!!」
「うるさい!ウィル子より大切な人が居る癖に!!」
「違う!そうじゃない!!」


そうじゃない。
そんなことではないのだ!!
人との繋がりが増えて、結果的に心に占める割合が減ったとしても。
それは決して、今まで築き上げてきた絆の価値を貶めるものではないのだっ。
情を向ける対象が増えたからといって、ウィル子に向ける想いが翳ったことなど1度もない!!


「ウィル子、聞けっ」
「言い訳なんか聞きたくない!!」
「僕たちは、最高のパートナーだろ!!なのにっ、どうして疑う!何故信じられない!!」
「……っ、だって!減っているんです!!マスターの中で、ウィル子が……減っているんですよぉ!!」
「ふざけるな!そんな勝手なことを言うなッ」
「勝手じゃない!ウィル子は精霊だから、そういうことが分かるんだっ!!」


涙を浮かべ、激昂するウィル子。
その姿に心が痛む。



「君は、何も分かっちゃいない!!」
「何を……!?」

「ウィル子、君が好きだっ!!」
「……ふぇ!?」
「君を愛している!!」
「にょおおお!!」
「この気持ちが嘘だと思うのなら、もう一度僕と繋がってみろ!!」
「あ、うあうあうあう」




熱烈な告白にウィル子の顔が真っ赤に染まる。
処理落ちを起こしたのかヒデオの手枷と足枷が消滅した。


「証明……」
「え?」
「証明してください、マスター。ウィル子にマスターを刻み込んで、今の言葉を証明してください……」


弱弱しく、暗黒神を退けた最新最高の神とは思えないほど儚い。
目尻に涙を浮かべ、まるで人間の少女のような嘆願。


「……分かった」
「あっ…」

静かにウィル子に覆いかぶさるヒデオ。
顔を近づけてくるヒデオに、ウィル子はゆっくりと目を閉じた。
やがて二人の影がゆっくりと重なる。













暗黒神的アンチラブコメシールド!!!


















「だ、だいじょうぶですかー、マスター?」
「が、頑張りすぎた。もう、煙も出ない……」


お互い全裸で同じ布団に潜り込んでいるヒデオとウィル子。
ただし、精力の溢れているウィル子と対称的にヒデオの方はミイラ一歩手前といった感じである。

ふわり、裸身のウィル子は宙に浮かぶと、一瞬体がブレる。
次の瞬間にはいつもの衣装に着替えていた。


「ウィル子はもう天界に帰らなくてはいけません。御迷惑をおかけしました、マスター」
「……君と僕は一心同体だ。迷惑なんかじゃない、またいつでも来てくれ」



ヒデオのその言葉にウィル子は、嬉しそうにはにかむ。

「えへへ。だから、ウィル子もマスターのことが大好きなのですよー!!」








つづく
正ヒロインは格が違った。

あと、我らが総帥を立体二次元とか無胸とかクレーターとかブラックホールとか虚数の胸とか言った奴、素直に手を挙げなさい。総帥は大変お怒りです、タキオンの雨が君たちのもとに降り注ぐでしょう。



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