<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.31193の一覧
[0] 【ネタ】第六天魔王と第六天魔王様々様!(織田信奈の野望 × ドリフターズ)[確変](2012/07/16 14:10)
[1] 2[確変](2012/01/16 16:28)
[2] 3[確変](2012/01/30 00:10)
[3] 4[確変](2012/02/22 15:34)
[4] 5[確変](2012/02/22 15:07)
[5] 6[確変](2012/07/09 01:18)
[6] 7[確変](2012/07/16 14:10)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[31193] 2
Name: 確変◆563cbb8b ID:c9b6435b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/01/16 16:28
 おっぱい担当が登場します。それと、コメントくださった皆様、本当にありがとうございます!



「(おいおいおい……、マジか。え、こいつが此処の儂なの? 女? てか、女が総大将って有りなん? )」
「ちょっと、何よ人のことジロジロ見て」

 尾張の守護大名、織田家当主を名乗る女『織田 信奈』。女という事実も然る事ながら、その風体もまた眼を引くものである。
 湯帷子を片袖だけ通し、わら縄に太刀と瓢箪をぶら下げ、虎の毛皮を腰に巻くというそのファッションはまさに『尾張のおおうつけ』に相応しい格好とも云える。

「ご主君! 戦はお味方の大勝利です! ご無事でしたか!!」

 今度はどこからか、騎馬武者が本陣へと駆け込んでくる。しかし、これもまた矢張りというか『女』であった。おまけに巨乳である。

「な、なんだ貴様っ!? あたしの胸をまじまじと見おって」
「ん~、随分とおっぱいでっけ~な~と、思うてな。甲冑着てても『たゆんたゆん』ってどうゆう構造してんだ、それ?」

 信長の言葉を聞いたとたんに、顔をカァと真っ赤に紅らめる鎧武者。どうやら自身の胸の大きさを引き目に感じているらしい。あんなに大っきいのに……勿体ない。

「な、なななッ!? ぶ、無礼者! 手討ちにしてくれる!!」
「やめなさい、六! そいつは“一応”わたしの命を救ったのだから、褒美をあげなきゃ」

 太刀を抜こうとした六を諌める信奈。

「なんと、それは真でございますか!?」
「ええ、今川の槍兵に刺されそうになった所を火縄と発破で助けられたわ。まぁ、ついでに発破で今川の兵諸共 吹き飛ばされそうになったけどね」
「ヤッパリ殺ス!!」

 ワナワナと震える手で再び信長に斬りかかろうとする六。これに対し信長は火に油を注ぐ事態を発生させてしまう。

「おい、ちょっといいか? お主、六と云うたな。よもや、姓は『柴田』というのか?」
「ああ、そうだ! 織田家家老『柴田勝家』!! そしてこれから貴様をあの世へとおくる者の名だ! しかと覚えておけぃ!!」
「あぁん!? おまえが勝家だと? いやいやいや、有り得ねぇだろ! 百歩譲って織田の君主が女だったとしても、あの『髭ボーボー』で『ズングリ体型』の『武骨野郎』が、こんな おっぱい小娘なわきぁねぇだろう!?」

―――― ガシィ!

「ひ、ひぃっ?!」

 織田君主や蜂須賀は除くとしても、家臣になる筈だったサルが男だったのだから、柴田も男であろうと思い込んでいたら見事に裏切られた。因みに、信長の推察は柴田勝家の息子の勝敏の通称が「権六」であることからだった。まさか勝家の方とは、ある意味で二重に裏切られた形となる。

 こっちに来てからというものの驚きの連続で、信長の中で張り詰めていた糸が弾け跳び「こやつめーっ!」 と、ギリギリと歯ぎしりを立てながら六の胸を鷲掴みする信長。物理法則を無視したかのようなその胸は、甲冑の上からでも柔らかく甲冑ごと信長の手の形にグニグニと変化する。
 あまりの出来ごとに、六こと猛将 柴田勝家も驚き太刀を落とす。そして、信長の手を払いのけると、信奈に縋って年相応な声でサメザメと泣く六。

「け、汚された、男に胸を掴まれた。もう、お嫁にいけない……」
「あ~、はいはい、大丈夫よ、六。今のは鎧の上からだから、勘定には入っていないわ」

 つまりは、「ノーカウントだ、ノーカウント!!」で、ある。

「ほ、本当ですか?」
「そうよ、ほら泣き止みなさい」

 グシグシと目尻を拭き、六は「はい」と、応えてから陣を下がる。去り際に六は信長をまるで親の仇のように鋭く睨んだが、当の信長はどこ吹く風で全くと云っていい程に悪びれてはいない。
 そんな信長の態度にやや呆れ気味に信奈は云う。

「あんたねぇ、あたしの命を救ったとは云え。これ以上 ふざけたマネしでかしたら問答無用で叩っ斬るわよ? で、あんた名は?」
「いや済まんな。あまりの出来事に我を忘れてしもうた。儂はノブと申す」

 信長は改めて信奈を見る。ボサボサの髪を適当に結わき、身体のあちこちに煤をつけたみすぼらしい格好。だが、その眼だけはどこか『真っ直ぐ』なものを映し出している。

「(ふ~む、目つきは悪くないが、些か若すぎる上に女子ときたか。てことは、この世界の俺ではなく『俺に似た境遇にある女子』と云ったところか……)」

 似て非なる世、それが信長の出した結論。
 そして信長はふと、思う。伊勢長島、比叡山延暦寺、浅井朝倉と、信長は己の手を真黒に染め上げながら尾張という国を強大な国家に築いていった。

 では、『織田 信奈』ならどうするのだろうか?

 そう思い至ると、信長は無性に知りたくなった。この織田家君主を名乗る年端もいかぬ女子が画く先の世は、いかな道を歩み、どのような結末を迎えるのかを。

「(俺と同じように第六天魔王となり戦国の世に憚るのか、それとも全く別の道を示すのか……)」

 自然と口端が歪むほどに、信長は『織田 信奈』という少女に俄然興味がわいてくる。

「ヒヒヒ……、面白そうじゃのう、この浮世は」
「なにひとりで笑いながら、ブツブツ云っているのよ」

 そうと決まれば話は早い。
 信長は信奈の前で正座をし、居住まいを正して頭を垂れた。誰かに頭を下げるなど昔の自分なら有り得ないような事だが、好奇心は猫をも殺すと云ったところか。この少女の行く末を知る為に、信長ではなくただの男の『ノブ』と成り、信奈に頭を垂れて云った。

「織田信奈公! このノブめを織田家に召し抱えてはくださらんか?」
「ニタニタ笑ったと思ったら、急に真面目な態度になるなんて、変な爺ね……。まぁいいわ、褒美としてあんたを配下に加えてあげる」

 但し! と付け加えて信奈は云う。

「給金分はきちんと働いてもらうわよ、『狒狒』!!」
「狒狒?」
「アンタの笑い方からとった渾名よ。光栄に思いなさい、これから私はアンタのことを狒狒と呼ぶわ!!」

 それを聞いた瞬間、信長は盛大に笑った。人目も気にせず、腹がよじれ息絶え絶えとなるまで笑い続けた。散々、人に動物の渾名をつけてきた自分が、まさかその逆の立場を体験するとは夢にも思っていなかったからだ。そしてなにより、

「ヒヒヒヒ……、(まさかこの俺が狒狒となって、サルの代りをするたぁ)」
「ちょっと、あんた大丈夫なの? いきなり大声で笑い出して、やっぱり本当に人の皮被った狒狒なんじゃないでしょうね?」

 ようやく笑いが治まると信長のどこかに清々しさが産まれていた。今まで背負ってきたものをかなぐり捨て、まさに裸一貫の零からの出発を腹に決めて信奈に宣言する。

「いや、失礼! それでは、お館様っ! この狒狒爺めが、全身全霊でお館様の天下取りのお手伝いをいたしましょうぞ!!」

 この日、信長はノブとして『狒狒』の渾名を頂戴し、織田家の配下へと加わった。そして、この時より歴史の歯車はゆっくりと、軋みを上げながら回り始める……。


* * *


「姫さま! あのような素性も判らぬ助平爺を家臣にするなどと、真に御座いますか!? おまけに片目の兵など合戦では何の役目にも成りませぬ!!」

 合戦が終わり、帰路に着く道中、馬上で揺られている信奈に六が駆け寄った。六が言う通り信長の右眼には眼帯が装着されていた。右眼は視えなくもないのだが、視界が霞んでおり非常にいずいといった理由からである。

「ねぇ六、逆に訊くけど『若くて五体満足の無能』と『助平爺で片目のすこぶる有能』、この二人のうち、あなたならどっちを取る?」
「そ、それは……、では、あの男は有能であると?」
「それは、これから確かめる。それに……」

 火縄の扱いには長けているようだしね。と付け加えて、信奈は信長から借りた火縄銃を見る。信長の十匁の重量の弾丸を射出する士筒(さむらいづつ)は威力が高い分 非常に重く、且つ高価な代物である。一介の素浪人が所持できるものではない。

「(一体、何者なのかしら)」

 有能であれば素性など一切拘らない信奈であったが、この士筒といいその他の所持品といい信奈の興味の対象となっていた。

「そうだぞ、オッパ家(勝家のこと)。これからは同じ織田家の家臣として宜しく頼むぞ」

 後方から、パッカラパッカラと馬を寄せる信長。信奈に火縄銃を貸す代わりに、「荷を運ぶための馬を貸せ」と云って借りた馬である。やはり、家臣になっても信長は信長。信奈に仕えるということを除けば、その行動は実にフリーダムそのものであった。

「き、貴様ッ!? よもや、その破廉恥な名は、わたしのことを指しているのではないだろうな?」
「何を云うておる。お主の事に決まっておろう? なぁ、オッパ家」
「(くっ、やはりあの時、斬っておけばよかった!)」

 信奈も『何とはなし』に信長の性格を既に大凡は掴みかけていた。恐らくこの男は、自分と同じ一度決めたら遣り通す、我の強い男なのだろう。それならば、あれこれと束縛するよりも、多少“好き勝手にやらせた方が”良い結果をもたらしてくれるのかもしれないと、信奈の勘働きがそう告げていた。

「あんた達、喧嘩するようなら歩いて帰らせるわよ?」
「む? それは面倒だな。よし、一時休戦と行くか、勝家?」
「貴様、新参者の分際でわたしを名前で呼ぶな!」
「……六」
「はっ、申し訳ございません!」

 だが、諌めるところは諌めなくてはならない。それが上に立つ者の務めである。
 喧嘩が治まったところで信奈は「ちょっと、寄り道するわよ」と、云って馬首の向きを変えたのであった。



「着いたわよ。まったく、今川の軍が邪魔してくれた所為ですっかり遅れたわ」

 そこは森を抜けた先の、小さな山間の村であった。家屋は少なく、寂れた様子のその村には、脇にある池だけが清涼な空気を創りだしていた。「お館様、ここにどのような御用が?」と、信長が尋ねると信奈はこの村の特徴とも云える池を指して云った。

「ここは『おじゃが池』といってね。龍神が棲み付いているって噂があるのよ。それで、これまで村人たちが池に人柱として乙女を沈めてきたわけ」

 あれが今回の贄ね。と信奈は付け加えて、池の畔で集まる村人たちの中心にいる娘を指した。それを聞いた信長は、さも阿呆臭いと言わんばかりの表情で吐き棄てる。

「ハン! では、その龍神とやらがこの村に飢饉でも起こしておるというのか? だったら、あの娘を嫁にでもやって子を産ませた方が、人足も増えてよっぽど建設的じゃわい」
「そうね、狒狒。アンタの言う通りよ。まったく、神だの仏だのいるはずないのに。そんなものは人間の頭に棲みつく幻影でしかないわ」
「して、お館様は如何なさるおつもりで?」
「今川の連中が邪魔さえしなければ今頃 男手を使って池の水を汲み上げていたんだけれどね」

 この時、信長の頭にピンとくる妙案が閃いた。

「お館様、ここはひとつこの狒狒にお任せあれ」
「……ふぅん、面白そうね。いいわ、好きにやってみなさい。けど、失敗したら家臣に加える話は帳消しよ」
「では、お館様はこちらで猿芝居ならぬ狒狒芝居をご覧下さいませ」

 失敗したら解雇という宣言に信長は全く気負う素振りも見せず。信長は信奈にしばし待つように伝えると、フラフラと村人たちのもとへ歩いていった……。



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.020750999450684