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No.31004の一覧
[0] 【惑星のさみだれ】ネズミの騎士の悪足掻き(日下部太朗逆行強化)[へびさんマン](2015/01/25 16:30)
[1] 1.宙野花子(そらの はなこ)[へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[2] 2.師匠、登場![へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[3] 3.山篭りと子鬼[へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[4] 4.しゅぎょー!![へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[5] 5.神通力覚醒!?[へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[6] 6.東雲家にて[へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[7] 7.ちゅー学生日記[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[8] 8.再会、ランス=リュミエール[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[9] 9.初陣[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[10] 10.結成、獣の騎士団![へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[11] 11.『五ツ眼』と合成能力[へびさんマン](2013/03/02 15:10)
[12] 12.ランディングギア、アイゼンロック[へびさんマン](2013/03/02 15:02)
[13] 13.カマキリは雌の方が強い[へびさんマン](2012/02/26 23:57)
[14] 14.VS『六ツ眼』[へびさんマン](2013/03/02 15:03)
[15] 15.受け継がれるもの[へびさんマン](2013/03/02 15:03)
[16] 16.束の間の平穏[へびさんマン](2013/03/02 15:04)
[17] 17.不穏の影・戦いは後半戦へ[へびさんマン](2012/05/28 21:45)
[18] 18.魔法使い(アニムス)登場[へびさんマン](2012/05/28 18:26)
[19] 19.夏、そして合宿へ[へびさんマン](2014/01/26 21:06)
[20] 20.精霊(プリンセス)アニマと霊馬(ユニコーン)の騎士[へびさんマン](2013/03/02 23:50)
[21] 21.対決! メタゲイトニオン・改![へびさんマン](2015/01/14 22:26)
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[31004] 7.ちゅー学生日記
Name: へびさんマン◆29ccac37 ID:a6a7b38f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/02 15:09
魔法使いとの戦いは、あと三年後に迫っている。

魔法使いアニムス。
32世紀の超越的サイキッカー。
世界の始原に向かって、ビスケットハンマーで地球を砕き、時空を擂り潰して進む逆行先進波。

精霊アニマ。
アニムスの双子の妹。
アニムスを止めるために、彼をルールで縛り、獣の騎士団によるゲームへと持ち込んだのだ。

ゲームの内容は、アニマが選んだ12人の指輪の騎士たちと、アニムスと彼が創造する泥人形12体とのバトルロイヤルである。

12人の指輪の騎士は、アニマによって騎士の証である指輪と、サポートの獣の従者、そして『掌握領域』というサイキック能力を与えられる。
また、命がけの戦いへ巻き込むことへの賠償に、騎士たちは、一つだけ『願い事』をアニマから叶えて貰えるのだ。
騎士に選ばれるのは、超常に憧れ、超常を見る、『頭のネジが特別外れやすい人並み外れたバカども』である。

対して泥人形は、その名の通り、土を媒介に造られるゴーレムのようなものである。
アニムスの下僕である12体は基本的には順繰りに出現する。
それぞれは目玉の数で何体目の泥人形か識別できるようになっており、目の数が多いほど、強力になる。

それぞれの陣営の、ゲームの勝利条件は簡単である。
騎士たちは、全ての泥人形を撃破後、ラスボスである魔法使いアニムスを撃破することで、勝利である。
アニムス側は、精霊アニマが宿る器である『姫(プリンセス)』を殺害することが勝利条件――というか惑星破壊兵器ビスケットハンマーの発動条件である。

――まあ、細かいルールは戦いの度に幾らか変更が加えられることもある。


『――と、こういう戦いがあと三年したら始まるのさ』
『……たろくん、夢の話はいいから。せっかくイイ雰囲気だったのに』
『夢じゃねー!! 頭が可哀想な人扱いすんなよ!! 俺だってそう思われるからずっと秘密にしてんだよー!!』

むー、と太朗は花子とサイコメトリーで会話しつつ、眉根を寄せる。
今回のサイコメトリーは、手を繋いでではなく――なんと、唇を重ねて、である。
キスである。接吻である。ちゅーである。

『ファーストキスの直ぐ後に、こんな空気の読めない話をするたろくんは、嫌いです』
『いや、キスしたら勝手に情報が流れてったんだけど――……どうしたら許してもらえる?』
『ふふふ、教えてあげないっ』

つまり、もっと……、ってことですね、分かります。


◆◇◆


 ネズミの騎士の悪足掻き 7.ちゅー学生日記


◆◇◆


高校受験も迫った中学3年生のある日。
いつもの様に太朗と花子は一緒に勉強をしていた。
お互いに成績は良好であり、近隣でも一番の進学校に合格するのは、ほぼ確実だと思われた。

(『前の太朗』の時に会った友達とは、会えなくなるかも知れねーけど、ま、その分また違う出会いもあるだろー)

既に太朗が知る『前世』とはかなり異なった道を歩んでいる。
それでも、死亡フラグが遠のくと思えば、悪いことではない。

「ねえ、たろくん」
「何?」
「大学は何処に行きたいかとか、考えてる?」

高校を卒業してからか。
――そんなのは『前世』から決まっている。

「花子と一緒に料理屋をしたいから、調理師専門学校に行くよ」
「え?」
「ん?」

――あ。しまった常日頃から考えてるから、さらっと口を突いて出てしまった。
これじゃ遠まわしなプロポーズと言うか、いや、まるで全くプロポーズじゃあないか。

「あー、まあ、その」
「――びっくりした」
「えっと、冗談ではないでアリマスよ?」

お互いに顔が赤くなってるのが分かる。
どきどきと心臓の音がうるさい。
深呼吸。すーはー、すーはー。

「あーーーーー。花子、好きだ。ずっと、前から」
「……ふふふ、知ってる。私もだよ、たろくん」

いよっし! 告白成功!
太朗は一世一代の大勝負に勝った!
伊達に地道に幼い頃から時間を共有してきた訳ではないのだ。

手を握り、サイコメトリーでもお互いの気持を伝え合う。
サイコメトリーでは嘘がつけない。
まさに、『手を合わせて見つめるだけで、愛し合えるし話もできる』ってなもんである。

視線が熱っぽく絡み、お互いの胸が高鳴り、徐々に顔が近づいていく。


そして――


◆◇◆


というのが冒頭に至る流れである。

ついでに今まで秘密にしてた『戦い』とか『騎士』のこととかが、全部花子にバレました。


では弁明タイム。

「何でこんな大事なこと黙ってたの?」
「ハイ、スミマセン」
「……聞いてる?」
「ハイ、スミマセン、聞いてます」

いやあだって、いきなり幼なじみが『前世では超能力者で世界を救うために戦ってて、最後は貴女を守って死にました』なんて言ってきたら、それは重度の中二病でしょうに。
……まあ、この日常が心地好くて、無理にカミングアウトして変える必要もないんじゃないかなー、とか日和ってたのが不味かったね。
なんだか前世でも同じような葛藤をして告白(愛の)を先延ばしにしてたなあ、などと回顧してみたり。

ごつん。

「集中っ」
「ハイ……」

鉄拳。
気を散らしていたのがバレたのだろう。

「じゃあ、色々と話し合おう? みっちりとね――」

ああ、夜はまだ長い。針の筵に座る時間は短いほうがいいというのに。


◆◇◆


――少女尋問中(少年被尋問中)。

「『戦い』についてもっと詳しく」
「ハイ。基本的には姫&騎士団のチームと、魔法使い&泥人形のチームのバトルロイヤルっス」
「ただし、三年後に始まる予定の『今回の戦い』は違う、と」

そう、三年後に太朗たちが参加する予定の『戦い』は、これまでの戦いとは様相を異にする。

「そう。第三勢力――地球と心中しようとする『魔王』かつ『姫』である『朝日奈さみだれ』と、『魔王の騎士』たる『トカゲの騎士・雨宮夕日』が、その中に存在するんだ」
「朝日奈さみだれちゃんは、現代の医療では奇跡が起こらないと治せないような難病に罹っていて、精霊アニマの加護なくしては、余命幾許もない……」
「しかも、彼女自身に未来を望む気がない以上、『願い事』でも治せない。そして彼女は地球がまるごと欲しい。だから、砕いて自分のものにして、心中するつもりなんだ」

魔法使いアニムスを打倒できなければ、そのままビスケットハンマーで地球を砕かれて、お終い。
アニムスを打倒できても、その後に隠しボスである魔王さみだれを止められなければ、やっぱり地球は砕かれる。
でもって、アニムスを倒すのにも、さみだれを止めるのにも、鍵となるのはトカゲの騎士・雨宮夕日だ。

少なくとも、『前の戦い』では、彼の存在によって、概ねハッピーエンドになっていた。

「でも、たろくんは死んだ。そこは、バッドエンド」
「そ。でも、それは覆したい。俺が生き残っても、『惑星を砕く物語』には、大きな影響はないはずだ」
「……ぐすっ、『私』なんて守らなきゃ良かったのに……」

サイコメトリーによる感覚共有で、『太朗』の最期を垣間見てしまった花子が涙ぐむ。

「んなこと言うなよ。好きな女守れなくて何が漢か」
「……好きな女を遺して逝って、何が漢よ」
「そうだな。だから、今回は生き残るって。二人で一緒に、な」
「うん」

決意を新たにする二人。
『戦い』に関する情報を共有できたことで、花子が下手なことに騎士の『願い事』を使うのは、ほぼ確実に避けられるだろう。
それによって、騎士団の生存率は大幅に上がるはずだ。

「『願い事』を掌握領域の強化に使えれば、かなり楽になるはずなんだ。
 本人の才能もあるだろうけれど、ネコの騎士・風巻豹(しまき ひょう)さんは、単体で泥人形に抗し得るだけの力を発揮できていた」

ネコの騎士・風巻豹。
メガネでぽっちゃり系の大学の助教授。
彼は『願い事』により、『泥人形を造る能力』を獲得しており、それによって獣の騎士団は大いに助けられた。
限界を超えた能力行使は、最終的には、魔法使いにも迫るだけの力を発揮するまでに成長した。

「騎士に選ばれるのは、魔法使いに至る可能性がある者……」
「そう。だから、自分の直感に従って能力を強化して、さらに修練を積めば、やがてはその境地に到れるかも知れないんだ」
「少なくとも、そのくらいを見据えていたほうが、成長に枷が嵌められないはず、ね。……じゃあ、太朗くんはやっぱり、『願い事』は、掌握領域の強化に使うつもり?」

おそらくは『願い事』を掌握領域の強化に使えば、幻獣の三騎士にも匹敵する能力を得ることが出来るはずだ、と太朗は睨んでいる。
そして、騎士各個人の実力が上がれば上がるほどに、戦いは楽になる。
特に序盤で大きな力が手に入れば、騎士たちが脱落するのを防げるかも知れない。具体的には、犬の騎士・東雲半月の脱落は避けたい。

「もちろん。だって、生き残って、戦いに勝利してこそ、だからな。命あっての物種、だ」
「……そうね」
「折角、サイコメトリーなんてものがあるんだから、それも有効に使いたい。花子も協力してくれるよな?」
「もちろんよ」

サイコメトリーと、『願い事』による太朗と花子の掌握領域の強化。

これを生かした作戦は、一応考えている。
師匠と太朗とで、これについては、何度か話し合いを持っている。
この後、花子も交えて、またアイディアを検討する必要があるだろう。

「そうだ、師匠は……。やっぱり、師匠が死ぬのは避けられないの?」
「……分からない。師匠は『一度死の未来を視てしまった以上、ソレは確定している』から無理だって言ってるけど、何か抜け道があるのかも知れない」
「確かに。師匠の命を、諦めないようにしよう。私も、たろくんと同じで、師匠には生きてて欲しいから」

それに多分あの娘たちも、そう言うに決まっている。

二人は、年下の姉弟子を思い浮かべる。
とはいえ、まだ小学生の彼女ら――星川昴と月代雪待――にも、師匠の死期については話すべきなのだろうか。あまりに酷ではなかろうか。
太朗はコレに関してずっと悩んできたし、花子も、この情報を知って、同じように悩んでいる。昴らは、まだ子供なのだ。

「言えないわよね……」
「ああ。少なくとも、何か解決策が思い浮かばない限りは……」
「一度死の運命を回避しても、そのあと運命が師匠を殺しに来るかも知れない――あの娘たちは、願い事で師匠を助けようとするだろうけれど……」

世界線の収束だとか宇宙の意志によって、師匠は必ず死ぬように運命づけられているのかも知れないのだ。

「一度は願い事で死の運命を回避できても……二度三度と同じような世界の殺意に見舞われたら――」
「最悪、願い事の無駄打ちになっちゃうね」
「まあ願い事使う以外にも、一応、いろいろ考えてはいるけど」

イージスの盾みたいな防御特化の掌握領域でも開発出来れば、何とか成るかも知れないし。
……それでも、全く別の寿命だとか事故だとかで無くなる可能性もあるのだが。
未来は不確定であるのだから。

「えーと、この辺で、騎士を確認しておかない? 師匠の未来視で確認して貰ったんでしょ?」
「ああ、メンバーに変更はないらしい。幻獣の騎士に選ばれる騎士までは分からないみたいだけど」

『幻獣の騎士』とは精霊アニマから力を与えられた騎士たちのことで、霊馬(ユニコーン)、黒龍(インビジブル)、神鳥(フレスベルグ)の三種だ。
獣の騎士の中で、おそらくそれぞれ予め、ランクアップ可能な幻獣が決まっていると思われる。

例えば、神鳥(フレスベルグ)ならば、フクロウ、ニワトリ、カマキリ、カラスだろう。カマキリの神鳥とか、ちょっと想像つかないが。
彼ら獣の従者は、全て、太陽を意味する姓を持っている。
ロキ=ヘリオスは、ギリシア語の太陽。リー=ソレイユは、フランス語の太陽。キル=ゾンネは、ドイツ語だ。ムーの姓は不明だが、スーリヤ(サンスクリット語)だとか、タイヤン(中国語)あたりではなかろうか?

黒龍(インビジブル)ならば、候補は、トカゲ、ヘビ、カメ、カジキマグロあたりか。
こっちのグループは、姓が月を意味している。
ノイ=クレザントは、英語の三日月。シア=ムーンは、英語で月。ロン=ユエは、中国語で月。ザン=アマルは、アラビア語でやっぱり月だ。

最後の霊馬(ユニコーン)のグループはそれ以外。ネズミ、ウマ、イヌ、ネコだ。
それぞれの姓の意味は、光と闇と騎士。
ランス=リュミエールは、フランス語で光。ダンス=ダークは、英語で闇。ルド=シュバリエは、フランス語で騎士。クー=リッターは、ドイツ語で騎士を意味する。

「えーと、私が『カマキリの騎士』で――」
「俺が『ネズミの騎士』。カマキリは、勇敢な――というか向こう見ずな奴が選ばれて、ネズミは臆病者が選ばれるらしい」
「臆病者……なるほど」
「納得すんなよー」

他にも色々と、従者によって選ばれやすい性格というものがあるようだ。
カジキマグロのザン=アマルなら、大抵騎士も変わり者らしい。なるほど、師匠には相応しい。

「でも、私ってそんなに向こう見ずかな?」
「さあ? まあ、その辺は、あくまでそう言う傾向があるってだけだしな」

実際、花子の性格には、人生二回目の太朗が大きく影響を与えている。
それ故に、花子が騎士に選ばれなくなるのかも知れないと心配――いや、期待していたのだが、そう事は容易く運ばないらしい。
未来視によれば、やはりカマキリの騎士は、宙野花子らしいということだ。

「えーと、トカゲの騎士は、雨宮夕日さん?」
「そう。『姫』である朝日奈さみだれのお隣さんで、第三勢力の魔王の騎士」
「そして『惑星を砕く物語』のキーパーソン」

雨宮夕日。父を亡くし、母を失い、失意の祖父に虐待を受けた経験(トラウマ)から性根が歪んでいる陰険メガネ。
戦いの最中で成長していく漢。ヒーロー。
魔王の騎士から、後にフラグ立て次第で、魔王の伴侶にランクアップ。

「カラスの騎士は、三日月さん?」
「そう。戦闘狂の」

東雲三日月。強さを求める戦闘狂。雨宮夕日のライバル。
けっこうお馬鹿。明るくコミュニケーション能力が高く、常に人の輪の真ん中に居る。
前の戦いでは『願い事』を、海外旅行中に出会った子供にパンを恵むために使用した。
ある意味では豪胆。

「で、お兄さんの半月さんは、イヌの騎士」
「『前』は直接は会ったことなかったけど、この人が生き残ってれば、後の戦いも大分楽になったはず。それ抜きにしても今、色々お世話になってるし、死なせたくない」
「そうだね」

東雲半月。イヌの騎士で、カラスの騎士の三日月の兄。
天才武道家であり、イヌの騎士の特徴である掌握領域の力強さも随一で、幻獣化せずとも単体で泥人形を破壊可能。
しかし『前の戦い』では、雨宮夕日をかばい、『五つ眼』の攻撃により死亡。死の直前に『願い事』により自身の武道家としての技を雨宮夕日に継承させる。

「えーと、昴ちゃんがニワトリで、ユキちゃんがカメ?」
「そうそう。二人で一兵の最強の矛と盾」
「そしたら、師匠も合わせて、もう半分以上の騎士と顔見知りなんだね、たろくんは」

星川昴、ニワトリの騎士。月代雪待、カメの騎士。
最年少組であるが、サイキックの才能は姫を除いて騎士たちの中で一番高い。二人の領域を合成する多重領域『最強の矛』と『最強の盾』は、彼女らの才能があってこそのもの。
『十二つ眼』の泥人形を撃破する最終領域は、彼女らのセンスがあって初めて実現する。泥人形戦での切り札となる。

「で、カジキマグロの騎士……師匠。でも、カジキマグロって何ゆえー……」
「出来れば助けたいんだけど、師匠本人が、もう生きるのに飽いてるっぽいんだよね……」
「そりゃまあ、もう500年前から自分の死期を未来視してるわけだし、覚悟完了ってレベルじゃないよね……」

秋谷稲近。アカシックレコードの掌握者、仙人、人呼んで師匠。
大昔から生き続ける超能力者だが、その力は『戦い』のころには失われて――昴と雪待に流れ移ってしまう。
昴と雪待を庇って、『六つ眼』から致命傷を受けるも、最後の力で反撃して、死亡する。
その魂は、アニムスの転生体……かも知れない。だとすれば恐らく、同時間軸上存在の制約で師匠とアニムスが邂逅することは、絶対にありえない――?

「えーと、ウマの騎士は元刑事の南雲さん、騎士団のリーダー」
「霊馬(ユニコーン)にランクアップするんだよね。多分今は未だ警察に勤めてるはず?」
「騎士の中で最年長。一番大人な人だね」

南雲宗一郎。ウマの騎士で、必殺技は百裂脚。掌握領域は平面型の『傾天平面(タカマガハラ)』。
同僚に未来視能力者(ショタ好き)がいたりして、何気に日頃から超常に触れている人。
妻子あり。趣味はボトルシップ制作らしい。

「黒龍(インビジブル)の白道八宵さん」
「コスプレおねーさん。料理が上手い。あと剣術が得意」
「普段は何してる人なんだろう……? OLさん?」

白道八宵。ヘビの騎士で、雨宮との決闘に勝利して、黒龍(インビジブル)に昇格。
紐状の掌握領域である炎状刃(フランベルジュ)を木刀に纏わせて戦う。
何度か雨宮夕日に窮地を救われ、雨宮に惚れる。あと、ひょんなことから、姫と雨宮のの地球破壊計画を知る。

「神の騎士でもあった、フクロウの騎士、茜太陽。最年少で、『戦い』当時でも小学生だった」
「家庭環境が複雑で、素で絶望の象徴たるビスケットハンマーを幻視しちゃう子」
「時空巻き戻しの能力によって、神鳥(フレスベルグ)覚醒後は、貴重な回復役になるんだよね」

茜太陽(あかね たいよう)。アニムスの側に懐柔されていた最年少騎士。後妻さんとの間に弟が生まれ、家での居場所が無いと感じている。
アニムスから時空系の能力を貸し与えられていた。『十つ眼』を撃破することで、神鳥(フレスベルグ)に昇格。
最終的には、騎士団の皆との絆を意識して、未来を欲し、騎士団と共にアニムスと敵対する道を選ぶ。

「ネコの騎士の風巻さんの発想力が無ければ、『十一つ眼』との戦いには勝てなかったと思う。『十二つ眼』にも、アニムスにも」
「温厚そうに見えて、実は一番発想がぶっ飛んでる人なんじゃない?」
「『泥人形を造る能力』なんて、普通思いつかないよなー」

風巻豹。ミスター名前負け……でも無いか?
人類の幸福のために『アカシックレコードの掌握』を願った人。悪神のハラワタ喰らう大怪獣の造り主。
大学の助教授で、専攻は多分人文系か心理学系の人。さみだれの姉である天才物理博士・朝日奈氷雨とも知り合い。

「で、最後にネズミの騎士――つまり俺と」
「カマキリの騎士――私ね」

炎使いの日下部太朗と、氷使いの宙野花子。
日下部太朗は『九つ眼』の攻撃から花子を庇って諸共に串刺しになり、リタイア。太朗の『願い事』によって花子の傷は癒えるのだが……。
花子は彼の弔い合戦で、氷を剣状にして飛ばす『勇者の剣(クサカベ)』を用い、『九つ眼』を撃破。温度操作能力として、太朗の火炎攻撃『荒神』も継承する。

「前の『たろくん』は、死んじゃったんだよね……?」
「まあ、今回はそんな事にはならないと思う」
「違うわ。そんなことには、『させない』のよ!」
「……そうだな。その通りだ」

生き残る。
二人で一緒に。
みんなで一緒に。

「あと三年……」
「やれるだけのことをやって、備えなきゃね」
「ああ。戦いに、そして未来に、だな」

明日のために、くちづけをもう一度。
誓いのキス。

「おやすみ、たろくん」
「おやすみ、はなこ」


=====================


良かったね太朗くん。
人生二回目なのは伊達じゃないね。
もう充分イイ思いしたよね?

じゃあ、次回からは必死に死亡フラグを回避する作業に戻ってもらおうか。

次回原作突入、『再会、ランス=リュミエール』。

料理シーンは出来るだけ入れたいと思いつつも、今回は入れられず。

初投稿 2012.01.05


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