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No.31004の一覧
[0] 【惑星のさみだれ】ネズミの騎士の悪足掻き(日下部太朗逆行強化)[へびさんマン](2015/01/25 16:30)
[1] 1.宙野花子(そらの はなこ)[へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[2] 2.師匠、登場![へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[3] 3.山篭りと子鬼[へびさんマン](2013/03/02 15:07)
[4] 4.しゅぎょー!![へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[5] 5.神通力覚醒!?[へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[6] 6.東雲家にて[へびさんマン](2013/03/02 15:08)
[7] 7.ちゅー学生日記[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[8] 8.再会、ランス=リュミエール[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[9] 9.初陣[へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[10] 10.結成、獣の騎士団![へびさんマン](2013/03/02 15:09)
[11] 11.『五ツ眼』と合成能力[へびさんマン](2013/03/02 15:10)
[12] 12.ランディングギア、アイゼンロック[へびさんマン](2013/03/02 15:02)
[13] 13.カマキリは雌の方が強い[へびさんマン](2012/02/26 23:57)
[14] 14.VS『六ツ眼』[へびさんマン](2013/03/02 15:03)
[15] 15.受け継がれるもの[へびさんマン](2013/03/02 15:03)
[16] 16.束の間の平穏[へびさんマン](2013/03/02 15:04)
[17] 17.不穏の影・戦いは後半戦へ[へびさんマン](2012/05/28 21:45)
[18] 18.魔法使い(アニムス)登場[へびさんマン](2012/05/28 18:26)
[19] 19.夏、そして合宿へ[へびさんマン](2014/01/26 21:06)
[20] 20.精霊(プリンセス)アニマと霊馬(ユニコーン)の騎士[へびさんマン](2013/03/02 23:50)
[21] 21.対決! メタゲイトニオン・改![へびさんマン](2015/01/14 22:26)
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[31004] 11.『五ツ眼』と合成能力
Name: へびさんマン◆29ccac37 ID:a6a7b38f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/02 15:10
『二ツ眼』は、雨宮が引きつけて、姫の拳が粉砕した。
『三ツ眼』は、祖父の病気で帰省した雨宮のもとに現れたらしいが、『願い事』を叶えて騎士の契約を完全なものにして覚悟を決めた雨宮の機転で、崖から叩き落されて撃破された。
『四ツ眼』は、偶発的に遭遇した東雲半月が、騎士随一の攻撃力を誇る、捻りを加えられた掌握領域『方天戟』で削り殺した。

その間、他の騎士団は何をしていたのかというと、基礎体力をつけるために走りこみを始めたり、連携訓練を行ったりしていた。

「あ、姫だー、おはよー」
「姫も雨宮さんもおはよッス!」

日課の早朝ジョギングであるが、花子と太朗のルートは、姫と雨宮のそれと一部交差している。
というか、折角家も近いので、ジョギングの後はいつもの公園で、そのまま早朝訓練に雪崩込むのだ。

「おー、おはよーなー」
「ああ二人共おはよう」

さみだれと雨宮も、花子と太朗に挨拶を返す。
と、雨宮が太朗の腰にぶら下げられているペットボトルを見て、オヤという顔をする。

「今日は、ガソリン携行缶じゃないんだね?」
「ああ~、二本のうちの片方はガソリン携行缶ッスよ? 不意打ちされても良いように。でも練習でガソリン爆破して消費してたら、段々補充するのが大変になってきて……」
「金欠ってことかい?」

太朗は毎朝の練習で三リットル弱くらいガソリンを消費していた。
金額的に結構バカにならない。
補導されるリスクとか、引火爆発のリスクとか、匂いが服や手に染み付くリスクもある。

「それもあるッスけど、ガススタの店員さんに顔覚えられちゃって……」
「確かにそれは、なんか気不味いかもね」
「それに水でも、充分に温度操作の練習にはなるッスからね。水蒸気爆発を起こせるようになるのが当面の目標ッスね。最終的には、触媒なしでも、空気を超高熱プラズマ化したいんで、もっと練習したいッスね」

目指せ高熱のヒートランス!
泥人形を熔かし落とす灼熱の一撃!

「もう、その技の名前も決めてるんスよ~」
「……というか技名、必要なのかい?」

間。

「え? 付けないんスか、必殺技名」
「何故、技名つけるのが当然という流れなのか理解出来ない」


◆◇◆


 ネズミの騎士の悪足掻き 11.『五ツ眼』と合成能力


◆◇◆


「ほな、訓練しよっか」
「はぁ、はぁ、はぁっ。……っ了解です、姫」
「了解ッス」
「は~い」

息を乱しているのは雨宮だけだ。太朗と花子は数年来走りこみを続けているし、姫は化け物級の体力を誇る。
自分の無力さに、雨宮は歯を噛み締める。
最終的に地球を姫に献上するためには、泥人形を粉砕し、魔法使いを下し、その上で生き残った騎士たち(最大十一名)を捩じ伏せなくてはならない。

雨宮夕日は思考する。

泥人形には勝てるだろうか。
一撃必殺の威力を持った拳を振るう、あの異形のニンギョウどもに。
『三ツ眼』には、機転を効かせて雨宮単独で勝つことが出来た。今のところ、騎士に欠員は居ない。だが、果たして今後もこのまま上手く行くかというと、疑問が残る。

既に最低でも十回以上は、歴代の獣の騎士団は、魔法使いアニムスの陣営に敗北し続けている。
超常の力を得ても尚、櫛の歯が抜けるように騎士団は欠けて、最終的にはビスケットハンマーで地球と時空を砕かれている。
という事は、泥人形は、戦いを重ねるごとに強力になっていくのではなかろうか、と容易に予想できる。

生き残ることは大前提。
その上で、魔王の騎士として、他のすべてを打倒する。
その為には、時に騎士団の仲間を利用し、磨り潰し、使い捨てることすら必要である。

そんな思いを胸に、雨宮は、太朗と花子のコンビを見る。

雨宮が息を整えている間に、太朗は姫と組手を始めているし、花子も能力の練習を始めている。

「うしっ、姫、じゃあお願いします! ……目一杯手加減して下さいよ?」
「あ~、分かっとる分かっとる。ちゃんと死なへん程度に威力抑えるから。……でも、大体日下部さんの動きも分かってきたし、それなりに力込めていくで~」
「ははは、お手柔らかに……」
「ウチもそろそろ東雲さんに勝ちたいからな~、ちょっと本気で行くでー。しっかり避けぇてぇな?」

ぐるぐると腕を振り回して台風のように風を鳴らしながら、さみだれは告げる。
ここで彼女が言う東雲さんとは、兄の方(東雲半月)である。
古武道の達人である半月相手に、さみだれの山をも削る馬鹿力は通用せず、良いように翻弄されてしまっているのだ。

『虚ろな力だな』

などと、借り物の力であることを見抜いたかのような発言を半月にされて、それが彼女には悔しい。いや、人間台風レベルの姫に向かってそんなセリフを言えるのは半月兄貴だけッス。
というわけで、せめて一太刀報いねば気が済まん、ということで、さみだれも特訓中なのである。
その相手として選ばれたのが、受け流しスキルを一点伸ばししていた太朗である。太朗も、今後の戦いで泥人形の一撃を受ける可能性を考えて、どうしようもなく即死級な攻撃のプレッシャーに慣れたいと考えていたので、渡りに船であった。

さみだれが拳を振りかぶる。
それはまるで津波のようだ、と相対する太朗は思う。
さみだれも手加減はしているのだろうが、それでも軽自動車が突っ込んでくるくらいの威力は平気であるのではなかろうか。

太朗は思わず、その拳を前に目を瞑ろうとする自分の臆病な心を抑えつけて、それに打ち勝って目を開く。
怖い、怖い、怖い。目の前の一撃が、『前世』での『九ツ眼』の馬上槍の一撃と重なる。トラウマは未だ払拭できず。
日下部太朗は勇者であるが、心根は一般人なのだ。怖いものは怖い。超能力に目覚めて、惑星を砕く物語に巻き込まれても、太朗は一般人なのだ。……メイビー。

「うりゃあッ!!」
「なんのぉッ!?」

迫る拳に、横から手の平を当てて、軌道を逸らす。受け止めるのではなく、逸らす。激流を制するは静水なのだ。
同時に太朗は足元に掌握領域を展開、雨宮直伝の方法で領域を踏み台にして機動力を強化。拳の範囲から一瞬で逃げる。
逃げた太朗を姫が追う、弾丸のように地を駆ける。再び拳を振りかぶる。

「もいっちょーッ!!」
「喰らうかッ!」

拳、蹴、拳拳拳、蹴蹴、握、拳拳、拳――。
嵐のような連撃を、太朗は磨きぬかれた回避特化の体術と、巧みな掌握領域の運用で、躱し、いなし、受け流し続ける。全く以て、激流に身を任せどうかしている……!!

それを雨宮は、従者のトカゲ・ノイと、太朗の従者のネズミ・ランスと一緒に、感心しながら見ている。

「おー」
「おー」
「おー」

まるでアクション映画の格闘シーンみたいに、太朗はピョンピョンと逃げまわり、時に掌握領域を踏み台にして、ワイヤーアクションのように鋭角的な空中機動をしたりする。
そして姫は超スピードでそれを追い掛ける。拳が振り回される度に轟々と風が渦巻く。
これだけの事をやっていると周囲の目が怖いが、そこは秋谷師匠直伝の人払いの仙術の札が、一般人の眼を誤魔化している、らしい。師匠まじ便利。

「凄いな日下部くんは、毎朝思うけど、よく姫の攻撃に目がついていけるものだ」
「まあ太朗は昔から、この戦いのことを予知してたらしいからな。八年くらいずっと、これを見越して師匠に鍛えてもらってたらしいぜ」
「これだけ動けても『才能がない』と宣うのだから恐れ入る。夕日も早いところ何が何でも力を付けないと、いつの間にかモブに成り下がるぞ? 半月殿にも教えてもらうと良い」
「ぐ、ノイ、そこはかとなくメタ的な発言を……。だけど確かに一理ある。予想外に騎士団の戦力が充実しているし……」

雨宮は考察する。
風神・東雲半月、百裂脚・南雲宗一郎、剣術家・白道八宵、鬼神・東雲三日月、仙人・秋谷稲近師匠、仙人の弟子・日下部太朗。
十二人の騎士の内、実に半数近くが、泥人形と戦って足止め程度は出来る戦闘能力を持っている。半月と稲近に及んでは、単独で泥人形を撃破できるだろう。

雨宮は観察する。
騎士団と共に修行しながら、彼らの癖や思考を読み取り、何時か敵対する日に備えて自分を磨く。
最後の最後で、全ての騎士を打倒するために、獅子身中の虫となる。

「良く避けてるけど、そろそろ限界じゃねーか? どう思う、ノイ」
「ふむ、まあ昨日までの様子だと、そろそろ集中が切れる頃合いだろうな」

思考に没頭する雨宮だが、ランスとノイの声で我に返る。
ちらりと雨宮は、太朗と姫から離れて練習している花子の方を見る。

「……まあ、領域の半分を割いて、宙野さんの特訓の『的』も動かしてるんだ。そんなマルチタスクじみたことをやっていれば、早々に神経も磨り減るさ」

花子の周囲を、掌握領域に包まれたビニール袋がひらひらと飛んでいた。
花子の腕の回りには、まるでライフルの弾を思わせるような鋭い円錐形の掌握領域が、彼女の腕を中心軸として、リボルバーに装填された弾丸のように浮かんでいた。
東雲半月の掌握領域『方天戟』からヒントを得て改良されたそれは、捩じって伸ばされた、無数の小さな弾丸状の掌握領域なのである。

「当たれーーーッ!!!」
「もっと良く見るのだ、花子。動きを予測し、一手当てて足止めし、それを突破口にして連続で叩き込むのだ!」
「分かってるよ、キル。――行けー!!」

ひらひらと翻弄するように飛び回るビニールに、花子は腕を向けて、周囲に浮かべていた弾丸状の掌握領域を飛ばす。クロスファイア、シュート。
あたかもマシンガンのような勢いで、無数の掌握領域の弾丸が連続してビニールに向かって襲いかかる。撃ち出される端から花子の腕の周囲の弾丸は追加されて、途切れなく攻撃が続く。
動くビニールに追従するように、花子も腕を動かし、見えない砲身を差し向ける。念力の弾丸が次々と飛び出す。放たれた弾丸は、ある程度の追尾性能も持っているらしい。ひらりと交わすビニールに向かって弾が曲がる。

「最初のうちは、あのビニールの方もあんまり動かせなかったし、そっちに気が散って姫の攻撃も喰らいまくってたのになー。太朗も進歩してるゼ」
「ランス、だが流石に限界だろう。花子の方の的の動きも単調になっているし、太朗自身も動きに精彩を欠き始めている」
「――あ、当たった」

雨宮のつぶやきと同時に、姫の拳が遂に太朗を捉えた。
掬い上げるようなアッパーで、太朗が上空に五メートルほど吹き飛ぶ。
一見すると即死の一撃だが――

「……取り敢えず受け止めることは出来たみてーだな」
「姫も手加減しているからな」
「日下部くん、ちゃんと意識は残ってるかな? 落ちたら洒落にならないぞ――あ、宙野さんが受け止めに行った」

雨宮たちの視線の先で花子が太朗の落下地点に向かって走り出す。

「太朗くん! 大丈夫っ!?」
「んぁ? OK、OK! 大丈夫だ!」

太朗の方も、空中で体勢を立て直し、足元に掌握領域を展開して落下の加速度を相殺する。
花子も上空に無数の小石のような領域を雲のように展開し、太朗の速度を殺していく。
数秒の浮遊。その後に、太朗は再びふわりと地面に降り立った。

「大丈夫?」
「ああ、大丈夫、サンキュな、花子。助かった」

花子の肩を借りて、太朗が雨宮たちの方にやって来る。
姫もやって来る。

「あ~、ダイジョブやった?」
「ええ、ちゃんと受け流せたッス」
「せやろなー、あんまり手応えなかったもん」

姫が太朗を労る。次はもうちょい本気で言ってもええやろか、などと呟いている。
さすがにそれは死ねる、と太朗は冷や汗かきながら懇願する。

「これ以上本気で来られると、流石に死ぬッス。手加減して下さいッス」
「そうかな~? なぁんか、日下部さん、底知れん感じがするんよねー」
「買いかぶりッスよ。……んじゃ、雨宮さん、バトンタッチっす」

太朗が戦っている間に息を整えた雨宮が、今度は姫と模擬戦をする。

「ああ。では、姫、ご指導お願いします」
「ん。ほな行くでー、しっかり避けぇや、ゆーくん。ま、いつも通り空中鬼ごっこな」
「御意」

雨宮駆け出す。
さみだれが追う。

雨宮が跳ぶ。掌握領域を踏んで空高く。
姫も跳ぶ。雨宮を追って。時には飛び越えて。
人がピョンピョン跳ぶのは、師匠の作った人払いの札符が無ければ人目を引きすぎてしまうだろう。

「凄いなー、三次元機動」
「太朗くんも、あそこまで自由自在には飛び回れないもんね」
「目が回っちゃうからなー。空戦機動は、才能だと思うぜ。――まあ、俺らが目指すのは、『広域索敵手』と『機関砲銃座』だし」
「あとは、最低限、緊急回避できる程度の瞬発的な機動力があれば良いもんね」

そう、太朗と花子が求めるのは、安全圏から勝利に貢献できる能力。
その為に、指輪の騎士の願い事を、自分たちの能力の強化に使った。
二人で一つの、絶対攻撃能力。太朗が願ったのは、掌握領域の射程拡張・探索特化による『広域索敵手』の役目。では『機関砲銃座』だという花子が願ったのは――?

「じゃ、練習しよっか」
「おう!」

太朗が公園のゴミ箱から空き缶を取り出し、遠くに整列させる。
花子の手を握り、指を絡める。少しはにかんで目を合わせ、呼吸を合わせる。
掌を通じ、サイコメトリーで心を通わせ、掌握領域を合成しようとした時――



―― ズ ク ン ――


と、まるで胸を刃物で貫かれたような怖気が走った。
殺気が、はるか遠くから太朗と花子の胸を刺す。

「太朗くん、これって……」
「ああ……多分、泥人形だ」

揃って思わず、遠くにある山を見る。殺気を感じた方向だ。
山からまるで巨大なナイフが突き出ているような、不吉な感覚。
雨宮と姫も気づいたのだろう、空中鬼ごっこを止めて、太朗たちと同じように、脅威の気配を感じる山の方を見ている。

姫ら二人が、太朗の方を見て、視線で促す。
それに頷くと、太朗は胸の前で手を叩き合わせ、索敵能力を発現させる。

「……索敵海域『綿津神』!!」

掌握領域が海原に広がる波のように空間を渡っていく。
太朗は目を閉じ、『綿津神』から得られる感触を分析する。

「――間違いねッス、『五ツ眼』の泥人形ッス」
「……ご苦労、ネズミの騎士。相手は動く様子は?」
「――今のところ動く気配は無いッス。今までの奴らと違って、待ち構えてるみたいな感じッスね」

太朗は得られた情報をさみだれに報告していく。

「さっきの索敵波で、相手に気づかれた様子は?」
「多分気づかれたと思うッスけど、動かねッスね。多分街中に出てくることはないかと」
「何でそう思うんだい、日下部くん」

太朗の予想に、雨宮が疑問を挟む。

「何か『五ツ眼』は、森の中での戦いの方が得意そうな形してるからッスよ。だから、森の中からは出て来ないと思うッス」
「へえ、形まで分かるんや、能力成長したん?」
「ええ、『綿津神』も精度向上して、相手の大体の造形も分かるようになったんスけど、――それ見て貰った方が早いッスね。サイコメトリーで共有するッス」

太朗の『綿津神』を通じてサイコメトリーが発動し、『五ツ眼』の姿が、雨宮たちの脳裏にも投影される。
『五ツ眼』は球形の身体から何本もの腕を生やした姿の泥人形で、確かに平地での戦いよりも、森の中のような障害物が無数にある場所のほうが、より機動性を確保できそうな造形をしている。
森の中での戦いとなれば、『五ツ眼』は木々の幹を掴んで三次元的に縦横無尽に木立の間を跳ね回り、その機動性を生かして、死角から襲ってくるだろうことは容易に想像できた。

「確かに今までの泥人形とは、なんか雰囲気が違いますね、姫」
「せやな、今までは人間っぽい形やったけど、何か今回の奴は、形もちゃうな」
「魔法使いもいよいよ本気ってことじゃないッスかね? 中盤戦というか、ほら橋を渡ったら敵が強くなる的な?」

太朗の言い分に姫が呆れる。

「ゲームかいな」
「ゲームでしょう、どう考えても。本気でやるなら、さっさとハンマーを落とせば良いんスから」
「ははは、確かになー。魔法使いにとってみれば、この戦いは、ゲーム……遊びか」

確かにその通りであった。
地球の未来を掛けた、命がけのゲームだ。
そのやり取りを聞いて、きっと魔法使いはガキに違いない、と雨宮は思った。


◆◇◆


「んで、姫、どうするッスか? 取り敢えず他の騎士が先走らないように、『一旦待機』って『綿津神』に流したッスけど。三日月さんとか、特攻しそうですし」
「向こうが待ちの姿勢なんやったら、こっちも充分戦力集めてから掛からせて貰おか。今日の午後に集合で。学校や職場は、体調不良で休んでもらおか」

地球の一大事だ。
学校だの会社だの言っていられない。
今はまだ朝の八時前だし、関係各所への休み(サボり)の連絡も充分間に合うだろう。

「了解ッス。じゃあ、この後直ぐ集まって、作戦会議ッスかね?」
「せやな、したらその旨連絡したってや。あと日下部さんは、『五ツ眼』監視しといてなー」
「了解ッス」

太朗が『綿津神』を展開し、町内の騎士たちに、今後の動きを通達する。
直ぐ様他の騎士から了承の意思が返る。どうやら皆きちんと起きていたらしい。結構なことだ。

そこに花子が口を挟む。

「ん~、ちょっとこっちから偵察と牽制の攻撃を仕掛けることも出来るよね?」
「ん? でも不用意に近づくのは許さんで。折角有利な戦いが出来そうやのに、下手打って怪我したら勿体無い」
「近づく気はないんだけどね。私は未だ死ぬ気はないよ、さみちゃん。――でも、今朝の訓練は途中だったし、『的』を『五ツ眼』にしても良いと思ってるんだけど」

『五ツ眼』を『的』に?
少なくとも十キロは離れているというのに、どうやって?
射程範囲に近づいて、さっきの機関砲のような掌握領域をぶつけるつもりなのか?

「んー、私の――いや、私たちの能力の射程は、そんなに短くないよ」
「私たち?」
「そう、私と太朗くんの能力は、『二人で一つ』。最強の矛と盾を持った人間がいれば、それは矛盾せずに一つの最強の兵士に昇華されるように、私たちは二人で一つの能力者なの」

秋谷稲近が言う『矛盾の教え』は、昴と雪待だけでなく、太朗と花子にも受け継がれている。

「太朗くんと私の二人で力を合わせれば、高々十数キロ程度離れた場所の泥人形に攻撃を当てることなんて、造作も無いのよ、さみちゃん」

花子はさみだれのことを、さみちゃんと呼んでいる。
それはさておき、実際にそんな10キロスナイプを超える神業が可能なのかと、雨宮は聞いていて思う。
思わず雨宮は、訝しげに太朗の方を見る。太朗は恥ずかしげに苦笑して頭を掻いている。

「まあ確かに、何とか成るとは思うけど」
「いいじゃない、太朗くん。どうせここらで一回、能力の限界について確かめないといけなかったんだし」
「……そうだな、やってみるか! 男は度胸! 何でも試してみるもんさ、ってね」

そうして太朗と花子は手を繋ぎ(もちろん恋人つなぎである)、目を瞑って意識を集中する。
仲睦まじいことだ。彼らが恋人同士なのは、騎士団の中では周知の事実だ。雨宮は若干羨ましそうに見ている、さみだれと恋仲に、いやいや畏れ多いなどと考えているのだろう。
深呼吸。出来ればキスしたほうがサイコメトリーの結びつきも強くなるのだが、と太朗と花子は思いつつ、精神を集中させる。宣言。

「「合成領域『菅家の梓弓』」」

二人の言葉と共に、太朗の索敵海域『綿津神』が、再び展開される。
ただし、いつもの全周囲展開ではなく、先程場所を確認した『五ツ眼』の方に向けて絞った形で、掌握領域は広げられた。全周囲に展開するより、領域の濃度が高まっている。
触手のように伸ばされた太朗の『綿津神』が、『五ツ眼』をその内に捉える。

握った手を介して、太朗から花子へ、『綿津神』で得られた『五ツ眼』の情報が、サイコメトリーによって交感し、交換される。

「「見つけた――」」

海神の目が敵を見つけ、天雷の矢が、『五ツ眼』へと襲いかかる――。


◆◇◆


『五ツ眼』は微睡んでいた。
樹の枝に乗っかって、微睡んでいた。

いつの間にか土から生まれた、魔法の泥人形(ゴーレム)。
ゲームの駒。騎士団を屠るための暴力装置。地球を砕くための前座。
造物主であるアニムスの降臨も近い。既に十二の兄弟たちのうち、『四ツ眼』までが倒されてしまっている。それも、騎士団の方に犠牲は出さず。

この時空におけるビスケットハンマーを巡るゲームは、これまでのように相手の『姫』を狙うのではなく、趣向を変えて、騎士団を削っていくことになっている。
理由は知らない。おそらくは、アニムスの気紛れか、精霊アニマと魔法使いアニムスとの間で何かしらの密約があったのだろう。
ただ『五ツ眼』の彼からしてみれば、それに従うだけの話だ。それこそが彼の存在意義なのだから。

だが、未だ彼は微睡んでいた。
宣戦布告の産声は上げた。ありったけの殺意を叩きつけてやった。
程なくして騎士たちはやって来るだろう。だが、それまですることはない。だから彼は微睡んでいた。

先ほど、如何にもか弱い何かの波動を感じたが、余りにもか弱すぎて、すぐに忘れてしまっていた。
恐らくは、騎士団の誰かの能力なのだろう。この時代に、泥人形を察知して情報収集してくるようなサイキッカーの集団は、指輪の騎士団くらいしか居ないのだから。

そして、再び、先ほどの薄っぺらな波動が、彼を覆う。
先程より少しは密度が高まったようだが、それだけだ。
泥人形に傷を与えるには、普通は騎士二人分の領域を重ねる必要がある。こんな薄まった領域(サイキック)では、何も出来ない。


(……――――?)


違和感を覚えた。


(……――――ッ!!)


そしてそれは次の瞬間に驚愕と狼狽に変わった。


周囲を覆っていた、粘着くような薄い掌握領域は、今や完全に敵意を露わにしていた。
『五ツ眼』を取り囲む、弾、弾、弾――、無数の弾丸。掌握領域を捻って固めたそれが、薄い領域の中から浮き上がるようにして『五ツ眼』に狙いを定めていた。
そして、その内の一部が、一気に襲いかかる。まるで鎖のように連なったそれが、『五ツ眼』に叩きつけられ、彼を樹上から叩き落す。

そしてそれでは終わらない。
幾百と周囲に浮かぶ弾丸は、連続して『五ツ眼』に襲いかかる。
機関銃の弾のように、息つく暇も与えずに、連続して彼の身体を撃ち据える。

弾丸は、『五ツ眼』の身体を、連続する衝撃によって拘束する。
その威力は決して高くない。泥人形を抉るには、今一歩足りない。だが、泥人形を釘付けにするには、充分過ぎる威力がある。
マンストッピングパワーに秀でた、尽きない弾丸。

これが、太朗と花子の合成能力『菅家の梓弓』。

『五ツ眼』は苛立ち、同時に己の内で戦闘意欲が沸々とたぎるのを感じる。

――――小細工を弄されるのは、力量で劣る騎士どもとの戦いでは常のこと。そんなことは覚悟の上、当然のこと。ならば、我ら魔法使いの使徒は、それを圧倒的な力で打ち破るのみ。

既に逆探知は済んでいる。
周囲を覆ううっすらとした悪意の掌握領域の、その発生源の場所は把握している。
待ちに徹するつもりであったが、この期に及んでは、打って出る他あるまい。嬲り殺しにされるのは、かなわぬ。

別に戦場は木立の間でなくとも良いのだ。街はいわば、中国の桂林のような断崖絶壁が立ち並んだ渓谷のような立体迷宮。
この腕だらけの身体を生かすのに、森の中と何の違いも支障も無い。電柱も多く突き立っておることだし。
そうと決まれば、ビルの間を飛び回り、騎士たちを次々と屠ってくれる。


そう決めて、森の外へと跳躍しようとした瞬間。


鏑矢のように音を引いて飛んできた強力な掌握領域に、『五ツ眼』の腕が砕かれた。


◆◇◆


合成能力『菅家の梓弓』。
これは特殊強化された太朗と花子の掌握領域を、太朗のサイコメトリーによって融合させた能力である。


二人が指輪に願ったのは、掌握領域の特殊強化。

太朗が願ったのは、射程拡大と超能力への反応による探索特化――索敵海域『綿津神』。
街一つを覆うくらいの、超射程の索敵能力。
騎士の早期集結と、泥人形の早期発見、逃げる敵への追撃のための探索能力。

そして花子が願ったのは、単純に、掌握領域の燃費向上と威力強化。
これによって、花子は、幻獣の三騎士に匹敵する(かもしれない)継戦能力と威力を手に入れたのだ。
それは、いざという時に花子単独でも身を守れるようにと考えた、太朗の提案によるものであった。

そして二人の願い(能力)を繋ぐのは、太朗の異能――サイコメトリー。
認識を共有し、世界を共有することで、能力を融合させる。
太朗の射程と、花子の威力が融合するのだ。

掌握領域は、身体の延長。
術者にとっては、第六番目の知覚にして、新たな器官。
花子は、太朗のサイコメトリーを通じて、『綿津神』の展開範囲をあたかも自分の体の延長のように扱うことが出来る。そして、それゆえに、『綿津神』の範囲内であれば、花子自らの掌握領域を自在に遠隔展開することすらも可能。

それこそが、合成領域『菅家の梓弓』。

姿も見えぬ遠方から、『綿津神』を介して弾丸を、遠くに居る標的の周囲に顕現させ、それを殺到させるという遠隔攻撃能力。
一撃の力ではなく、機関銃のような手数を追求することによって相手を拘束する能力だ。
単体で泥人形を撃破するのではなく、露払いを行い、牽制し、足止めし、そして追撃すら行うという、サポート系の能力。『梓弓』で足止めして泥人形の動きを止めて釘付けにして、他の騎士たちが掌握領域を集中させる時間を稼ぐことが主眼なのである。

ちなみに合成領域の名前の由来だが、学業の神である菅原道真公が弓の名手でっあったという話と、『綿津神』の波打つような様子を弓をかき鳴らす梓弓と掛け、超遠隔攻撃であることを弓に準えている。
そして、花子単独の能力名は、いまだ決まっていない。太朗の『前世』では、氷の塊を連続射出する能力を、太朗の弔いということで『勇者の剣(クサカベ)』と名付けていたが、流石に太朗が死んでない以上は、その名が使われることはない。

『菅家の梓弓』による弾幕は、威力を追求していないとはいえ、何百と弾丸を殺到させれば、ダメージは蓄積する。
泥人形には急所と呼べるようなものはなく、まさにゲームの敵のように、体力(HP)をゼロにするまで立ち上がり続けるし、取り逃がして時を置けば、HPのダメージと共に負傷も回復する。
『五ツ眼』が、殺到する弾幕に打ち据えられ、転がされ、叩き落される様子が、『綿津神』を通じて太朗には手に取るように伝わる。致命傷を与えるには至らないものの、確かにダメージは蓄積しているようで、『五ツ眼』の表面は傷だらけでボロボロになっている。

「そろそろかな、弾幕の遠隔発生と制御は上手く行ったし」
「そうだね、泥人形の足止めには、あの程度のサイズの細かく分けた掌握領域でも充分な威力があるみたい。じゃあ、次は弾幕じゃなくて、狙撃の方も試してみないとね」

そう言って、花子は腕を伸ばし、一際大きな掌握領域をその腕の先に作り出す。
そうしながらも、『五ツ眼』の周囲を飛び交う弾幕は、『五ツ眼』が逃げ出さないように拘束し続けている。掌握領域の並列操作は、太朗のみならず花子もある程度は熟達しているのだ。
花子の手元に浮かんだ弾丸は、渦巻くように捻られて円錐型に形を変える。

花子の手を握る太朗の手に、強く力が込められる。

「『綿津神』、標的をロック。あとは自動追尾するから遠慮なくやっちゃって」
「ん、ありがと。じゃあ、領域同調開始、『菅家の梓弓』狙撃弾モード、発射ッ!!」

花子の手から、狙撃弾が轟然と発射される。

と同時に、周囲に満ちていた『綿津神』の気配が消える。
いや、消えたのではない、これは――

「へえ、日下部さんの領域が、宙野さんの弾丸に巻き込まれて行っとるんやな」
「あ、さみちゃんは分かるんだ? 流石だね」
「まあ、『姫』やしな」

そう、『五ツ眼』に向けて展開されていた『綿津神』を呑み込んで喰らい尽くしながら、花子の弾丸は、驀地(まっしぐら)に敵に向かって飛んでいっているのだ。
それによって、最終的に泥人形に弾丸が到達する頃には、弾丸は花子と太朗の二人分の掌握領域を合わせた強度を得るに至るのだ。

「でも、『綿津神』との繋がりが切れたら、向こうに展開して足止めしている弾幕も消えたりしないのかい?」
「狙撃弾が着弾するまでの数秒くらいは保ちます。あと、『綿津神』自身に、掌握領域や泥人形みたいな、超常の力に反応する性質を持たせてますんで、多少泥人形が動いても、ある程度は追尾・誘導できるッス」

泥人形が動いても、それに纏わり付く『綿津神』の残滓は決して離れない。
そして、『綿津神』の中を、喰らい尽くしながら飛んでくる狙撃弾は、まるで綱を手繰るように自動的に泥人形に向かうことになる。
放たれれば容易には逃れることのできない、自動追尾の弾丸。――弾丸と言うよりは誘導ミサイルか?

「超遠距離からの弾幕の展開と、足止めした上での追尾機能付き高速狙撃弾か……。これから先の戦いは、もう殆ど勝ったみたいなものじゃないか?」
「あはは、だと良いんスけどね~……。――っと、そろそろ着弾したッスかね。泥人形の様子を確かめてみるッス――索敵海域『綿津神』」

雨宮の言葉に、太朗は曖昧に笑って返事を濁す。実際、魔法使いとの戦いが、そう上手く行くとは、太朗は楽観しきれない。
『五ツ眼』を追尾するように展開していた『綿津神』が、花子の狙撃弾に喰らい尽くされて消滅したのを感じ取った太朗は、胸の前で手を叩き合わせて、再度『綿津神』を展開する。戦果を確認するために。
空間を渡るように掌握領域の波動が広がり、直ぐに『五ツ眼』の状況が、太朗の感覚に捉えられる。そしてそれは、他の騎士団の面々にも、『綿津神』による擬似テレパスで共有される。

「おお、ちゃんと当たったみたいだな。腕一本もげてる。流石だぜ、花子」
「まあまあだね。泥人形はまだ動いてるみたいだけど、もう一発いっとく?」
「いや、もう無理、体力が限界。意外と消耗激しいし。後一発くらいはいけるかもだけど、監視用に『綿津神』使う体力残しとかなきゃならないし。それにアレだけ痛めつければ、多分暫くは『五ツ眼』も動けないだろうし」

『綿津神』が捉えた『五ツ眼』は表面に幾つもの罅が走っており、腕も一本綺麗に粉砕されていた。
八割殺しといったところであろうか、HP的に。
警戒しているのか、あるいはダメージが大きく動けないのか、『五ツ眼』は身じろぎもしない。貝のように丸まっている。

太朗の、体力が尽きたという言い訳は、本当である。
願い事で掌握領域の燃費を向上させている花子はともかく、ジョギングして組手して特殊能力を使い合成能力を披露したら、太朗の体力は底をつく。
そもそも今回は合成領域『菅家の梓弓』の限界性能試験の面が大きく、これ以上『五ツ眼』を痛めつける気もない。他の騎士に戦闘経験を積んでもらうためにも、太朗たちだけで倒してしまうのは望ましくない。

「んじゃ、予定通り、この後皆で集合な。日下部さんは、それまでに体力回復させるのに、安静にしとってな。『綿津神』で山の中の『五ツ眼』を見つけてもらわんとアカンから」
「了解ッス。あ、他の騎士にも、今の言葉中継しといたッス」
「ご苦労。ほな、何か『五ツ眼』に動きがあったら知らせてぇな?」

取り敢えず、この場は解散である。
作戦会議後、昼からは騎士団総出で山狩りだ。

行動不能なほどのダメージを負った上に、騎士団全員からフルボッコにされる『五ツ眼』が哀れでならない。


◆◇◆


その後『五ツ眼』は、太朗の『綿津神』で居場所を割り出され、騎士団全員で囲まれた上で、花子のガトリングのような掌握領域で釘付けにされて、全ての騎士の掌握領域を集中させられて砕け散った。


◆◇◆


夢の世界、精霊と幻獣の扉の向こう。
さみだれに招かれた者しか来ることの出来ない、荒涼とした場所。
その正面には、青い宝石が――地球が大きく見えていた。

それを見据える男女が一組。
魔王としての朝日奈さみだれと、彼女の騎士たる雨宮夕日だ。

「あれ、厄介やな、合成領域『菅家の梓弓』」
「ええ。正直あまり敵に回したくはありませんね」

街全体を覆う索敵能力。
その範囲内で自在に出現する足止め用の無数の弾幕。
止めにアンチマテリアルライフル並の威力を叩き出す追尾機能付き狙撃弾。

「ま、攻略法がないわけじゃないですが」
「自身あり気やな」
「簡単です、遠隔攻撃に特化した能力ですから、近づいてしまえば良い。カマキリの騎士の弾幕は厄介ですが、ネズミの騎士を盾に取れればどうとでも出来る。機動力には自身がありますし、狙いを絞らせないように動いて撹乱して懐に飛び込む」

相変わらず外道やな、と姫が笑う。だが、姫のためには幾らでも外道になると、雨宮は決めている。
それにこの宇宙に浮かぶ夢の空間に招かれているのは、雨宮の中でも憎悪に染まって地球破壊に同調した一部の意識でしかない。破壊衝動が強いのは当然であった。

「まあでも、泥人形との戦いでは、あの支援能力は使い勝手が良さそうや」
「ええ、精々役に立って貰いましょう。地球を壊すための、その露払いに」

惑星を砕く物語は、中盤戦。
未だ一人も騎士に脱落者はおらず。
敵は強くなり、戦いは激化する。


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東雲半月、ひとまずは生存。今回出番なかったけど。
次回は、他の騎士と太朗の関わりを描いた幕間的な話か、『六ツ眼』との対決。

このSSが切欠で「惑星のさみだれ」を揃えてくれた人がいて、感激です。SS書き冥利に尽きますね。
某2525動画では、MADとか偽OPも作られているので、惑星のさみだれを未読の方は是非見て欲しいかもです。
おすすめは「【MAD】惑星のさみだれ 幼馴染のダイアモンドクレバス【水上悟志】」sm5259741。このSS書く切欠の一つだったり。

初投稿 2012.02.04


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