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No.30388の一覧
[0] 【ネタ】マーカス「プランBでいこう」 凛「ハァ? 無いわよそんなもん」[ベルセル子](2011/11/06 15:11)
[1] マーカス「ランサーの出番だ!」[ベルセル子](2011/11/06 15:09)
[2] ドム「メディック!!」[ベルセル子](2011/11/17 15:58)
[3] アーニャ『ドーンハンマーは使えないわよ』[ベルセル子](2011/11/26 15:51)
[4] ○○○ 「クレスタアアアアっ!!」[ベルセル子](2011/12/15 12:09)
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[30388] 【ネタ】マーカス「プランBでいこう」 凛「ハァ? 無いわよそんなもん」
Name: ベルセル子◆ce73484d ID:b2525abf 次を表示する
Date: 2011/11/06 15:11
注意! 二次創作です。自由(フリーダム)です。マッチョです。チェーンソウです。OK?


 まずは落ち着こう。遠坂凛は自身に言い聞かせた。しかし、興奮していようが冷静でいようが、ましてや憤りを感じたところで目の前の惨状に然したる変化など訪れる筈もない。

「はぁ……」

 凛は嘆息をひとつ吐くと、この不可解でいて珍妙な出来事の“原因”を探るべく記憶を今朝方まで遡らせた。


 今朝の凛は普段の低血圧を微塵に感じさせぬほどに絶好調であった。
 幸先が良い。めっきりと寒くなった冬木の空も珍しく快晴であり、まるで自身の前途を祝しているかのような青空に凛は思わずニヤリと笑みが零れる。

聖杯戦争。

 始まりの御三家と云われる「遠坂」にとって聖杯の探求は先祖代々の宿願であり、凛にとっても十年来の目標であった。そして、今日その戦争の参加条件とも云える「サーヴァント」の召喚の儀を凛は執り行うのだ。
 そんな大切な日にすこぶる体調が良いものだから、自然と上機嫌になる。が、やはりそこまで上手くいくと逆に不安になるのもので、凛はまさかと思いカレンダーの日付を穴が空くほど見つめ、一応、念の為に朝刊の日付とも見比べてみた。

 間違い無い。やはり今日が“その日”だった。おまけに大安である。まぁ、それはあまり関係ない。

―――― ここまではいい。問題はこの後だと、凛は更に記憶を進める。

 そうと決まれば、あとは召喚の準備に取り掛かるのみで、凛は意気揚々に着々と準備を進めていく。召喚に必要な道具をあれやこれやと揃えると大した量では無いのだが、ひとつに纏めるとそこそこの量にはなる。
 仕方が無く分けて地下室に運ぶことにしたが、並べられた道具を見ていると“何か”が足りない様な気がした。
 はて、なんだったか? と道具をひとつひとつ手に取り確認していき、それに気づいた時、凛は「あ……」と間の抜けた声を出して手にした道具のひとつを床に落としてしまった。

 そうだ、「鉄」だ! 鉄を用意するのを忘れていたのだ。
 凛は己の失態(ヘマ)に眩暈がした。グラグラと揺れる頭を手で押さえつつ、床へと座りこんでしまう。普段の低血圧が今になって襲ってきたかのようだ。

 単に鉄といっても其処ら辺にあるものでは駄目で、矢張り純度の高いものが望ましい。しかも今から伝手を頼って取り寄せる時間も無ければ、購入する資金も無い。既に聖杯戦争の準備のために購入した宝石に大部分を費やしてしまったからだ。
 八方を塞がれて、何時しか凛の上機嫌はコインの裏返しのようにひっくり返った。だが、いつまでも塞ぎこんでいる場合ではない。この程度のことでへこたれていては、聖杯戦争に勝てる筈もないのだから。

「よし」

 凛の双眸に気迫が宿る。四肢に力を込めて立ち上がり、眩暈を振り払った。そして、凛は“残された手段”を実行に移す。

 凛は次々と引き出しを抜き取り、逆さまにして中身を床にブチ撒ける。そう、凛に残された手段、それは「家探し」であった。
 もしかしたら。という希望的観測に一縷の望みを掛けて、凛は引き出し、クローゼット、小物入れの中身を床に散乱させていく。無論、それを片付ける暇はなく瀟洒な造りの洋館は空き巣に遇った家の如く荒れ果てていった。

「無い、無い、無い!?」

 そんな凛の努力も虚しく、彼女の眼鏡に叶った物は発見できずにいた。もう、こうなったらホームセンターの鉄パイプで済まそうか? と、諦めの思考が頭を過ぎる。だが、元来の負けず嫌いがそれを許さないでいた。

「(まだだ、まだ終わってはいない!)」

 某蛇が云いそうな言葉と共に凛は立ち上がる。そして最後のドアに手を掛けた。

 その部屋は凛の父「時臣」の書斎であった。
 前回の聖杯戦争で帰らぬ人となった父の書斎は、父が存命の時のままにしており、凛は普段からあまりこの部屋には入らなかった。父との僅かな思い出が稀釈していくような気がしたのだ。
 しかし、今は非常時で四の五の云っている場合ではない。凛は心中で彼岸の向こうにいる父に最大の謝罪を述べて、父の遺品の中から使える鉄を探し始めた。あまり部屋を荒らすのは気が引けるので、先程とは違い慎重に行うことにして机の引き出しを開けた。

 そこには金属でできた“歯車”のようなものが、まるで凛を待っていたかのように引き出しの一番上にぽつねんと置かれていた。あまりにもあっさりと見付けてしまい、凛は半ば放心したかのように歯車を手に取った。
 歯車には鎖が通され、ネックレスのように成ってはいるが、お世辞にもお洒落とは云い難い。寧ろ、武骨と云ってもいい。だが、歯車は銀にも負けず劣らずの光沢を放っており、既に傾き始めた夕陽を受けて歯車は橙色に輝いていた。

 ふと、凛は想い出した。父が生前この歯車について語ってくれたことを。

『凛、これはね、遠い星の……、それも未来からやってきたものなんだ』

 正直、眉唾に感じたのが凛の感想である。あの時、父は珍しく酔っていたし、過去の遺物なら兎も角、未来のものとは幼い凛でも到底信じられなかった。しかし、今となってはその時の父の言葉が妙に説得力を帯びているように感じられ、凛はこの歯車を使うことに決めた。

 凛は召喚の準備のために歯車を握りしめて歩き出す。掌大の大きさにも拘わらず、不思議と歯車はズッシリと重かった……。

 その後、凛はサーヴァント召喚の儀式を行った。魔法陣を描き、魔導書を片手に凛が詠唱すると陣が発光し、召喚の儀式は凛が望む最高の形でもって終えた。しかし、待てども、待てどもサーヴァントが現れない。

「まさか……」

 失敗か? 冷や汗が背筋を伝う。やはり急ごしらえの品ではいけなかったのかと、様々な憶測が凛の頭の中を飛び交う。

―――― ドォン!

 落雷の様な爆音と振動が届いた。それも、頭上つまりは居間の方からである。凛は階段を駆け上がる。行き当たりばったりの現状に最早、凛は混乱を通りこして怒りすら覚えていた。

「ええい! もう、いったいぜんたい、何だってのよぉおおお!」

 その怒りをぶつけるかの如く、居間へとつづくドアを蹴破った。

 その先にあったのは、ポッカリと穴の空いた天上と壊れた家具の残骸、先程凛が散らかした床のその中に……。

「あぁ、クソッ! 何だってんだ!?」
「おい、どこだここ?」
「ドム、ドム起きろ!」
「うぅん……」

 自分と同じような悪態を吐く4人のマッチョがそこにいたのだ。


* * *


「で? あんた達がわたしのサーヴァントってことで間違いない?」

 質問せずにはいられなかった。彼らの着ている甲冑(というより、装甲)と先端に銃剣の代りにチェーンソウのようなものが付けられた自動小銃を持っていることからしても、とてもではないがサーヴァントには見えない。おまけに英“霊”にしては妙に人間味溢れている。

「あぁ? なんだそりゃあ」

 知ってるか? と、金髪にゴーグルをした男が、バンダナをした男に振る。

「知らん。それよりもここはどこだ? 確か俺達はハシントを沈めて……、駄目だ思い出せん。覚えている奴はいるか?」

 イヤ。と全員が首を横に振る。凛のことなど眼中にない。

「ちょっと」

「コントロール! こちらデルタ、現在位置の特定を頼む……。コントロール、聞こえるか!?」

 凛の呼び声に取り付くしまもなく。バンダナの男は耳についたインカムの様なもので話し始めるが、応答が無いらしい。多分、察するにこの男がこの4人の中のリーダーなのだろう。

「よし、現在位置が解かる場所まで移動する。デルタ行くぞ!」

「ちょっと!!」

 流石にここまで無視されては腹も立つ。いや、既に立腹だったのだが、それにも加えて凛は語気を荒げてバンダナの男を捕まえる。

「何処に行くのよ! あんた達は私のサーヴァントでしょうが」

 くるりとバンダナの男が振り向き、凛はこの時始めてこの男を直視した。男の強面の顔には深い傷が刻まれ、並の人間なら萎縮してしまいそうな程にその眼光は鋭く、それでいてどこか悲しみを背負ったかのような不可思議な視線が凛を貫いた。

「なんの話だ?」

「だから、あんた達は私のサーヴァントとして聖杯戦争で戦ってもらうって言ってるのよ!!」

 そう述べた途端、4人全員が「大丈夫かこの娘?」的な視線が凛に突き刺さった。

「HEY! おチビちゃん? 死にたくなかったらさっさとママの処に帰った方が身のためだぜ。それとも、迷子なのかい?」

―――― ブチリ。

 4人の中で一番の巨漢である黒人の男の言葉を聴きた瞬間、凛の中で何かがキレた。

「あ、あったま来たッ! ちょっとアンタ達、何様のつもりよ!!」

 怒髪天を突く。凛の怒りが沸騰し、その怒りはそのまま右腕に刻まれた令呪へと込められていく。そして、聖杯戦争の期間中3度しか使えないサーヴァントへの強制命令権とも云える令呪を発動した。その内容は。

「大人しく私の言うことを聞けぇー!!」

 であった。


「……つまり、あんたは俺達の上官で、あんたの作戦に加わらなくてはならない。そういうことか?」

「まぁ、そんな所ね」

 令呪の効力が効いたのか、4人は“多少”凛の言葉に従うようになり、今は何とか自分達がどういう存在で、聖杯戦争のあらましを説明し終えたところだった。そして、彼らが何者かも訊くことが出来た。

 驚くことに彼らは未来、それも別の星にいたらしい。その星でローカストという地底人? と戦争を繰り広げていたらしく、ある作戦を成功させた後に(その辺りの記憶は曖昧だったが)ここ冬木に召喚された。
 前例のないサーヴァントに戸惑った凛であるが、彼らの装甲も銃器もそれで納得は出来た。サーヴァントとして使えるかは別としてだが……。

「てことは、あんた達のクラスはアーチャーかしら?」

「弓兵? ……トルクボウなら撃ったことはあるが」

 何ともトンチキな回答である。そこまで話して凛は急に疲れを覚えた。考えてみれば朝から動きっぱなしである、緊張が解けて疲れがどっと襲ってきたかのようだ。

「ハァ……、じゃあ私は休むから。屋根の修理と片付けは頼んだわよ」

 フラリと凛は居間を後にした。後に残されたのはマッチョのおっさん4人。普段の彼らなら絶対に小娘の言葉なんぞには従わないだろうが、令呪の影響のせいか4人には凛の言葉は、かの大佐の命令のように重く感じられた。

「……―――― やるしかないようだ。ベアード、屋根を修理しろ」
「あ~、はいはいっと……。って、俺は大工じゃねぇぞ、マーカス!?」
「いいからやれ。レーザー雹さえ防げればいい」
「わかったよ。直せばいいんだろ? 直せば」
「よし、俺とドムは床をコールは家具の残骸を集めろ。デルタ行くぞ!」

 彼らは銃置き、何処からか掃除用具を手に持つと眼前の敵(散らかった部屋)に突撃を敢行したのであった……。




やっちまった……。誰得なんだいったい。召喚の儀式に関してはかなり捏造ですのでご容赦を。


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