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[0] 【習作】戦場に立つ者(仮)【現実→Fate/zero 転生チート】[カッチン](2011/09/15 18:42)
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[29752] 【習作】戦場に立つ者(仮)【現実→Fate/zero 転生チート】
Name: カッチン◆e4b16b22 ID:59998bda 次を表示する
Date: 2011/09/15 18:42






※チートです。転生チートです。
 とんでもないご都合主義です。
 ご注意ください!

※多数の同意見がありましたので修正します。

































 第二の人生。
 それは文字通り、主観において二度目の人生。幸いなことに俺が自身を“二度目”だと認識するに至ったのが齢10を越えた段階だった。それまでも断片的では在るが、自己を認識することはあったが、俺の人格に肉体の成長が追いつかなかったためにこれだけの誤差が生まれたのだと判断する。それ以上の認識は必要ない。俺にとって重要だったのが、新たに授かった名のことだ。

「その面、もう二度とワシの前に晒すでないと、たしか申し付けた筈だがな。――雁夜よ」

 それなりに価値があると思われるソファに腰掛け、今にでも殺し合いをはじめようとしているかと見紛うほどの殺意が部屋を満たしていた。
 天辺の禿頭も、深い皺が奔る相貌も、脆弱な矮躯も、細枝のような手足も枯れ果てており、木乃伊の如き老人は、その容姿に反して眼光だけは爛々と精気を湛えている。生に固執する亡者だと吐き捨てることは簡単だが、この存在には五百年もの歴史が確かに刻まれている。それだけでも畏敬の対象として見るには十分な存在だ。事実、俺は自分が“二度目”だと認識するまでこの老獪に従い、俺を産み落とした“母体”が蟲に犯される隣で『間桐』の業を学んでいたのだから。

「あれほど目を掛けてやった恩を仇で返しおって」

「勘違いしないで貰えないでしょうか、父上。俺はすでに『マキリ』の魔術のすべてを修得した。ゆえに『マキリ』の名を磐石のものとするべく、時計塔に籍を置いたまでのこと。俺はロンドンでも『マキリ』の名は捨てていませんよ」

「ふん。貴様如きに“ワシ”の業をすべて会得するなど「父上の身体を支えている蟲を用いた“首の挿げ替え”は俺もできます」……ッ」

 俺の“二度目”の戸籍上の父である存在。魔術師――間桐臓硯。
 人間としての肉体を捨て、蟲に他者の肉を食わせることで肉体を形作る、それを繰り返すことで不死を実現しようとした間違いなく一級の魔術師だ。しかし、魂の劣化までは防ぐことが叶わず、魂をもとに形作られる肉体はいくら入れ替えてもすぐに腐り果ててしまうことになった。そのために現在では頻繁に肉体の交換を行っている。

「劣化した魂を修復する方法には辿り着いていませんが、ロンドンに行ったことで腐り続ける貴方の肉体を長く保持する方法は確立できました」

「何?」

 訝しげに眉を顰めることで疑いの表情を見せる臓硯に俺は違法な手段によって日本へ持ち帰った馬鹿でかい旅行鞄を臓硯の前に差し出した。

「……これが、ワシを生き長らえさせる術だと?」

「開けてみてください。もちろん、罠などではありませんよ」

 俺の言葉に苦虫を噛み潰したかのようなしかめっ面を見せる臓硯。この魔術師は、事実として卓越した技量を持っている。ゆえにこそ、間桐の家を出た息子が十年以上の隔たりを経て舞い戻った瞬間に理解していた。すでに個の存在同士での闘争は成立しないほどに俺と臓硯の位階は差が出てしまっているのだ。

「忌々しきはその血にあり、か。皮肉なことよな」

 厳然たる事実に臓硯は諦めたように差し出された鞄に手を掛ける。
 マキリの血を受けて新たな生を受けた俺は、その業を受け入れることでマキリの業が用いるあらゆる蟲毒に対して耐性を得ていた。しかし、これは“二度目”の俺であるからこそ勝ち得た耐性だろう。本来であれば、間桐の血筋は次の代で確実に潰えるはずだった。俺が知る“間桐雁夜”という男も兄である鶴野よりは優れた資質を持っていたが、臓硯が固執するほどのモノは持っていなかった。それに比べ、俺の魔術師としての資質は全盛期の臓硯をはるかに上回っていた。
 間桐――マキリの魔道伝承方法は術者を地下の蟲蔵に閉じ込め、蟲たちを使って調教・教育するという拷問のような方法でその肉に刻み込む。それは臓硯の嗜好が過分に含まれたモノだったが、それを俺の肉体は耐え抜いた。マキリの魔術特性である“吸収”を最初期の段階で発現したことにより、臓硯による初の魔術指導で間桐家の修練場である地下の蟲蔵に巣食う蟲たちの3分の1を乾涸びさせるという力を見せ付けることになった。

「こ、これは!?」

 差し出された鞄を開いた臓硯がその中身を確認して驚愕の声を惜しげもなく晒した。
 いつも裏があるような含んだ物言いや余裕のある表情を絶やさないように注意している臓硯の驚く顔というのは少しばかり珍しい。

「気に入っていただけましたか?」

「雁夜よ。おぬしこれを何処で手に入れた」

 鞄の中に入っているのは、青味掛かった頭髪と均整のとれた身体を持つ男の肉体だった。
 死体というには精気に満ち溢れ、生者というには存在が枯渇している。矛盾に満ちた純粋無垢なまっさらな肉の器がそこにあった。
 しかし、若い人間の肉体があったところで臓硯の魔術ではまたすぐに腐り果て、意味を成さない。それでも臓硯は肉の器から目が離せなかった。それはただの若い肉の器ではなく、正真正銘マキリの血を宿す“生きた器”だからだ。

「どうということはありません。この身は父上が手塩に掛けて調整してきたマキリの肉なんですよ? この器は、俺たちマキリの祖にあたる父上の肉体を俺の血を辿り発掘した“設計図”を基礎にして、当代最高の人形師に作成させたものです。多少値は張りましたが……けして高いとは思わないはずですよ」

「……確かに。この器は、正真正銘“間桐 臓硯”……いや、“マキリ・ゾォルゲン”の肉だ。これほどのモノは、封印指定級の魔術師の手によるものだな?」

「それが誰か、までは教えられませんよ」

 俺が用意した器を細部まで嘗め回すように調べた臓硯が喜色満面の表情で訊ねてくるが、その製作者は時計塔での先輩であり、“一度目”の俺が知っている性質から決して裏切ってはいけない人物であると認識しているため、臓硯と直接のラインを繋げることはできない。彼女には、もうすぐ大事な“仕事”が訪れるのだから。

「ふむ。これだけ忠実に復元された肉であるのなら、有象無象の肉を貪るより何百倍もマシじゃろうて」

「喜んでいただけたのなら幸いです、父上」

 根本的な解決にはならないが、魂の劣化による肉体の劣化がさらなる魂の劣化を招くという悪循環を僅かなりとも遅らせることができるこの器は、金さえつぎ込めばいくらでも再現が可能な代物であり、件の魔術師が居なくとも間桐家の蟲蔵を少しばかり改良すればこれからも生成することができる。俺には“発想”がない代わりに“技術”がある。さらに間桐の家にはそこそこ潤沢な資金源がある。よほどの問題が起こらなければ臓硯の魂の寿命は数百年は延びることになるだろう。
 新しい肉体の性能を念入りに調べつくした臓硯は、待ちきれないとばかりに“過去の自分”へと成り代わる。

「……ぉ、おお! これが若返るという感覚か。素晴らしい……」

 鞄の中から立ち上がった『マキリ・ゾォルゲン』は、文字通り生まれたままの姿で天を仰いだ。
 その傍らには臓硯の“核”たる蟲が抜けた形骸が崩れて灰となって絨毯の上に積もっていた。

「その肉体でも通常の人間より、早く老化が進行しますから次の器を生成する準備をすぐにでも始めた方が良いでしょう」

「その程度の手間は、むしろあった方が良い。これほどの業はワシだけでは至れなかった」

 復元された真実の肉体を噛み締めるように撫で回した臓硯は鏡の前で何度も自分の身体を確認してから俺へと意識を戻した。

「して、雁夜よ。おぬしの望みはなんじゃ? これほどの土産を用意したのじゃ、ワシもそれ相応の見返りをくれてやろう」

 つい数分前までの臓硯とは比べ物にならないほど気前のいい言葉に苦笑しつつ俺は、臓硯の言うとおり見返りを求めることにする。

「俺が求めるのは、間桐の家名。それと近く迫っているこの冬木の地で行われている聖杯戦争。その第四次に間桐の代表として参戦させて頂きたい」

 俺の要求に臓硯はしばし思案した後、口を開いた。

「家名を継がせるのは構わん。魔術協会へ渡らなければ、おぬしに継がせるつもりだったのじゃからな。それは良い。それは良いが……おぬしが聖杯に願うほどの“欲”を持っていたとはのう」

「今も“欲”はないですよ。俺は、単に“業”を満たしたいだけです。今生の俺は、そのためだけに生きてきたのだから」

 臓硯は現在の聖杯が汚染されている可能性を知っている。
 願望機としての機能が損なわれているのは確かだが、聖杯そのものは忠実に“人の願い”を成就しようとしているに過ぎない。現在の“願い”が完成し、聖杯から吐き出された後、空になった聖杯に再び英霊の魂を収めれば再び願望機としての機能を取り戻させることも不可能ではない。臓硯にはそれだけの知識と技術がある。もちろん、それにはアインツベルンの“天の杯”が必要になってくるが、そこは千年の業を重ねる魔導の大家。第三魔法の成就の為にアインツベルンは絶対に“天の杯”を生み出すだろうことを臓硯は確信していた。
 全盛期に近い性能の肉体を取り戻した臓硯は、自ら出陣することさえ視野に入れていたが、目の前に自分を遥かに上回る魔導の到達者がいる。しかも、その性質は自らの“業”を満たすことのみに特化している。マキリの血には過ぎた力をその身体に宿す存在が自分の意思で聖杯戦争に出向くというのである。臓硯に断る理由はなかった。

「此度の聖杯戦争では、おぬしの“業”を存分に満たすが良い。いまこの時より、おぬしがマキリの当主じゃ――間桐 雁夜よ」

 尊大に言う臓硯の姿に俺も似たような表情を作って微笑む。




 第四次聖杯戦争、それが“二度目”の俺が歩む人生。
 ここで費えるか、それともその先まで繋がるか。

「戦えるのならどうでも良いか。どんなに惨たらしく殺されようと、俺はようやく自分の“業”を満たすことができるのだから……」











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