7月上旬の土曜の午後の、夕暮れ時にはまだ少し早い時間帯。世間で土曜休日制度はゆとりだ何だと騒がれていようと、そんなものは進学校である我が聖祥学園には無縁らしく、しっかりと土曜の午前を学校で過ごした日。そんなかったるい午前の授業を半どんで終えた僕は今、夕飯の買い物をしようと商店街にやって来ていた。この時間帯、主婦の皆様で賑わう商店街の道を歩きながら、さあまずはどの店から行こうかと小考していた……のだけど。「あれ?春海?」「ん?」唐突に後ろから自分の名を呼ばれ、何だ誰だと振り返ってみればそこに居たのは「フィアッセさん?」翠屋ウェイトレスにして、僕の友達であるなのはの家族の一員の、フィアッセ・クリステラさんだった。フィアッセさんは笑顔のままこちらに近づいて来て、「ひさしぶり……でもないかな?」「まあ、週の半分以上は僕も高町家にお邪魔しちゃってますもんねぇ」それでもフィアッセさんとは何だかんだで5日ぶりくらいだけど、久しぶりというには少々物足りない。「あはは、春海もすっかりうちの家族の一員だ。おそろいだね♪」ころころと笑いながら言うフィアッセさん。ナチュラルに「うちの」って言ってる辺り、この人は本当に高町家に一員なんだなぁと思う。立ち話もなんだということで、僕たちはそのまま連れ立って商店街のアーケードを歩きだした。「フィアッセさんは…………翠屋の足りなくなった備品か何かの買い物ですか?」「わ、正解。よくわかったね」「いや、その格好見れば大概の人はそう思います」言いながら僕はフィアッセさんの顔を向いていた目を下に動かす。そこにあったのは、清潔な白いシャツに赤のロングスカート、それと『翠《MIDORIYA》』とプリントされた黒いエプロン。これを見て歌のレッスンと思う人には眼科か脳外科をお勧めする。「ふふ、そう言えばそうだね。うん、お店のほうで調理器具のひとつがちょっと壊れちゃったから」「それでこうして買い出しですか。あ、もし急いでるのなら先に行ってもらっても構いませんよ?僕は大丈夫ですから」「ううん、それは大丈夫だよー。今はディナータイム前の一番ヒマな時間だから」「ですか」「うん」みたいです。と、今度はフィアッセさんが聞き返してきた。「春海はどうしたのかな?お使い?」「あー、お使いというか、夕飯の食材の買い物です。野菜系を」「? お母さんに頼まれたんじゃないの?」「あはは、それがですね……」そう繋いで、僕はこうして夕飯の買い物に来ている理由を話した。「え?今日、春海のおうち、誰もいないの?」そうなのである。今日───正確には今日から数日間、僕の家に居るのは僕と葛花の1人と1匹だけなのだ。その理由は、「はい。今朝方、離れて暮らしてる父方の爺さんが腰をギックリやっちゃったらしくて」というわけだ。始まりは今日の朝の一本の電話からだった。その電話相手は祖母で、話の内容は前述の通り、爺さんがぎっくり腰を起こしたというもの。ただ幸いにも症状自体は軽く、爺さんも自宅で休んでいる程度で良いらしい。しかしいくら症状が軽いと言っても、それを介護するのは年齢ももう高齢と言って良いものとなった女性である祖母。自分一人で介護するのは流石にキツイということで、うちの母にヘルプが掛かったのである。…………が。(あれはたぶん、爺さんがまたワガママ言ったんだろうなぁ……。ぎっくり腰もどうせ趣味のゲートボールで年甲斐もなくはっちゃけたんだろうし)少なくとも、僕はそう予想している。そもそも、うちの祖母は高齢と言っても肝っ玉お母さんを体現したような元気な人で、ひょろっちい爺さん一人くらいの補助は訳無いはずなのだ。それに加えて、爺さんの方は普段こそ好々爺といった風なのだが、うちの孫3人(特に妹2人)をそれはもう溺愛しており、何かにつけて会いたがっていて。だからまあ、多分ぎっくり腰になった爺さんはそれ幸いと婆さんに母さんを呼ぶように言って、婆さんも婆さんで母との仲はまるで実の母娘のように良いため、特に躊躇うことなく電話を寄こしたのが真相だろう。で、誇り高き専業主婦であるところのうちの母も仲が良い爺様夫婦からのヘルプということで快く引き受け、自分たちの欲しい物をよく買ってくれる爺さんが大好きな妹2人も、むしろ母さんが行かなくても自分たちだけで行っちゃうような勢い(この2人の辞書に「躊躇」に類する文字は無い)だったのは言うまでもない。そして父さんはと言えば、現在は海外に単身赴任中。帰ってくるのは僕が小学4年生に進級する頃である。もっとも、年度の節目節目や家族の本当に大切な行事には出来る限り予定を合わせようとしているところを見れば、あれはあれで「善き父親」というものの一つの形なのだろう。そういうことで、母さん達の祖父母宅訪問が決まった訳なのであるが。だがしかし、そこで問題となったのが僕と葛花である。僕は言うまでもなく、休日明けにも変わらず学校が。葛花のほうも母さん達にはまだその正体を話していないので、和泉家における彼女の扱いはペットだ。そして車の免許を持っていない母さん達(僕は運転だけなら『前』に免許を取っていたので可能だが、当たり前のことながらこの歳では全くの無意味だ)の移動集団はバスなどの公共のもの。ペットお断りである。てな訳で、一時は断ろうかという話になりもしたのだが(妹2人は泣きそうになっていた。泣くだけなら良いのだけど、2人して僕に襲いかかってくるから困る。大方、僕を亡き者にすれば出かけられるという結論に達したのだろう)。しかし、そこはそれ。片や、『前』も足せば人生経験27年のチート小学生の僕。片や、千余年の時を生き続ける大賢狐の精霊である葛花。数日間のお留守番の戦力としては十分。てか、これで留守番も満足にこなせないようなら情けなさすぎて腹を切るレベルである。そういうことなので、自分たちで留守番できるからと母さんを説得した僕(葛花は寝てた)は、電話越しで爺さんと婆さんに行けないことを謝って、母さんに様々な諸注意をされつつ学校へと出かけたのだ。そして学校から下校すると、台所の机の上には朝に言われた注意を箇条書きにしたメモ、コンロの上にはみんな大好きカレーが大量に入った鍋(子供になって舌がニュートラルになってしまった現在の僕の好物のひとつ)が置いてあったという訳だ。こうして商店街に来たのは、今日の夕飯のサラダにするための野菜と明日自分で作る料理ための材料の買い出しである。母さんは結構な量のカレーを作って行ってくれたものの、毎日それでは飽きたと言って噛みついてくる秘密の同居人が居るうえ、僕も偶には自分でしなくては腕が鈍ってしまうので明日以降は自分で料理を作るつもりである。閑話休題。「そういうことで、この数日の間は一人と一匹で気楽にお留守番です」なんかいろいろ背景が複雑な気もするが、人に説明するなら一言二言で済んでしまう辺り言葉の不思議を実感する。「へー、そうなんだ……。でも、大変じゃないかな?小学1年生の春海が1人でお留守番って……。それに動物のお世話もしなくちゃいけないんでしょう?」「いやまあ、それもそうですけど」もしかしたらその動物の世話が一番大変かもしれませんけど。「まあ、大丈夫ですよ。いざとなったら親に電話することも出来ますしね」「……うん」僕の言葉に心配そうにしながら頷くフィアッセさん。「あ、そうだ!」と思ったら急に表情を明るくし、彼女はしゃがんでこちらの顔を覗き込むようにして、「もしよかったら、士郎のおうちにお泊まりする?」「はい?」フィアッセさんの予想もしていなかった一言に思わず間の抜けた声が出るも、そんな僕をお構いなしに言葉を続ける。「そのほうが、かなみも安心できるだろうし、春海がお泊まりに来てくれるとうちのみんなもきっと喜ぶよ」ちなみに『かなみ』というのは僕の母の名である。僕が剣術の出稽古でお世話になると決まったとき、母さんは高町家に挨拶に行って桃子さんや目の前のフィアッセさんとすっかり意気投合して友達になっているのだ。僕の知らないところでは、桃子さんにお菓子作りを習ったりしているらしい。いや、そうじゃなくて。「あ、や、ちょ、ちょっと……ちょっとストップです、フィアッセさんっ」「あ、……ごめんね。少し突然すぎだったかな?」フィアッセさんはそう言いながら苦笑すると、僕に向かって前のめりになっていた体を元に戻す。この人は感情表現が些か直球だから僕としては困る。普通の成人男性が相手ならこの人も少しは抑え目なんだろうけど、あくまでなのはと同い年と思われている僕相手には本当に純粋に向かい合ってくれるのだ。それが嫌な訳ではないし、むしろ個人的には好ましいくらいなのだけど、中身が三十路近いおっさんにとっては目に毒である。この身体じゃ口説けもしないし。「それは悪いですって。今日になって突然押し掛けちゃあ迷惑でしょうし」…………自分で言ってて説得力無ぇなぁ!あの人たちが迷惑そうにするって、それは一体どんな悪行三昧なんだよ。くそう、お人好し一家め。とか思いつつ言っても、当然のことながら目の前の英国シンガーさんの鉄壁の笑顔は崩れない。「だいじょーぶ。春海がお泊まりするって聞いたら、みんな喜んでくれるよー♪」「いやまあ、それは何となくわかりますけど……」むしろ顔をしかめている光景がちっとも思い浮かびませんけど。「……あ、そうだ」そこで僕の脳裏に起死回生の一手が浮かび上がる。「ん?」「あ、いえ、……コホン……さっき言いましたけど、うちには一匹の飼い狐がいるんですよ。そりゃあ、いつも風呂に入れて綺麗にはしていますけど」なにしろ本人(本狐?)が一日に2回以上も風呂に入りたがるからな。ヒト型になって僕が入ってる湯船の中に入ってきたり、子ギツネ型で大きめの桶に汲んだお湯に入ったり。見てて超和むけど。いや、それは今は関係ないけど。僕は脱線しまくった思考を修正する。「でも、翠屋さんって飲食店じゃないですか。そういう店って、原則として家の中に動物は入れちゃいけないような……」「あ、そっかー……」どうやらフィアッセさんもそこまでは考えていなかったようだ。目に見えて勢いが無くなった。「さすがにその辺はわたしじゃ勝手はできないし……うーん」よしよし。なんとかお泊まりイベントを回避できそうだ。ていうか僕はなんでこんなにお泊まりイベントを回避したがってるんだろう。いやまあ、もう既に成功しそうだから別に良いけどさ。その場のノリで行動できる男。和泉春海でございます。自身の口元に人差し指を当てながらどうしたものかと考えているフィアッセさんをよそに、僕は高町家にお泊まり出来ず如何にも残念そうな表情で言う。言っちゃう。「いやー、残念です。いや僕としては当然ながら行きたいんですよ?お泊まりしたいんですよ?でも翠屋さんに迷惑をかける訳には行けませんし。あいつには僕が傍に居なくちゃいけませんし。あいつったら甘えん坊で、いっつも僕と一緒に寝てますし。まあまあ、僕もそれを無碍にするほど鬼畜外道じゃありませんし。いや本当に残念です。高町さんの家の食卓というものにも興味はあったのですが。まあ、仕方ないですね。あいつったら僕が居ないと寂しくて泣いちゃうでしょうし。いやぁ、本当に参ったなー」調子にのってこの場に葛花が居たら後頭部を噛み砕かれそうなことをのたまう僕。だが残念!この場に居るのは僕とフィアッセさんだけだッ!ファーハッハッハッハッ!!だが、そんな僕の真っ黒な内心を察することなく額面通りに受け取っちゃった純真なフィアッセさんはというと、「春海、そんなにお泊まりがしたいんだね…………うん、春海!」「え、はい。何でしょう?」「ちょっと待っててね!いま、桃子に聞いてみるから!大丈夫、桃子と士郎ならきっとわかってくれるよ!」滅茶苦茶真剣な顔でそんなことを仰り、そのままポケットから取り出した携帯電話で何処かに電話し始めた。僕としては訳が分からない限りである。え?なにこの展開。何かのルート入った?僕まだ選択肢選んでないよ?え、現実に選択肢は出ないの?それ何てクソゲー?とか混乱する僕を置いてきぼりにして、フィアッセさんは電話越しに誰かと話し合っている。さっき彼女の言う通りならば、その電話相手は当然桃子さんなのだろう。「うん……うん…………その辺りはきっと大丈夫……うん、OK。……Thank you!桃子!」そうしてしばらく僕が馬鹿みたいにボーッとしていると、どうやらフィアッセさんは電話で話を終えたようだった。彼女はそのまま携帯を閉じて、満面の笑顔でこちらを振り返ると、「やったよ春海!桃子、そのキツネもOKだって♪」「いやもうホントすいませんッ!!!」僕は全力で謝った。そりゃあもう綺麗な直角だったことだろう。ここが商店街でさえなければ土下座していたかもしれない。てかノリで言いましたとか絶対言えねえー。わざわざ頼んでくれたとか、しかも許してくれたとか。フィアッセさんにも桃子さん達にも申し訳なさすぎるわ。とりあえず、長距離念話で家に居る葛花へ風呂に入っとけと伝えておいた。そして「お前アホじゃろ」の一言を頂いた。今回ばかりは甘んじる限りである。で、その後。謝る僕に不思議そうにしていたフィアッセさんと別れて、僕は速攻で帰宅すると母さんに高町家にお世話になることを電話した。これで母さんからも桃子さん達にお礼の電話が行くことだろう。そしてコンロの上に在るカレーの鍋を冷凍庫にぶち込み宿泊準備を整えた頃、ちょうど風呂から出てきてホカホカ湯気が立っている浴衣姿の葛花に事の詳細を話した。「いやお前様アホじゃろ」「今回ばっかりは反論のしようもねえよ……」うなだれる僕。あまりこんなネット的な表現方法は避けたいところではあるが、今ばかりは仕方ない。それはもう見事な orz だったことだろう。「まあ、過ぎたことをクヨクヨ言ってもしょうがない。次に繋がることを考えよう」ポジティブに行こうぜ。「それをお主が言うのは何か間違っておるような気もするが……まぁ良かろ」「じゃあまずは、……というよりこれが全てなんだが、お前のことだ」「じゃな」然りと頷く葛花の今現在の姿はいつものように童女のもの。まあ、さっきまで一人で風呂に入っていたのだから当たり前のことだが。その葛花と床に座って向かい合ったまま、僕は彼女に言う。「お前は高町家に泊まっている間は常に子ギツネの姿でいること」「うむ」葛花は一つ頷くと、ポンッと軽い音を立ててその姿が白い子ぎつねのものに変わる。大きさは今の僕程度の子供でも余裕で抱えられるくらい。白いキツネとなった葛花は調子を確かめるように自分のもふもふしい体をキョロキョロと見回すと、それを終えて僕の方に向き直り、「これで問題なかろ」「ああ。あ、でも、ひょっとしたら3、4日お世話になる可能性もあるから、念のため多めに力を注いでおくぞ。少なくともその間は術が解けないように」「うむ」僕の言葉にそう答えるや否や、葛花の身体から溢れていた彼女の存在感が消失し、その姿が僅かに透明なものとなる。そんな彼女に重なるように現れたのは、葛花の核となっていた、白い狐面。僕はカランと音を立てて床に落ちた面を手に取ると、葛花の身体にそれを再び重ね合わせ、口の中で呪を唱えながら前言の通り多めに力を注ぐ。これが『秘術 霊魂降ろし《ミタマオロシ》』における制約のひとつ。『対象に込める霊力を上乗せすることは出来ない』早い話が、葛花を強化するには一度術を解いて、もう一度初めから術を初めからかけ直す必要があると言うことだ。一応、僕と葛花を特殊な経路(パス)で繋いで常時供給するという手法もあるにはあるけど……そっちは尋常じゃなく疲れるから基本的には無しにしている。やっぱ楽に行きたいし。最初に一気に注ぐのなら、戦闘前に僕が葛花に術を使った後、自分が回復してから戦うという手段が取れるしな。まあ、そのため突発的な戦闘には弱いというデメリットも存在するが、普通に生活していればそんな戦闘に巻き込まれること自体滅多にないだろう。そうなったときのための手も、一応考えてはいるし。「…………」さて。今、僕の目の前に居るのは、先ほどよりも少しだけ存在感が増したように感じる子ぎつね形態の葛花。のんきに後ろ足で頭をグシグシしている彼女には、高町家にお泊まりする上での幾つかの注意事項を伝えておかなくてはならない。「では葛花。お前に『高町家におけるお泊まり3カ条』を授けよう」「なんでお前様がそんな偉そうにしとるのじゃ」何か言ってるけどスルーする。「まず、向こうに着いてからは絶対に喋ってはいけない」「うむ」「ヒト型になるのも禁止します」「良かろ」「寝るときは僕の抱き枕になること」「待て」待ったをかけられてしまった。「何だよ。待ったはマナー違反だぞ?」「常識に違反しとるお前様に言われたくないわ」葛花の目が犯罪者を見る目になっていた。なんて僕に相応しくない視線なんだ。「何故に儂がお前様の抱き枕にならねばならん」「だってさー、お前ってばいっつもヒト型で布団に潜り込んでくるじゃねえか。それが今回はずっとキツネの姿でいるんだからさー。……もふもふしたいだろ?」「疑問形にするでない。…………ええい!駄目じゃ駄目じゃ!そんな同衾とか、……いやらしいじゃろうッ!」「いや意味が解からない」お前、いつも僕の布団で寝てるじゃん。たまに母さんのほうにも行ってるけど。母さんはこのもふもふを味わったことがあるんだろうなぁ。羨ましいなぁ。「いやだからじゃな、今のこの獣のほうが儂の真の姿じゃということは分かるじゃろ?」「うん」「そしてヒト型のほうは儂が人であった場合を想定した姿であって、言わば仮の姿じゃ」「うんうん」「つまり、ヒトの姿でお前様と同衾することはきちんと節度を守っておるということじゃ」「うんうん……うん?」あれー?「ごめん、わからなくなった。え、お前にとって人の姿って何なの?」「人間で言うのなら、服に近いのかのう?」『獣の葛花全裸説』緊急浮上。「え、ちょっと待って。なに?じゃあ今のお前って自分主観で言ったらスッポンポンなのか?」なんてエロくない裸体なんだ。いや、可愛いけどさ。「いや、そうでもない」「違うの?」「その辺りの概念が人間とは根本的に異なるからの。一概に如何とは言えん」「そんなもんか」「説明は面倒なのでパスじゃ」「パスか」「そしてこの姿でのお主との同衾もパスじゃ」「そこは頑張れよ」僕は女性に優しいから納得してあげるけどさー。あー、もふりたいなぁ。そんな感じで準備を終えた僕は、自分で歩くのをめんどくさがる葛花を頭の上に乗せて、高町家への道のりを歩いた。(あとがき)というわけで高町家お泊まりイベント緊急発生。今回の話は全3部構成を予定しております。あと最近ちょっとスランプ気味です。上手い具合に文章が書けなくなってきたので、買ってきた『鬼物語』を読んだり『化物語』を読み返したりして参考にしてます。推敲も5回も10回もすることになっちゃいましたよ。