建寧二年 一月上旬(晴れ)
なんか洪水が起きたので大赦して罪許す。
「党人」は駄目だとか宦官が言っていたが知らん。
俺じゃなくて太后に言えよ。
建寧二年 二月上旬
今日も元気に天を祀って勉強かな~とか思っていたら、宦官の曹節が慌てた様子で突っ込んできて
「今、陳蕃や竇武が陛下を廃そうとしています。謀反です。宦官一同、身命を賭して、陛下をお守りいたしますのでお力をお与えくださいませ。」
とか一気に言ってきた。
俺を皇帝にしたの竇武さんだぞ?
陳蕃さんだって今までの名声を失うような事してなんの得になるって言うんだ?
全く意味がわからん。
俺はちゃんとパンダしてたぞ。
「近衛軍を使い、陛下を害そうとしているのです。しかし、ご安心ください。勅命さえ頂ければ、後は我々が片付けて御覧にいれましょう。」
「それならば竇太后に止めてもらうように頼むべきだ。朕は幼き故、竇太后が政治を担っている。朕は何の力にもなれないぞ。」
「なにをおっしゃているのですか!!陛下は偉大なる漢の皇帝ですぞ!ここに詔書と玉璽を用意しました。これを書いてくださるだけでよいのです。
なんか背後に詔書とか玉璽を持っている宦官が居る。
詔書はともかく、なんで玉璽持ってんだ?
…こいつらこんなこと言って清流派との喧嘩に巻き込もうって魂胆だな。そんなもん書くか!
陳蕃さんとか5、6回しか会ったことないからよく性格とかわからんが、臭いおっさんと美女なら美女を選ぶ!それで死んでも本望だ。
「だが断る。」
そう言った瞬間、宦官の…誰だっけ?張なんたらだやって来て
「まだか!! 奴らは何時行動を起こすか分からんのだぞ!」
とか吠える。何時からここはお前らの場所になってんだ。
「…しょうがない。今から行動を起こす事にする。陛下、少し眠っていただきます。」
「陛下は錯乱しているようですね。賊の排除はお任せください」
え、なにこのシリアス展開。というか小物臭がするよ君たち。
逃げるぜーーーーー!!
「うげ…。」
うお、気持ち悪。
「なあに、目が覚めた時には忘れているさ。それよりも詔勅はどうする?」
「なに、字を似せて書けばいい。皇帝の書いた字も我らが書いた字も奴らにはわからんだろう。」
「うるさかったら、殺して新たな皇帝を引き込めばいい。先代の弟君などよろしいのでは?」
「うむ、彼なら今の清流派の首脳と仲が悪い。恩を売る事も出来よう。」
「まあ、待て。今は奴らの排除が先だ。」
「とりあえず、先の事は置いておいて、陛下は賊に襲われ、我らが助けたというこ・・・・と・・で
……なんだこれ
建寧二年 二月上旬2
ふかふかなベットの上で目が覚めると
状況をまとめると
清流派が宦官皆殺しにしようとする→竇太后に詔勅で宦官皆殺ししろと出させようとする→竇太后が宦官に居ないと不便とごねる→未決済の書類に置きっぱなし→宦官が盗み見る→皆協力して士大夫ぶっ殺そう→皆考える→皇帝使おう→玉璽盗んで書かせようとする→俺がごねる→事後報告して誤魔化そうと詔勅を偽造して指導者層の士大夫皆殺し→遠征から帰ってきた張奐登場→曹節詔勅見せて「包囲しなさい」命令→竇太后は「知らない。」+俺気絶中。→真名間違ってるし、字が陛下と違いすぎ…偽造だろ→宦官殺す。
結果。大将軍であった竇武さんを始め、馮述、尹勲、劉淑、虞放、杜密、朱寓、劉儒と言った漢の中枢の清流派士大夫が自殺させられ、宦官は皆殺し。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「寝てる間に漢王朝の指導者層が壊滅してた。」
…やべーー。漢の中枢がほぼ全滅してんじゃん。
とりあえず、宦官を悪者として公表して財産でも没収するか。
「玉璽をなんで持っていたんだ!」
とか言われても困る。
俺は管理してないのに悪役とか洒落にならない。
皇帝を廃そうとした挙句に清流派を殺そうとした逆賊とか宣伝して明確な悪役を作って誤魔化そう。
そして今回死んだ高官の子供とかに漢に巣食う害悪を払ったとか言って爵位とか配ればいいか?
おい、座ってるだけで良いんじゃなかったのか
後ろ盾居なくなってんじゃん。なにこの状態。
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こんな状態で「わかった。」と詔勅書いて党固の禁やっちゃて黄巾の乱って流れで三国志になるはず…
とりあえずどんな人物かの説明だけ
〇張奐
正史:党固の禁の際に詔勅に従い洛陽を包囲し、清流派士殺害に加担してしまう。
この事件のことを病んで印綬を返し、命をかけて弾劾するも聞き入れられなかった。使匈奴中郎将として功績を上げ続け、銀の印綬を10回も授かる漢最強の将軍の一人。
〇竇武
桓帝を諫め、党錮の禁を解くことに成功。
その後、自分の長女使って宦官を皆殺しにしようとするが、計画がばれて失敗。宦官に捉えられて自殺させられた。
〇陳蕃
「天下の規範は李膺、宦官畏れざるは陳蕃」な士大夫のリーダー
初めに宦官に立ち向かった李膺を保護し、宦官に敵対。
近衛軍を使い宦官を皆殺しにしようとするが、失敗。宦官に捉えられて死亡。