【ストレス】
均水法の成立。
水は有限である。水の量でその里の開拓できる土地の数が決まると言っていい。
在地の豪族は私田を拡大させるために、池や沼等を水田化しようと水位の低下を狙い、官吏と結託して湖の水量を減少させたり、自分の所に来るように水の流れを変えたりしていた。
そういった事をした官吏に対する罰則の強化と、農民と諍いが起きないように水を分け合おうという案だったが…
豪族の多くが、特に水稲作が中心の江南豪族がこの均水法に強く反対した。
「徳が高ければ水も無限に出てきますし、水利灌漑などせずともいいのです。災害も起きません。」
「つまり、朕のせいだと?」
「徳の高い臣下を重用すれば改革の必要などありません。」
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「もういやだ。辞めたい。」
士大夫との定期的な答弁。
専制を許さないための制度なんだが、非常に疲れる。
お前のせいだ。お前のせいだ。言われるんだもん。
胃薬とか下さい…
ここでは士大夫階級の意見=世論なのだ。
此処での発言はみんな知ることになる。言質取られると本当にどうしようもなくなる。
梁冀や宦官の台頭を防げなかった時点でいらないと思うんだが廃止にできない。
皇帝が天下万民の「公」に背き、「私」を優先するようになり、天下万民の離反を招くような事態になれば皇帝の一族は公家ではなく、単なる「一姓一家の私」として追放される。
「私」とは皇帝の一族。親族や外戚に恩を与えることは「私恩」。一族や外戚を「私恩」によって参加させる皇帝は「公」的な存在でなくなるので国家運営にふさわしくない存在となる。
俺の場合は私恩といっても一族が少なく、交流もない。外戚に与える地位は九卿までという決まりは守ってきた。
…けど、現在李膺さんと関係があるとか言われちゃってます。
そんな関係とかねえよ。
というかそんな暇が無い。
俺は人脈や人を見る目なんてないのでほとんど李膺さんに頼りっきり、権力の源泉である人事権をほとんど投げている。今現在、色々な派閥があり、自分の派閥の人間を多く、役人にしようとしている真っ最中。宦官の親族によって占められていた役人の地位を奪いあっている。
パーキンソンの法則でもあったが、役人はライバルではなく部下が増えることを望む。地元の権威はこの地位によって決まると言っても過言ではないから、自分が思っていたような人事じゃないと怒る。
そういった利害調整をその中の一つの派閥に任せているわけだから、文句も出てくる。
関係があるかないかなんて関係ない。
そういう疑惑があればいいのだ。
この世界はどこぞのスーパー野菜人のように、若い期間が長い。
50代でも普通に20代に見えるから年齢とか本当に分からないので年の差ってあんまり関係なく、20歳差とか普通にある。
ぶっちゃけ、そんな疑惑なんてどうしようもない。どうすりゃいいんだよ。
男を集めたらホモとか流されそうだな…はぁ~
李膺さん関係の官僚がカンニングペーパー作ってくれないし、俺は同年代の友達もいないボッチなので、自分で過去の実例を盾に論破しなきゃいけない。
その分野に関しての知識を経書、漢書、史書等の文献を調べて実例から賛成するなりなんなりする。
兵法を学ぶにしても呉の孫子だけでも91巻、斉の孫子は93巻もの量があり、その他にも、詩経や論語など色々な文献があるが100巻とか普通だ。全部持っているような家も少ないから知識に偏りが出る。それに俺には上層部しか知り得ない情報も全て持っている。環境の差で論破…できなくもないが、勉強量が尋常じゃない。暗記しなきゃいけないとか…
資料の持ち込みくらいありにしてよ。
さっきの問答も漢書を読んでなかったら危なかった。
明帝が治水事業失敗した時の為に、治水関連は皇帝の徳が無いから起こる現象みたいなのから外していたのだ。
なんというファインプレー。
明日は肉刑と専売制と屯田についての議案か…
勉強追いつくかなあ?
肉刑は、史記と漢書…あと儒学的な視点もないといけないから全般的に、専売は史書と華陽国志、資治通鑑、漢書辺り、屯田は、武帝代にあった軍屯と光武帝時代のものを押さえておけばいいか。
塩と鉄の専売制、これするとそんなに豊かになるのか?と思って調べてみたら…前漢末期の塩専売収入は30憶、鉄が8億。中央に入ってくるお金の合計が70億5千万だから中央の金の半分以上が専売。
とりあえず後漢中期に儲かる専売をやめちゃったせいで財源不足になった的な事が主張にあるが…
いや、駄目だろ…
前漢はこれで流民を出しまくって詰んだ。たしか世界史で中国王朝のどっかが塩の値段が36倍になったとか聞いたぞ。あと新しい王朝をたてようとする勢力は塩の製造、販売に関わる人間だとかも…
王莽も「五均」、「六斡」という制度…簡単に言っちゃえば国家による物価統制と酒・塩・鉄・山・川を国家が管理する制度やって帳簿偽装されて詰んだじゃん。
これをどうやって正当化してくるんだよ……
まさか徳が高いものが運用すれば~とか言うんじゃないだろうな?
はぁ~こっちは意見書か、また嫌味だろ…
と思ったら、久しぶりにちゃんとした意見書だ。と感動しているのが変なんだろうけど、本当に久しぶりなんだからしょうがない。
どれどれ…簡単に略すと
今までの屯田の徴税方法は牛の数を基準としていたが、収穫量に応じて納めさせるやり方に変えた。
従来のやり方は官は毎年一定の収入を取る。豊作、不作関係なく。
現在、趙過考案の代田法という耕田・閑休田を全面耕起する農法を屯田民には推奨している。
基本的に2頭の牛と3人の人間で行われる方法で、大体の者は牛2頭を国家から借りる。
土地と牛2頭のレンタルで約150石の穀物を納めることになる。
収穫できるであろう穀物が約300石だと考えると約半分徴収する
ただこの制度は問題があり、凶作となり、収穫量が150石以下になると破産してしまう。
多くの天災により、収穫量が安定しない現在では合っていない。
役人は安定して一定の量を徴収出来るので楽な半面、役人の能力が低く、実情に応じて減税を訴えたり、窮民措置を取る等の対策を取らないと不作時に対応が出来ないので変えてみようという意見だ。
なんかちゃんと数字とかデータがある。
本当にありがたい…
この時代は適当すぎるんだもん。直ぐに数字を盛るし…
この意見書を出した棗祗さんの考えた方法は、定率にしたらどうかという意見であり、豊作時であろうと不作であろうと四割の田租を取り、牛を借りる場合は五割にするというものであった。
この制度であれば、よほどの事が無い限り、食うのにも困るほど税を取られる心配はない。
仕事として淡々と徴税していても被害はそんなに酷くならない。
立志伝みたいに優秀な人材を大量に集めるなんて無理だからこの制度があってると思う。
試験的にやらせてみようかな~金がないけど…
ん?まてよ…良い事考えた。
税の取り方が違うっていう事で統括組織を独立させて、屯田に大守とか県令に口を挟めなくして、備蓄は屯田の米とか粟を使ってやるようにすればよくないか?
そのカモフラージュって事で…
相談してみよう。
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劉焉政権は69%が益州人なのに対し、蜀の初期は丞相府、尚書系統、侍中等の枢要官に荊州人士が80%で、太守等の地位が77%。益州人の殆どは州郡の属吏までと制限有。誰が権力を持っているかで人事が一変するっぽいんで、それの調整者が嫌われると思うんですよね。(出典元は一万円位する本なので、合ってると信じたいwさすがに自分で出身地を調べる気力はないです。)
異民族の所は軍事会議、黒山討伐、主人公side、と書いてみたはいいもののなんか不自然に…
視点を変えてきて、民衆side、屯田民sideも書いてみたけどなんか変な感じに…
原作キャラの劉備辺りもそろそろ入れたいんですが、なんか年齢を考えると…知的障害者です。ありがとうございました。う~ん、スランプですが年内にあと1話くらいやりたいです
〇棗祗
屯田の徴税方法として分田の術を進言。許の周辺だけ百万石の穀物を取り入れる事に成功した。
後に典農中郎将任峻により屯田制は大々的に展開される事になる。