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No.29287の一覧
[0] 【習作】恋姫で霊帝になってみた。[ぐる](2011/12/21 20:42)
[1] 1話 祈ってばっかな日々[ぐる](2011/12/21 21:08)
[2] 2話 知らないうちに…[ぐる](2012/01/06 19:58)
[3] 3話 とりあえず考えなしの行動は控えましょう。[ぐる](2012/01/06 20:01)
[4] 4話 かわいいは正義…[ぐる](2012/01/06 20:04)
[5] 5話 男は下半身の為に戦う生き物[ぐる](2011/08/18 19:34)
[6] 6話 我儘な人ばかり[ぐる](2011/09/04 02:00)
[7] 7話 周りとの温度差が酷いね[ぐる](2011/11/27 14:58)
[8] 8話 政治ってなんだろう[ぐる](2011/09/04 09:25)
[9] 9話 お金と身分[ぐる](2011/11/23 23:39)
[10] 10話 先代皇帝の二の舞感がする[ぐる](2011/10/24 20:51)
[11] 11話 現代も過去も腐敗の仕方は変わらない[ぐる](2011/11/20 21:50)
[12] 12話 やられたらやり返すのがモットー[ぐる](2011/12/14 23:01)
[13] 13話 あきらめも大切[ぐる](2012/02/08 20:37)
[14] 14話 客観的な立場だと見えてくることもある[ぐる](2012/02/08 20:43)
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[29287] 10話 先代皇帝の二の舞感がする
Name: ぐる◆514b141d ID:c5be546c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/24 20:51
熹平元年 四月 中旬(曇り)


名声があって、独立できそうな劉姓の者を中央の高官に迎えるように手配した。


当たり前だが、子供な皇帝ではなく、成人していて、政治力が在り、徳の高い皇帝に治めてもらおう。なんて意見もあった。

その候補の一人が陳王の劉寵さん。

本当に扱いに困る。自分こそ皇帝にふさわしいとか思ってる人なら俺に命令されるの嫌がりそうだ。
…とか思っていたら

陳国相の師遷さんが言うには天を祭っていたとか報告してきた。


まじで空気読んでほしい。いや、ある意味読んでるのか?

劉寵さんが言うには


「黄老君を祭って、長寿を祈っていただけです。」

……うさんくさすぎる。

章帝八王の一人であり、血の濃さでは俺以上、会稽太守時代に山越に慕われた為、軍事費、徴兵の頻度が減り、善政もしていたので会稽の民も非常になついている。反乱可能な地盤があり、野心もある。

普通なら処刑する所だけど、王を殺しすぎると、劉家の力を削ぐ事になり、皇族の支持層がいなくなる。

揚州での暴動につながりそうなので、中央で飼い殺しにしよう。
三公の内政担当者にして軍事力を持たせないようにして…

宦官が自分たちに都合のいいようにする為に、光武帝の中央集権化政策時より三公とか九卿とかの役割を尚書省に移してたから、前漢のものほど権力もない。そんな感じだし大丈夫だろう。


熹平元年 五月 下旬(雨)



劉寵さんを三公の一つである。司空の座に付けたんだが、なんか変な風に…

天候が悪いって事で、首にしようとか喚いてる士大夫F

「劉寵を処刑すべきです!今回の震災は奴の皇帝への野心ゆえ起こった事。徳の高い重臣を司空の座につけなければ、また災害が起こることになりますぞ!」


儒教的に天候が悪いのは皇帝のせいなんて俺にとっては最悪な考えが漢王朝にはある。

だからと言って、天候悪いから皇帝を変えるなんて事していたら、政権が安定しないどころの話じゃない。妥協点として生まれたのが、司空の解任。

治獄と作事の役割を司る役割を持つ司空に責任取らせる事でお茶を濁すって感じなんだが、ここで劉寵さんをフリーにしたら、まじ反乱起こさせる事になる。

言いかえると

「俺は徳の低い奴を重臣にしてました。まじすみません。こいつ首にすれば徳の高い奴ばっかりになって、天候も良くなるんで許してね。」

って感じのトカゲのしっぽ切りみたいなもんだし…

「陛下!」


「今回の震災は朕の不徳のせいである。劉寵に責はない。それにその話は前に終わったはずだ。今は一刻も早い復興作業が必要なのだ。」

もういやーーー。
今回言っちゃたから。これから災害起きたら全部俺のせい。
どんどん自分の首を絞めてるような気がする。

なにが天の意志を繋ぎ留めるには、努力が必要だ!
殷は努力しなかったから滅んだとか適当すぎるだろ。だれか突っ込めよ。

天候なんかどう努力したら良くなるんだよ!
そういうのちゃんと書いておけ、だから儒教とくっ付いて変な事になったんだろうが!




鬱だ…もう寝よう。


熹平元年 五月 下旬(雨)

自分の部屋でなんか秘密通路発見!

久しぶりにわくわくしながら進んだら、変な小部屋になってた。
逃走用のカラクリ的なのかと思ったらただの小部屋かよ。


あれ、なんか小部屋の机に本がある。

「……日記?」




劉志(桓帝)の日記 抜粋


建和二年 六月 (雨)


「跋扈将軍が…。」

前皇帝である劉纉の最後の言葉だったと聞く。
その後、劉纉は毒殺されて、私が皇帝となった。
私に求められているのは、ただ暗愚である事のみ……でなれけば殺されてしまう。

梁冀は血の粛清を繰り返している。
自分に歯向かう者、意見する者、そして自身の弟まで…
これ以上なにを求めているのだろうか?



和平元年 七月 (晴れ)

剣を帯び、靴を履いたまま昇殿し、小走りに走らずともよく、皇帝に目通りする際は実名を呼ばれないでよいようにしろと言われた。
高祖の功績第一等の蕭何にのみ許されたもの。
皇帝と対等、同格である特権を……

私の命はもう長くないのかもしれない。



永興二年 九月 (雨)


厠にて単超と密談を行う。
何処に居ても梁冀の監視が居るが、ここだけは監視が居ない。

「梁冀は朕を前の皇帝のように殺して、帝位を狙っているのではないのか!?」

私はこれはタダのやつあたりだと頭では分かっていたが止める事はできなかった。

「奴は宦官の密偵も送り込んでおります。声が大きければ…。」

「こうしている間にも、頼りになる臣下が殺されているのだぞ!!」

「奴はこの国を好き勝手にしていますが、奴自身に学はなく、礼儀作法どころか字もろくに読めません。そんな奴が細かな法を知っているはずがない。奴が配下に相談せずに行動を起こすように誘導すれば…」

「そんな事をしている間に殺されてしまうかもしれない。いや、殺されてしまう!」

「耐えてくださいませ。今動けば本当に殺されてしまいます。」

「すまん…取り乱した。」

「私は陛下の味方でございます。必ずや陛下をお守りいたします。」


延熹元年 一月 (曇り)



「張琿という宦官を送り込んできました。宦官を勝手に送り込んでくれば皇帝暗殺未遂として法の裁きを受ける事になる事を知らなかったようです。これはおそらく最後の機会です。ご命令を!!」

「うむ…単超よ!近衛を指揮し、梁冀を捕縛せよ!」

「ははっ!」


梁冀を討つ事が出来た。
これで私が不徳な政をしなければ漢は復興できるはず!いや、してみせる!


延熹三年 二月 (曇り)


「孝廉に推挙される高名な役人は、不正を禁じ、民を養うべきだ。」

多くの頼れる臣下が死んでしまった。
今は、一刻も早く徳の高い臣下を集めねば。


延熹三年 九月 (晴れ)

「民を恵み、腐敗を一掃するのだ。百石以上の高録を得ている中で優れて居る者に人事権を与える。」

くっ、今の郡県の長官は梁冀の下でおいしい思いをしていた者が多く、従来の報酬では満足できなくなっている。
だが私は監視され、頼りになる親戚も居ない。
経験豊かな者のつてを使って立て直す事にしよう。


延熹四年 九月 (晴れ)



「州や郡の長官は三十万石以上の賄賂を見逃せば同罪とし、公開処刑とする。」

いくつか対策はしたものの、ほとんど効果がない。
言って駄目なら、恐怖で縛るしかない。
本当はこんな方法は取りたくなかったが…



延熹四年 十月 (晴れ)

「日蝕が起こったのか…。これは朕の不徳のせいである。辺境の民の兵役を1年間無くす、そして災害によって半分以上田畑を失った者に対して田租を全て免除し、半分未満の者も失った分だけ免税する。」

「しかし、それでは税収が…」

「朕は皇帝として、民にほどよい日照りや雨を与え、災害が起きないようにする義務が在る。それが出来なかったのだ。責を果たさず、税を徴収するのは不徳な事だ。」


私が不徳である事は、多くの民を苦しめる事に繋がる。
民あっての国だ。民を救わずしてなにが皇帝だ。


延熹五年 三月 (曇り)


「清河国の相である謝暠が清河王・劉蒜を天子として立てようと、軍備を整えているようです。さらに陳留郡の李堅が皇帝を名乗り郷里で略奪をくり返しています」

皇帝として立とうとする者が最近多い。朕が不徳であるせいなのかもしれんが、民を傷つける者を許してはおけない。

「すぐに軍を送り、討伐せよ。」


延熹六年 一月 (曇り)


「三十の郡国に蝗害が発生。数十万戸が路頭に迷っている状態…。」

またか…毎月のように災害が起こる。
先月は揚州、先々月は荊州だったか…

「困窮者、流浪民には、規定量の穀物を与え、金品を施すのだ。さらに蕪を植えて食料の足しせよ。……備蓄のある者から三割の穀物を借り上げる。国庫から代金を出すのだ。その後、家族が死亡した場合、1人につき2000銭の見舞金を支給する事とする。」

天候を操る事が出来ない不徳な私はこれしかできない…


延熹七年 三月 (曇り)


「陛下…国庫がもう…。」

梁冀から奪った財も底をついたか…

「そうか……。過剰な装飾をする人がいれば、取り締まれ!郡県は倹約を方針とする。国家の兵で役立たずの兵は給料半分だ。そして、関内侯と、虎賁と羽林と言った近衛の官位を売る。」

「一部とはいえ近衛の地位を売れば陛下の周囲の安全が…。」

「わかっている!だが、今必要なのは民を慰撫する為の金だ。朕は何時も後宮に居るから問題ない。」

どうせ、外に出られるような体ではない。
それに近衛が居て命を狙われる事が無くなっていれば歴代皇帝の寿命が成人する年齢と同じような事になっていないだろう。



延熹七年 十一月 (雨)



「天竺 (インド)からの使者が三郡の独立に加担している模様。郡長官は討たれ、郡の統制がとれていないようです。」

昨年、大秦(ローマ帝國)の皇帝の接触もあったが、こちらも動いてきたか。

「ついに、周辺諸国も動き出したか…。名の高い武将を優先して回し、迅速な対応をしろ!」

ここでもたつけば周辺国が手を組んで連合を結成する事に繋がるかもしれない。
すぐに対処せねばならない…



延熹八年 八月 (雨)



「陛下の弟君で在られる渤海王・劉悝様が謀反を…。」

「……っ、よきにはからえ。」




延熹八年 八月 (雨)


なぜだ。

不徳の者を切ったのに…
なぜ、天は私に警告を与え続けるのだ…

そしてなぜ、周りは己の利を訴えて、協力してくれない?
なぜ弟まで裏切り、私を殺そうとしてくる。


なぜだ…
なぜだ…
なぜ…

「廬江郡にて疫病が発生…」

「任城国が飢饉に…。」

「桂陽郡にて胡蘭と朱蓋らが…。」

「南陽郡にて洪水…。」

「康陵にて出火…。」

「江陵にて武陵蛮が…。」

「鮮卑が遼東属国を…。」

「嘉徳署に黄龍が…。」




もう私が政を行う事なんて…

「もうよい。政は任せる。朕は天に祈る事に専念する。」

日々重くなってく体。毎年のように起きる災害、尽きる国庫、各地の反乱…
もう疲れた。朕がなにをやってもうまくいかない。すべて裏目に出る。少し成果を上げたとしても責められる。

これからは政に手を出さず、天に許しを請う事に専念すれば、少しは良くなってくれないだろうか?


永康元年 七月 (雨)



自ら政治を行うのも駄目、他人に任せても駄目…
子供を産むのはやめよう。
私が死んで次か、その次の時に簒奪され、殺されてしまう。
我が子が私の様な思いをするのも可哀そうだ。
どうせ、私が死ねばお飾りの皇帝を持ってくるだろう。臣下は騒いでいるが実際はなんの問題もないのだ……



ー劉志(桓帝)の日記  終ー




「……なんだこれ?」

なんか後にも色々あるけど、どんどん内容が酷い事になってる。
なんか涙っぽい痕もあるし…


……見なかった事にしよう。


*************************************

心が折れた桓帝はヒッキーになり、宦官の天下となりました。
そして、儒学的に化物扱いの宦官と敵対するようになる派閥と、宦官とくっ付いて利権を得る派閥が生まれ、清流と濁流との戦いが起きる。って流れです。
現代日本と価値観が違う部分をはっきりさせておこうかと。
災害が起こると100%皇帝のせいです。皇帝が徳がない野郎だからです。徳の高い重臣を重用しない為です。天が見放したせいです。

〇単超

外戚の梁冀の排斥に功績を挙げた宦官。
単超死後、梁冀の排斥に功績を挙げた宦官は奢り、排除される事になった。


〇劉寵

山越をから搾取する事をやめさせ、教化を進めた。
その後、三公の座全てに就いたが天候が悪いと言う事で放逐された。

劉寵とその甥の劉繇が善政(山越にとって)していたのに、孫呉の強制移住や人狩り、人種差別する政策になったので騒ぎ出したっぽいので地味に孫呉の重要人物。
呉越同舟とかが有名ですがこの二つの民族は滅茶苦茶仲が悪い。

作者の勘違いで陳敬王羨伝の方の劉寵と循吏列伝の方の劉寵が混ざっちゃってます。
この恋姫世界では陳王であり、善政するけど、野心家な感じのオリジナルなキャラという事で、ご勘弁を…

人物紹介追加 10月22日

後漢書の桓帝の所は涙なくしては読めない。・゜・(つД`)・゜

できれば敵キャラも価値観の違いにより対立したと言う感じにしたいものです。


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