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No.29194の一覧
[0] 【ネタ】甲州風雲録 ~戦極姫3~[月桂](2011/08/05 21:53)
[1] 甲州風雲録 ~戦極姫3~ 第弐話[月桂](2012/02/17 00:43)
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[29194] 甲州風雲録 ~戦極姫3~ 第弐話
Name: 月桂◆3cb2ef7e ID:7a1194b1 前を表示する
Date: 2012/02/17 00:43
 

 信濃上原城から甲斐に戻ってはや数月。
 夏は瞬く間に俺の頭上を通り過ぎ、気がつけば甲斐の山野にも秋の気配が色濃く漂うようになっていた。
 収穫を控えたこの時期、躑躅ヶ崎館は常にもまして騒がしくなる。多くの家臣たちが気忙しげに歩き回り、館の内と外を出入りする姿は、どことなく春先のアリの巣を思わせた。我ながら妙なたとえであるが、館から出て行く者と帰ってくる者が絶えないところが、俺にそんな思いを抱かせたのだ。


 まあ案の定というか、それを口にしたら配下の一人――大蔵長安という――に「なにをわけのわからないことを」と真顔で呆れられてしまったのだが。おまけに長安の肩にいた猿(長安は元は猿楽師だった)にまで歯をむきだしにして笑われた。ちくせう。


 それはさておき、この時期の多忙さは俺のような小身の者であってもかわらない。内向きのこともそうだが、収穫間際の田畑を焼き討ちしようとたくらむ隣国の動静にも注意しなければならないのだ。逆にこちらから敵領に押し込む場合もありえる。
 特に武田家は先ごろ諏訪家を滅ぼしたばかりであり、信濃の国人衆との関係は険悪の一途をたどっている。おそらく、俺も近いうちに再び信濃に向かうことになるだろう。 主君に指図されてから準備するなど誰でも出来る。そのあたりもあらかじめ考慮して動いてこそ良い家臣というものだ、とは頼りになる配下からの献言であった。



 その献言に従って色々と動き回ってはいるものの、ふとした拍子に時間が空いてしまうこともある。
 今日はちょうどそんな日だった。馬場様(馬場信春)に頼まれていた仕事が予想外に早く終わってしまい、午後が丸ごと空いてしまったのである。
 では、城下にある自分の屋敷に戻り、自家の政務(小なりといえど、一応天城家の領地もある)を執ろうかとも思ったが、そちらは日ごろから長安に任せているため、俺が手を出す余地がなかったりする。
 もっとはっきり言うと、下手に手を出すと長安に怒られるのだ。余計なことをするな、と。どっちが主で、どっちが従だかわかったものではないが、実際、こと政務に関するかぎり、長安の能力は俺のはるか上を行くので反論することも出来ない。
 天城家の家宰というのは、明らかに長安にとっては役不足であり、俺はいずれ折を見て長安を御屋形様に推挙するつもりだった。まあ、今の俺は他人を推挙できるような身分ではないので、推挙がいつになるかはわかったものではないのだが。



 それはさておき、急いで館を出る必要はないと考えた俺は、中庭の方に行ってみることにした。
 先刻、顔見知りの庭師から、山ツツジや竜胆が見事に咲いているので、お暇があればご覧になってください、と言われたのを思い出したのだ。
 俺には花を愛でるような趣味はなく、中庭に足を向けたのはちょっとした思い付きに過ぎなかったのだが、中庭に着いた俺は、その思い付きのきっかけをくれた庭師に心底から感謝した。
 何故といって、中庭には予想だにせぬ先客がいたからである。



 秋空の下、咲き誇る花々を見ながら、一心に絵筆をはしらせていたのは御屋形様だった。
 よほど集中しているのか、俺のことに気づく気配もない。
 御屋形様は時々、こうして館の風景を絵筆であらわすことがある。近習としてお傍に仕えていた時も、こんな御屋形様を幾度となく見かけたことがあった。
 御屋形様が対象とするのは花であったり、池であったり、あるいは館そのものであったりするが、どれであっても実に巧みに描かれる。たぶん、普通に絵師としても食っていけるのではなかろうか。


 それはさておき、御屋形様の近習であった俺は、その絵の腕前以外にも知っていることがある。それは、こうして絵を描いている時間が、御屋形様にとっては貴重な休息ないし息抜きの時間だ、ということだ。
 甲斐の国と武田の家を支える御屋形様、その双肩にかかる重責がどれほどのものなのか、俺には想像することすら出来ぬ。だが、それが尋常なものではないことくらいは察することができる。
 ゆえに、御屋形様の憩いの一時を妨げてはならない。その真摯で可憐な横顔を見ることが出来ただけで満足するべきであろう。


 俺はそう考え、そっとその場を立ち去ろうとしたのだが――
「……あ、あれ、颯馬?」
 別に足元の何かを蹴飛ばすようなへまをしたわけではないのだが、御屋形様に気づかれてしまった。もしかしたら、ちょうど絵の作成に一区切りがついたところだったのかもしれない。
 めずらしく、慌てたように声を高めた御屋形様であったが、俺を見る眼差しはすぐにいつものそれ――武田家当主としての威厳と慈愛を感じさせるものにかわっていた。
「どうしました、そのようなところで? 物陰から主君の顔を盗み見るのは、あまり良い趣味とはいえませんよ」
 そう言うと、御屋形様は、それが冗談であると告げるように小さく微笑み、俺を手招きした。


 主君に招かれては応じざるを得ない。俺は恐縮しつつ、御屋形様の前に歩み寄り、頭を下げた。
「失礼いたしました。庭師から、ここの花が綺麗に咲いていると聞いたもので、どんなものかと見に来たのですが」
 まさか御屋形様がおられるとは思わなかったのです。
 恐縮する俺に向け、御屋形様は口を開く。
「構いません。庭師が丹精込めて咲かせた花たちです。見るのが私だけではもったいないでしょう。もっとも、颯馬の視線は花ではなく私に向いていたようですが?」
「おかしいですね。それがしは一番綺麗な花を見ていたつもりだったのですが……」
 追従にあらず。本心である。
「……は、はい?」
 一瞬、何を言われたのか、という感じで目を瞬かせた御屋形様だったが、すぐに俺が言わんとするところを悟ったのか、その頬は瞬く間に朱に染まった。


「そ、颯馬、追従を口にするのは感心しませんよ?」
「本心なのですが」
「た、たとえ本心であっても……あ、いえ、その私とて一人の人間ですから、花のように美しいとほめてもらえるのは、と、とても嬉しいのですが……」
 群臣の前にあるときは常に冷静沈着な面持ちを崩さない御屋形様が、視線をさまよわせながらあたふたしている様は、なんというか、実に良い。これだけで向こう一ヶ月くらいは休みなしに働けるくらいに良い。
 いつまでも眺めていたいが、さすがにこれ以上主筋の方を戸惑わせたままにしておくのは申し訳ないので、俺は話題を転じることにした。


「竜胆、でございますか?」
 御屋形様の絵をちらとのぞき見た俺は、そこに描かれている釣り鐘型の花を見て、花の名を口にした。
 御屋形様は俺の気遣い(?)を察したのか、こほんと咳払いしてからこくりと頷く。
「秋に咲く花はどこか淋しいもの。これから冬に向かうという人の思いが、そう感じさせるのでしょう。ただ、それゆえにこそ、そこには春の花にはない味わいがあると思うのです」
 言いながら、御屋形様は絵筆を走らせ、紙面の花は見る見るうちに形を得ていく。ただ、そこにあるのは竜胆のみで、周囲に咲いている山ツツジ等は描かれていなかった。どうやら御屋形様は中庭の風景ではなく、竜胆だけを描いているらしい。


 むろん、そのことに異議を唱えるつもりはない。芸術的感性など薬にしたくてもない俺が、御屋形様の絵の構図に口をはさむなどとんでもないことだ。
 しかし、である。竜胆だけを描くのであれば、鉢にでも移しかえて自室で描いていただけないか、とは思ってしまうのだ。
 まだ日が出ている時刻とはいえ、夏はとうの昔に過ぎ去り、山国である甲斐の山野には涼風が吹いている。長時間、この風にあたっていれば身体が冷えてしまうだろうし、体調を崩してしまう恐れもある。


 そう考える一方で、部屋の中ではなく、外で絵を描いてこそ気晴らしになるのかもしれない、とも思う。
 どうしたものか、と俺が内心で苦慮していると、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、御屋形様がこんな問いを発された。
「颯馬。花言葉、というものを知っていますか?」
「花言葉、でございますか」
 俺は首をかしげる。聞き覚えながい言葉だった。
「いえ、存じませぬが、それはどのようなものなのでしょうか?」
「山野に咲く種々の花々に言葉を託す異国の風習だとのことです。先日、駿河より来た商人の一人から聞きました」
「それは雅な習わしですね。ふむ……」
 何か気の利いたことを言おうと頭をひねってみたものの、何も思い浮かばなかった俺は自分自身に失望しつつ、御屋形様の様子をうかがう。


 御屋形様は俺にちらと視線を向け――おそらく、俺が何か言おうとして、結局何も思いつかなかったことを察したのだろう。くすくすと楽しげに笑っていらっしゃった。ぬう、なんかとてつもなく恥ずかしい。
 俺が羞恥で頬を赤くしていると、御屋形様はこれまたすぐに気づいたようで、慌てたように表情を改め、取り繕うように口を開く。いつもより少しだけ早口だった。
「興を覚えて幾つか訊いてみたのですが……ふふ、不思議なものですね。いえ、あるいは当然のことなのかもしれませんが、異国人も秋の花には物悲しさを覚えるようで、竜胆の花言葉は『淋しい愛情』というのだそうです」
「『淋しい愛情』ですか。それはたしかに物悲しいですね」
 俺は中庭に咲いている竜胆に視線を向ける。こうして見る分には淋しげな花だとは思わないが、野山で見かける竜胆の花は群生せずに一本ずつ咲いている。そのあたりも、そんな花言葉がつけられた理由の一つなのかもしれない。


 俺がなんとなく思いついたことを口にすると、御屋形様はにこりと微笑んだ。
「良いところに気がつきましたね、颯馬。おそらくそれと関わるのでしょう。『あなたの悲しみに寄り添う』という花言葉もあるそうですよ」
「……なんと申しますか、花言葉というのはとても情緒的なものなのですね」
「たしかに、すこしばかり気恥ずかしく思えてしまうかもしれませんね。とくに殿方には」
 御屋形様は笑みを絶やさぬままにそう口にした。
 だが次の瞬間、ふと、その顔にそれまでとは異なる色合いが浮かんだように思われた。
「――言葉は人の想いを映すもの。竜胆の花に淋しい言葉を託した者の中には、やはり淋しさがあったのかもしれません。それを遠く離れた異国のわたくしたちが、今日、こうして知るを得た。ならば、その淋しさにもなにがしかの意味があったといえるのかもしれませんね……」


 そこで御屋形様は不意に我に返ったようだった。どこか慌てた様子で絵筆をしまい始める。
「す、すみません。愚にもつかないことを言いました。風も冷えてきたことですし、そろそろ部屋に戻ることにします。颯馬も勤めが終わったのならば、はやく屋敷に戻って、たまには家臣たちをねぎらってあげなさい」
「は、かしこまりました。ただ、ひとつだけ申し上げたきこと」
 不思議そうに俺を見る御屋形様に向け、短く気持ちを告げる。
「決して愚にもつかないことなどではございませんでした。少なくとも、それがしにとりましては」
 俺がそう言うと、御屋形様はわずかに目を見開き、そして今日一番と断言できる柔らかい笑みを浮かべた。
「……ありがとうございます。ふふ、颯馬にはときどき驚かされてしまいますね」
「う、驚かせるつもりはまったくなかったのですが」
「わかっていますよ。さて、それでは私はここで。颯馬もわかっているとは思いますが、戦のときが近づいています。くれぐれも身体をこわしたりしないでくださいね。あなたは今やれっきとした武田の武将なのですから」


 そう言うと、御屋形様は何か思いつかれた様子で、ぱんと両手を叩いた。
「そうですね。今度は颯馬の凛々しい武者ぶりを描いてみましょうか」
「りりッ?! あ、いえ、それはあまりに恐れ多いことで……」
「ふむ。颯馬は私に描かれることに興味はない、ということですか……」
「い、いえ、そ、そんなことは決してございませんが、しかし――」
 沈んだ様子の御屋形様になんと言ったものかと俺は頭を抱えかけたのだが、見れば御屋形様はくすくすと笑っていらっしゃる。これはどうやらからかわれたらしいと悟り、俺はおもわずじと目で御屋形様を見つめてしまった。
 すると、御屋形様は軽やかに微笑みつつ――
「ふふ、最初に私をからかったのは颯馬でしょう? これはその仕返しです。甲斐の虎がやられっぱなしであるとは思っていませんよね」
 その姿に、つい先ほど感じた淋しげな様子は見て取れなかった。
 からかわれたことよりも、その事実に俺はほっとする。そして、これ以上御屋形様を引き止めてはならないと思い、この場を去ろうとしたのだが――嵐は突然にやってきた。




 
 

「花も恥じらう美しさ、それすなわち私のこと! 風のごとく内藤、おのが噂を聞きつけて、ここに参上! ――おや、御屋形様に天城殿ではありませんか。このような場所で私の噂話に花を咲かせずとも、およびいただければすぐに参りましたものを。さあ、この美々しき身体をご堪能あれッ!」
 唐突に姿を現した秀麗な容姿の青年が、こちらに口をはさむ隙もあたえずに言葉を重ねた挙句、おもむろに上衣に手をかける。
 ちなみに、青年の台詞も行動も冗談などではなく、本人がきわめて真剣であることを俺は知っている。御屋形様もご存知である。なにしろこの方こそ、武田家にその人ありと謳われる風林火山の一角、『風』の内藤昌秀様、その人なのだから。


 常であれば、御屋形様が苦笑まじりにたしなめるところなのだが、いきなりの出現に咄嗟に声が出ない様子である。
 俺は俺で、身分に差があるために力ずくで制止するわけにもいかず、手をこまねいていた。
 このままでは見たくもない男の裸体を見せ付けられてしまう、という俺の危惧は、しかし、幸いにも杞憂に終わった。救世主が現れたからである。


「御屋形様に妙なものを見せるでないわッ!」
 その異名のごとく、雷のごとく現れ、内藤様を吹っ飛ばした人物の名を真田幸村という。
 さすがに武器は用いていなかったが、幸村の掌底を胸元でまともに受けたのだ。内藤様は筋骨隆々という型ではなく、むしろ男にしては細身にすぎるほどの体格であり、その身体はひとたまりもなく宙を飛んだ――のだが。


 さすがというか何というか、内藤様は地面に叩きつけられる前に、空中でくるりと華麗に身体を翻すと、両の足でしっかりと着地してみせたのである。俺と御屋形様がそろって拍手してしまったほど、見事な身のこなしであった。
「これはこれは真田殿。今の打ち込みの速さは素晴らしかったですよ。しかし、妙なもの、とは聞き捨てなりませんね。十三で初陣を迎えてから今日まで戦場に出ること数知れず、しかし刀はおろか矢の一つも受けていない、この一点の染みもない私の美しき身体のどこが妙だというのです?」
「時も処もわきまえず、おのが裸体を晒したがる男が妙でないとでも? 妙な男の身体は妙なものに決まっているでしょう」


 それを聞き、内藤様は、ふ、と軽やかに微笑んで見せる。磨きぬかれた白い歯に、秋の陽光がきらりと反射したような気がした。
「その理論は美しくありません。しかし、私は真田殿を咎めはしませんよ。真の美を見たことのない者が、真の美を知らぬは道理。ゆえに真田殿には今日こそ真の美とは何であるかをしっかりと見せてさしあげましょうッ!」
 そう言うや、再び上衣に手をかける内藤様。
 まだ懲りぬか、と言いたげに幸村が一歩足を踏み出した。


 だが、再度の激突は未発に終わる。ふと自分の胸に視線を向けた内藤様が、そこにあざやかに刻まれた青あざに気が付いてしまったのだ。むろん、先の幸村の打撃によるものである。
「……おおおおッ?!! わ、私の白く美しい胸元に青いあざが……ッ?! な、何という、ことだ……」
 がくり、とくずおれるようにその場にうずくまる内藤様。
 傷一つない身体の美々しさを誇っていただけに、青あざの一つであっても膝を折るほどに衝撃であったのか――などと思ったのだが。


 がばっと身を起こした内藤様は、天にも届けとばかりに叫ばれた。
「……なんと、なんと美しいッ! 白と青の調和。ひときわ目立つ青が美白を強調し、我が美をさらに際立たせる。ふふ、いい、素晴らしい! 真田殿、感謝いたしますよッ!」
「……いや、感謝など心底どうでもいいので、御屋形様の前での振る舞いをもう少し改めてください」
 言葉どおり、心の底からうんざりした様子で幸村はそう口にするのだが、内藤様の耳には届いていないようだった。
「ふふふ、はーはっはっは! さあ御屋形様、この内藤、描かれる準備は万端。存分に、心行くまで、我が美を絵筆にて写し取ってくださいませッ。御屋形様の英名が後世まで轟くことはすでに確定しておりますが、この身を描くことで、その栄えある名はより高く飛翔することでございましょうッ!!」
「だから脱ぐなというに! ええい、目上の方ゆえ我慢を重ねてきたが、これだけ言ってもわからぬのであれば是非もなし。我が槍にて御屋形様の視界を清めてさしあげねば――ッ!」





「いつものこととはいえ、賑やかなものですね」
 二人のやりとりを聞く間に落ち着きを取り戻したのだろう。御屋形様がくすくすと笑う。俺は苦笑まじりにうなずくことしかできなかった。






◆◆◆






 自覚はなかったが、予期せぬ御屋形様との邂逅を経て、俺はよほど上機嫌であったらしい。まあ最後に余計な一幕があったが、気にしてはいけない。
 自分の屋敷(というほど広くもないが)に戻った俺を出迎えた――もとい、たまたま玄関で顔を合わせた長安は、常の無表情を保ったままわずかに首を傾げて問いかけてきた。
「何かあったの? 顔が緩んでいるけれど」
「うむ。とても良いことがあった」
「そう。ただ、その顔で屋敷を歩くのはやめた方が良いでしょう」
「む……そんな変な顔をしてるか?」
「ええ」
 淡々とうなずくと、長安はさっさと出て行ってしまう。何か用事があったのだろう。愛想がないのはいつものことである。というか、愛想のある長安とか、とても想像できない。
 俺は長安の忠告に従い、意識して顔を引き締めつつ、自分の部屋に戻ることにした。


 


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