『さて、高町勇治。あれが現在我々が敵対する最強の転生者キラ・ヤマトだ』
で、どんなバカだ?
リーゼフランさんの質問に僕はなんと答えていいものやら迷う。
取り敢えず、能力を纏めてっと、送信。
「とんでもないバカです」
こう答えるしかなかった。
『……』
リーゼフランさんも送った能力を確認するなり沈黙する。
『……最悪だ』
2分後、ようやくそれだけを呟く。
まあ、寿命ペナないしなぁ。
正直倒す方法が思いつかん。
僕の知る限り、倒せそうなの生前の山田さんぐらいじゃねーの?
『完全に転生後の人生を捨てている……スクライアのリーンと同じタイプ、まあベクトルは逆だが。これは本格的にエーリヒの成長待ちか……』
どうやら彼女には打倒方法があるらしい。
一応条件はあるようだが。
「ところで、カーミィナルって人はどんな人なんです? かなりアレに見えましたけど」
『ん? ああ、気にせんでいい。その内、覇気使いかゴム人間に当てて始末する』
嫌っているとか、そういうレベルじゃなくて、本気で殺す気だ……どんだけアレなんだカーミィナルさん。
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新暦50年に時空管理局で起きたグレアム派による大々的な改革は、それまでの構造を一変させた。
最大のキモである「サーヴァント・システム」、これにより時空管理局の構成員は一年後には倍以上に増大した。
そして、それまでAAAランク以上は管理局全体の5%と言われていたものが、60%以上となる。
システムの開始直後は、最大2ランク上までの使い魔を所有できることから、格上の使い魔を所持したはいいが逆にコンプレックスに苛まれる局員も発生した。
が、これはすぐに解決する。
本来、主の魔力が生命線の使い魔だが、「サーヴァント・システム」の使い魔たちの魔力の源は無限の魔力を持つリーゼフランである。
逆に使い魔から魔力を供給することができることが判明したため、武装隊などからは両手を持って受け入れられることとなる。
また、ドールマスターなどと揶揄される複数の使い魔を効率的に運用する局員により、殆ど使い魔で構成される部隊が出現するなど陸でも空でもシステムの恩恵を受けていた。
同じように海でも、普通に優秀な執務官が強力な使い魔と組むことで効率が上がるほか、不良執務官に対する首輪として機能するなど枚挙にいとまがない。
同じく無限書庫の整理終了に伴う情報の開放は、主にロスト・ロギア対策に大きく貢献することとなる。
それ以外にも書庫の情報が、事件解決に貢献するという事例は増え続け、いつしか当たり前のこととなっていく。
と、これらは主に局員一人一人、個人への変化である。
管理局全体で見ると、この改革で最も恩恵を受けたのは陸で、予算は微増であったものの、権限は海とほぼ同等となる大幅な拡大を見せた。
実際には海が大きく権限を失ったのだが、それでも本来本局に一極化していた権限が各世界の現地政府に譲渡され、各地の地上本部と一体化することで陸は充実した戦力と権限を手に入れる。
さて反対に権限を大きく失った海だが、戦力の上乗せは陸の比ではない。
それまでの比率で言えば陸が数倍の戦力を得ているが、初期値が異なる海は純粋に倍の戦力を得た。
これまで100隻体制の次元航行艦隊が、新造艦の入れ替えと共に順次200隻体制に移行する。
ただし本局直属の肩書きは失い、分艦隊規模で各管理世界に駐留する形となった。
本局に残るのは艦隊司令部と幕僚監部のみである。
変わって本局の実権を握ったのが査監部、情報部、無限書庫で構成される、所謂グレアム派の中枢である。
この改革で権限を大きく失うことになる──主に海の──権力者たちは必死に反発するものの、当時本局の4割を占めたグレアム派がバックに最高評議会と三提督を背負っては抵抗できるものではない。
最後の抵抗に海が本局を離れることで起こる防衛力の低下を挙げたが、『女王艦隊』の登場で即座に封殺されてしまう。
こうして、改革後の時空管理局は本局、海、陸のトロイカ体制で運営されていくこととなる。
この体制は10年後のエミヤズによる本局襲撃事件まで維持される。
この事件で失墜した本局の権限を取り戻そうと海の旧権力者が暗躍するが、同時期に発生したほかの転生者が起こした事件で本局以上の無様を晒し、陸も根本的な対処はできなかったことで体制そのものは崩れることはなかった。
が、『ザ・ワン』エミヤの弾劾。
『フン。これが世界を支配する組織か……第一管理局という名前が良くない。管理という言葉は支配とも取れる。自分たちが観測した世界は己が支配域とでも思っているのか強盗のごとき介入で併合をおこなうなどもっての外。なにが法の守護者か。まるで侵略者ではないか。それにロスト・ロギアに関しても合法だからと持ち主の意思を無視して持ち去るなど言語道断。悪法など法にあらず。最早こんな組織は存在に値しない最悪のものだ。最低だ。腐りきった膿みは丸ごと消去してやろう。感謝するがいい今ここで死ぬことを。世界を捻じ曲げずにすむのだ。それが貴様ら屑に許された唯一の権利だ』
『sekkyou』スキルにより語られたそれは、サーヴァント・システムにより一定の洗脳耐性を備えていたにも関わらず、多くの局員を動揺させる。
そして、どこかの誰かによりこの事件は全管理世界へ実況中継されたため、各管理世界住人の時空管理局への信頼を揺るがせるのに十分だった。
これにタイミング悪く『百計の』ゼロの連続爆破テロ、『金色の』ギル・ディランに『無限剣』ロードリッヒ・セルバイアンが各世界で起こす事件の解決を海も陸も尽く失敗、管理局の威信は地に落ちる。
かといって、各管理世界が単独でそれらをどうこうできる訳もない。
『新たな組織、いや管理局でもいいのだが、世界で我が物顔に事件を起こす犯罪者どうにかして欲しい!』
当時の各管理世界住民の紛れもない本音である。
そして、やはりというかここで主導権を握ったのはリーゼフラン・グレアムである。
即座に幹部を招集して、局員の動揺を収めるために時空管理局を「全時空平和委員会」に改名する。
同時に、エミヤズほか3名を『フリーダム』と呼称、『フリーダム』対策本部を立ち上げる。
この時点での「全時空平和委員会」所属の転生者は15名。
・バラン・テスタロッサ(46)総合Sランク魔導師 ミッドチルダ行政府管理局顧問
・極東日昇(40)非戦闘員 最高評議会付き科学者
・カールライト・テスタロッサ(31)総合Sランク魔導師 首都航空隊司令
・リーゼフラン・グレアム(30)非戦闘員 査監部長
・リーゼエルザ・グレアム(30)総合SSランク魔導師 無限書庫長
・リーゼマリナ・グレアム(30)Sランク結界魔導師 情報部長
・謎野食通(なぞのたべみち)(30)陸戦SSランク魔導師 ゼスト隊副隊長
・ロベルト・パーティアス(28)SSSSランク結界魔導師 次元航行艦艦長
・レオン・T・スラッシャー(26)空戦SSランク魔導師 首都航空隊所属
・ウィンド(25)強い 査監官
・八神迅雷(24)魔力値SSSSS 査監部第5課課長
・プリンス・ツールフ(22)総合SSランク魔導師 執務官
・グラハム・イェーガー(22)空戦SSランク魔導師 教導官
・ウィリー・カタギリ(22)非戦闘員 本局技術研究部主任
・マイヤー・ディアーチェ(21)総合SSランク魔導師+ヴォルケンリッター 特別捜査官
そして対『フリーダム』部隊のメンバーには、襲撃事件で死にかけたグラハム以上の戦闘力を持つことが条件とされた。
よって、初期メンバーはウィンド、八神迅雷、プリンス・ツールフ、マイヤー・ディアーチェの4名。
これに翌年入局したエーリヒ・ヨアヒム・ルーデルが加わる。
新暦62年以降、民間からペンドラゴン、カウリ、ルミカ・シェベルが嘱託として参入する。
カウリとルミカは共にDSAAのインターミドル・チャンピオンシップの世界チャンプ(カウリは54~62年まで9連覇、ルミカは63年度チャンプ)で、嘱託とはいえ全平和会への入局は多くのプロ格闘団体が涙を飲んだという。
カーミィナル・ドーンは覚醒直後に己が能力で研究施設を破壊、したらしたで辺境の何もない場所で途方に暮れていたところをリーゼフランらに保護され、能力を鼻にかけわがまま放題に暮らしていた(貧乏スキルのためグレアム家から離れるという選択肢はなかった)が、15歳になった新暦64年に部隊に放り込まれている。
(なお、後の『フリーダム』二強の一人リュウ・サカザキと、プリンスがライバル視している孫悟欽も嘱託で誘われたのだが、「俺より強い奴になら従おう」「オラ、もっと強ぇヤツと戦いてぇな」と断られている。この後、二人ともちょっとした事件をおこし、通常戦力では対処できないので『フリーダム』に数えられている)
こうして現在に至る。
この間、キラ・ヤマトが行動を開始、僅か1年で数百万人の負傷者を生み出し3つの管理世界を経済破綻に追い込むも、直接の死者は皆無。
翌年の部隊員6人を投入した討伐作戦も失敗に終わり、キラに関しては65年のクラナガンの防衛戦まで自然災害扱いされることとなる。
60年以降の全平和会所属の転生者は以下の通り。
・エーリヒ・ヨアヒム・ルーデル 空戦SSSSランク魔導師 武装隊所属
・ペンドラゴン 強い 嘱託
・カウリ 強い 嘱託
・ルミカ・シェベル SSランク結界魔導師 嘱託
・カーミィナル・ドーン SSSSSランク結界魔導師 嘱託
・ヘンリー・コールドウェル 空戦AAAランク魔導師 首都航空隊所属
・ミストナム・フライム 総合Sランク魔導師 嘱託
・カイト・ゴーダ 空戦Sランク魔導師 嘱託
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「そうだな、ジェイル・スカリエッティのクローン元というのは可能かい?」
転生の間に、一人の転生者の声が響く。
『可能だ。……40Pとしよう』
ただし、強制的に出身はアルハザードとなるが。
『神』の言葉に動揺することなく転生者は頷く。
「問題ない。それで、その場合のPは?」
『-1000P』
「それは、大盤振る舞いだ」
なるほど、必ず滅びる=必ず死ぬ運命か。
いや、しかしなんの問題もない。
大嫌いなスカリエッティへの嫌がらせを考えに考えたのだ。
何が嫌いか?
ラスボスとして見た場合、そのキャラクターがその転生者にはどうしても受け入れられなかった。
故に彼は転生するにあたって、スカリエッティへの嫌がらせをするためだけに第2の人生全てを費やす覚悟を決めたのだ。
sts時間軸に転生し、原作より鮮やかに事件を解決することも考えた。
が、頭上に輝く21の魂がある以上、他にも転生者がいるわけだ。それも相当数。
であるならば、原作にこだわるのは危険とその転生者は判断する。
ならば過去。
他の転生者が思いもつかない時期に、ありとあらゆる手段でスカリエッティへの嫌がらせを敢行する。
「では、これに、これと……そうだ変におかしくなって世界を滅ぼすのは本位ではないな。ボケ防止のようなスキルはないか?」
『ふむ、では脳の劣化や老化、病気による痴呆などまとめて防止で250Pとしよう』
「おお、丁度いいな」
案外この手の特殊スキルが記載されていなことに、まあそうだよなと変に納得しながら転生者は頷く。
「残りは60Pか……よし」
しばし思考し、
「名前は、オーリシュデ・チューニーノ・ジャッキーガーンにしよう」
ニッコリと笑みを浮かべ宣言する。
『……』
「オーリシュデ・チューニーノ・ジャッキーガーン。これで60P」
宣言する。
『……わかった』
『神』はしばし沈黙するが、どうでもいいかと許可を出す。
自身がアレな名前になろうと構わない。
本格的にスカリエッティへの嫌がらせのみに人生をかけていた。
「ああそうだ、先に戦闘機人より高性能なものを造っておいてあげよう」
その転生者は最高の笑顔を浮かべ、転生した。
《転生者一覧が更新されました》
【オーリシュデ・チューニーノ・ジャッキーガーン】
年齢:死亡(/100歳)
・出身:アルハザード(-1000P)
・超天才(250P)
・製造:ロスト・ロギア(500P)
・製造:神器複製[限界突破]
・製造:神器創造[限界突破]
・ボケ防止(250P)
・スカリエッティのクローン元(40P)
・名前:オーリシュデチューニーノジャッキーガーン(60P)
【神器:無敵戦艦『キング・アルティメット・スーパー・ジャッキーガーン』】[限界突破]
【神器:神剣『ウルトラ・ハイパー・クリティカル・オーリシュデソード』】[限界突破]
【神器:神盾『グレート・スペシャル・エクセレント・チューニーノシールド』】[限界突破]
現在地:次元の狭間・アルハザード
【エメラルダ・カスティン】
年齢:死亡(/100歳)
・出身:古代ベルカ(-300P)
・総合SSランク魔導師(100P)
・総合SSSランク魔導師[限界突破]
・マルチタスクLv10(30P)
・魔法少女:呉キリカ(150P)
・容姿:超美形(100P)
・恋愛:イングヴァルト(20P)
【大殺界:停止】[限界突破]
【守護者:覇王】[限界突破]
現在地:虚数空間
【ローランド・バスターバルカン】
年齢:死亡(/100歳)
・出身:古代ベルカ(-300P)
・総合SSランク魔導師(100P)
・総合SSSランク魔導師[限界突破]
・マルチタスクLv10(30P)
・ARMS:ナイト・第一形態(250P)
・ARMS:ナイト・最終形態[限界突破]
・容姿:美形(20P)
【守護者:聖王】[限界突破]
現在地:虚数空間
キラ・ヤマトという転生者から見ても常識外れの極限を目にした翌日、またしても頭のおかしい転生者が一覧に記載された。
この世界ではアルハザードは普通に実在したようだ。
どうも千年ほど前まで現在の管理世界以上の次元世界を支配していたらしいが、どうも不死者の法が大隆盛し件のオーリシュデさんに殲滅された上、次元の狭間に沈められたという話だ。
この後、所謂古代ベルカ諸王時代に移行していくらしい。
で、その時に話に出た聖覇の双騎士の名を聞いたら2名の転生者が一覧に追加される。
これは、結構過去にいろいろやってる連中が他にもいるかもしれないなぁ。
『やはりオーリシュデは転生者か。歴史を変えたという点では間違いなくトップクラスに位置するな。なにせアルハザードをおとぎ話でなく現実の話にしているからな』
リーゼフランさんは複雑そうな顔で言う。
「個人的にはオーリシュデの欄にある【神器】3つが気になるのですが?」
『ああ。それは気にしなくてもいいだろう。旧暦の462年にどれも消滅している。ちなみにそれをやったのが聖覇の双騎士、オリヴィエ聖王女の騎士ローランド・バスターバルカンと覇王イングヴァルトの騎士エメラルダ・カスティンの2人だ』
2人とも聖王教会が公式に認める聖人だぞ、と彼女は苦笑する。
あー、確かに2人とも下心まみれっぽいからなぁ。
聖人とか言われてもピンとこない。
「で、その2人、イロイロ出来たんですか?」
『結論を言うと、出来なかった。どうも時代が微妙にずれていたらしく、オリヴィエ、イングヴァルト両名からは親や師匠のように見られていたようだ』
まあ、そのへんは諸説あるがな、と彼女は言った。
なんだかんだとPがそこまで高くないせいで、恋愛スキルはそこまで便利なもんではないらしい。
リーゼフランさんから聞いたが、全平和会に所属している恋愛型の転生者は複数いるが、結構苦労しているらしい。
なんだかんだ言っても相手のご機嫌取りは必要だし、本人は納得しても家族に認めさせるのにスキルは効果が発揮しないから、結婚するまで長引いた人もいるとのことだ。
他にも転生者本人の要領が悪いせいで、恋愛対象にいいように振り回されているのもいるらしい。
なかなか恋愛方面も大変なのだなぁ、とスキルを持たない僕は人ごとのように思う。
後悔先に立たずとはよく言うけれどこの時、もう少しちゃんと考えていれば、6年後のゴタゴタはなんとかなったのだろうか?
『話は戻るが、オーリシュデは[限界突破]の神器関連より、造りに造ったロスト・ロギアの方が問題でな』
実は夜天の書はコイツが原型を造った。
しかも、同型のものがあと12個ある。
「そりゃまた、大変ですねぇ」
なお、夜天の書のほか晴天・雨天・曇天・霧天・暗天・荒天・昼天・暁天・宵天・雪天・嵐天・曙天の全13冊、通称「天の書シリーズ」とか呼ばれているらしい。
ちなみに残る12冊は無限書庫に眠っていらたらしく、現在は無限書庫の司書長になる条件が書のマスターになることが必須。
なんか伝説の十二司書長とか妙な逸話がひとり歩きしているとか。
『他にも戦闘機人より強力な人造人間、パーフェクト・ソルジャーなんかも造っていてな』
リーゼフランさんが極東氏と「サーヴァント・システム」を構築していたときに、ジェイル・スカリエッティがP・Sを再現しようとした戦闘機人計画があがってきたのだが、戦闘力(現在最大でSSランク、理論上SSSランク以上も可能vs今のところSランクが限界)・準備期間(今すぐできるvs最低1年欲しい)・準備資金(いらないvs最高評議会の機密費8割)全ての面で「S・S」に劣ったために最高評議会に「お前、思った以上につかえねぇな」と放逐されてしまったのだ。
因みにパーフェクト・ソルジャーとはSSSランク戦闘魔導師に匹敵する人造人間で、古代ベルカの冥王の覇業に大いに貢献したらしいが、これも先の双騎士に殲滅されている。
先の神器3種も冥王が所有しており、つまるところ冥王の覇業は転生者2名により頓挫したこととなる。
『で、ゆりかごもコイツが造った』
よりによって100隻以上造ったとか記録にある。
うわ、こんなのがクローン元とか、スカさん本気で涙目すぎる。
そのスカリエッティであるが、放逐後かなりの期間消息不明であったが昨年史実通り、クイント・ナカジマがギンガとスバルを保護しており、どうやら折れることなく研究を続けていらしい。
恐らく『フェアリー・ガーデン』に拾われたんだろう、とリーゼフランさんは言う。
なるほど、僕は他の管理世界が秘密裏に囲ったのかと思ったが、パープル・エイトクラウドが例のアレだとするとそのくらいしても不思議じゃない。
しかし、パープルさんは何がしたいんだろうな?
閑話休題。
ただ、ゆりかごは所謂「聖王のゆりかご」以外、冥王軍と諸王連合の最終決戦で『無敵戦艦』に尽く破壊されたとか。
他にも、レリックやエクリプスウィルスにその特効薬、アルハザード滅亡の原因となる不死の秘法など世に出れば確実に騒動になりそうな研究成果を上げている。
幸いなのはその大半がデータを搭載した『無敵戦艦』ごと消滅していることだが。
「要するに、この世界ロスト・ロギア関連は……」
『ああ、だいたいコイツのせいということになる』
なんてことだ……